著者
坂井 健太郎 田中 秀明 古原 千明 下村 有希子 杉山 友貴 吉水 秋子 松井 礼 井上 智博 上野 正克 塚本 竜生 東 治道
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.283-288, 2018 (Released:2018-04-28)
参考文献数
20

にがりは食塩を海水から精製する過程で得られるものであり, マグネシウム (Mg) やカルシウム (Ca) などのさまざまな電解質を含む. したがって過剰摂取は電解質異常を起こし得る. 今回われわれは, にがり大量飲用に起因する高Mg血症, 高Ca血症から心肺停止に至った症例を経験したので報告する. 症例は21歳の女性で, にがり1本を飲用し8時間後に当院へ救急搬入された. 搬入時には会話可能であったが, その後心肺停止に至った. 来院時の血液検査でMg, Caの異常高値が判明したため, 蘇生後直ちに血液透析を行った. 血中Mg, Ca濃度は透析開始後次第に低下していき, 第3病日までには正常化した. にがりの大量飲用では電解質をチェックし, 早期に血液透析を行うことが肝要である. また高Mg血症は心肺停止のみならず, さまざまな臓器の出血傾向を助長し得るため, 集学的な全身管理が非常に重要となってくる.
著者
吉水 淑雄 瀬戸 敦子
出版者
岐阜女子大学
雑誌
岐阜女子大学紀要
巻号頁・発行日
no.48, pp.19-28, 2019-02-28

わが国の旅行業界では,日本人による海外渡航者数減少という課題に直面している。特に若者の海外旅行離れが叫ばれているが,これまでの我が国の海外旅行はどういった特徴があり,当時の日本人は何を目的に海外へ出かけて行ったのか。本稿では,これまでの日本人の海外旅行の経緯をまとめ,今後の日本人海外旅行市場がどうなっていくのかを考察した。 まずは,これまでの日本人の海外渡航者数を明らかにする。そして日本人の海外旅行の変遷をたどった。富裕層で,限られた人しか行くことの出来なかった海外旅行は,日本政府による海外渡航規制緩和,旅行会社による海外パッケージツアーの誕生で第一次海外旅行ブームを迎えた。その後,格安航空券や旅行代金の値下げも伴い1980年代には第二次ブームが起きた。現代は,海外旅行は日本庶民にとって特別なものではなくなり,簡単に安く海外に行き,買い物や食べ物を楽しむ旅行へと変化していったことがわかった。
著者
吉水 眞彦
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.179, pp.199-228, 2013-11-15

天智天皇の近江大津宮は667年,後飛鳥岡本宮から遷都され,5年数ヶ月を経た672年の壬申の乱によって廃都と化した短命の宮都である。7世紀代の宮都で大和以外の地へ宮都が移されたのは前期難波宮と大津宮だけである。その一つである大津宮跡は,現在,琵琶湖南湖南西岸の滋賀県大津市錦織に所在することが判明している。大津宮の実像を知るために宮の構造や白鳳寺院の実態,周辺の空間構造を発掘調査で確認された遺構や出土遺物である第一次資料を再評価することと新たな発掘資料も加えて検討した。その結果,大津宮の特殊性が見えてきた。すなわち,対高句麗外交や軍事上の拠点整備を推進するために陸上・湖上交通の整備に重心が置かれ,大津宮の形が短期間のうちに推進されていた点である。大津宮遷都前夜までの比叡山東麓地域は,渡来系氏族の大壁建物や掘立柱建物の集落が営まれ,また各氏族による穴太廃寺や南滋賀廃寺などの仏教寺院も建立されており,周辺には萌芽的な港湾施設も存在していたものと推定される。このように遷都を受け入れる環境が一定程度整備されていた地域に大津宮は移されたのである。そして遷都の翌年,錦織の内裏地区の北西方の滋賀里に周辺寺院の中では眺望の利く最も高所に崇福寺を新たに造営し,対照的に宮の東南方向の寺院の最低地にあたる現在の大津市中央三丁目付近の琵琶湖岸にほぼ同時期に大津廃寺を建立した。つまり崇福寺跡と大津廃寺は川原寺同笵軒丸瓦を共通して使用していることから,大津宮と密接な関係がみられ,前者には城郭的要素があり,後者には木津川沿いの高麗寺と「相楽館」のような関係を有する港湾施設を近隣に配置し,人と物の移動ための機動力を重視して造営された。これらに触発されたかのように周辺氏族は穴太廃寺の再建例にみられるように再整備を行なっている。このように大津宮の内裏地区や,大津廃寺を除いた仏教寺院は高燥の地に立地し,かつ正南北方位を意識した配置がみられるのに対して,木簡などを出土した南滋賀遺跡の集落跡などは低地に営まれ,かつ正南北方位を意識しない建物を構築している。おそらく内裏地区や白鳳寺院,諸機能を分担した各施設は整斉に計画され,その周辺には地形に左右された集落などが混在した空間を呈していたものと思われる。近江朝廷の内裏や寺院・関係施設などを短期間に新設し,ハード面を充実させていくにつれて渡来系集落的景観から大津宮の交通整備重視の未集住な空間へと変遷していったものと考えた。
著者
吉水 守 笠井 久会 西澤 豊彦 高見 生雄 大迫 典久 呉 明柱
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究で実用化を目指した「ds-RNA型」ワクチンは,申請者らが開発してきた「mRNA型」ワクチンを発展させたものであり,ds-RNA接種により産生されるインターフェロンを利用した簡便かつ実用的な魚類ウイルスに対する免疫方法である。Poly(I:C)をニジマス,マハタ,ヒラメに投与し,魚を一過性の抗ウイルス状態とし,それぞれ伝染性造血器壊死症,ウイルス性神経壊死症,ウイルス性出血性敗血症原因ウイルスで攻撃して生存率を対照と比較した。3例共にワクチン効果が確認でき,この間に養殖環境中に存在する病原ウイルスに暴露させることでウイルスに対する特異免疫を誘導することもできた。さらに実用化に向け,魚毒性の心配がない用法・容量を定めることができた。
著者
藤崎 順子 山口 和久 山本 智理子 堀内 裕介 大隅 寛木 吉水 祥一 片岡 星太 平澤 俊明 由雄 敏之 石山 晃世志 山本 頼正 土田 知宏 五十嵐 正広
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.778-787, 2016-05-25

