著者
新井 潤美 西川 克之 松本 朗 小山 太一 佐々木 徹 丹治 愛 草光 俊雄 加藤 めぐみ 前 協子 安藤 和弘
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

① 1981年の『炎のランナー』以降、サッチャー政権下のイギリスは、のちにヘリテージ映画と呼ばれることになる多数の映画を生み出していく。代表的なヘリテージ映画を解釈しながら、それらの映画がどのような主題的、映像的、イデオロギー的特徴を共有しているのかを具体的に議論した。② その一方で、ヘリテージ映画にかんする代表的な批評論文(とくにアンドリュー・ヒグソンのもの)を読み、自分たちが進めてきた個々の映画の作品論に照らして、その一般的な定義を批判的に検証し、それがもつ問題点をあぶり出すとともに、ヘリテージ映画にかんする新たな定義にむけて議論を重ねた。
著者
佐々木 久長 備前 由紀子 SASAKI Hisanaga BIZEN Yukiko
出版者
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.129-136, 2014-10-31

大学生を対象に, 希死念慮・許容度・理解度によって二次元レジリエンス要因尺度得点に違いがあるかを明らかにするために質問紙調査を行った. 対象は大学生285名 (男性174名, 61.1%), 平均年齢18.6歳であった. 「死んだ方が楽になれる」 「死んだ方が家族のためになる」 「自殺したいと思った」 に全て 「無かった」 と回答した者は 「最近一ヶ月」 では89.5%, 「今までの人生」 では51.2%であった. 全て無かったと回答した者を 「希死念慮無群」, それ以外を 「希死念慮有群」 とし, 二次元レジリエンス要因尺度得点を比較した. その結果希死念慮有群は有意に二次元レジリエンス要因尺度得点が低かった. 獲得的レジリエンス要因の 「自己理解」 と 「他者心理理解」 の得点が希死念慮有群で有意に低かったことから, これらを高める対応によって大学生の自殺念慮を低下させる可能性が示唆された. 自殺に対する許容度では若い人, 高齢者ともに, また理解度では若い人にのみ資質的レジリエンス要因との関連が推察された.
著者
尾辻 義人 前田 忠 中島 哲 入江 康文 村山 忠裕 今村 一英 福岡 義雄
出版者
Japanese Society of Tropical Medicine
雑誌
Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene (ISSN:03042146)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.59-65, 1974-06-15 (Released:2011-05-20)
参考文献数
5

フィラリア症は, フィラリア性熱発作, リンパ管炎, 乳び尿, 陰嚢水腫, 象皮病等の多彩な症状を呈する疾患である。鹿児島県はバンクロフト糸状虫症の濃厚な流行地であり, 特に奄美大島地区は高度な浸淫がみられ, 1962年のフィラリア検診の結果でもMf陽性率は11.8%で, かつては多くの典型的な象皮病患者がかなりみられた。然しながら最近では典型的な象皮病をみる機会は減少しつつあり, 著者が行った鹿児島坊津町清原地区における, 1954年から1965年にいたる11年間のフィラリア有症者の追跡調査の結果をみると, 陰嚢水腫3例, 乳び尿7例の新発生をみているが, 象皮病の新発生は1例もなかった。すなわち乳び尿等は新発生があるが象皮病患者は半減していた。最近我々は, 巨大な陰茎, 陰嚢象皮病患者を経験したので報告する。症例は鹿児島県大島郡徳之島在住の44才の男性である。生来の白痴でIQは測定不能であった。生後13才迄は蚊の多い山間の家に住んでいた。14才の頃から月に1-2回熱発作があり, 30才位迄続いた。17才頃から陰茎が異常に大きくなりだして34才の時には膝位の長さになった。34才の時保健所の検診でミクロフィラリア陽性といわれ治療を受けた事がある。当科初診時, 陰茎長は恥骨上縁から58cm, 陰嚢周は76.8cm, 冠状溝周43.5cm, 亀願周50.5cmであった。陰嚢, 陰茎を合わせた重量は18.5kg (患者体重52.6kg) もあった。外尿道口は判然としなかったが, 亀頭先端に不規則にみられる溝から尿が滲みだしていた。各種の検査を行ったがEPT皮内反応が陽性であり%赤沈値中等度促進, 軽度の貧血, 尿蛋白 (+), CRP (+) の他には特に異常所見はみられなかった。
著者
尾崎 朋文 森 俊豪 坂本 豊次 于 思 湯谷 達 竹中 浩司 佐藤 正人 米山 榮 前岡 弘子 北村 清一郎
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.103-110, 2000-03-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
29

