著者
加藤 百合
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.1020, 2017 (Released:2017-10-01)
参考文献数
4

朝にインフルエンザワクチンを接種すると,午後に接種する場合と比較して抗体力価が上がることから,概日リズムにより免疫システムが制御されていることが示唆されている.このメカニズムの解明は,様々な病原体に対する効率的なワクチン療法の確立に重要である.ワクチン接種による免疫獲得には,リンパ球が重要な役割を担う.リンパ球は抗原を探索するために,血液からリンパ節へ移行し(ホーミング),その後,遠心性のリンパ管を流れるリンパ液へと放出され(遊出),全身を循環する.これまでに免疫応答が,活動期と休息期で日内変動することは報告されていたが,リンパ球の概日リズムへの関与は長らく議論があった.本稿では,リンパ球が概日リズムで制御されることによって,リンパ節へのリンパ球の移行,リンパ節からのリンパ球の放出,さらには免疫応答が調節されていることを明らかにした,Druzdらの研究成果を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Long J. E. et al., Vaccine, 34, 2679-2685(2016).2) Scheiermann C. et al., Nat. Rev. Immunol., 13, 190-198(2013).3) Hemmers S. et al., Cell Rep., 11, 1339-1349(2015).4) Druzd D. et al., Immunity, 46, 120-132(2017).
著者
加藤 守通
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.39, pp.124-140, 1989-10-20

La teoria ficiniana dell'ars non e una 'teoria delle Belle Arti'. Ars e, come la parola greca techne, il sapere produttivo in senso esteso che include anche il lavoro artistico. In questa ricerca della teoria ficiniana dell'ars ci limiteremo alla sua opera maggiore, Theologia Platonica(TP). TP tratta di 5 gradi di essenze : Dio, angeli, anima(uomo), qualita, quantita. L'uomo, occupando il grado centrale, gioca un ruolo importantissimo quale centro universale che ricollega tutto. Ed a proprio questa positione privilegiata dell' uomo in TP ad inflluire decisivamente la teoria ficiniana. Possiamo trovare la teoria degna d'attenzione dell'ars, appunto derivante dal privilegio dell' uomo, in TP XIII, 3 In questo capitolo e da notare la lode appassionata all'uomo come possessore dell'ays. L'uomo e il dio terreno, che esercita liberamente la propria ars, arrivando a sottomettere tutto a se stesso. La conseguenza di tutto questo e che il mondo diventa piu bello. La lode ficiniana e piu audace di quelle tradizionali rivolte all'ars. E visibile l'influenza sopra tutto dell'Ermetismo e di Giannozzo Manetti. Il secondo aspetto degno d'attenzione consiste nello stretto reciproco legame tra 'sapere' e 'fare':solo chi possiede la stessa ars-chi cioe puo produrre la stessa opera-puo comprendere quest'ultima. Viceversa, capire qualcosa significa poterlofare. Questo pensiero viene interpretato, e la sua originalita valutata, nel contesto della lunga tradizione del pensiero occidentale riguardo il rapprto tra 'sapere' e 'fare'. TPXIII, 3 e una clavis magna per la valutazione dell' originalita della teoria ficiniana dell'ars.
著者
杉岡 陽介 久保 明 三井 理恵 福原 延樹 加藤 倫卓 仁瓶 史美 竹田 義彦
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.537-542, 2016 (Released:2016-11-01)
参考文献数
26

