著者
矢島 安朝 伊藤 太一 古谷 義隆 本間 慎也 佐々木 穂高 鈴木 憲久
出版者
東京歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

近年、インプラント治療患者の年齢層が高齢化により口腔癌の好発年齢に一致してきている。「field cancerization」という概念より、常に慢性炎症の環境下にあるインプラント周囲上皮は、発癌のリスクが高いと考えられる。この仮説をもとに我々は、4NQOを用いた自然発癌モデルラットを使用し、インプラント周囲口腔粘膜と癌の相関性について検討した。6ヶ月間の4NQO投与によってインプラント周囲上皮の発癌は認められなかったが、対象群と比較して、N/C比の増大や異型核分裂などの細胞異型が多く見られた。この結果から、インプラント周囲上皮は発癌リスクが高い可能性が示唆され、さらに長期的な観察によって明らかになると考えられた。
著者
常包 正 中川 英夫 古川 岩雄 石坂 謙一 吉田 信行
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.210-214, 1956

牛の卵巣嚢腫の治療に胎盤性性腺刺激永ルモンが効果のあることは, 出内の報告をはじめとして多数の報告によって朋らかにされている.<BR>われわれは卵巣嚢腫牛6頭 (思牡狂および無発情牛各3頭) に日本全薬工業株式会社から供試されたレバチオニン50~100ccとビタミンC2.5~5.09を1日量として, 10目間連続注射したところ, 注射開始後5~10日で嚢腫は黄体化または閉鎖し, 思牡狂の症状も3~9日で消失を認めた. 試験牛6頭中の5頭は注射開始後7~28日の間に正常発情を示し治癒と決定, 他の1頭は再発し不治と決定した. 治癒牛2頭に種付し, 1頭受胎, 1頭不受胎であった.<BR>牛の卵巣嚢腫を本治療法によって治癒させることができることは, まだ報告をみない新知見をえたので報告する. 本治療法による治癒機転については, 目下追究中である.
著者
古味一洋
出版者
高知県農業技術センター
雑誌
高知県農業技術センター研究報告 = Bulletin of the Kochi Agricultural Research Center (ISSN:09177701)
巻号頁・発行日
no.12, pp.21-25, 2003-03
被引用文献数
6

2000年11月~2001年3月に高知県内で採集したミナミキイロアザミウマ9個体群のクロロフェナピル、スルプロホス、エマメクチン安息香酸塩、スピノサド、チオシクラム、イミダクロプリド、シペルメトリンおよびマラソン・BPMCに対する感受性を調査し、以下の結果を得た。1.供試した個体群に対するクロルフェナピルのLC50値は6.0~17.1ppmの範囲であった。感受性系統に対する本剤のLC50値が2.5ppmであることから、県内には本剤に対して感受性の低下した個体群が存在することが明らかとなった。2.エマメクチン安息香酸塩、スピノサドに対する感受性は高く、補正死虫率はそれぞれ98%、96%以上であった。チオシクラムに対する感受性も概ね高く、シペルメトリンに対する感受性も一部の個体群を除き高かった。しかし、イミダクロプリド、マラソン・BPMCに対する感受性は全般的に低かった。さらに、供試した個体群に対するスルプロホスのLC50値は72.2~167.2ppmの範囲であり、1992年当時に比べ感受性が高まる傾向にあった。
著者
古矢 千雪
出版者
広島文化女子短期大学
雑誌
広島文化女子短期大学紀要 (ISSN:09137068)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-6, 1977-08-20

