著者
東江 由起夫 須田 裕紀 大沼 雅之 前田 雄
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.152-157, 2013-07-01 (Released:2014-07-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

義肢は,切断によって失われた手足の形態または機能を復元する人工の手足であり,人間と生体が融合したマン・マシンシステムの1つである.その接合部のソケットは“義肢の命”として,切断者と義肢のインターフェースをつかさどる.そのためには切断者の断端にソケットが適合し,体重の支持,力の伝達,自己懸垂といったソケットの機能が引き出されていることが必須であり,これこそが義肢装具士がなせる究極の技術である.そこで本稿では,下腿義足の体重支持理論や適合評価方法,不適合時の対処方法等について,最近,筆者らが改めて重要だと考えている項目について説明する.またライナーを併用した義足ソケットについても触れる.
著者
前田 理
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.i, 1998-12-15 (Released:2016-08-18)
著者
高田 瑠美子 坂田 勝亮 前田 基成
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.309-316, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
31
被引用文献数
1

In this study, we investigated the relation between autism spectrum tendencies of normal observers and evaluation of facial emotional expressions, used for “Ban Dainagon Emaki”. Recognition of facial expressions was verified by Scheffé’s (Nakaya) paired comparison method using the evaluation attributes of the four emotions (fear, anger, sadness, and happiness) in conjunction with investigation of the Autism-Spectrum Quotient (AQ). Different cognitive patterns especially extracted from communication ability, were confirmed, comparing facial expression recognition tendencies for the two groups, higher levels of autistic - like traits and lower levels of autistic - like traits. Between the two groups, the high levels on the AQ were difficult to recognize the fear of negative emotions, but regarding the happiness of positive emotion, similar tendency was demonstrated. These results are consistent with the findings obtained from previous studies on the tendency of facial expression recognition between healthy individuals and those with traits of ASD.
著者
前田 憲吾 清水 芳樹 杉原 芳子 金澤 直美 飯塚 高浩
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001239, (Released:2019-01-31)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は48歳女性.43歳時に下肢硬直感が出現したが3か月で自然軽快した.両下肢の筋硬直が再発し,ミオクローヌスが出現し入院.意識清明,言語・脳神経は異常なし.両足趾は背屈位で,足関節は自他動で動かないほど硬直していた.神経伝導検査は異常なく,針筋電図では前脛骨筋に持続性筋収縮を認めた.血液・髄液一般検査は正常で,抗GAD65抗体・抗VGKC複合体抗体は陰性.脊髄MRIにも異常なく,症候学的にstiff-limb症候群(SLS)と考え,ステロイドパルス療法を実施し筋強直は改善した.その後,血液・髄液の抗glycine受容体抗体が陽性と判明した.プレドニゾロン内服後,再発はない.

1 0 0 0 OA 辻占売

著者
前田曙山 著
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
1902
著者
小幡 翔 端山 昌樹 前田 陽平 武田 和也 津田 武 横井 慶 猪原 秀典
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.616-622, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
11

骨蝋は骨面からの出血に対する止血素材としてよく用いられているが,稀ではあるものの慢性炎症や骨治癒阻害などの合併症も見られることがある。今回,開頭術後,十数年の経過を経て前頭洞炎を発症したと思われる2例を経験した。両症例ともに病変はCTでは軟部陰影の中に低吸収域で,またMRIではT1強調画像,T2強調画像いずれも無信号ないし低信号で描出され,副鼻腔内病変として非典型的な所見を呈していた。一例は手術記録が不詳であったため骨蝋の同定は困難であったが,一例では骨蝋の使用についての記載が認められた。いずれに対しても診断,および症状改善のために手術を行った。一例は前頭洞手術(Draf type III)を施行し,病変部より排膿を認め,内部には骨蝋を疑う黄白色の異物残留を認めた。残る一例はDraf 2bで前頭洞を開放したところ,膿貯留を認めず,骨蝋残留を認めた。いずれの症例でも術後は再発なく,良好な経過をたどった。過去の報告によれば,骨蝋は骨治癒阻害と細菌クリアランス低下により,十数年に渡って慢性炎症が遷延するとされる。そのため,開頭術後など骨蝋使用の経過があるか予想される症例では,異物性の炎症や膿瘍形成を鑑別にあげ,症状によっては手術による骨蝋除去を行う必要がある。
著者
前田 実利 鶴我 佳代子 及川 純
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.91-102, 1995
被引用文献数
1

