著者
加藤 隆二
出版者
The Japan Society of High Pressure Science and Technology
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.159-166, 1997-08-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
31

In this article, an effect of ultrasound on chemical reactions is reviewed. The sonochemical reaction proceeds at a hot spot produced by cavitation of bubble, i. e., creation and collapse of a bubble in liquid. Temperature and pressure at the hot spot exceed 5000 K and 100 MPa, respectively, therefore, pyrolysis of solvent can occur. We present experimental technique and our recent results of sonochemical decomposition of organic liquids and synthesis of C60 from liquid benzene.
著者
神庭 重信 牧之段 学 平野 羊嗣 加藤 隆弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

統合失調症は重篤な社会機能の障害を来す難治性精神疾患であり、神経シナプスの伝達異常仮説を元にして様々な研究がなされてきたが、未だ病態生理は十分には解明されていない。近年、神経系異常に加えて、脳内炎症をはじめとする免疫異常が統合失調症ばかりではなく気分障害・発達障害など様々な精神疾患で示唆され、我々は神経活動異常仮説に加えて、精神疾患ミクログリア仮説を先駆けて提唱してきた。本研究ではこれまで我々が提唱し報告してきた、精神疾患の脳波異常(特にガンマオシレーション異常)と神経免疫異常(特にミクログリアの活動性異常)に関して両仮説の解明とその両者をつなぐ橋渡し研究の成果を論文として報告してきた。
著者
竹島 未紗 喜多 千草 加藤 隆 吉野 孝 山本 里美
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.397-398, 2015-03-17

現代の日本では、今後ますます少子高齢化が進むと予想されている。人生の最期を自分の望むように自分で準備する、「終活」という言葉も生み出され、2012年には新語・流行語大賞に選出されるほど注目を浴びた。しかし、「終活」の一環であるエンディングノートの利用率、及び記入率は、その認知度の高さと比べて低く、6.0パーセント程度(ライフメディアリサーチバンク調べ)であるとの調査結果もある。そこで本研究では、既存のエンディングノートや終末期医療のプランニング(Advance Care Planning)の作成フォームを調査し、それらをユーザ視点から検索しやすいシステムを構築し、老後の医療や人生の終わり方についての文書作成を支援することを目指す。
著者
加藤 隆子
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, 2014
著者
加藤 隆弘
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.40-45, 2020 (Released:2020-03-30)
参考文献数
39

神経のシナプス間の神経伝達異常仮説に基づいた精神疾患の治療薬の開発がすすめられてきたが,実際には画期的な創薬には未だ到達しておらず,ほとんどの精神疾患では病態すら十分には解明されていない。脳内細胞ミクログリアはサイトカインやフリーラジカルを産生することで脳内免疫細胞として働き,近年ではシナプスと断続的に接触していることも判明し,精神疾患の病態への関与が示唆されはじめている。本稿では筆者らが十年来提唱してきた精神疾患のミクログリア病態治療仮説,および,仮説解明のために推進している主に血液を用いた橋渡し研究を紹介する。
著者
神庭 重信 加藤 隆弘
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

精神疾患患者を含む患者でのミクログリア異常を解明するための橋渡し研究ツールとして、末梢血単球に2種類のサイトカインを添加することでわずか2週間で作製可能な直接誘導ミクログリア様細胞(iMG細胞)を独自開発し、一次性ミクログリア病の那須ハコラ病患者、双極性障害患者、線維筋痛症患者で、iMG細胞の活性レベルが重症度と相関するなど疾患特異的な興味深い反応の抽出に成功した。さらに、ヒト線維芽細胞由来直接誘導ニューロン(iN細胞)の作製技術を自身のラボで改良し、わずか1週間で誘導可能な早期iN細胞の作製に独自で成功し、NF1患者由来の早期iN細胞において興味深い遺伝子発現パターンを見出すことに成功した。
著者
前田 規秀 伊藤 健吾 田所 匡典 加藤 隆司 渡辺 一功 根来 民子 麻生 幸三郎 羽賀 淑子 鬼頭 正夫 Shylaja Nuguri 大木 隆史 佐久間 貞行
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.224-232, 1992

小児期発症の局在関連性難治てんかん患者24例 (側頭葉てんかん12例, 後頭葉てんかん6例, 前頭葉てんかん6例) にMRI, SPECT, PETを施行し, その病態について検討した。全体では, MRIでは14例, SPECTでは15例, PETでは20例で大脳皮質に局在する異常を認めた。側頭葉てんかん12例では, MRIで10例に側頭葉に異常を認め, 5例は側頭葉内側硬化が, 他の5例では側頭葉内側硬化以外の病変が疑われた。SPECTでは9例で, PETでは11例で側頭葉に異常を認めた。後頭葉てんかん6例では, MRIでは4例で, SPECTでは5例で後頭葉に異常を認めた。PETでは6例全例で後頭葉に異常を認め, 視覚発作を伴う4例で1次視覚中枢の異常を認めた。前頭葉てんかん6例では, MRI, SPECTでは全例異常を認めなかったが, PETでは3例で局在する異常を認め発作焦点と考えられた。PETは焦点部位の検出に極めて有用であった。
著者
加藤 隆文
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.47-58, 2013-06-30 (Released:2017-05-22)