要旨●2013年4月〜2014年3月までの間に,当院でESDを施行した症例中,除菌後発見胃癌症例166例の検討を行った.臨床的には陥凹型,分化型が多く,除菌後5年未満,5年以上に分けると,5年以上で発見された病変サイズは小さい傾向にあった.さらに,レトロスぺクティブに画像の解析が可能であった分化型優位の140例について検討を行った.術前にNBI拡大内視鏡検査にて範囲診断を施行し,ESDを行った結果,病理学的に水平断端陽性,もしくはマーキング上に病変範囲が乗っていた範囲誤診例だった症例は,5年未満で79例中1例(1.3%),5年以上で61例中3例(4.9%)と5年以上の症例で多かった.画像の検討が可能であった140例は,除菌後5年未満が79例,5以上〜10年未満が38例,10年以上が23例であった.NBI拡大内視鏡検査での胃炎様所見は,5年未満で34例(43.0%)にみられ,5年以上で25例(41.0%)であった.さらに,5年以上を5〜10年と10年以上に分けた場合,5〜10年で13例(34.2%),10年以上経過例では12例(52.2%)であり,10年以上で高い傾向を示した.病理組織学的に表層の非癌上皮が確認できた症例は,5年未満で27例(34.2%),5〜10年で8例(21.1%),10年以上で8例(34.8%)であった.今回の検討では除菌後長期例での胃炎様変化の出現率が高かった.
著者
吉水 ちひろ
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間学部篇 (ISSN:21853355)
巻号頁・発行日
no.16, pp.33-42, 2017

本稿の目的は,インタラクティブ・フォーカシングを用いた共感的傾聴トレーニングのプログラムを,大学院授業用に構成し実践した試みを紹介し,心理臨床初学者にとっての有用性を検討するものである.プログラムは『ハンドブック インタラクティブ・フォーカシング』を土台に,6つのステップと8つの実習で構成されている.受講者の感想からは,新鮮で意味ある実習体験として受け止められ,体験の深まりや被傾聴感を実感し,実践との繋がりを意識しながら自己研鑽の展望を得る様相が示された.心理療法における共感と傾聴という臨床実践の中核的なテーマについて,主体的な気づきによって課題が明確になり,実践への橋渡しとなる有効なトレーニング法であることが示唆された.
著者
吉水 清孝
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:18840051)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.867-860, 2012-03-20
著者
佐々木 政則 川合 祐史 吉水 守 信濃 晴雄
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.928-937, 2004-11-15
被引用文献数
8 12

シロサケ肉を主原料としていずしを製造し,原料の前処理過程(水晒し,仮酢漬け)と樽漬込み後,低温(5℃前後)熟成過程における化学成分と徹生物相を観察した。いずしは漬込み35日以降に食用可能となり,44日後にいずし特有の風味が生成した。いずしの有機酸は酢酸主体であり,熟成中のpHは5以下を維持した。熟成中に生菌数の著しい増加はなかったが,漬込み14日以降に一般細菌ではBacillus属が優勢となり,35日以降,乳酸菌ではLeuconostoc msenteroides subsp. Cremorisが,酵母ではDebaryomyces hanseniiが優勢種となった。