We conducted broadband seismic observations of artifical explosions on December 1, 1994, in the Kirishima volcanic area, southern Kyushu, Japan. We clarified the dominant characteristics of wave-propagating paths in this area and the potential of broadband seismic observations for artifical sources. We analyzed seismograms at three sites located around one of the shot points (near Karakuni Dake) at distances shorter than 1.3 km.
著者
開元 多恵 渋谷 まゆみ 前田 英雄
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.309-314, 2010 (Released:2010-11-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

コレステロールを添加した高脂肪食を投与し,タラの芽摂取がラットの血清および肝臓の脂質に与える影響を調べる目的で実験を行った。タラの芽は凍結乾燥し,粉末は600μmのふるいを通し,一部はエチルアルコールによる抽出に用いた。タラの芽粉末,抽出物,抽出残渣は別々に高脂肪食に添加し,20%カゼイン食(普通食)と比較した。Sprague-Dawley系雄ラット(4週齢)は食餌によって5群に分け,4週間飼育した。5%タラの芽粉末およびエチルアルコール抽出物や抽出残渣を添加しても摂食量や体重増加,血清中の肝臓や腎臓機能を表す指標についても差は認められず,添加による影響はほとんどないと考えられた。高脂肪食での飼育により,肝臓の脂質含量は顕著に増加し,血清のHDL-コレステロールは低下したが,タラの芽粉末あるいはアルコール抽出残渣を添加した群では,肝臓のトリアシルグリセロールの増加が抑制された。これらの結果からタラの芽には肝臓の脂質代謝に有効な成分が含まれている可能性が示唆された。(オンラインのみ掲載)
著者
前田 耕助 習田 明裕
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.61-70, 2018

&emsp;足部への異なる温度刺激が前頭前野の脳血流量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 健常成人25名の足部に40℃, 16℃, 30℃の温度刺激を180秒間実施し, 近赤外分光法による左右の前頭前野の脳血流量の変化と温度の感じ方, 気持ちよさの主観的評価を行った. 結果, 左前頭前野の群内比較では, 40℃の温度刺激は安静時にくらべて温度刺激開始から120秒で脳血流変化量が増加し (<i>P</i><0.05), 群間比較では, 開始から60秒と120秒で40℃の温度刺激は16℃の温度刺激にくらべて大きかった (<i>P</i><0.05). 一方右前頭前野は変化を認めなかった. 主観的指標では, 40℃は「温かい」感覚刺激で「快感情」を伴い, 16℃は「冷たい」感覚刺激で「快ではない感情」を伴った. これらより足部への「温かい」感覚刺激による「快感情」は, 「冷たい」感覚刺激による「快ではない感情」より左前頭前野の脳血流量を増加させるが, 右前頭前野の脳血流量に変化を及ぼさないことが明らかとなった.
著者
前田 光泰 蟹井 瞳 加納 政芳 中村 剛士
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.713-714, 2012

本稿では、マリオの行動則を、進化計算によって獲得する手法について検討する。
著者
須磨崎 真 磯谷 正敏 原田 徹 金岡 祐次 前田 敦行 高山 祐一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.58-62, 2015 (Released:2015-07-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

