著者
Yang Hong 前田 惟裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.407-410, 2005-06-01
被引用文献数
1

2003年10月15日, 中国は初の有人宇宙船神舟5号を打ち上げ, 10月16日内モンゴル自治区に着陸し, YANG Liwei宇宙飛行士が無事帰還した.これでロシア, 米国に次ぐ3番目の有人宇宙機を成功させた国となった.これまで1999年11月20日打上げの神舟1号, 2001年1月10日打上げの神舟2号, 2002年3月25日打上げの神舟3号, 2002年12月30日打上げの神舟4号の成果を引き継ぎ, 今回の有人飛行の成功につながった.神舟5号は, 総全長約9m, 最大直径2.8m, 総重量7.8t以下であり, 軌道モジュール, 帰還モジュール, 推進モジュールの三つのモジュールから構成されている.宇宙飛行士は, 宇宙滞在中には軌道モジュールにおり, 帰還モジュールで帰還するように設計されている.また, 中国の有人宇宙技術の3段階の開発ステップにおいて, 第2段階は, 宇宙実験室, 第3段階は宇宙ステーションである.
著者
井上 俊介 堤 重信 前田 拓人 南 一生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.22-30, 2013-09-25

理化学研究所では,スーパーコンピュータ「京」の高性能化を目的とし,6本の重点アプリケーションを選定し,高性能化,高並列化を進めてきた.うち地球科学の分野から選択された地震動シミュレーションコードであるSeism3Dについては,比較的高いByte/Flop値を要求する演算と,隣接プロセス間のみの通信という特徴があげられる.よって,Seism3Dの高性能化,高並列化のポイントとして,メモリバンド幅を最大限に生かすこと,キャッシュの効率的な利用をすること,6次元メッシュ上での最適な隣接通信を実現すること,に絞られる.我々はコードの持つ要求Byte/Flopから求まるピーク比性能の推定を実施し,詳細プロファイラ機能を活用することにより問題点を把握し,実測,チューニングを実施し,CPU単体性能向上策の検証と通信部の検証を進めた結果,82,944並列で理論ピーク比17.9%(1.9PFLOPS)に達したため,本稿で報告する.In order to optimize performance of the K computer, we selected six applications from various scientific fields. We optimized CPU performance and massively parallelization to them. Seism3D which was selected from earth science field is seismic wave simulation code. It has calculation parts which demands high Byte/Flop and communication parts between neighborhood processes. So optimization points are using enough memory bandwidth, using cache effectively and realization of optimal neighborhood communications on six-dimensional mesh/torus network. We estimated theoretical performance from required Byte/Flop of code and utilized advanced profiler to have a clear grasp of bottle neck. As a result, we achieved 17.9% per peak performance by using 82,944 cpus.
著者
佐藤 貴文 後藤 真 木村 文則 前田 亮
雑誌
じんもんこん2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.57-64, 2013-12-05

本稿では,遠隔地にいる複数の人文系研究者によって,文献資料に関する注釈情報を共同で入力するためのWebシステムの試作について述べる.本研究で対象とする文献は『東大寺要録』という歴史資料であり,これに対して注釈作業を行っている人文系研究者による利用を想定している.本システムの特徴として,複数の研究者が同一の史料に対して同時に注釈の付与が可能である点,複数の研究者による注釈が部分的に重なる場合や,離れた文字にまとめて注釈を付与するなど,複雑に入り組んだ注釈への対応を考慮している点が挙げられる.本発表では,実際に利用する人文系研究者の意見を得ながら進めている本システムの構築について,現状の報告および今後の展望について述べる.
著者
前田 英樹 長田 佳久 鈴木 清重
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、映像の鑑賞者が被写体の身体動作を表現する動画像系列を視聴した際にどのように美しさを認識するか検討することであった。実験的研究の結果より、各動画像提示の開始と終了時に画面枠が被写体を遮蔽する割合に応じて鑑賞者の知覚する事象が変化することが示唆された。画面枠の被写体遮蔽率に起因する被写体の未完了動作に応じて、動画像間に見え方のまとまりが生じる。この動画像間の知覚的群化(動画像群化)が、身体動作表現の映像美に影響すると考えられた。
著者
前田 頼伸 小西 敏夫 西園寺 真二 船越 幸代 中村 護 仁井 雅子 正木 史子 突合 皐月
出版者
日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.517-524, 1999-10-10
参考文献数
12
被引用文献数
11

