著者
萩野 恭子 堀口 健雄 高野 義人 松岡 裕美
出版者
日本プランクトン学会
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.73-80, 2011 (Released:2012-12-03)
著者
片峰 茂 堂浦 克美 金子 清俊 小野寺 節 福岡 伸一 堀内 基広
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本邦におけるプリオン研究者の情報交換の促進と将来の共同研究プロジェクト立ち上げのための準備を目的に本研究を遂行した。情報交換に関しては、平成14年10月21日に長崎において班会議を開催し、班員に加えて数名の内外のプリオン研究者による情報交換と討議の場をもった。その結果、個々の班員間の往来及び研究材料の共有などのいくつかの実が挙がっている。例えば、片峰と小野寺は各々が開発したプリオン蛋白遺伝子に関わる遺伝子改変マウスと培養細胞株を共有することにより、プリオン病神経変性の機構解明へ向けた共同研究の進展が図られた。準備研究に関しては、プリオン研究進展に極めて大きな意味をもつ種々のモデル動物、細胞株、抗体、解析システムの開発が行われ、将来の大型共同研究プロジェクトへの準備は整ったと考えられる。以下に特筆される成果を挙げる。(1)プリオン持続感染細胞株の樹立(片峰)(2)プリオン類似蛋白(Dpl)遺伝子トランスジェニックマウスの樹立(片峰)(3)プリオン蛋白(PrP)と相互作用をする分子の同定法の開発(堂浦)(4)異常プリオン蛋白(PrPSc)に特異的立体構造を認識する抗体の確立(堀内)(5)不死化によるPrP欠損神経細胞株の樹立(小野寺)(6)PrPの細胞内挙動の顕微鏡下での追跡法の確立(金子)(7)タンパク質の2次構造変換定理の発見(柳川)(8)微量核酸(RNA)同定法の開発(福岡)本年度は、他領域との重複などの問題点があり、新規特定領域への申請は見送ったが、本研究の成果を基礎に来年度以降の申請へむけ、さらなる体制整備を行う予定である。
著者
堀 広子
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.713-719, 2000-07-15

【抄録】 長期間にわたり明瞭な自己像幻視が出現した精神分裂病の1例を経験した。長期間にわたる自己像幻視が出現した患者背景として,自己像幻視の易発現性にかかわる要素が多数存在することが考えられた。また,本症例は長期間にわたり分裂病症状が初期症状にとどまっており,二重身体験と精神分裂病における症状進展の抑止という臨床的意味において示唆に富む症例と考えられた。 精神分裂病(以下分裂病と略す)でみられる二重身体験は,古くから知られ,また豊富な精神病理学的意義を有するにもかかわらず詳細に記述された症例報告は少ない。今回,筆者は長期間にわたり明瞭な自己像幻視を呈した分裂病の1例を経験した。自己像幻視の易発現性にかかわる患者背景およびその臨床的意味に関して示唆に富む症例であったので,以下に自験例を提示し,若干の精神病理学的考察を加えここに報告する。
著者
Beppu Toru Ishiko Takatoshi Chikamoto Akira Komori Hiroyuki Masuda Toshiro Hayashi Hiromitsu Okabe Hirohisa Otao Ryu Sugiyama Shinichi Nasu Jiro Horino Kei Takamori Hiroshi Baba Hideo ベップ トオル イシコ タカトシ チカモト アキラ コモリ ヒロユキ マスダ トシロウ ハヤシ ヒロミツ オカベ ヒロヒサ オオタオ リュウ スギヤマ シンイチ ナス ジロウ ホリノ ケイ タカモリ ヒロシ ババ ヒデオ 別府 透 石河 隆敏 近本 亮 小森 宏之 増田 稔郎 林 洋光 岡部 弘尚 太田尾 龍 杉山 眞一 那須 二郎 堀野 敬 高森 啓史 馬場 秀夫
出版者
H.G.E. Update Medical Publishing Ltd.
雑誌
Hepato-Gastroenterology (ISSN:01726390)
巻号頁・発行日
vol.59, no.114, pp.542-545, 2012-03

