著者
高田 稜一 高橋 江梨香 内田 孝紀 杉谷 賢一郎 谷川 博哉 野口 尚史 平田 勝哉
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
流体工学部門講演会講演論文集 (ISSN:24242896)
巻号頁・発行日
pp.OS03-05, 2020 (Released:2021-05-25)

In the present study we investigate the relationship between various aerodynamic characteristics and attack angle α for FP (a flat plate), NACA0015 and iNACA0015 (the NACA0015 placed back to front) by numerical analysis and water-tank experiment at Re = 100 – 800. Then, we reveal the effects of α upon various aerodynamic characteristics such as the lift coefficient CL, drag coefficient CD and the lift-to-drag ratio CL/CD. In order to discuss these revealed α effects, we further visualize the flow around the airfoils in terms of the velocity vector, vorticity and the Q value at α = 0 – 30 deg., based on PIV analyses by water-tank experiment. Such results suggest that FP is similar not with NACA0015 but with iNACA0015 from an aerodynamic point of view.
著者
山本 隆久 内田 清久 斉藤 洋一
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.49-60, 1987-06-30 (Released:2012-11-13)
参考文献数
30

ラットに回腸広範囲切除を行い,最長12カ月までの胆汁酸代謝の変化につき検討した.回腸切除により糞中胆汁酸排泄量は増加し,胆汁中胆汁酸分泌量,胆汁酸プールサィズ,胆汁酸の腸肝循環回転数,胆汁酸の吸収効率は低下した,これらの変化は術後4週よりみられ,術後12ヵ月経過しても改善されなかった.肝では回腸切除により,胆汁酸特にCAの生合成が亢進し,CA系胆汁酸:CDCA系胆汁酸の比は術後6ヵ月まで増加した.反転小腸を用いた胆汁酸の吸収実験では,回腸切除後6ヵ月経過しても残存上部小腸に胆汁酸の能動吸収は認められなかった.以上の結果より,回腸広範囲切除により招来された胆汁酸吸収障害は,長期経過後も改善され得ないと結論される.
著者
内田 博
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.111-122, 2017

コサギは1970年代には埼玉県の東松山市周辺の地域では普通にいた種であったが,最近になり急激に個体数が減少した.減少は1990年の中頃から始まり,2004年には稀になるほど個体数は減少し,2015年現在も回復していない.そこで,他のサギ類の個体数,餌動物であるエビ類や魚類の生息数,コサギの捕食者と考えられるオオタカの繁殖個体数を調べた.調査地のサギ類はコサギが激減したが,大型種であるダイサギ,アオサギは個体数が増加していた.しかし,エビ類や魚類は生息していて,餌動物の枯渇によるものではなかった.一方1970年代にはいなかった鳥類の捕食者であるオオタカは1980年代から急激に増加した.オオタカはサギを捕食することがあり,ダイサギの捕食もする.コサギは冬期には単独で広い水田や,谷津環境の湿地で採食するので,オオタカによる捕食で,犠牲になったコサギの被食痕も見られた.これらのことから,コサギの減少要因としてオオタカによる越冬個体の捕食が考えられたが,同時期に起こった,餌動物が競合するカワウの増加の影響や,オオクチバスなどによる小型魚の食害などの影響の可能性もあり,これらの要因がどのように関連しているのかも明確にする必要がある.
著者
内田 憲二 宮本 武典 佐藤 俊英
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.56-66, 2000-02-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
21

無麻酔・無拘束下のウサギのリズミカルな咀嚼運動に対する嚥下の影響を調べた。咀嚼時と嚥下時に下顎運動軌跡と咬筋, 顎二腹筋, 甲状舌骨筋の筋電図を記録した。固形飼料の咀嚼運動中の嚥下の影響は5つのタイプに分類される。 (1) 嚥下が下顎運動の開口相に影響し休止期を示すもの (OPタイプ), (2) 閉口相に影響し休止期を示すもの (CLタイプ), (3) 閉口相と開口相の両方に影響し休止期を示すもの (CL/OPタイプ), (4) 閉口と開口の両相に対して影響しないもの (Non-influタイプ), (5) 不十分な閉口相を引き起こし, 長い休止期の後に開口相に移行させるもの (Pタイプ)。観察された嚥下の52%がOPタイプ, 26%がCLタイプ, 12%がCL/OPタイプで10%が他のタイプであった。CLタイプとCL/OPタイプでの閉口相の変調は, 固形飼料の咀嚼中歯根膜からの入力による咬筋活動の抑制に関与し, OPタイプとCL/OPタイプでの開口相の変調は, 咽頭性入力による顎二腹筋活動の抑制に関与すると結論できる。
著者
元賣 睦美 吉瀬 蘭エミリー 松山 博昭 細谷 知広 門岡 幸男 浅田 千鶴 内田 俊昭 川上 浩
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.442-446, 2007-10-15 (Released:2007-11-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