【目的】加齢とともに増加する終末糖化産物(AGEs)の蓄積が、骨格筋のタンパク質の機能を変化させることが報告されている。本研究の目的は、皮膚組織におけるAGEsの蓄積と骨格筋量との関係を調査することである。【方法】対象は、健康診断を受診した中年および高齢の男女70名(58±10歳、男性55%)とした。対象の背景として年齢、性別、body mass index(BMI)、合併症および血液生化学検査の情報をカルテから調査した。皮膚組織におけるAGEsの蓄積の指標として、AGE Readerを用いてskin autofluorescence(SAF)を、骨格筋量の指標として、2重エネルギーX線吸収測定法を用いて骨格筋指数(SMI)を、筋力の指標として、握力を測定した。SMIと各調査項目との関係を、Pearsonの積率相関係数とSpearmanの順位相関係数を用いて解析した。また、SMIに独立して関係する因子を抽出するために、SMIを従属変数、年齢、性別、血清クレアチニン(Cr)、グリコヘモグロビンおよびSAF等を独立変数としてステップワイズ重回帰分析を行った。【結果】SMIと有意な相関があった項目は年齢、性別、BMI、中性脂肪、Cr、握力およびSAFであった(それぞれ、r=0.312、P=0.011;r=-0.692、P<0.001;r=0.607、P<0.001;r=0.302、P=0.028;r=0.464、P<0.001;r=0.741、P<0.001;r=-0.413、P<0.001)。重回帰分析の結果、SAFと性別が独立してSMIと関係する因子として抽出された(それぞれ、P<0.001)。【考察】中年および高齢の男女において、SAFは性別と共に独立してSMIに関係する因子であった。
著者
塚本 祐也 神保 幸太郎 白濱 善彦 田中 康嗣 下河辺 久雄 重留 広輔 加藤田 倫宏 吉田 史郎 坂井 健介 田中 憲治 吉田 健治 後藤 琢也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.469-471, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
7

近年,加圧トレーニングはトップアスリートだけでなく一般人にも広く普及している.加圧トレーニングによってCrush Syndromeおよび長期運動障害を合併した1例を経験したので報告する.症例は15歳男性.野球部の練習中に加圧トレーニングを約15分実施.直後より両上肢の鬱血と強い疼痛および運動障害をきたしたため当院救急外来受診.血液検査にて白血球14830/μl,CPK2095IU/l,ミオグロビン631ng/mlと上昇,入院にて輸液管理を行った.入院1日目にミオグロビンは2013ng/mlに上昇,入院2日目にCPKは32309IU/lと急激な上昇を認めCrush Syndromeと診断した.輸液負荷を継続することで入院4日目からCPKは改善傾向になり,8日目にはCPKおよびミオグロビンは正常範囲まで改善した.両肘関節運動障害は徐々に改善して,受傷4か月で完全伸展可能となった.
著者
加藤 征江 小前 佳代 福本 三紀
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.39-47, 2008

The purpose of the research is to clarify the influence of preservation conditions on the deterioration of the vegetable oils used in daily life.Each of iodine value for five kinds of vegetable oil, that is, salad oil, olive oil, sesame oil, corn oil, and soy bean germ oil was obtained by the experiment, because iodine value shows the degree of unsaturated fatty acids as the constituents of lipid, and it seems to relate to the deterioration of oil. Then, the changes of the deterioration for five kinds of vegetable oil which were put on the preservation of eight weeks at a constant temperature of 60℃ were examined every week by the rate of weight increase (%), peroxide value (POV) and acid value (AV).Furthermore, both samples of salad oil used in frying the sliced potato and an unused salad oil were put on the place of sunlight irradiation and the shade, and were examined every week by peroxide value.As the result, it was concluded that the preservation conditions of a lower temperature and the shade place were extremely important in the preservation of vegetable oils.
著者
加藤 諭
出版者
東北大学史料館
雑誌
東北大学史料館紀要 (ISSN:1881039X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.89-102, 2014-03-15
著者
後濱 龍太 岸本 慎也 加藤 健太郎 横山 圭 島田 茂伸
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.284-291, 2020-07-01 (Released:2020-07-01)
参考文献数
13

本稿では、身体表現における演者の「身体形状」および「動き方」の両方が唯一性や希少性を備えており、原資料としての性質を帯びているとのアイデアに基づき、動作する人体をデジタルアーカイブする方法を提案する。3次元デジタイザを用いて取得した高解像度かつ高寸法精度な形状データに、モーションキャプチャを用いて取得した動作データを統合することで、動作する人体のデジタル復元である「動作可能モデル」を生成する方法を明らかにする。動作可能モデルとデジタイズ直後の形状データの寸法変位RMSは1mm未満であり、提案手法がデジタイズ形状の寸法をほとんど変化させないことを示した。本手法が舞踊などの無形文化財やスポーツのアーカイブへ適用しうる基盤技術となることを期待する。
著者
村井 紀元 村上 雅彦 東 弘志 加藤 博久 草野 満夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.103-107, 2009-02-28 (Released:2011-05-12)
参考文献数
14