先天性胸骨裂孔 (以下胸骨裂孔) の出現状況や胸骨の厚さを遺体で調査するとともに、生体での画像所見から、胸骨裂孔の有無および〓中穴での体表から胸骨後面までの距離を調べ、〓中穴への安全刺鍼深度を検討した。その結果、51遺体中の1例に胸骨裂孔が認められた。裂孔は第4肋間の高さにあり、形状はほぼ円形、直径は胸骨外面で9mmで、固い結合組織で埋められていた。21遺体での胸骨の厚さは9-15mmの範囲で平均は11.5±2mmであった。生体31例の〓中穴での体表一胸骨後面間距離は11-31mmの範囲で、平均は18.8±5mmであった。これらの結果から、仮に胸骨裂孔が存在しても、〓中穴への刺鍼では、極端な痩せ型を除いて10mmまでは、刺入鍼が心臓に達する可能性はなく、安全と考えられた。
著者
前田 奎 大山卞 圭悟 尾縣 貢
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.137-148, 2021

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;This study reports a coaching case of a male athlete (abbreviated to "athlete A" after this) who had a problem that left foot lands on the "under-rotation" position during second-turn phase in the discus throw. Since athlete A is the author, this study shows processes and reflections of self-coaching. First, one of the factors which caused "underrotation" was that athlete A was too self-conscious about quick touchdown of left foot during second-turn phase. Then, "turn drill without landing left foot" and "half-turn throw" were adopted as technical training to resolve "under-rotation". Although the number of trials which left foot lands on the "under-rotation" position reduced to a certain degree after both training, the problem had not been resolved completely. However, coaching processes showed in this study can contribute accumulation of a case study to construct general theory about resolving "under-rotation" in the discus throw.</p>
著者
前田 克明 西村 大介 前村 浩隆 森島 輝 張 全啓 海野 徹也 中川 平介 荒井 克俊
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.185-191, 277, 2003-03-15
被引用文献数
1 1

1996-1998年の皇居の上,中および下道灌濠で得たギンブナ201個体は三倍体(196)と四倍体(5)であり,それらの内,性判別を行った個体はすべて雌であった。DNAフィンガープリン卜分折の結果,7クローン(I-VII)が識別され,他に8個体が個体特異的パターンを示した。各クローンの出現頻度は年と濠により異なったが,クローンIが最も優占的であった。三倍体クローンIとVIは広島県黒瀬用のクローン8と6と各々同一であった。三倍体クローンIと四倍体個体のDNAフィンガープリントは酷似し,四倍体は三倍体から生じたものと示唆された。
著者
大前 由紀雄 小倉 雅実 唐帆 健浩 村瀬 優子 北原 哲 井上 鐵三
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.301-304, 1998-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
8
被引用文献数
3

嚥下運動において舌前半部は硬口蓋と接触し舌運動の基点 (アンカー) を形成することで口腔内の食塊を後方に移送している. 今回はこのアンカー機能の嚥下第2期におよぼす影響を検討した. 対象は健常者8名で, 正常嚥下時, アンカー機能補強時, アンカー機能抑制時における嚥下動態を咽頭食道造影検査と嚥下圧検査で観察した. アンカー機能を補強した嚥下では, 咽頭後壁収縮波高の短縮と舌根部最大嚥下圧値の上昇が観察された. 一方, アンカー機能を抑制した嚥下では, 咽頭後壁収縮波高の延長と舌根部最大嚥下圧値の低下が観察された. したがって, 舌前半部によるアンカー機能は, 舌根部の後方運動にも影響することが示唆された.
著者
武田 有希 大沢 愛子 前島 伸一郎 西尾 大祐 木川 浩志
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.17-24, 2011-01-25 (Released:2011-01-26)
参考文献数
18
被引用文献数
9 6

回復期リハビリテーション(リハ)病棟における摂食嚥下障害の予後について検討した.対象は,発症1カ月の時点で経管栄養の患者47名(脳出血17名,脳梗塞19名,くも膜下出血11名)で,平均年齢は71.0±12.6歳であった.これらの患者の背景因子,身体機能,認知機能,嚥下機能,日常生活活動(ADL)を評価し,退院時に3食経口摂取の患者(経口群)と,経管栄養の患者(非経口群)の2群に分け比較した.また,原因疾患と嚥下障害の経過を検討した.その結果,経口群は非経口群に比べ年齢が若く,在院中の身体機能,認知機能,嚥下機能,ADLの改善が大きかった.脳出血の患者は発症6週から急速に改善したが,くも膜下出血の患者では発症後8週頃より改善した.以上から,脳卒中の嚥下障害の予後を考える上で,疾患による差に留意し,嚥下のみでなく身体機能,認知機能を高めるような訓練の継続が必要だと考える.
著者
中村 聖平 諏訪 啓 森田 晋一 山本 和彦 若山 俊夫 大島 正資 前川 良二 松田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.52, pp.13-18, 2011-05-13
参考文献数
8