ラクトフェリン可溶化鉄(FeLF)は溶解性および生体利用性に優れ,鉄特有の異風味を殆ど呈さない特徴を有する.本研究では貧血傾向のある成人女性にFeLFを含有したサプリメントを12週間摂取させ,FeLFが貧血指標に及ぼす影響について検討した.その結果,血中Hb値13g/dl未満あるいはフェリチン濃度45ng/dl以下の被験者において,血中Hb濃度,MCV,MCHおよびフェリチン濃度が有意に上昇した.また,血液生化学的検査項目に関して臨床上の問題は認められず,一般的な鉄剤にみられるような胃痛やむかつき等の副作用もまったくみられなかった.以上の結果から,FeLFは医薬品で治療するレベルではない貧血傾向あるいは潜在的貧血傾向の人々が安心して日常の食生活の中で摂取できる安全性の高い素材であると考えられた.
著者
橋本 隆夫 内田 正博 小紫 重徳 光末 紀子 石川 達夫 三木原 浩 平野 雅史 石光 輝子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

冷戦構造の解体後の新たなナショナリズムのうねりの中で、ユーロ通貨統合に象徴される統合体としてのアイデンティティを模索するヨーロッパの文化の交錯をめぐるわれわれの研究は、これまでの成果を深めさらに一層の広がりと深みの地平を獲得し、ここでひとまず4年の区切りをつける。今年度は各自が4年の研究活動の集大成として、研究会の発表を基に、また、ある者は海外より持ち帰った最新の文献資料を駆使し、それぞれの研究を論文に結実させた。個々の活動としては、1 研究会としては11月30日に橋本隆夫氏が「新石器革命と大地母神信仰」と題して、ヨーロッパの基層にある大地母神信仰について考古学的知見とホメロスやヘロドトスの文献的研究をクロスさせた学際的発表を行った。2 7月12日に立命館大学教授西成彦氏を迎え、「小説の一言語使用」の題目で講演会および討論会を行い、ポーランド生まれのイギリス作家ジョセフ・コンラッドの言語的アイデンティティのゆらぎを中心に活発な意見が交わされた。3 12月7日には静岡文化芸術大学専任講師小林真理氏による講演会「ヨーロッパの文化権と文化法について」が行われた。文化芸術振興基本法についての議論が進められる中、文化の中心地として長く君臨したヨーロッパの現在の文化支援や文化政策について多くの知見が得られた。研究会、講演会、海外調査研究を通じて、わたしたちはヨーロッパにおける文化の交錯とアイデンティティの複雑さ、強靭さの一端を垣間見ることができた。地域研究=個別文化研究の枠組みにおさまりがちだったヨーロッパ研究の守備範囲を少しでも広げられたのではないかと小さな自負を感じるしだいである。
著者
鈴木 哲也 織田 展輔 内田 光春 早川 巖 高橋 英和
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.165-170, 2002
参考文献数
20
被引用文献数
4

本研究の目的は光重合型レジンが上顎全部床義歯の基礎床用レジンとして有用であるか,常温重合型基礎床用レジンと比較し,検討することである.市販の光重合型基礎床用レジン3種類と常温重合型基礎床用レジン2種類を用い,曲げ特性,ヌープ硬さ,寸法変化率,フィラー含有量および模型への適合性を測定した.光重合型レジンの曲げ特性とヌープ硬さは各製品間で異なり,さらに厚さの違いが性質に影響する製品も認められた.光重合型レジンのヌープ硬さと曲げ特性,特に弾性係数は常温重合型レジンより有意に大きかった.光重合型レジンの浮き上がり量は常温重合型より模型中央部で有意に大きかった.以上の結果から,光重合型レジンは適合性については常温重合型レジンよりやや劣るものの,十分な機械的特性を有し,かつ操作性に優れていることから,上顎全部床義歯の基礎床として有用であることが示唆された.
著者
内田 智之 井上 盛浩 華 見 田島 将吾 大田 泰徳 萩原 政夫
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.624-629, 2017