This paper is an attempt to suggest a provoking theory about actions of human beings (including art-creating actions, art-appreciating actions, etc.). With this aim, I refer to Alfred Gell's posthumous book, Art and Agency (AA hereinafter), especially focusing on his concepts of 'agency' and 'index'. Because 'index' is a concept derived from C. S. Peirce's semiotics, Gell's theory may also imply a kind of applicability of Peirce's idea, though Gell's 'index' is not necessarily compatible with Peirce's. In Gell's terminology, 'index' is an object that mediates 'agency'. What he argues is that 'agency' can be attributed to not only persons but also things such as god statues as long as they (persons and things) are seen as initiating causal sequences caused by some sort of intention. Utilizing these concepts, Gell puts forward 'Anthropology of Art'. He suggests that art objects should be anthropologically examined in order to grasp their 'behaviour' (AA, p.11) in the context of social relations. In this paper, above all I remark on Gell's unique idea The Extended Mind', which is also the title for the last chapter of AA. Interestingly, according to this idea, artworks (and artefacts) and persons can be regarded analogously as 'indexes' embodying collective consciousness of social agents.
著者
加藤 隆史 原木 真吾 辻阪 亮子 東山 亮 矢谷 博文
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.145-152, 2016 (Released:2016-05-26)
参考文献数
56

睡眠時ブラキシズムは歯科医療の中でも特に関心が高い睡眠関連疾患の一つである.睡眠時ブラキシズムの研究が進むにつれ,歯科医学的な常識だけでSBの診断や臨床の正当性を説明することができない様々な実態が明らかとなってきた.したがって,睡眠時ブラキシズムの診断や治療の新しい展開を切り開くためには,歯科臨床問題中心型の診断や治療だけでなく,病態生理学的な側面を勘案した医学的な診断・治療論理が求められると考えられる.本稿では,睡眠医学領域の視点を踏まえた診断の重要性を提案し概説する.
著者
鈴木 裕 深澤 瑞也 森 鷹浩 阪田 治 服部 遊 加藤 隆也
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.401-406, 2010-03-01 (Released:2010-03-01)
参考文献数
20
被引用文献数
4 4

It is desired to detect stenosis at an early stage to use hemodailysis shunt for longer time. Stethoscope auscultation of vascular murmurs is useful noninvasive diagnostic approach, but an experienced expert operator is necessary. Some experts often say that the high-pitch murmurs exist if the shunt becomes stenosed, and some studies report that there are some features detected at high frequency by time-frequency analysis. However, some of the murmurs are difficult to detect, and the final judgment is difficult. This study proposes a new diagnosis support system to screen stenosis by using vascular murmurs. The system is performed using artificial neural networks (ANN) with the analyzed frequency data by maximum entropy method (MEM). The author recorded vascular murmurs both before percutaneous transluminal angioplasty (PTA) and after. Examining the MEM spectral characteristics of the high-pitch stenosis murmurs, three features could be classified, which covered 85 percent of stenosis vascular murmurs. The features were learnt by the ANN, and judged. As a result, a percentage of judging the classified stenosis murmurs was 100%, and that of normal was 86%.
著者
加藤 隆弘 扇谷 昌宏 桑野 信貴 瀬戸山 大樹 康 東天 神庭 重信
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.182-188, 2018 (Released:2019-11-01)
参考文献数
43

近年,うつ病をはじめとする気分障害において脳内炎症,特に,脳内免疫細胞ミクログリア活性化がその病態生理に重要である可能性が示唆されており,筆者らは10年来ミクログリア活性化異常に着目した気分障害の病態治療仮説を提唱してきた。ヒトでミクログリアの活動性を探る代表的な方法として死後脳の解析やPETを用いた生体イメージング技術が用いられているが,こうした方法だけではミクログリアのダイナックで多様な活動性を十分に捉えているとは言い難いのが現状である。筆者らは,間接的にミクログリア活性化を評価するための血液バイオマーカー研究を推進してきた。一つは,ヒト末梢血単球にGM‐CSFとIL‐34を添加することで2週間で作製できる直接誘導ミクログリア様(iMG)細胞を用いた精神疾患モデル細胞研究であり,もう一つは,血漿・血清を用いたメタボローム解析・リピドーム解析などの網羅的解析研究である。本稿では,こうしたヒト血液を用いてのミクログリアに焦点を当てた橋渡し研究を紹介する。