This study is to examine the contents of free association with simple shape stimulus. Method Subjects. 112 students of the domestic economy course. Experimental stimuli. See fig. l. Procedure. The subjects were instructed to look at the shape stimulus and record freely whatever comes into their mind. Results (1) The main contents of free association with each shape. A ? a short vertical line numeral letter "1", needle, something fine, stick, something thick, tree, telegraph pole, something standing, something took a view from the side, cut, pocket, rain, road, getting longer, nose, close state, neatness, opening, parted right and left, unstable and so on. B. a short horizontal line numeral letter " 1", "ichi" in chinese characters, match, needle, thread, stick, horizon, sea line, road, sea, stretch, bridge, something lying, mouth, cut, pocket, post, something took a view from the side, close state, parted up and down, honest, stable, featureless and so on. C. a square paper for folding play, note, book, frame, window, die, box, building blocks, cube suger, room, door, exit, hole, spread, something looked down, confined, empty, stable, hard and so on. D. a regular triangle triangle candy, triangle bandage, sandwich, triangular thing, arrow, mountain, roof, pyramid, building blocks, prism, hole, point, nose, face, star, pleasure ground, rhythm, stretch upward, stable, sharp, cold and so on. E. a circle numeral letter "0", ring, handle, button, coin, manhole, Japanese flag, ball, moon, sun, earth, candy, face, head, cylinder, telescope, pleasure ground, baby, test, heart, peace, hole, dream, swing, soft, warm, delicious-looking and so on. (2) Concrete and visible things were associated largely and abstract expressions were about 20% of all. (3) Some subjects reported, when they looked at the shape stimulue, the word expressing shape itself occurred to them and they associated something with that word. (4) The contents of association were characteristic of subjects, students of the domestic economy course. For example, needle, thread, pocket and button. (5) There were unique responses those were free from the shape itself, that is to say, some of subjects were creative.
著者
古川 久敬
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.47-58, 2018-12-20 (Released:2019-02-12)
参考文献数
43

有力とされてきた知見や議論に,発想を縛りつけられていることはないのか? 組織が抱えているパラドックスの観点から,組織,集団,個人を見つめ直してみると,重要でありながら,看過されている組織行動のダイナミックスと原理が洞察できる.本稿では,モチベーション,リーダーシップと集団活動,そして創造性とイノベーションの3つの領域に絞り,パラドックスを意識化することで,従前の見解や論理をとらえ直し,再考を迫っている新たな研究も随時引用しながら,組織行動研究の新たな展開可能性について論じる.
著者
古在 由秀
出版者
中央公論社
雑誌
自然 (ISSN:03870014)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.17-22, 1966-06
著者
古賀 崇
出版者
アート・ドキュメンテーション学会
雑誌
アート・ドキュメンテーション研究 = The bulletin of Japan Art Documentation Society (ISSN:09179739)
巻号頁・発行日
no.24, pp.70-84, 2017-03

本稿は、「デジタル・アーカイブ」ないし"digital archives" をめぐる日本内外の主要な論考を取り上げつつ、これらに関する日本内外の概念・考え方の「多様化」ないし「ズレ」を検証することを試みる。英語圏の"digital archives" については、「今いる人・人々の日々の業務や活動」、またそれを体現する「ボーン・デジタルの記録」に焦点を当てるか、あるいは「デジタル化された資料の集積(コレクション)に対してアクセスを提供するウェブサイト」を念頭に置くか、といった違いがある。日本の「デジタル・アーカイブ」はもっぱら後者に当たると言えるが、"digital heritage" "digital collection" といった関連概念も考慮する必要がある。The aim of this review article is to observe the diversification of the concept and definition of "digital archives," based on the concerned articles in Japan and abroad. In the English-speaking countries, mainly two opposite definitions of digital archives exist;(a)collection of born-digital records based on activities of people and organization, and(b)websites that provide access to collections of digitized materials. In Japan, especially those eager to policy promotion of digital archives stand for the definition of(b). In this situation, however, related concepts such as "digital heritage" and "digital collection" should be also considered.
著者
蜂屋 巌 古谷野 哲夫 佐藤 清隆
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.613-617, 1988-08-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
12
被引用文献数
2 4

Changes in viscosity of cocoa butter and chocolate during crystallization processes were measured by a rotational viscometer which was newly equipped in the present study. This viscometer facilitates a computerized tempering with agitation of the sample, yielding a torque of sample. The tempering process was a simple cooling of melt (60°C) to several crystallization temperatures. It was confirmed that the torque was linearly proportional to viscosity values obtained by Brookfield type viscometer. The viscosity changed through three different stages : First, the constant viscosity was attained after the crystallization temperature was reached. Second, the viscosity gradually increased due to early nucleation and crystal growth of solid fats. Third, a sharp increase of viscosity was caused by accelerated crystallization. The amount of crystallized fats in chocolate during the industrial-used tempering machine (60-27-30°C) was estimated about 0.17%, based on the viscosity changes examined by the present method.
著者
魚里 明子 伊木 智子 古川 秀敏
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.51-61, 2016-03