<p>5年前から関節リウマチ(RA)の加療中で,2年前に悪性リンパ腫の発症が疑われたが確定診断には至らず,抗リウマチ薬(メソトレキセート(MTX),アバタセプトとプレドニゾロン)の休薬で自然寛解していた。今回発熱と脾腫で再燃し,脾生検による病理組織学的検査でEpstein-Barr virus encorded RNA(EBER)が陰性で,CD3−,CD56+,細胞障害性顆粒(TIA-1)が陽性でありchronic natural killer lyphoproliferative disorderの診断を得た。繰り返し共通の染色体複雑核型異常を認めたため,リンパ系悪性腫瘍と判断し,化学療法を開始するも反応不良で早期に死亡した。RAに合併するMTX関連リンパ増殖性疾患(LPD)はB細胞性が主であり,NK細胞性はまれである。さらにNK細胞性LPDの全てでEBV陽性であり,EBV陰性例は調べた限りで報告はない。</p>
著者
深石 圭子 木下 庸子 大内田 史郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.84, no.763, pp.2005-2015, 2019 (Released:2019-09-30)

Nobuko Nakahara is one of the prominent architects who led the postwar housing design and established Hayashi-Yamada-Nakahara, Architects and Preservation in 1958. In this paper, it is aimed at comprehensively clarifying the design process and the background of “Chogakuin temple (1962)” with the HP shell roof which was completed just 4 years after her office was founded. She entered the Ikebe Laboratory of the Institute of Industrial Science, The University of Tokyo as a technical research student, and in the midst of the Controversies on Japanese tradition that involved Kiyoshi Ikebe, she was in charge of designing works “Number 20” and “Number 28.” In addition, the Ikebe Laboratory was actively working on a shell structure which was a new technology at that time. And, Nakahara closely related herself to “Numazu City Public Hall(1953)” designed by Ikebe Laboratory, and became close to Hoji Nukushina who was indirectly involved in structural design and Takumi Orimoto, a structural designer of “Number 38 (1958)”. Buildings adopting HP shell in Japan were built from around 1952. The number of shingles of the HP shell accounts for mostly one which constitutes one unit by one sheet and one which constitutes one unit by four sheets. As a new construction of reinforced concrete construction, “Chogakuin temple” is a work that Nobuko Nakahara first worked on after the establishment of the office and was published in a magazine titled “Integration of HP Shell and Tradition.” Chief priest and Parishioners wanted a warm and soft atmosphere. Therefore, Nakahara responded to the demand by adopting "Disconnected HP shell, " for example, by curving the edge beam of the shell. At the time, there were no roofs of exactly the same shape as this. The roof of the main “Chogakuin temple” is a combination of 4 HP shells, and its roof is supported by 4 pillars. The beams and pillars have an equilateral triangular cross-sectional shape, and they handle rainwater with grooves in them. Works that used “Disconnected HP shell” in times when structural expressionism is popular, “Chogakuin temple” is the only example, other than the saddle shell. The reason why Nobuko Nakahara was able to complete the design of “Chogakuin temple” to integrate HP shell and the Japanese tradition in 1962, the following could be noted. 1. She learned about modern architectural thinking from Kiyoshi Ikebe so she could understand Japanese traditional design and structural expressionism. 2. She experienced the Controversies on Japanese tradition in Ikebe Laboratory and others, and established a basic way of thinking against this problem. She accepted positively the desire of Chief priest and Parishioners while designing this temple. 3. In the Ikebe Laboratory which was motivated to apply the new technology, she learned about HP shell, gained network with structural designer Hoji Nukushina and others, and completed the “Chogakuin temple” design under the support of them. The way of thinking of Kiyoshi Ikebe about tradition simply did not adopt the Japanese element as it was. On the Contrary, it was going beyond tradition using new materials, construction methods, and techniques. As a disciple of Kiyoshi Ikebe, Nobuko Nakahara followed his idea with the cooperation of others and applied them to “Chogakuin temple” in its realization.
著者
小田 良子 加藤 恵子 原田 隆 内田 初代 猪飼 弘子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.345, 2007