To elucidate the current status of the dosage regimen of vancomycin, we reviewed its therapeutic drug monitoring (TDM) data obtained from 99 patients undergoing vancomycin treatment at the Chugoku Rousai Hospital. The plasma concentrations of vancomycin at one dosage under 750 mg deviated from its therapeutic ranges (the level at one hour after the end of infusion : 25-40 μg/mL, trough level :≦10μg/mL). Therefore, the dosing interval at a uniform dosage of 1000 mg was calculated from a vancomycin nomogram reported by Moellering et al., and the utility of the dosing interval at the uniform dosage of 1000 mg combined with a creatinine clearance nomogram reported by Nielsen et al. was examined. As a result, the plasma levels of 66 percent of the subjects were controlled within the accepted therapeutic ranges in the early stage. Accordingly, the nomogram of vancomycin prepared as an indication in the early stage in our hospital was thus concluded to be clinically acceptable.
著者
吉野 諒三 松本 渉 林 文 山岡 和枝 鄭 躍軍 佐々木 正道 林 文 山岡 和枝 佐々木 正道 鄭 躍軍 前田 忠彦 土屋 隆裕
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

急変する世界情勢を考慮し、特に日本と他の東アジアやその周辺諸国の人々の価値観、対人的信頼感など人間関係に関する意識、自然観や生命観など、各国の人々の意見を、偏らずに集約する統計的方法にもとづいて面接調査を遂行した。政治体制と国民性との交絡など多様な側面が明らかなってきたが、特に、洋の東西を問わず、「家族の大切さ」の普遍的価値が浮き彫りとなった。我々は、これを「文化の多様体解析」としてまとめあげた。
著者
前田 秀之
出版者
福井大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

遺伝子組換えマウスの維持方法として卵巣移植法がとられることがある。しかし、マウスが突発的な事故により死亡し、レシピエントマウスを購入しなければならない場合には対処できない。緩慢凍結により保存する方法が取られることもあるが、プログラムフリーザーを必要とするので容易に行えるものではない。これらに対処する方法として、また卵巣の低温輸送の実用化を考え、今回はマウス卵巣の短期間の保存を検討することにした。蛍光励起ライトで可視化できるC57BL/6-Tg(CAG-EGFP、以下GFPマウス)5週齢から卵巣を採取した。レシピエントマウスには8週齢のC57BL/6を用い、1個の卵巣を2つに分けて1匹に移植し、回復後にC57BL/6雄マウスと交配し産仔を得た。確認は産仔が、GFP発光するものはドナーマウスであるGFPマウスの卵巣由来と判断した。低温保存の検討は2段階で行い、実験(1)は、生理食塩水、胚の培養に用いるKSOM液、胚の凍結保存剤であるDAP213液、ミネラルオイルを選択して行った。選択した液を1cc入れたチューブの中に、1匹のGFPマウスの卵巣を入れ4℃で12時間保存した。保存後は、室温の生理食塩水で洗浄した後に移植した。この結果により保存液を決定した。実験(2)は、保存液としたものに実験(1)と同様に卵巣を入れ、4QCで24時間、48時間、72時間保存後に移植し保存期間を検討した。なお、対照として保存時間0時間の卵巣を移植した。実験(1)で使用した4種類の保存液では、卵巣を生理食塩水に入れ4℃で12時間保存したものと、コントロールでのドナーマウス由来のGFP仔マウス出生率が34.2%と35.6%と差が少なかったことと出産したレシピエントマウスの数でも、それぞれ6匹と7匹と差が無いことより、生理食塩水を保存液として使用できることが確認できた。実験(2)より24時間保存での出生率は24.4%、48時間のものでは19.8%との結果が得られたこと、72時間保存したものでは出産が確認できていないかったことより、卵巣の4℃での保存は48時間以内と考える。
著者
河合 秀樹 大野 淳 岩下 由佳 横井 朋子 中尾 彰宏 山本 順一郎 前田 伸治 坂野 章吾 尾崎 行男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1212-1218, 2010 (Released:2012-04-21)
参考文献数
19

症例は68歳, 男性. 2008年8月ころより下腿浮腫, 2009年4月に入り浮腫増強, 発熱, 労作時息切れを認め, 同月下旬, 当院内科初診. 著明な心嚢水および両側胸水を認め, 同日精査加療目的で入院. 入院後, 胸腔・心嚢穿刺そのほか, 各種精査行うも原因不明. 採血にて抗核抗体1,280倍, 抗DNA抗体300倍など, 膠原病を示唆する所見を認めたが, 臨床的には非典型的であった. 診断的治療目的で抗生物質, 次いで, 抗結核薬を投与するも奏効せず, 感染性漿膜炎は否定的と考えた. 各種検査結果と臨床経過より, 稀な疾患ではあるが高齢発症ループスの可能性が高いと考え, ステロイド投与を開始したところ, 徐々に症状改善し, 心嚢水, 胸水とも減少を認めた. 各種精査を行っても原因のはっきりしない漿膜炎にたびたび遭遇するが, その中に本疾患が潜在している可能性があると考えられる.
著者
前田 潤治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.229-230, 1995-09-20