【目的】糖尿病罹患という長く苦しい状況の中で,糖尿病の病状が悪化する人としない人がいるのはなぜかということに着目し,健康生成論を理論背景として,2 型糖尿病患者の「健康に生き抜く力」を構成する要素は何かを明らかにする。【対象】病院・診療所で治療中の2 型糖尿病患者8 名を対象に,半構成的面接をおこなった。それぞれのインタビューの逐語録をデータとして,質的分析をおこなった。倫理的配慮として,研究協力者に,本研究の趣旨,研究協力拒否の権利,研究拒否をしても不利益を受けないこと,匿名性の確保,データの厳重管理について口頭と文書で説明し,文書によって同意を得た。また,研究者が所属する大学の研究倫理委員会の承認を得た。【結果】2 型糖尿病患者の「健康に生き抜く力」の構成要素として,「客観的に判断する力」「自己決定できる力」「調整できる力」「状況を判断する力」「ポジティブに捉える力」「支援を得る力」が抽出された。【考察】2 型糖尿病患者の「健康に生き抜く力」は,自覚症状で判断できない疾患の特徴から,自覚症状には頼らず,データから疾患の悪化を推測し,生活をコントロールしているという「客観的に判断する力」が糖尿病の悪化を防いでいることが認められた。仕事や職場環境に影響されなくなった定年退職後は,「自己決定できる力」と,食事や薬の調整を自分が考え,実行したいようにコントロールできる「調整できる力」により,病状が悪化しなくなっていた。また,合併症を起こしたことにより,今までの自分の行動を反省すると共に,自分の将来を見通し,今後のことを考え無茶はしないという「状況を判断する力」,合併症を起こした状況を悲観することなく,なんとかしようと前向きに考えるという「ポジティブに捉える力」を持っていた。また,食事療法に協力してくれる家族や糖尿病のことに関しては信頼できる専門家の支援を得られるという「支援を得る力」を持っていることも認められた。
著者
古賀 英三郎
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.261-270, 1954-09-01

論文タイプ||書評
著者
ジメネス フェリックス 吉川 大弘 古橋 武 加納 政芳 中村 剛士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2N21, 2017 (Released:2018-07-30)

近年,教育を支援する教育支援ロボットが注目され,定型発達児を対象に研究が進められている.一方,学校の通常学級において,発達障害児の在学割合は年々増加している.そのため,発達障害児を対象とした教育支援の必要性は高まると考えられる.しかしながら,発達障害児を対象とした研究事例は少ない.そこで本稿では,発達障害児と教育支援ロボットとの一対一における共同学習による学習効果について報告する.
著者
古庄 律 石田 裕 鈴野 弘子 齊藤 守史 三成 由美 徳井 教孝 印南 敏
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維学会誌 (ISSN:13495437)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.15-22, 2007-06-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
22

ウチワサボテンの一種であるOpuntia Streptacantha(OpS)より抽出した水溶性食物繊維(SDF)の食後血糖上昇抑制作用を調べるために,II 型糖尿病のモデルであるGKラットを用いてグルコース負荷試験を行った。また,CACO-2細胞を用いたグルコース透過試験を行い,生化学的な評価を行った。その結果,動物実験では2%OpS-SDFを投与した場合,顕著な食後血糖上昇抑制が認められ,いずれの血糖値測定時間においても対照群に比べ血糖値は有意に(P<0.05)低値を示した。CACO-2細胞を用いたグルコース透過試験では,0.1および0.2%OpS-SDF添加で対照に比較してグルコースの透過率は有意に(P<0.01)低下し,GKラットにおける血糖上昇抑制が小腸における糖の吸収阻害であることが推察された。次に,グルコースの拡散阻害への影響を調べたところ,0.2あるいは05%OpS-SDFの拡散阻害率は13.8%および35.8%で顕著なグルコースの拡散阻害が認められた。また,粘度計によりOpS-SDFの濃度の違いによる粘度を測定したところ2%OpS-SDFでは,純水に対して約3,000倍の粘度を示した。 これらの結果から,OpS-SDFの血糖上昇抑制は,OpS-SDFが小腸においてグルコースの拡散速度を低下させたことによるグルコース吸収遅延によるものと推察された。
著者
古森 徹哉 瀬戸口 信郎 川崎 敏男
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 10 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.216-223, 1966-09-15 (Released:2017-08-18)

