著者
溜渕 功史 山田 安之 石垣 祐三 高木 康伸 中村 雅基 前田 憲二 岡田 正実
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.193-207, 2010-03-15 (Released:2012-03-26)
参考文献数
26

We found eight M 5.1 characteristic earthquakes regularly occurring since 1966 on the plate boundary between the Eurasian plate and the Philippine Sea plate near Miyakojima Island, the Ryukyu Arc, Japan. The quake recurrence interval was 5.89 years in average, and the standard deviation was only 0.73 years. The accumulating stress presumably ruptured the same asperity enclosed by the creeping zone repeatedly. Also, we found three other groups of small repeating earthquakes of M 4, which occurred close to the hypocenters of the M 5 events. Those groups also occurred regularly and we can consider them to be ‘characteristic’ earthquake sequences. Now, we called those groups A, B, and C. It is not clear whether groups A and B had an intrinsic recurrence interval or if they influenced each other. However, two events of group C occurred within one week after the M 5 quakes, indicating that the M 5 events triggered the group C events whose asperity had suffcient strain energy. No earthquake exceeding M 7, which could change the recurrence intervals, has been observed on the subduction zone around the Ryukyu Islands. Therefore, there should be numerous characteristic earthquake sequences in other areas of the Ryukyu district. We expect that the next M 5 earthquake at 50 km depth on the plate boundary near Miyakojima Island will occur between September 2012 and July 2014 with 70% probability, using the small-sample theory with a log-normal distribution model. Moreover, the M 5 event may be accompanied by an M 4 quake that could rupture the asperity of group C within one week.
著者
濱田 初幸 前田 明 小山田 和行
出版者
鹿屋体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

柔道の前回り受身の補助機能付上衣「初転君」を用いた指導は、前回り受身の際の圧力分布パターンが、熟練型パターンに近づき滑らかな回転動作を習得することができた。さらに内省報告による理解のしやすさからも、従来の柔道衣による指導よりも即時的効果が高まることが明らかとなった。このことから、「初転君」は指導用教材として有効であることが検証された。柔道を専門としない体育教員が受身を指導する際の効果的な教材として有効であることも示唆された。
著者
橋本 樹明 大槻 真嗣 前田 孝雄 眞下 泰輝 前田 孝雄 大谷 智宏 佐野 俊太
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

探査機が月や火星などの天体に着陸する際に、残留水平速度がある場合や斜面・岩などの存在する不整地へ着陸する場合においても転倒しない着陸システムについて研究を行った。探査機の着陸脚と天体表面の動的モデルを構築し、数値シミュレーションにより探査機の動的挙動を解析した。その結果から、着陸脚をセミアクティブに制御する方法を提案した。すなわち、伸縮式着陸脚の減衰係数を可変にすることができるデバイスを追加し、探査機の角速度と着陸脚の伸縮方向の符号の積に応じて当該脚の減衰係数を増減させるという方式である。本方式により耐転倒防止能力が大幅に上がることを数値シミュレーションおよび着地実験により検証した。
著者
前田 一平
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

米国ワシントン州シアトルの旧・日本街を現地調査し、第二次世界大戦後の歴史に埋もれたシアトル日本街の歴史と地理の復元にあたった。それによって、この街を舞台とする日系アメリカ文学の歴史的地理的背景を具体化することができた。また、作家ヘミングウェイの故郷イリノイ州オークパークを現地調査し、この町のほとんど未詳の歴史についてリサーチをした。それによって、ヘミングウェイの誤解された出自および故郷との確執を明らかにした。
著者
前田 隆志
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windowsプロ (ISSN:13468308)
巻号頁・発行日
no.78, pp.140-145, 2003-09

最近,次世代のSQL Serverである"Yukon(開発コード名)"でさらに強化されるビジネス・インテリジェンス機能に引かれ,探求のあまり終電を逃すことも度々。週末は仕事を忘れ6歳になる甥にコマやビー玉といった昔ながらの遊びを教えることに時間を忘れる。
著者
山本 誠子 前田 由美子 小宮山 冨美江
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.275-280, 1996-11-20

官能検査(評点法)、破断特性(レオナーによる)測定、組織観察を行い、梨もどき調製法について検討し、次の結果を得た。(1)梨もどきを調製するためには生っぽい味がなくなり、しゃきしゃき感の得られる加熱範囲の設定が必要と思われる。水煮ではデンプンが充分に膨潤し、生っぽさがなくなると軟らかくなりしゃきしゃき感が得られなくなったため梨もどきを調製できなかった。(2)30%食酢液で加熱すると細胞壁の変化が少なく、かたく、破断応力が生いもに近かったことより軟化が抑えられた。以下の条件で調製したときしゃきしゃき感が得られた。(3)基準の大きさ(2.5×1.0×0.5cm^3)で7分〜10分、細いもの(2.5×0.3×0.3cm^3)で5分〜10分、太いもの(2.5×1.0×1.0cm^3)で13分加熱したとき、良好なテクスチャーが得られ、細めに切った方が加熱範囲が広いと認められた。
著者
竹元 仁美 山本 八千代 泉澤 真紀 笹尾 あゆみ 前田 尚美
出版者
東京純心大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