[目的] 本研究は,現在の高齢者の日常生活に関する実態および意識(基本的属性・栄養・運動・休養・余暇活動)について調査し,生きがいを持って健康生活を送る方法を見出すための基礎資料とすることを目的とした.本報では,身体状況と健康意識の関連について検討した。[方法] あいち高齢者大学受講生を対象に生活習慣に関するアンケート調査を2006年9~12月に実施した.分析対象者は618名,平均年齢68.9歳(男性283名,女性335名)であった。[結果] 分析対象者の体格はH16年国民栄養調査と比較すると,身長には差がなかったものの,体重,BMIについては全国レベルより低く,有意な差が見られた。このことからBMIは標準域にあるものの全国レベルよりも細身であった。また,メタボリックシンドロームの1つの尺度であるウエスト周囲径の平均は,男性84.4cm,女性83.9cmであった。服薬有の割合は,男性63.6%,女性57.0%であり,服薬の種類についてみると,男性は血圧降下薬40.2%,コレステロール降下薬15.1%,女性は血圧降下薬37.9%,コレステロール降下薬28.1%であり,服薬の種類には男女の違いが有意に明らかになった。さらに,ウエスト周囲径および服薬の内容から,メタボリックシンドロームおよび予備群の割合をみると男性はメタボリックシンドロームが4.6%,予備群20.8%,女性では前者が3.0%,後者が11.0%であった。国民栄養調査と比較すると,かなり少ない結果であった。また健康(運動・栄養・休養)に関する意識では男性,女性では若干違いはみられたものの良好な結果であった。
著者
内田 昌宏
出版者
北海道立北方民族博物館
雑誌
北海道立北方民族博物館研究紀要 (ISSN:09183159)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.143-160, 2017 (Released:2020-01-31)

This paper introduces Mr. Takeki Fujito and his wood carvings. He is a world famous artist of wood crafts. He made many great wooden bear's family, wolf, whale, dolphin, people and the other animals. His wood carving is not only real but also fantastic. He spoke many times about the history of wood crafts in Hokkaido.

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著者
内田寛一 製
出版者
右文館
巻号頁・発行日
vol.大正15年版, 1926
著者
内田 充 岡本 法円 秋本 淳
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.385-390, 2020

<p>設備老朽化と熟練作業者の退職が進む製油所プラントにおいて,保安レベルの低下が懸念される.これに対し,急速に発展するデジタル技術の活用に向けて個社単位の取り組みが進められているが,業界の共通課題に対して個社が同じような取り組みを実施しており,業界全体からみて効率的な投資がなされていないこと,個社ではデータが不足している場合も多く,実用化可能な精度をもつ解析モデル構築に至っていないこと,などから十分な速度で普及していない.そこで,石油業界全体の保安レベルおよび設備稼働信頼性の向上を目的として,保安高度化システムおよび製油所データを業界全体で共有・活用する「製油所向けプラットフォーム(以下,PF と略する)」を開発した.また,PF の早期社会実装化を目指し,機能を絞り込んだPF 構築について検討中である.</p>
著者
内田 稔
出版者
創価大学教育学会
雑誌
創大教育研究 (ISSN:21851395)
巻号頁・発行日
no.28, pp.117-123, 2018-12-31
著者
矢野 和成 森 秀樹 南川 清 上野 照剛 内田 詮三 長井 健生 戸田 実 増田 元保
出版者
水産庁西海区水産研究所
雑誌
西海区水産研究所研究報告 (ISSN:0582415X)
巻号頁・発行日
no.78, pp.13-30, 2000-06