Background/Aims: To clarify the clinical benefits of the maneuver in right-side hepatectomy. Methodology: Eighty-one patients with liver tumor (54 hepatocellular carcinoma, 17 metastatic liver tumor and 10 other tumors) treated with a right-side hepatectomy were prospectively analyzed. The patients were divided into the following three groups: a conventional approach (group A, n=21); liver dissection under the hanging maneuver after liver mobilization (group B, n=19) and liver dissection under the hanging maneuver prior to liver mobilization (group C, n=41). Results: The liver hanging maneuver was safely performed in all the patients in groups B and C. Tumor size had a significantly positive correlation with the amount of intraoperative blood loss (R=0.52, p<0.05) in group A only. The patients in groups B and C had a significantly lower intraoperative use of blood loss (both p<0.01), operation time (p<0.05 and p<0.01) and the frequency of blood product (both p<0.05), in comparison to group A, respectively. The postoperative morbidity and the mortality rates were similar in the three groups. Conclusions: Liver hanging maneuver is a safe procedure, which can decrease intraoperative blood loss and administration of blood product in right-side hepatectomy.
著者
堀田 英莉 関 義正 岡ノ谷 一夫 齋藤 慈子 中村 克樹
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;ヒトの乳児の泣き声(crying)は,苦痛や空腹といった何らかのニーズを非明示的にあらわすシグナルであり,ほとんどの哺乳類の乳児は泣き声をあげることで養育者から養育行動を引き出すことができる(Gustafsonら,2000;Bard,2000).アカゲザルやチンパンジーなどヒト以外の霊長類でも,ヒトほど顕著ではないが,母親を含む養育者との身体的な分離が生じたときに,乳児は distress callやscreamを発する(Bard,2000).ヒト以外の霊長類において,乳児の泣き声への応答について調べた研究は未だ少ないが,ヒトを含めた霊長類の養育行動を明らかにするためにはヒト以外の霊長類の乳児の鳴き声への応答を調べることが重要である.コモンマーモセット <i>Callithrix jacchus</i>はヒトと似た家族を社会の単位とし,協同繁殖を行う.本研究では,コモンマーモセットの乳児の泣き声が父親及び母親個体の発声行動に与える影響について調べた.被験体には,コモンマーモセット 5頭(オス 3頭,メス 2頭,6.0 ± 1.6歳)を,乳児音声刺激として被験体の実子(1-7日齢)の泣き声を(乳児条件),成体音声刺激として同じ飼育室の異なるケージで飼育されている成体個体(オス 3頭,メス 3頭,3.6± 0.64歳)の音声(phee call)を使用した(成体条件).また比較のため,無音刺激を用いた(無音条件).実験では,防音箱内に設置したテストケージへの 15分間の馴化を行ったあと,刺激提示前 5分間と刺激提示中の 5分間,刺激提示後 20分間の発声を録音した.時間と条件の 2要因について分散分析を行った結果,乳児条件では成体条件や無音条件と比較して,刺激提示終了後から 10分間にわたって発声頻度が上昇することがわかった(F = 3.543, df = 10/40, p < .01).今後は,乳児の鳴き声を聞いた親個体の神経系の応答やホルモン変化を調べ,泣き声の養育行動へ与える影響について調べたい.
著者
丸山 厚吉 堀 清鷹 村上 哲明
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, 2017

<p> ハラタケ科のいわゆる<i>Lepiota</i>類に属する日本では未報告の<i>Macrolepiota mastoidea</i>を東京都・山梨県・神奈川県で,<i>Echinoderma</i> <i>echinaceum</i>を山梨県富士山麓で採集し,核rDNAのITS領域を用いた分子系統解析,形態的特徴の記載と図を添えて報告した.和名としてそれぞれトガリカラカサタケ,コオニタケを提案した.</p>
著者
吉田 岳人 矢野 正基 堀川 健一郎 佐藤 啓太 南 翔太 繁野 麻衣子
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2018-MPS-117, no.3, pp.1-6, 2018-02-22

近年,ライドシェアリングは広く注目を集めているが,その中でもタクシー相乗りは効果が高いことが期待されている.本研究では,イベントへの参加などで共通の目的地のある乗客のタクシー相乗りの可能性を探る.タクシー相乗り問題では通常移動コストの最小化を扱うが,ここでは,タクシーの総走行距離が長くならない中で,乗客の総移動距離を最小化することを目的とする.この問題を混合整数線形計画問題として定式化するとともに,乗車人数に制限がある場合に対する厳密アルゴリズムと制限がない場合に対するヒューリスティックアルゴリズムを提案する.そして,数値実験により,ヒューリスティックアルゴリズムの解が適切であることを検証し,さらに,得られた解の相乗り方法と支払料金から評価して妥当性を示す.
著者
植竹 勝治 大塚 野奈 長田 佐知子 金田 京子 宮本 さとみ 堀井 隆行 福澤 めぐみ 江口 祐輔 太田 光明 田中 智夫
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.192-198, 2007
参考文献数
20