平成26年度から平成29年度に実施した3つの調査研究から、我々は日本型と言える特徴を備えた性暴力被害者への看護ケアの重要項目を明らかにした。それに加え、文献検討で整理したWHO暴力対応ガイドラインやなど北米のSexual Assault Nurse Examinerプログラムを基にして、性暴力被害者看護ケアの基本プロトコルを創り、看護職に対する教育プログラムの組み立てを行った。これによって、病院拠点型ワンストップ支援センターに展開されるべき性暴力被害者看護ケアを、機関を問わず提供することに資する。今後の展開として、看護基礎教育に組み込み、効果の検証をしていくことを目指す。
著者
味村 俊樹 山名 哲郎 高尾 良彦 積 美保子 遠藤 智美 勝野 秀稔 松岡 弘芳 大毛 宏喜 角田 明良 吉岡 和彦 貞廣 荘太郎 前田 耕太郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.109-117, 2012 (Released:2012-03-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2 2

目的:多施設共同による本邦における便失禁診療実態調査に伴って,仙骨神経刺激療法(sacral nerve stimulation,以下SNS)の適応に関して検討した.方法:2009年の1年間に便失禁を主訴に9施設を初診した患者を対象に, SNSの適応に関して調査した.結果:対象症例は293例で,女性214例,初診時平均年齢65歳であった.266例(91%)に何らかの治療が行われ,症状改善率44~93%と,ある程度良好な成績をおさめていた.しかしそれでもSNSの適応に関して,「良い適応」8例,「適応になるかも知れない」73例と合計81例(28%)に,更なる治療としてSNSの適応ありとされていた.適応ありとした理由は,「現在の治療法では症状の改善が不十分だから」が47%,「SNSの効果に期待するから」が38%であった.結語:多くの症例に検査や治療が行われていたが,症状改善が不十分でSNSの効果に期待する症例が28%いた.今後,本邦へのSNSの導入・普及によって便失禁治療の選択肢が拡がることを期待する.
著者
寺谷 美雪 神白 和正 比留間 潔 奥山 美樹 藤田 浩 香西 康司 浅香 祐幸 前田 かおり 國友 由紀子 山本 恵美 高田 裕子 五十嵐 朋子 鳥海 彩子 矢澤 百合香 森口 真理子 藤本 昌子 二木 由里
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.679-686, 2010 (Released:2011-01-13)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

【背景・目的】赤血球濃厚液(RCC),血小板濃厚液(PC),新鮮凍結血漿(FFP)などの輸血用血液製剤(輸血用血液)は献血者の人体の一部であり,とりわけ有効利用が求められるが,一定量が有効期限切れで廃棄されているのが現状である.廃棄血を減少させるため有効期限内で別の患者に転用する努力が行われているが,一病院の中では限界がある.そこで,われわれは病院間で輸血用血液を転用し,有効利用する方法(病院間有効利用)を検討し,実施したので報告する. 【方法】東京都が運営する7病院が本研究に参加した.まず,7病院において有効期限切れが原因で廃棄となる輸血用血液の量を調査した(平成17年1~7月).その後,平成19年9~12月の間に各病院で有効期限切れが切迫している輸血用血液の情報をインターネットメールで毎日,定時に発信し,使用できる病院があれば,その病院に搬送し輸血に用いた.搬送にあたっては血液製剤搬送用温度安定剤を用い,温度を管理しながら搬送した.搬送後の品質を管理するため,温度と外観,搬送時間などを評価し記録に残した. 【結果】平成19年9~12月の間に,RCC 18本,PC 1本,FFP 4本の輸血用血液が病院間で有効利用された.その期間のRCCの廃棄率は1.06%で,H19年度の病院間有効利用を行わなかった期間の廃棄率1.78%と比較し明らかに低かった. 【結論】輸血用血液の廃棄量を減少させるために期限切れの前に他の病院で利用することは有効であり,今後,多くの病院間で試みる意義があると思われた.
著者
前田白秋 作曲
出版者
[前田白秋]
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1940
著者
前田 七瀬 猿丸 朋久 木嶋 晶子 吉田 直美 西野 洋 片岡 葉子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.8, no.Suppl.12, pp.B707-B712, 2009 (Released:2012-04-18)
参考文献数
3
被引用文献数
1