電界印加実験および局部電界発生実験(電撃実験)を用いて,電気刺激に対するサメ類の反応について研究を行った。電界印加実験(EFE)は,クロトガリザメ,ネムリブカ,トラフザメの3種類で行った。実験方法は,直径7メートルの円形水槽の中心部と縁辺部に銅板電極を設置し,電流を流して実験魚の遊泳行動の観察を行った。実験は方形波パルスと60Hz正弦波交流を電力増幅し,電極間に印加した。電界印加実験は1回の実験につき10分間行い,ビデオカメラによる撮影と目視による行動観察を行った。3種類の実験魚の通常の遊泳行動は,円形水槽の縁に沿って遊泳していた。クロトガリザメとネムリブカは,電界印加を与えたところ,頭部を左右に振り急激な方向変換をし,その回数は通常の遊泳行動よりも多かった。そして,電極付近には近づかず,電極間もほとんど通過することがなく,これら2種は電界を嫌う行動が見られた。一方,トラフザメは電界印可を行っても遊泳行動に変化が現れることがなかった。局部電界発生実験(PEF)は,EFEの実験魚3種とイタチザメについて円形水槽で,ツマグロ,ドチザメ,ナヌカザメ,トラザメでは長方形水槽(180cm×120cm×70cm)で実験を行った。クロトガリザメ,ツマグロ,ネムリブカ,ドチザメは,電撃刺激に対して非常に強い逃避行動の反応がみられた。ナヌカザメとトラザメでは,電撃刺激に対して頭部をほんの僅か振る程度の非常に弱い反応があり,逃避行動もみられなかった。イタチザメとトラフザメは電撃刺激に対してまったく反応しなかった。以上のように電気刺激に対して非常に強い逃避行動がみられる種類もいるが,まったく反応しない種類もみられ,これら刺激に対する反応には種類別に違いがあることが判明した。そのため,電気刺激に対する反応が強い種類では,サメ類の人的被害防止あるいは漁業への食害防止のための電気刺激を利用できることが示唆された。
著者
加藤 裕幸 中島 聖二 嶋田 靖史 内田 有哉
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.47, 2010

【はじめに】<BR>平成18年度の医療・介護報酬同時改定を機に、介護保険による個別・短時間型通所リハビリテーションを開設した。開設後3年が経過し、これまでの運営経過と課題について報告する。<BR>【経過】<BR>平成18年9月、サービス提供時間:3時間以上4時間未満。午前と午後の2クール制(1クール定員20名)で開設。平成19年9月、サービス提供時間3時間30分から20分短縮。平成20年4月、1クール定員25名へ増員。平成21年4月、制度改正に伴う利用調整実施。平成22年4月現在の人員配置:専任医師1名、理学療法士5名、准看護師1名、介護福祉士2名、相談員1名、介護・送迎補助員3名体制。<BR>【登録者状況】<BR>開設から平成21年12月までの40ヶ月間登録者総数5018名(月平均登録125名)。平均年齢73.2歳(男性55%、女性45%)。要介護区分割合:要支援(52%)要介護1(20%)要介護2以上(28%)。疾患割合:脳血管疾患(56%)運動器疾患(32%)難病他(12%)。送迎対応率:(83%)。<BR>【提供サービス】<BR>食事、入浴サービスなし。送迎は範囲限定対応。個別トレーニングの方針は、1)立位歩行等の抗重力活動の促進 2)日常生活動作トレーニング 3)個人活動、趣味活動の促進支援。個々のニーズに応じた柔軟な対応を実施してきた。<BR>【現状と課題】<BR>利用者は、第2号被保険者と前期高齢者が47%を占め、要介護区分では、要支援者と要介護1の者が全体の72%であった。特に、新規利用依頼の7割は要支援者であり、そのほとんどが新規の要介護認定後、心身機能・ADL維持改善、疼痛緩和などを目的として、初めて介護保険サービス利用に至るケースであった。利用の主目的以外にも個別の課題として、家事炊事・入浴・床上動作練習、家族への介護指導、住環境福祉機器調整、復職調整、外出旅行参加促進などにも随時対応し、ADL拡大に努めてきた。その結果、利用終了者は登録者総数中105名、その内「改善・目的達成」による終了者は29名(28%)で、すべて要支援と要介護1区分の利用者であった。要介護2以上の利用者も要介護度悪化防止は認めているものの、利用継続を希望され終了者は少なかったが、認知症を認める利用者は適応の見直しを要すことが多く、他のサービス移行を進めた。基礎疾患の悪化により終了となる場合も多く、通所での健康観察だけでなく、利用効果を上げていく為にも、利用目的・課題を明確化し、ご家族、主治医、ケアマネージャーとの情報交換・連携強化が必要と考えられた。また、送迎では対応できない地域もあるのが現状で、特別便を組むなど送迎範囲拡大に努めてきたが、対応率は8割程度に留まっている。<BR>【まとめ】<BR>当院、個別・短時間型通所リハビリテーションの3年間の運営状況を報告した。短時間で個別性の高いプログラムを推進する事で、介護予防効果は認めていた。しかしながら要介護度の軽度者に限定される傾向や介護度の高い利用者、認知症利用者への介護度改善への取り組みは今後の課題と考えられた。