著者
杉本 祐太 前田 正登
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.145-154, 2013-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Subjective effort is an adjustment in output performance, dependent on an athlete’s perception and it is an important factor in sprint training. To gain information about utilizing subjective effort in sprint training, this study investigates changes in sprint running movement due to the different subjective effort of athletes at various performance levels. The participants were 15 male collegiate sprinters, who were divided into high-level (n=7) and low-level (n=8) groups based on their personal best times in the 100 m dash. The participants performed 50 m sprints at five levels of effort ranging from 60% to 100%, with increases at 10% intervals. The final 10 m of each sprint was recorded by two high-speed video cameras to analyze each participant’s movement. The results are summarized as follows.     The decline in sprint speed at lower subjective effort was higher for the low-level group than high-level one. This was the reason why low-level group decreased swing back velocity of the leg with the change of knee joint angle increased below a subjective effort of 70%. And the achievement of sprint speed from a subjective effort of 90% to maximum effort was not practical because of knee extension during support phase. Moreover, below a subjective effort of 70%, the low-level participants’ movement during support phase differed from that of maximum effort sprint running. In contrast, the high-level participants’ movement was the same even a subjective effort of 60%.

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著者
前田夕暮 著
出版者
白日社
巻号頁・発行日
1912
著者
前川 喜久雄
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.82-95, 2008-01-01
被引用文献数
1

国立国語研究所では、文科省科研費特定領域研究「日本語コーパス」との共同事業として、2006年度から5年計画で、現代日本語を対象とした1億語規模の『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(略称BCCWJ)の構築を進めている。本稿の前半では、均衡コーパスとは何かを解説した後、国語研によるコーパス整備計画であるKOTONOHA計画を紹介する。これは、明治から現代にいたる日本語の書き言葉・話し言葉の全体を把握するために、複数のコーパスを順次構築しようという計画である。本稿の後半ではBCCWJに特化した解説をおこなう。BCCWJを構成する3種類のサブコーパスの関係に注目してHCCWJの基本設計を紹介した後、サンプル長と語の単位の問題に触れる。次いでこれまでによく受けた質問に対する回答を列記し、最後に実装作業の進捗状況と著作権処理に係る問題点を指摘した。
著者
前川 友香里 鈴木 馨
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.7-11, 2017

エキゾチックペットとして広がりつつあるデグーは粗食に適応した草食齧歯類であり、飼育下での高栄養食給餌は糖尿病や脂質異常症の発症などが危惧されている。本研究では、デグーとのコミュニケーションをはかるための高嗜好性食物の検討とそれらの食餌による血糖への影響を検討した。臨床的に健康な成熟個体(n=6)を用いて、あらかじめ空腹時血糖値(64.2±2.2mg/dl、平均値±標準誤差)を測定後、通常食(ペレット)、高繊維質食(チモシー)、高糖質食(乾燥パイン)、および高脂質食(ヒマワリの種)の嗜好性、ならびに給与後の食後血糖値変動を調べた。17時間絶食後の摂食量は最も多いものから、高脂質食(2.7±0.2g、平均値±標準誤差)、高糖質食(2.4±0.2g)、高繊維質食(1.6±0.3g)、通常食(0.6±0.1g)の順序であった。食後血糖値は、高糖質食で最もピーク値が高く(91.8±7.8mg/dl)、高脂質食で最も低かったが(68.7±3.9mg/dl)、いずれも生理的変動の範囲内であり、150分以内で空腹時血糖値付近に戻った。以上より、常用・長期の場合は除き、高嗜好性食物の利用がデグーの健康に直ちに悪影響を及ぼす可能性は低いことが示唆された。
著者
田辺 陽 御前 智則 飯田 聖 西井 良典
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1249-1259, 2004-12-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
46
被引用文献数
5 7