The unknown, nonsteroidal, nonglycosidal and N-free substance, which had been obtained as crystals from the root tubers of Dioscorea bulbifera L. forma spontanea Makino et Nemoto, was found to be a mixture of at least three compounds. One of them, named bulbiferin C, m.p.255°, (α)_D +17.3°, was isolated only in trace and the structures of major component, bulbiferin B, m.p. 285°, (α)_D+103.0° and minor, bulbiferin A, m.p. 283°, (α)_D +16.2°, were investigated. Bulbiferin B, C_<19>H_<20>O_6, m.w. 344 (mass) has γ-lactone, β-substituted furane and no hydroxyl groups (positive Ehrlich reaction, I.R., U.V. and mass spectra). B is converted to A by hydrolysis with NaOH in pyridine followed by neutralisation and methylation with diazometane. Bulbiferin A,C_<20>H_<24>O_7, m.w. 376 (mass), has hydroxyl, ester, γ-lactone and β-substituted furane functions (Ehrlich reaction, I.R., U.V. and mass spectra). On treatment with NaBH_4 B is unchanged but by catalytic hydrogenation over PtO_2 it gives a hexahydro-compound having tertiary hydroxyl group indicating B (and also A) has an ether oxygen. The hydrogenated B is reduced with LiAlH_4 and the product is subjected to the Se-dehydrogenation to give 1,2,5-trimethyl naphthalene. The N.M.R. spectra of tetrahydro-B and -A indicate the presence of one tertiary methyl group. From these and other experimental data B and A are respectively assigned the partial formulae (a) and (b) of furano-norditerpene type. The results of a further investigation on the location of the functional groups which lead to the tentative structures of B and A are presented.
著者
古森 徹哉 瀬戸口 信郎 川崎 敏男
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.10, pp.216-223, 1966

The unknown, nonsteroidal, nonglycosidal and N-free substance, which had been obtained as crystals from the root tubers of Dioscorea bulbifera L. forma spontanea Makino et Nemoto, was found to be a mixture of at least three compounds. One of them, named bulbiferin C, m.p.255°, (α)_D +17.3°, was isolated only in trace and the structures of major component, bulbiferin B, m.p. 285°, (α)_D+103.0° and minor, bulbiferin A, m.p. 283°, (α)_D +16.2°, were investigated. Bulbiferin B, C_<19>H_<20>O_6, m.w. 344 (mass) has γ-lactone, β-substituted furane and no hydroxyl groups (positive Ehrlich reaction, I.R., U.V. and mass spectra). B is converted to A by hydrolysis with NaOH in pyridine followed by neutralisation and methylation with diazometane. Bulbiferin A,C_<20>H_<24>O_7, m.w. 376 (mass), has hydroxyl, ester, γ-lactone and β-substituted furane functions (Ehrlich reaction, I.R., U.V. and mass spectra). On treatment with NaBH_4 B is unchanged but by catalytic hydrogenation over PtO_2 it gives a hexahydro-compound having tertiary hydroxyl group indicating B (and also A) has an ether oxygen. The hydrogenated B is reduced with LiAlH_4 and the product is subjected to the Se-dehydrogenation to give 1,2,5-trimethyl naphthalene. The N.M.R. spectra of tetrahydro-B and -A indicate the presence of one tertiary methyl group. From these and other experimental data B and A are respectively assigned the partial formulae (a) and (b) of furano-norditerpene type. The results of a further investigation on the location of the functional groups which lead to the tentative structures of B and A are presented.