著者
石丸 正 作本 真 長山 郁生 古川 仭
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.1489-1494, 1994-11-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

We usually use 6 frequencies, 250, 500, 1000, 2000, 4000 and 8000 Hz, in conventional pure tone audiometry. When these 6 points do not show hearing loss, our clinical diagnosis is no hearing loss. If the hearing loss is not located in the clinical 6 frequencies, we cannot detect it.The authors diagnosed 6000 Hz-dip type acute hearing loss in a 43-year-old male with tinnitus. We measured the hearing levels at 6 frequencies and found no hearing loss. The pitch of his tinnitus was 6000 Hz, so we measured the hearing levels at 4 other frequencies (800, 1500, 3000 and 6000 Hz) and detected a 6000 Hz-dip.Steroid treatment cured both the tinnitus and the 6000 Hz-dip hearing loss.When hearing loss occurs at a frequency other than the conventional pure tone audiometric frequencies, a mistaken diagnosis of no hearing loss is made. If the patient complains of tinnitus, the clinician should investigate the pitch and measure the hearing level near the frequency of the tinnitus. This is a useful method of discovering narrow diptype acute hearing loss.
著者
工藤 真哉 対馬 伸晃 澤田 善章 斎藤 文匡 本村 文一 高島 徹 古川 利有 鈴木 唯司 黒滝 日出一 増森 二良 渡辺 耕平 稲積 秀一
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1594-1602, 1991-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

1983年10月より1989年6月までの間に弘前大学泌尿器科で膀胱移行上皮癌と診断定れ, BCG膀胱内注入療法をうけた120症例における副作用をまとめるとともに, 重篤な合併症とBCG投与との関連性について検討を加えた. 局所的には, 頻尿, 排尿痛などの膀胱刺激症状が102例 (85.0%), 血膿尿が46例 (38.3%) だった. 全身的には, 発熱が43例 (35.8%), 血清GOT, GPT値異常が9例 (7.5%), 全身倦怠感が3例 (2.5%) だった. 重篤な合併症としては, 膀胱容量が50ml以下の高度萎縮膀胱が4例に, 難治性関節炎が2例に, 間質性肺炎が1例に認められた. 高度萎縮膀胱の4例ともに, BCG膀注前後に膀胱部分切除術を施行定れており, 3例はBCG膀注回数が10回以上であった. 低膀胱容量状態に加え, BCG膀注回数が多いことが萎縮膀胱の誘因となることが推. 定れた. また, 4例中2例は非可逆性であり, 組織学的には, 筋層の線維化がより高度であったが, 結核性変化は認めず, 可逆性か否かは線維化の程度により決まると思われた. 難治性関節炎の2例ともに, 関節穿刺液の結核菌培養は陰性で, 非特異的炎症反応だった. 重篤な間質性肺炎の1例は, 気管支鏡生検組織において, 肺胞中隔の著明な線維化とリンパ球浸潤を認めたが, 結核性変化は認めず, BCGに対する過敏性反応が病因であると考えられた.
著者
古川 福実
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.130, no.13, pp.2689-2697, 2020-12-20 (Released:2020-12-20)
参考文献数
24

2005年から13年間,和歌山県立医科大学医学部学生の人権教育のテーマとして,ハンセン病をとりあげた.ハンセン病の国内施設において不法中絶の常態化を報じる新聞記事も紹介して,講義と記事に対するレポートの提出を求めた.更に,2010年から4年間の学生には3年後の臨床実習の際に同じレポート提出を求めて,傾向を比較し変化を解析した.合計1,347のレポートの検討によって,ハンセン病が人権教育や臨床倫理教育に極めて有用なテーマであることが確認された.
著者
古川 智恵子 豊田 幸子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
no.30, pp.p1-10, 1984-03