房総半島沿岸地域において,一般に食される,カタクチイワシにより急性腹症をきたした3例を経験した.主訴はいずれも腹痛,嘔気,嘔吐であり,食後3~5時間で発症した.腹部所見では,腹部全体におよぶ強い圧痛を認め,腹部単純X線写真ではいずれも小腸ガス像を認めた.血液検査所見では,いずれも白血球数の増加を認めたが,発熱はみられなかった.また,腹部エコー・上部消化管内視鏡検査では特に異常所見はみられなかった.全例ともに絶飲食による保存療法により,1~3日以内に症状は消失した.魚類摂食後の腹痛の原因としては,寄生虫によるもの,食中毒によるものなどが挙げられるが,今回の症例ではアニサキス症などは否定され,便培養の結果で有意な所見なく,発症までの時間的経過や,大量摂取という状況より,ヒスタミン中毒によるものと推察された.ヒスタミン中毒とは,ヒスタミンの蓄積した赤身魚を摂食後,数分から数時間以内に様々なアレルギー様疾患を起こす病態のことをいう.マグロやサバ,イワシなどが主な原因食として挙げられ,カタクチイワシもヒスタミン中毒魚の一種である.ヒスタミン中毒による症状は,比較的軽度とされており,その診断には問診が重要ともいわれている.今回のように腹部所見の強い症例では,緊急手術の要否の判断に難渋する可能性もあり,急性腹症の患者の診察においては,ヒスタミン中毒も念頭において,問診,診断,治療にあたる必要があると思われた.
著者
加藤 準治 谷地 大舜 西澤 峻祐 高瀬 慎介 寺田 賢二郎 京谷 孝史
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.20160001, 2016-01-18 (Released:2016-01-18)
参考文献数
41

本研究は, 超惰性体二相複合材料を対象に, 分離型マルチスケール解析法を活用してミクロとマクロ構造の両方のトポロジーを同時に最適化する「マルチスケールトポロジー最適化手法」の提案を行うものである. ここでは, 使用材料体積量一定のもとマクロ構造のエンドコンプライアンス最小化を目的関数として定義した. マルチスケールトポロジー最適化は, 材料挙動が複雑な先端材料の設計に有用であるとして, 現在様々な分野で着目されている手法である. しかし, このようなマルチスケール解析を活用したトポロジー最適化は, 実際に生じる非線形の力学挙動を考慮すると, 計算コストが大きくなり, さらに目的関数の設計変数に対する感度の導出が複雑なることから, ほとんどの研究では線形弾性体を仮定した単純な問題のみを扱ってきた. そこで, 本研究ではこの現状を打破すべく, 二相複合材料の超弾性体を対象としたマルチスケールトポロジー最適化手法の確立に挑戦するものである. この問題を解くために, 当該研究では二変数境界値問題の局所化解析を活用した新しい感度解析法を構築した. これにより, ミクロ‐マクロ構造ともに最適な「理想的な構造物」の設計が可能となる. 最後にいくつかの数値シミュレーションによって本手法の妥当性を検証した.
著者
西野 崇行 加藤 準治 京谷 孝史
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.20190004, 2019-04-10 (Released:2019-04-10)
参考文献数
28

本研究は,幾何学的非線形挙動を有する構造に対して,外荷重の方向が不確かである場合を想定し,そのロバスト性を向上させるためのトポロジー最適設計法を提案するものである.ここでは,エンドコンプライアンスの期待値と標準偏差の和を目的関数とするが,低い計算コストで精度よく期待値と標準偏差の推定を行うため,エンドコンプライアンスの2次近似式を用いる手法を提案する.そして,近似式による推定値の精度検証およびいくつかの最適化計算例を示し,本手法の妥当性を検証する.
著者
加藤 大晴 牛久 祥孝 原田 達也
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

既発表論文 Neural 3D Mesh Renderer [Kato et al. CVPR 2018] について紹介する。3次元モデルから2次元画像を生成するレンダリング処理を深層学習のパイプラインへと組み込むため、我々はレンダリングに対して新規な『逆伝播』を提案した。また、このレンダラーを用いて (a) 単一画像からの3Dメッシュの再構成 (b) 画像から3Dへのスタイル転移と3D版ディープドリームを行い、その性能を検証した。
著者
梶川 昌孝 加藤 彰 橋本 隆
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.067, 2007 (Released:2007-12-13)