動物介在活動(AAA)に飼い主と共に参加する飼い犬(Canis familiaris)のストレス反応を、尿中カテコールアミン濃度を測定することにより調べた。イヌの覚醒状態に影響すると考えられる次の2要因について検討した: 特別養護老人ホームでのAAAへの参加日数(現地調査1)および対面式での活動時における老人の座席配置(車座と並列)(現地調査2)。現地調査1では、新規参加犬8頭の活動前から活動後にかけた尿中ノルアドレナリン濃度の上昇量が、参加日数が経過するにつれて直線的に低下した(尿中ノルアドレナリン濃度の上昇量に対する参加日数(毎月1回の参加で計9日間)の回帰係数-1.213,R^2=050,P<0.05)。その一方で、活動中の各セッションにおいて、姿勢や行動を相対的に長く抑制された場合には、アドレナリン(長い抑制15.03±9.72ng/mL vs.短い抑制4.53±2.94ng/mL)とノルアドレナリン(長い抑制12.26±8.80ng/mL vs.短い抑制3.62±3.62ng/mL)の濃度上昇は、相対的に短い抑制の場合に比べていずれも有意に大きかった(共にP<0.05)。現地調査2では、尿中カテコールアミン濃度の上昇は、老人の座席配置、すなわち車座(12頭,アドレナリン10.73±9.77ng/mL;ノルアドレナリン7.13±8.01ng/mL)と並列(11頭,アドレナリン13.37±10.63ng/mL;ノルアドレナリン5.70±5.19ng/mL)間で差がみられなかった。これらの結果から、月1回の参加でも、飼い主と一緒であれば、特別養護老人ホームという新規な環境とAAAの雰囲気に、イヌは容易に順応することができ、また見知らぬ老人に囲まれたとしても、特に緊張を感じていないことが示唆された。
著者
小堀 紀子 岩切 宗利 松井 甲子雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.737-739, 2000-05-20
参考文献数
3
被引用文献数
2

電子文書上の局所領域に対する改ざん検出の一手法を提案する.その原理は, 本来2値画像またはキャラクタベースのデータとして扱われる文書データを濃淡画像とすることで冗長性を持たせ, そこに改ざん検出の細工を施すものである
著者
玉木 七八 堀川 陽子 松田 広一 坂田 成子(藤本 成子)
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

GABAアミノ基転移酵素(β-AlaATI ; EC2.6.1.19)は脳ではGABAの代謝に、肝臓、腎臓ではシトシンやウラシルの代謝産物β-アラニンの分解に関与している。GABAは脳の抑制性神経伝達物質であることはよく知られている。アルコール(エタノール)は少量で中枢神経を興奮し、多量では抑制を示す。アルコールはチロシンアミノ基転移酵素(TAT)を非常に有意に増加させることが知られているので、β-AlaATIについても何らかの影響を示すのではないかと考え本研究を始めた。アルコールの血中濃度を長時間持続させる目的で嫌酒薬ジスルフィラム投与ラット用いた。TAT活性は顕著に増加するに対し、β-AlaATI活性は逆に減少した。時間の経過に対し指数関数的な減少の様子を示した。アルコールやジスルフィラム単独ではβ-AlaATI活性に効果を示さなかった。また、アルコール脱水素酵素阻害剤ピラゾール前投与もβ-AlaATI活性にアルコールの効果を与えなかった。生体内でジスルフィラムはジエチルアミンと二硫化炭素に分解される。二硫化炭素前投与ラットにアルコールを投与してもβ-AlaATI活性に影響を与えなかった。エタノールアミン-○-サルフェートがβ-AlaATIの自殺基質であることから、アルコールとジスルフィラムの同時投与がエタノールアミタン-○-サルフェートの様な代謝産物を生じβ-AlaATI活性を抑制したのではないかと考えられる。β-アラニン・ピルビン酸アミノ基転移酵素についてジスルフィラムとアルコールの影響について検討したが酵素活性を抑えるもののβ-AlaATIの場合のように顕著な作用を示さなかった。