13歳,男児。幼少時より重症アトピー性皮膚炎(AD)にて加療していたが,9才時,アスペルガー障害,発達障害と診断された。その後も両親の離婚や母親が精神状態不安定であり,スキンケアが十分に行えず,入退院を繰り返していた。経過中にパニックを発症し,自己欲求が満たされない際・他人と衝突した際などに,周囲への暴力行為・自傷行為に至り,精神的に非常に不安定となった。児童精神科医からパニック時の対処法の指導を受け,併診しながら加療を続けた。我々の本人への対応として,(1)パニック時は周囲に害が及ばないように配慮した。(2)話を傾聴し,支持した。(3)努力を誉めることを重視した。(4)不適切な行動は明瞭に指摘し,指導を行った。(5)理解しやすいように,あいまいな表現にならないように努めた。ADの治療に関しては,ステロイド外用指導には,図を用いてわかりやすく説明した。頻回に通院し,治療へのモチベーションをあげるようにした。この対応により,徐々に精神的に安定したことで,パニックを起こさないようになり,皮膚症状も軽快した。精神的な状態によって,ストレスによる掻破やセルフコントロールの不備が生じ,皮膚症状が大きく左右されるため,精神面の安定および適切な適応のサポートは,本児の日常生活のみでなく,皮膚炎を改善させる上でも非常に重要な因子であった。成長と共に生じた問題とその対応について報告する。
著者
所澤 潤 中田 敏夫 入澤 充 小川 早百合 古屋 健 江原 裕美 澤野 由紀子 志賀 幹郎 山口 陽弘 田中 麻里 YOFFE LEONID G 服部 美奈 山崎 瑞紀 日暮 トモ子 猪股 剛 小池 亜子 小室 広佐子 近藤 孝弘 三輪 千明 市川 誠 音山 若穂 前田 亜紀子 徳江 基行 モラレス松原 礼子 佐藤 久恵 林 恵 清水 真紀 福田 えり (石司 えり) 白石 淳子
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。
著者
栢分 英助 前田 嘉道 菅 健一
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
醗酵工学会誌 : hakkokogaku kaishi (ISSN:03856151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.99-104, 1989-03-25

To obtain basec information on the anaerobic digestion of cellulose, the digestion kinetics of cellulose was studied in continuous culture using an artificial wastewter containing cellulose powder. Cellulose was found to undergo relatively slow degradation, which seemed to be the rate-determining step in the overall digestion process. The maximum specific growth rate (μ_m) and the saturation constant (K_s) obtained form continuous cultures were 0.213 (1/day) and 554 (mg cellulose/l) for the acid-former, and 0.528 (1/day) and 261 (mg volatile fatty acid/l) for the methane-former, respectively. The concentrations of the acid-and methane-formers in the reactor were also estimated using these kinetic coefficients.
著者
筒井 茂樹 平沢 健介 武田 真記夫 板垣 慎一 河村 晴次 前田 健 見上 彪 土井 邦雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.785-790, 1997-09-25
被引用文献数
7 20

in vivoマウス肝細胞における高用量ガラクトサミン誘発アポトーシスについて検索した. 3g/kg GalN投与群では, Tdt-mediated dUTP nick end labeling (TUNEL) 陽性細胞が6時間後から観察されはじめ, HE染色切片における好酸性小体およびTUNEL陽性細胞の出現は, 24時間後で最も顕著になった. また, 48時間後では, 肝実質細胞の変性および壊死が目立ち, TUNEL陽性細胞はほとんど見られなくなった. 1.5g/kg GalN投与群では, 3g/kg GalN投与群に比べ, 病変は穏やかで, 好酸性小体およびTUNEL陽性細胞は24時間後ではほとんど見られず, 48時間後で顕著になった. さらに, アガロースゲル電気泳動によって見られるDNAの"はしご様"断片化パターンは, 3g/kg GalN投与後24時間および1.5g/kg GalN投与後48時間で最も顕著となったが, 3g/kg GalN投与後48時間では減少した. 一方, sGOTおよびsGPT活性は, 3g/kg GalN投与後48時間で著しく上昇した. これらの結果から, in vivoで高用量ガラクトサミンにより誘発される細胞死は, アポトーシスにより生じ, 後にネクローシスによる可能性が示唆された.
著者
山野 英嗣 尾崎 正明 稲賀 繁美 川島 智生 加藤 哲弘 河上 繁樹 中川 理 並木 誠士 廣田 孝 前田 富士男 増田 聡 藪 亨 新見 隆 出川 哲朗 中川 克志 松原 龍一 池田 祐子 小倉 実子 牧口 千夏 中尾 優衣 河本 信治
出版者
独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本近代における建築、デザイン、工芸を対象としながらも、ジャンルを超え、そして国境を超えた動向について総合的に検証したものである。研究成果は、最終的に一冊の図書としてまとめた他、研究代表者が所属する美術館においても展覧会やシンポジウムを開催し、研究成果を広く発信した。東西の文化交流、そしてジャンル間を交差する表現への注目など、時宜を得たテーマとして、建築、デザインそして工芸の各領域において、新たな視点が提言されたと思われる。