既存の電波源が放射する電波を用いて,レーダ機能を実現するパッシブレーダ方式による目標観測では,新たな送信局の設置コストの低減,受信局の秘匿性向上などの特長がある.著者らは,地上デジタル放送波を用いたパッシブレーダ方式による目標の逆合成開口レーダ(inverse Synthetic Aperture Radar : ISAR)画像取得アルゴリズムを開発中である.筆者らのグループでは,同アルゴリズム検証のためのフィールド実験を2010年に実施した.本稿では,取得した実験データから高分解能なパッシブISAR画像を取得するために実施した処理内容について報告する.取得したデータを用いて,パッシブISAR画像を再生した結果,得られたパッシブISAR画像上の目標サイズが,観測した目標はレンジ方向に約35m,クロスレンジ方向に約40mの広がりを持つ目標であることを確認した.実際に観測した目標サイズは,全長39.5m,全幅34.3mであるので,画像上から読み取れる目標サイズと実際の目標サイズと概ね一致する結果を得た.
著者
佐藤 治雄 狩屋 桂子 前中 久行
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.109-112, 1996-03-29
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

時代及び年齢成長にともなう身近な景観や生活の変化が住民にどのように認識評価されているのかを把握する目的で,琵琶湖湖岸2集落(滋賀県中主町野田,能登川町乙女浜)でアンケート調査を実施した。生活体験の変化パターンは調査項目により様々であったが,牛の飼育など2,3の項目を除き,両調査地間に大差はなかった。また,五右衛門風呂に入った,自家用車があるなど多くの項目で高度成長期を境に急激な変化があった。過去の大規模事業として圃場整備,内湖の干拓,河川改修などをあげる人は若年齢層より高齢層の方が多かった。調査結果には生活体験,景観の変化が大規模事業の進捗など社会情勢の変化と密接に関連しつつ現れている。
著者
前嶋 信次
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.137-185, 1957-11

十 和林教化の説十一 コス・ゴル湖畔入寂の説十二 宣化文書の檢討十三 西夏文經典について十四 輔仁大學調査團の立化寺訪問十五 印籠その他の品々結論
著者
梁 善美 田原 充 前川 昌子
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.51-55, 2010 (Released:2010-04-10)
被引用文献数
2

In order to establish the bleaching process for cotton fabrics under the neutral condition, cotton fabrics were bleached by hydrogen peroxide with urea. It was revealed that hydrogen peroxide bleaching with urea showed the higher whiteness of bleached fabrics than that without urea at more than 70 degrees Celsius. Tensile strength did not decrease after bleaching. Some radicals were observed by ESR measurement when urea was added into hydrogen peroxide aqueous solution. The effects of urea on hydrogen peroxide bleaching seems to be caused by active oxygen ; hydroxyl radical, perhydroxyl radical and superoxide anion radical as well as perhydroxyl anion. The residual hydrogen peroxide concentrations in bleaching baths were measured. When urea is added to the bleaching baths, the decomposition of hydrogen peroxide is accelerated even in the neutral bath.

3 0 0 0 OA 蘆花伝

著者
前田河広一郎 著
出版者
興風館
巻号頁・発行日
1947
著者
山元 翔 橋本 拓也 神戸 健寛 吉田 裕太 前田 一誠 平嶋 宗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J99-D, no.2, pp.232-235, 2016-02-01

筆者らはこれまでに,1回の加減で解決できる算数文章題を対象として,三文構成モデルによる作問学習支援システムを開発している.本研究では,システムを小学校2年生で学習する乗算の領域へと拡張するものであり,システムの拡張から1クラス9時限の実践利用までを行ったので,報告する.結果としては,システムを利用することで問題解決能力はあっても,構造の理解が浅い学習者に対して,構造理解を深められることを示唆する結果が得られた.
著者
前田 昭彦
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学留学生センター紀要 (ISSN:13486810)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.43-70, 1998-06-30
著者
前島 賢土
出版者
経済研究所
雑誌
経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.53, pp.133-154, 2021-10-05

新聞を資料として用いて,食品会社社員の偽計業務妨害という職務犯罪を考察した。食品会社社員の職務犯罪は,「給与などが不満で会社や工場長に怒りがあった」という食品会社社員の正当化によって促進された。この正当化は,自らが資本家や経営者によって搾取され,また,資本家や経営者によって指揮されていると考えている労働者階級の意識や観念,言説である労働者階級のイデオロギーをよりどころとした。労働者階級のイデオロギーは,労働者階級が資本家や経営者によって搾取され,また,資本家や経営者によって指揮されているという労働者階級の実在条件によってもたらされた。労働者階級の実在条件,労働者階級のイデオロギーは,正当化を通して,自他からの制裁という犯罪の統制要素を弱めた。