1.外被類は男女ともに戦前から戦後および現代にかけて大きく変化した.戦前は防雨,防雪用として大みの,しゅろみの,けらみの等重量のあるみのの着用からその後洋服形態の一部形式から二部形式へと変化し,素材は戦前の自家生産であるわら製品からゴムやビニール製品となり,現代ではナイロン等さらに軽い素材へと変化し,通気性,機能性共に合理化してきている.2.かぶりものの中で手ぬぐいは男女とも昔から作業時には必らず携帯し,防暑,防寒,汗ふき,けが等の包帯代りに用いた.男はねじりはちまき,ほおかぶり,女は姉さんかぶりが多いのは昔も今も変らない.また戦前,戦後にかけてかぶられた代表的な組笠にひのき笠,菅笠があるが,戦後は麦わら帽,せんとう帽,また布製の作業帽,ヘルメット等仕事の種類に応じてその着装方法も変化してきている.3.戦前のはきものはわらじ,わらぞうりから山仕事には甲かけ,津具足袋等の孝案,昭和初期頃から地下足袋が使用され,現代に至っている.水田用には戦後ゴムの田植足袋,30年後半から水田用長靴が使用され今日に至っている.4.はばきは女の場合戦前の一部形式の長着着用の際には着用したが,戦中戦後から現代にかけてもんぺやズボン等の二部形式になってからは着用しない.男では戦前の股引,乗馬ズボン形態では山仕事以外,はばきの着用はしない.現代での作業ズボンの際には足元の機能性やよごれ防止等の経済管理上より,はばき着用の機会が多い.5.うでぬき,手甲,手袋は山林作業時に体の保護や衣服の汚れ,破れを防止するためにつける.現代では作業に応じて軍手,ゴム手袋の着用がみられる.6.虫よけには戦前からの布製の"かこ"やわら製の"かだいまつ"が使用された.かこ等にみられる農民文化が今もなお名ごりをとどめて利用されているが,最近では既製の携帯用蚊取線香の使用もこれにあわせて多くみられる現状である.以上,北設の仕事着の補助衣の推移については新らしい仕事着への受容姿勢は極めて緩慢ではあったが,時代の流れと共に徐々に古くから伝承されてきた手製の補助衣は影をひそめ,合成繊維を主体にその形態も目まぐるしく変転した大量生産の既製の補助衣へと年次的に進行しつつ現在に及んでいる傾向が何れの地域にもみられる現状である.次第に消え去り忘れられていくであろうこれらの補助衣は農民の生活史でもあり,生活文化の名残りともいえるのではなかろうか,そしてこれらの変遷を孝究することは現代および将来の衣生活改着への基底を作るものと考えるものである.
著者
城間 吉貴 北條 優 福本 晃造 レンゼッティ アンドレア 宮国 泰史 古川 雅英 杉尾 幸司
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.335-336, 2020

<p>琉球大学では,科学技術振興機構の支援を受けて2018年度より琉球大学GSCプログラム(琉大カガク院)を実施している。この事業では,早期から高校生の基盤的能力を伸長させる機会を提供している。このプログラムによる受講生の能力・資質の伸長を把握するため,受講前と受講後に受講生の能力評価を実施した。その結果から,琉大カガク院の受講により,受講生の研究基礎力が多面的に成長していることが示唆された。</p>
著者
下田 義文 鈴木 真次 石川 信隆 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.480, pp.97-106, 1993
被引用文献数
2

本研究は, コンクリート製砂防ダムの耐土石流衝撃設計に資するため, まず個別要素法による衝撃応答計算モデルを作成し, 次にこのモデルを用いて土石流に含まれる巨礫の衝撃に対する砂防ダム袖部の衝撃応答解析を行った. この結果, 個別要素法による衝撃応答計算モデルが, 砂防ダム袖部の小型模型実験における衝撃応答, サンドバッグの緩衝効果および実砂防ダムの土石流による被害形態をよくシミュレートできることを確かめた.
著者
古川 昭雄
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.77-85, 1975-06-30 (Released:2010-06-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

明・暗両条件下におけるポプラ葉のCO2交換速度に対する通気速度の効果を種々の光・温度・CO2条件下において調べた.純光合成速度に対する通気速度の効果は, 温度によってはほとんど影響されなかった.照射光強度が高い時は通気速度を高めると純光合成速度は著しく促進されたが, 光強度が低い時は通気速度の促進効果は低かった.明呼吸 (明条件下の呼吸) 速度は高い通気速度の時に高い呼吸速度を示したが, 暗呼吸速度はほとんど通気速度によって影響されなかった.明条件下においては光呼吸によって葉外に放出されたCO2が光合成の再固定作用のために再吸収されるが, 暗条件下においては光合成の再固定作用がない.すなわち, 通気速度を高めると再固定作用が阻害され, 見かけ上, 明呼吸速度が高められるからであろう.また, CO2補償点も通気速度によって影響されなかった.この原因は, CO2補償点下での光合成に対するCO2供給は細胞内で光呼吸によって放出されたCO2によっているためであろう.通気速度によって光合成速度が高められる一因は, 葉へのCO2供給を良好にするためと考えられる.CO2供給速度は, 今回の実験においては, CO2濃度と通気速度の1/3乗の積によって定められた.
著者
藤井 達也 三橋 正枝 古川 柳蔵
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.184-194, 2020-11-30 (Released:2020-11-30)
参考文献数
30