ニコチンはタバコに含まれる塩基性アルカロイドであり、虫害からの化学防御を担う物質である。ニコチンは主に根部においてN-メチルピロリニウムカチオンとニコチン酸関連物質の縮合反応により生合成されると予想されるが、その生合成酵素遺伝子は同定されていない。我々は、この縮合反応を担う候補遺伝子としてイソフラボノイド還元酵素遺伝子ホモログのA622およびベルベリン架橋酵素遺伝子ホモログのNBB1の機能解析を行った。これらの遺伝子発現はニコチン生合成調節因子であるNIC遺伝子座の制御下にあり、かつ根特異的でジャスモン酸応答性を示した。RNAi法によりA622およびNBB1遺伝子の発現を抑制した毛状根、BY-2細胞においてはニコチンアルカロイド量が有意に減少した。BY-2細胞においてA622-GFPおよびNBB1-GFP融合タンパク質を発現させたところ、それぞれプラスチドおよび液胞に局在することがわかった。この結果から、ニコチン生合成はこれら2種のオルガネラで段階的に行われていることが示唆された。
著者
加藤 弘通 太田 正義 松下 真実子 三井 由里
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.25-40, 2018-08-31 (Released:2018-09-19)
参考文献数
42
被引用文献数
4

The aim of this study is to address the decline of self-esteem in puberty from a viewpoint of development of thinking, especially critical thinking disposition. The sample consists of 633 junior high school students from four schools. We conducted nine separate questionnaires. We first estimated the mean pattern of self-esteem. It showed that self-esteem declines until Time 5 (Grade 7) after that it increased; however, there was more variation after Time 5. Then we examined self-esteem across five different time points to address the decline by using a latent growth curve model. The model showed an acceptable fit to the data. The change of Individual differences of self-esteem were shown to be related to critical thinking disposition (Time 1). The results revealed that the development of critical thinking in puberty had a negative effect on the change of self-esteem: if students have a higher level of development critical thinking disposition, it predicts that their self-esteem will decline. Thus, it appears that the development of thinking would be related to the decline of self-esteem in puberty.
著者
加藤 文崇 星野 宏光 山本 為義 小林 省吾 棟方 哲 大里 浩樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.2022-2026, 2016 (Released:2017-02-28)
参考文献数
21

爪楊枝の胃壁穿通による肝膿瘍の1例を経験したので報告する.症例は53歳の男性.心窩部痛を主訴に受診した.胆石発作が疑われ経過観察していたが,腹痛の改善を認めなかったため,腹部超音波検査・CT検査を施行したところ,肝外側区域に約3.5cm大の膿瘍と内部に針状陰影を認めた.異物の胃壁から肝への穿通による肝膿瘍と診断した.抗生剤による保存的治療を行い炎症の改善を得た後,異物除去を目的に腹腔鏡下肝外側区域切除術を施行した.異物は爪楊枝であった.術後は特に合併症なく,術後10日目に退院となった.異物の胃壁穿通による肝膿瘍の診断にはCT検査が有効であった.腹腔鏡下手術は低侵襲で可能であり,異物除去に有効であった.
著者
林 典雄 加藤 明
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.485-489, 1990-09-10
被引用文献数
2

等尺性収縮が持つ特性よりROM訓練への応用が示唆され, 肩関節屈曲100度以下の拘縮肩に対し臨床応用した。16名にストレッチングを主体とした治療, 17名に等尺性収縮を主体とした治療を行い, 1%以下の危険率にて後者の有効性を示した。筋肉におけるレベルで考えるとき, 筋腱移行部 (MTJ) の伸展性欠如が一つの原因であり, その治療を行うには等尺性収縮が非常に有効であることが示唆された. また, 筋収縮がもたらす熱発生は, コラーゲンを中心とした結合組織の粘性低下をもたらし, より有効なROM訓練が行い得ると考えられる。

4 0 0 0 OA かわいい動物

著者
加藤まさを 文・絵
出版者
ゆりかご社
巻号頁・発行日
1951