症例は30歳,男性.下腹部痛を主訴に来院した.Multi Detector-row Computed Tomography(以下MDCT)所見より病変は上腸間膜動脈により栄養され,回腸の腸間膜付着部に位置することから重複腸管を疑い,同日腹腔鏡下回腸部分切除術を施行した.回腸末端から約80cm口側の回腸に付着する嚢胞性病変を認め,体外にて病変を含めた12cmの回腸を部分切除した.病変部は回腸壁の腸管膜側に付着した6×4cm大の球形の嚢胞性病変であり,消化管内腔との交通は認めなかった.組織学的所見では小腸粘膜と粘膜下層,固有筋層よりなる嚢胞壁を有し,筋層の一部を腸管と共有していたことから回腸重複腸管と診断した.成人発症の重複腸管は比較的稀であり,臨床像も生じる部位によって様々であることから術前診断は容易ではない.本邦における成人発症の小腸重複腸管の臨床的特徴を検討する.
著者
都志 翔太 土山 裕之 前田 朋彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100630, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】「脳卒中治療ガイドライン2009」では早期から装具を利用して歩行練習を行うことを推奨グレードAとして位置づけている。理学療法診療ガイドライン第1版(2011)の脳卒中理学療法診療ガイドラインにおいても、早期理学療法、早期歩行練習、装具療法は推奨グレードAとされている。しかし、装具作成時期とADL能力の変化との関連を調べた報告は少ない。今回、当院入院中に下肢装具を作成した症例において装具作成時期とADL能力の変化、入院期間、歩行自立までの期間との関連を調べたので報告する。【方法】対象は2011年4月から2012年3月の期間で当院に入院し下肢装具を作成した45例(男性28例、女性17例、年齢69.6±12.0歳)とする。調査項目として、発症からの入院期間、回復期退院時FIMから回復期入棟時FIMを引いたものをFIM利得、FIM利得を回復期入院日数で除したものをFIM効率とし、カルテより後方視的にデータを抽出し算出した。なお統計方法については、45例のうち発症から2か月以内に装具を処方された群(before2M群)と発症から2か月以上経過して処方された群(after2M群)の2群に分類し、各項目間で比較検討を行った。また下肢装具作成し歩行自立に至った19例(男性11例、女性8例、年齢68.5±8.5歳)も同様に2群に分類し、歩行自立までの期間を比較検討した。統計手法として、対応のないt検定を行い有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言の精神に則り実施し、臨床研究に関する倫理指針を遵守した。倫理面の配慮として、個人を特定できる情報は削除し、情報の分析に使用されるコンピューターも含めデータの取り扱いには十分に注意を払った。【結果】疾患の内訳は脳梗塞21例、脳出血18例、くも膜下出血4例、その他2例、装具の内訳はKAFO27例、両側支柱付AFO10例、Gait Solution3例、APS-AFO2例、プラスチックAFO2例、CEPA1例であった。before2M群は20例で、発症から装具作成まで39.8±14.1日、発症からの入院期間は172.2±39.8日、FIM利得は33.7±20.1点、FIM効率は0.23±0.15、after2M群は25例で、発症から装具作成まで93.7±28.1日、発症からの入院期間は219.6±81.0日、FIM利得は23.2±13.5点、FIM効率は0.14±0.08であった。この2群での統計解析の結果、before2M群で発症からの入院期間が有意に短く、FIM利得、FIM効率において有意に高かった。また装具処方され歩行自立に至ったbefore2M群は11例で歩行自立までの期間は93.2±32.6日、after2M群は8例であり歩行自立までの期間は139.4±51.1日であった。2群間での歩行自立までの期間においてbefore2M群で有意に短かった。【考察】今回の調査により、装具作成はより早期に行ったほうが、入院期間の短縮や歩行自立までの期間短縮、ADL能力の改善につながる有効な結果が得られた。損傷を受けた脳の再組織化が期待できる時期は発症から1か月以内であり、発症後からの時間依存性であることが報告されている(熊崎,2007)。また運動には認知機能低下を予防・改善する効果があり(堀田,2009)、今回の結果は装具を使用した早期歩行練習の効果を反映したものと思われる。早期装具療法が重要といわれているが、当院において2か月以降に装具を作成する症例も多いのが現状である。発症から2か月という期間は急性期から回復期への移行期間であり、身体機能面でも麻痺の回復がみられてくる時期である。今回調査はしていないが、装具作成が遅れる原因として、セラピストの経験不足、症例の経済的理由、急性期から回復期への連携不足、病院間で装具業者が異なる、急性期での意識障害の残存や合併症による離床の遅れなどが考えられる。今後はより早期に装具作成が行えるように装具作成に向けた作成基準を統一することが必要であり、装具完成までの期間を短縮していくことが課題である。【理学療法学研究としての意義】下肢装具が必要な症例に対しては、早期から装具作成を実施したほうが入院期間の短縮やADL向上が図れることが示唆され、より早期に装具を作成できるシステム作りが必要と思われる。