Esterification, sulfonylation, amide formation, and silylations are well recognized as frequently used reactions for organic syntheses. Recent syntheses of fine chemicals and complex natural products, however, require further rationalization of these reactions. We describe herein our recent studies in this area including related representative known methods.(i) Recent progresses of catalytic esterifications are surveyed and we introduce two efficient ammonium triflate catalysts (DPAT and PFPAT) for esterification between 1 : 1 mixture of carboxylic acids and alcohols. (ii) Conventional condensation reagents for esterifications, thioesterifications, and amide formation, are listed and we introduce efficient methods using Me2NSO2Cl/ Me2NR and p-TsCl/N-methylimidazole. (iii) As a promising method for the replacement of conventional pyridine-method, we introduce efficient pyridine-free improved methods, which utilize sterically uncrowded tertiary amines such as Me3N·HCl/Et3N and Me2N (CH2) nNMe2 as a key protocol. (iv) We introduce highly powerful, neutral, and catalytic methods for silylations of alcohols (giving enol ethers) and ketones (giving enol silyl ethers) using hydrosilanes, disilanes, and silazanes.
著者
吉川 裕之 前田 平生
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

1.子宮頸がん症例、一般コントロールからのリンパ球のsampling:症例登録施設9施設(筑波大および研究協力者施設;東北大、癌研、慶応大、千葉大、近畿大、佐賀大、琉球大、東大)において、新たに全体として子宮頸がんおよびコントロールからのリンパ球と子宮頸部擦過検体のsamplingを行い、病理標本とともに提出した。2.HLAクラスIおよびクラスIIアレルの決定:HLAはgenotypingでgroup-specific primersを用い、PCR産物をSSCPおよびRFLPで同定した。前癌病変であるCIN I/II 570例のHLAクラスIおよびIIアレルを同定したことに加えて、子宮頸がん279名とコントロール203名の解析が終了した。3.HPV型の同定:consensus primer-mediated L1-PCRでのPCR-RFLP法と積水メヂィカルのクリニチップで解析した。子宮頸癌266名とコントロール188名が対象であるが、後者の方法では全体で300検体が終了した。4月末には全検体で終了する見込みである。がんで88%、コントロールで26%の陽性率である。4.統計解析:子宮頸がんの症例対照研究について検査がほぼ終了しつつある。まず、HLAとHPVのデータから約200ペアで解析する。暫定的な解析で複数のアレルで有意差が出ているが、最終解析を待ちたい。2011年秋頃には投稿できる見込みである。5.中央病理診断;コントロールが得られなかったがん症例も含めて、HPV型と組織型について検討する予定である。暫定的には神経内分泌型においてHPV18型陽性が多いことが判明している。
著者
三上 理一郎 矢加部 茂 竹尾 貞徳 前川 宗一郎 吉田 康洋 池尻 公二
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.559-569, 1990

内因性感染症endogenous infectionは, 生体内に存在する常在菌(フローラ)によつて起こる感染症として, Escherlich(1889)によつて始めて呼ばれた. 筆者はかつて, "顔面帯状痕疹と肺結核症の同時発症の1例"を経験し, その発症機序について考察をおこなつてきた. そしてここに内因性感染症の新しく拡大解釈した概念を考えるに至つた. 内因性感染症には, (1)もともと生体内に存在する常在菌によつて起こる感染症, の他に, (2)個体が, 以前の感染によつて生体内に侵入し, 潜在性となつた病原体によつて, 後に発症するもので, 既感染発病結核や帯状庖疹がそれに該当する.<br>内因性感染症の発症要因は, 宿主の中に存在する. したがつて, 内因性感染症の発症要因を探究するには, ホストオロジー(生ききま学)が必要である.
著者
前田 朗
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.150-154, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)

大学等の学術研究機関に所属する図書館員のスキルアップの手法として,学術情報システムの個人的なプロジェクトに取り組むことを提案する。この手法では,成果が出ることがモチベーションとなる,学習の機会が増えるといった利点がある。プロジェクトの取り組み対象は,業務の自動化,インターフェイスのカスタマイズ,ツールの作成,学術情報の解析,情報検索システムの試作とさまざまなものがありえる。これらのテーマごとに,筆者が職務ほか「図書系職員のためのアプリケーション開発講習会」講師や「専門用語自動抽出システム」開発に取り組んできた経験から,注目している情報を提示していく。
著者
前田 晴良
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.148, pp.285-305, 1987-12-30
被引用文献数
14