動画像を扱うアプリケーションでは、その膨大な情報の圧縮技術が必須となる。動画像情報圧縮技術は大きくは通信系と蓄積系に分類されるが、本稿ではリアルタイム性を要求される通信系に焦点を当てる。現在、動画像圧縮技術はMPEG-1,2、H.261など、内容が何であろうと画面を正方形のブロックに機械的に分割し、その正方形ごとに個別に処理を加えるブロックベースのものが全盛である。(これらの標準では、処理の内容によって対象となる正方形は、厳密には「ブロック」「マクロブロック」などと呼び方が変わるが、本稿ではこれらをまとめて単に「ブロック」と呼ぶことにする。)これらの手法を特徴づける要素技術として二次元離散的コサイン変換(DCT)がある。DCTは注目しているブロック、または注目しているブロックと前のフレーム中にある参照ブロックとの差分を符号化する技術であるが、計算時間、圧縮率、画質のいずれの観点からも、DCTを行なわずに済むものならその方が理論的には望ましい。具体的には隣接フレーム間のブロック同士の類似度が高ければ、時間的に前のブロックの情報のみを使うことによってDCTを省くことができる。しかし現実には、避け得ない雑音のために隣接フレーム間の類似度が不当に低く評価されてしまい、不必要なDCTが行なわれてしまう。そこで本稿では、雑音の悪影響を受けにくいフレーム間類似度判定法を提案する。
著者
斎藤 崇雄 中村 哲也 メンショフ・イゴール 中村 佳朗 前田 一郎 内山 直樹 海田 武司
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.480-481, 2003-07-28
被引用文献数
1

The phenomena of ignition overpressure (IOP) has been simulated in two cases with the specific heat ratio γ=1.18 and γ=1.4. The former case assumes that a combustion gas fills the overall computational region, while the latter assumes air instead of the combustion gas. The objective of the present study is to investigate whether IOP is affected by the kind of gas. This simulation was performed for a solid rocket booster (SRB) of space shuttle. The time history of pressure rise at the nozzle inlet was taken into account by imitating the SRB ignition. The result with γ=1.18 shows good agreement with the data measured on the surface of STS-Ts SRB.
著者
前田 惟裕 佐藤 直樹 長谷川 義幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1020-1026, 2010-12-01
参考文献数
18

国際宇宙ステーション(ISS)への有人輸送に関しては,米国ではスペースシャトル,ロシアではソユーズが使用され,中国では独自の神舟シリーズを成功させている.米国ではISSの運用延長とスペースシャトルの2010年の退役が決定された.日本では有人関連技術を習得するため,ISSに結合する有人宇宙実験施設JEM,宇宙ステーション補給機HTVの開発・運用が成功裏に行われ,各分野で大きな成果が得られている.米国では2010年4月にオバマ大統領から小惑星・火星への有人探査についての声明が発表された.宇宙用周波数調整会議(SFCG),国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)での検討に加え,我が国は将来有人技術の発展が必要と考えられるので関連事項について解説する.
著者
前田 貴博 西 正博 新 浩一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.10, pp.1353-1363, 2012-10-01

筆者らはヒトの屋内への侵入検知を目的とし,UHF帯テレビ放送波を用いたヒト検知システムを提案している.本システムは,テレビ放送波の受信レベルがヒトの動きに応じて変動することを利用してヒトの有無を判定している.これまでは,テレビ放送波を受信するアンテナを屋内に設置し,受信レベルが変動した場合に「屋内にヒトが居ると判定(検知)」していた.一方,受信レベルは屋内のヒトだけではなく,屋外のヒトや車などの外乱の影響でも変動するため,「屋内にヒトが居なくても外乱により屋内にヒトが居ると判定(誤検知)」することがある.そこで本論文では,より高精度な検知性能を実現するために,屋内と屋外にアンテナを設置し,それぞれの受信レベル変動から外乱を判定し誤検知を低減する協調検知手法を新たに提案する.検知対象として屋内のヒト,また誤検知対象の外乱として屋外のヒト,車を想定し,検知確率及び誤検知確率を従来手法と比較し,協調検知手法の性能を評価した.実測結果から,従来手法では外乱により誤検知が生じる一方,協調検知手法ではどの外乱に対しても誤検知が低減されたことを確認した.またシミュレーション結果により,継続時間が3秒の外乱が10秒に1回生じるような状況においても,提案手法は,誤検知を従来手法と比べて約1/100に低減でき,また約50%の時間率で確実にヒトを検知できることを明らかにした.