近年,気候問題をはじめとした様々な地球環境問題が益々悪化している。地球環境問題の原因は人間活動の肥大化である。ライフスタイルを変えられるかどうかが問われており,環境配慮行動の実践を繰り返し,ライフスタイルへ定着が急がれる。ライフスタイル変革を促す環境配慮行動を評価するには,人々の多様で潜在化した無意識に生起され,社会的背景・文化的背景,環境,コミュニティなどと関連性を持って成り立っている日常的な行為を把握する必要がある。そこで,本研究では,オントロジー工学に基づき,実世界で起こる日常的な複数連なる行為をモデル化し,感情を含んだ行動の共通概念を明示化することにより,日常的な行為の変容と感情や意識との関係を評価し,推論する方法を検討することを目的とする。日本の複数の地域の小学生を対象として持続可能な暮らしの構築のための木育ワークショップを実施し,参加者へのアンケート,インタビュー及びビデオによる録画したデータに基づき分析を行った。木育ワークショップに参加した子どもの笑顔に着目し,子どもの笑顔に至るまでの行動をパターン化し,オントロジー工学に基づき行為分解木を描くことにより,笑顔に至るプロセスにおけるその人の感情の共通概念を明示化できることが示された。また,笑顔数などの客観的なデータを用いて,日常的な行為の変容と感情や意識との関係を評価することで,ある特定の行為を通した一人当たりの笑顔数が環境意識の高さや環境意識の向上度合によってどの程度になるか推論できる可能性が示唆された。
著者
坪内 佑樹 鶴田 博文 古川 雅大
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.9-16, 2020-11-26

Web サービスのソフトウェア規模は,長年の機能開発により日々増大しており,ソフトウェア開発者によるソフトウェアの変更が難しくなっている.そこで,変更を容易にするために,一枚岩のアプリケーションを分解して分散させるマイクロサービスアーキテクチャが普及している.しかし,マイクロサービス化によりシステムの構成要素数が増大するにつれて,システムの性能を示す時系列データ形式の指標であるメトリックの個数が増大する.そのため,システムの性能に異常が発生したときに,網羅的にメトリックを目視できず,システム管理者がその異常の原因を診断することが難しくなっている.先行手法では,複数の構成要素を横断したメトリック間の因果関係を推定することにより,システム内の異常の伝播経路を推論する.しかし,診断に利用できるメトリックの個数は限定されるため,より原因に近いメトリックが推論結果から除外される可能性がある.本論文では,性能異常の診断に有用なメトリックを網羅的に抽出するために,観測されたすべてのメトリックの次元数を削減する手法である TSifter を提案する.TSifter は,定常性を有するメトリックを除外したのちに,類似の形状をとるメトリックをクラスタリングすることにより,異常の特徴を強く表すメトリックのみを抽出する.本手法により,メトリック数が膨大であっても,その異常の診断に適した有用なメトリックを都度抽出できる.マイクロサービスのテストベッド環境に故障を注入する実験の結果,TSifter は,ベースラインとなる手法に対して,正確性と次元削減率の指標では同等程度の性能を有しながらも,270 倍以上高速に動作することを確認した.
著者
長澤 勲 古川 由美子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.112-120, 1986-01-15
被引用文献数
2

現在 機械設計の現場では FORTRANなどでかかれた専用的な設計システムが実用されている.近年 多品種少量生産傾向が強まるとともに 保守性 拡張性 多目的性に優れた汎用設計システムの必要性が認識されてきた.このためには 設計の方法論に基づいた設計システムを開発する必要がある.筆者らは 先に 論理プログラミングを用いた拘束条件リタクション法とよぶ計算モデルを提案し これが設計計算のモデルとして優れた表現力をもつことを示した.本研究では この計算モデルを基礎に機械設計のうち基本設計とよばれている部分を対象とした汎用的機械設計計算支援システムを開発した.ここでは まず設計システムを実用化するうえでの問題点と解決策を示し 次に歯車減速機を例にとり設計システムのプログラミング技術について述べている.
著者
古川 章
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.860, pp.21-23, 2020-11
著者
菅 文彦 古川 拓也 舟橋 弘晃 間野 義之
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_1-1_11, 2018 (Released:2018-02-09)
参考文献数
26

Although previous researches have suggested that Team Identification (Team ID) and Place Attachment are positively correlated, the causal relationship between them has not been clarified sufficiently.    In this research we attempted to verify the hypothesis that “inhabitants who have raised the Team ID will raise Place Attachment, compared to the inhabitants who have not raised it.” The investigation method was a longitudinal survey focused on inhabitants of Imabari City, designed to assess the change in the Team ID and Place Attachment.    The results of the two-way ANOVA showed that there was a significant difference between the Place Attachment of inhabitants who had raised the Team ID and those who had not. Place Attachment of the former increased, and thus the hypothesis was supported.    The causal relationship between Team ID and Place Attachment been clarified by this research, however, the existence and the influence of other parameters have not been clarified. In order to clarify the mechanism between Team ID and Place Attachment, accumulation of expert knowledge will be required.