北海道からサハリンにかけて分布する上部白亜系から産するアンモナイトのタフォノミーについて, 主に達布地域での観察を中心に議論した。平行葉理の発達したセノマニアン階の泥岩では, アンモナイトの殻は石灰質ノジュール中に含まれている場合でも, 圧密・溶解を被っている。一方, 生物擾乱を強く受けたチューロニアン階中部〜サントニアン階上部の泥岩中のノジュールは, 圧密・溶解を受けていない保存の良いアンモナイトを豊富に含む。おそらく上位層準のノジュールの方が, 下位層準のものよりも続成作用のより早い段階で形成されたと考えられる。大型アンモナイトは, 中・小型のものより続成作用の影響を強く受け, "half-ammonite"や"ventral-tire"等の特徴的な保存をしばしば示す。これらの保存は, 堆積物が殻内を不均一に埋積するため生じると考えられる。また, アンモナイトの殻は, 植物片とよく共存する。これは海水が侵入したアンモナイトの殻の密度が, 流木片のそれと近く, 両者が水力学的に似かよった挙動を示すためと推測される。これら木片やアンモナイト・イノセラムスの殻破片は, 大型アンモナイトのヘソの下に特徴的に掃き寄せられることも多い。植物片や貝の殻破片が集まったこのようなヘソ下部の空間に, 堆積物食者のブンブク類ウニが自生的産状で保存されていることがある。
著者
大前 由紀雄
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.167-173, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
30
被引用文献数
3

高齢者のQOL向上が求められるなか,嚥下障害を抱えた高齢者の診療を実践する機会が増えている.高齢者の嚥下障害は,さまざまな原因疾患に関連した嚥下動態の異常に応じて発症するが,高齢者の抱える身体的・精神的・社会的要因が複雑に絡み合っている.さらに,加齢に伴うが生理的な嚥下機能の低下がその病態を修飾している.一般的に,高齢者の嚥下機能検査では,嚥下反射の惹起遅延や咽頭残留の増加に伴う喉頭流入・誤嚥,ならびに気道防御反射の低下に伴う喀出低下が高頻度に観察される.こうした異常所見には,加齢に伴う嚥下のメカニズムの変化として,(1)嚥下に関連する筋力低下や構造の変化,(2)嚥下に関連する感覚神経や運動神経の機能低下,(3)嚥下運動を制御する中枢機構の低下,(4)身体機能や精神機能ならびに呼吸機能の低下,が指摘されている.本稿では,嚥下機能検査で観察される異常所見を呈示し,加齢に伴う高齢者の嚥下機能とそのメカニズムを概説し,高齢者の嚥下障害の特徴と高齢化社会に向けての嚥下障害の取り扱いを解説する.
著者
前川 紀雅 森本 昌宏 森本 充男 打田 智久 白井 達 吉岡 愛 森本 悦司 古賀 義久
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.148-152, 2009-05-25 (Released:2011-09-01)
参考文献数
10

脳脊髄液減少症は起立性頭痛を特徴とし,脳脊髄液の減少により生じる.これに対する治療法として,硬膜外自家血注入法(自家血注入)が広く用いられているが,硬膜外生理食塩液注入法(生食注入)が診断法の1つとして推奨されている.筆者らは,2カ月から30年間脳脊髄液減少症に罹患していた10症例(外傷性8症例,特発性1症例,脊麻後頭痛1症例)の治療としてX線透視下に生食注入(造影剤との混合注入)を行い,その有効性について検討した.これらのうち6例では自家血注入の既往があり,RI脳槽シンチグラムで4症例で髄液の漏出,5症例で早期膀胱内集積があった.生食注入により起立性頭痛,視機能異常や耳鳴りなどの症状はすべての症例(7症例では1回,3症例では2回の施行)で改善した.以上より,脳脊髄液減少症に対して保存的療法が奏効しないときには,生食注入は試みてよい治療法の1つであると考えられた.
著者
前川 昌子 梁 善美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.387-392, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
15

3種の市販ブリーチ剤を用いて毛髪の脱色処理を行ったところ,酸化剤,アルカリ,過炭酸ナトリウムなどブリーチ剤の含有成分の違いにより脱色効果に大きな差があることがわかった.そこで, 主要な酸化剤成分である過酸化水素を用いて処理液のpHを変化させて漂白実験を行い,脱色効果と強伸度, 表面形状の変化に対するpHの影響を検討した.その結果,pHが9以上で大きくなるにつれて脱色効果は大きくなるが,一方で高いpHでは毛髪の強度低下と表面の損傷が起こることがわかった.また,過炭酸ナトリウムは過酸化水素にアルカリを加えて行った結果よりすぐれた脱色効果を示し,毛髪の損傷も幾分抑えられることが示唆された.