著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.75, pp.79-84, 1997-08-19
参考文献数
13
被引用文献数
4

我々は,メッセージ通信型のプログラミングを対象としたギャングスケジューラを開発した.本稿は,開発したギャングスケジューラのスケジューリングオーバヘッドについて,PCクラスタ上で評価した結果について報告するものである.評価の目的は,アプリケーションの通信特性の違いがギャングスケジューリングのオーバヘッドに与える影響,実装された方式のスケーラビリティ,および co?scheduling skewの3点に注目した.今回の評価の結果,通信の量による違いよりも.co?scheduling skewの影響が大きいことが判明した.スケーラビリティの面においては,2プロセッサで動作する並列アプリケーションで比較的大きなオーバヘッドが見られたが,多くの場合,100 msecの量子時間でオーバヘッドは10%以下であり,4台以上の場合では,スケーラビリティに問題は見られなかった.We have developed a gang-scheduler for message passing programs. This paper reports on evaluation results of our gang-scheduler running on a PC cluster. We focus on, i) how communication patterns affects gang scheduling overhead, ii) scalability, and iii) co-scheduling skew. Through the evaluation, we found that effect of co-scheduling skew can be larger than effect of the amount of messages communicating. Also we found larger overhead with applications running on two processors, however, we could not find any scalability problem with applications running more than two processors. In most cases, implemented gang scheduling overhead is less than 10% with 100 msec time quantum.
著者
杉野 晃洋 堀田 厚生
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. B, 専門関係論文集 (ISSN:03870812)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-36, 2004-03-31

The multi-cycle system and the pipelined architecture designed 32-bit CPU which used the MIPS architecture in order to study the design technique of CPU. It is made to implement in the product 'EP1S10F780C7ES' of the stratix series which is one of the highly efficient FPGA devices of ALTERA. The design of a multi-cycle system and a pipelined architecture was performed, and both performance comparison was performed. MIPS CPU of a multi-cycle system operated by 61.60MHz. MIPS CPU of a pipelined architecture operated by 42.90MHz. A general performance ratio is considered that an about 2.60-time performance ratio is obtained.
著者
堀口 勝
出版者
東洋大学
雑誌
東洋法学 (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.85-110, 2010-07-30
著者
堀之内 広子 本砥 貴子 宇田 英典
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.134-141, 2018 (Released:2018-04-03)
参考文献数
7

目的 医療や介護の基盤が十分でない外海小離島において疾病や加齢にともない生活を継続することが困難になったとしても,住み慣れた島での看取りを希望する住民のニーズに対応するための体制整備は,離島を有する自治体やそれを支援する都道府県といった行政の責務である。今回,外海小離島での看取り支援に活用することを目的として「看取りに関する事務マニュアル」を取りまとめたので,この作成プロセスとこれを用いた支援の展開について報告する。方法 外海小離島だけで構成される十島村の現状や看取りの阻害因子などを検討し,それらの結果をもとに,関係する機関・団体で協議を重ね「看取りに関する事務マニュアル」(以下マニュアル)を作成した。その後,マニュアルを活用して,看取り支援を行うとともに,課題や成果を検討しマニュアルの改訂を行った。結果 外界小離島での看取りにあたって,重要な問題となる死亡前後の関係機関・団体の対応について考え方や事務的手順をまとめたマニュアルを作成し,関係機関・団体で共有したことで,医療や介護の提供体制や専門職の人材が十分でない外海小離島であっても,複数の事例の看取り支援を行うことができた。さらに,これらの看取りを行う過程で生じた課題や成果を,関係機関・団体で情報共有,再検討し,マニュアルの改訂を行った。今後,地域や住民のニーズに即した看取り支援が行われることが期待される。結論 外海小離島という厳しい地域特性を踏まえながらも,現実的な支援を行うためにマニュアルの必要性は高い。また,村が主体となって進めるマニュアル作成や改訂作業のなかで,地域特性の分析・評価,協議の場の確保,広域に及ぶ医療機関や県,国の機関との調整など,保健所が果たすべき役割は重要であることが確認された。
著者
望岡 亮介 山口 雅篤 堀内 昭作 松井 弘之 黒岡 浩
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.463-470, 1995 (Released:2008-05-15)
参考文献数
38
被引用文献数
7 7

日本原産野生ブドウを中心に, 5種, 5変種, 3未同定の東アジア原産野生種と, 対照として三つの栽培品種の果皮からアントシアニン色素を抽出し, HPLCを用いて色素分析した.色素の種類は, 得られたクロマトグラムと各ピークの積分値から5%以上を含有するもののみに限定した場合19種類の色素を認め, 種により3~15種類のアントシァニンが確認された. 特に, 北方系の野生種より南方系の野生種に含有色素の種類の多い傾向が認められた. また, ピークNo. 6は栽培品種では認められなかったが, 野生種では供試したすべてで確認された.アントシアニン組成の一致率によりクラスター分析を行ったところ, 形態的分類と比較的似通った結果となり, 本法は従来の形態的分類と併用すれば分類の精度をさらに高めることができるものと思われる. この方法で, チョウセンヤマブドウは他の野生種と明らかに区別できた. また, 本種およびその変種とされているシラガブドウのアントシアニン組成には大きな差異が認められ, 形態的•生理的観点と同様, 別種である可能性の高いことが確認された.
著者
甚野 尚志 大稔 哲也 平山 篤子 踊 共二 三浦 清美 青柳 かおり 太田 敬子 根占 献一 関 哲行 網野 徹哉 大月 康弘 疇谷 憲洋 皆川 卓 印出 忠夫 堀越 宏一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々のプロジェクトは、中近世のキリスト教に関わる諸問題をさまざまな視角から分析することを目指した。それも地域的には、ヨーロッパ世界に広がったキリスト教の問題だけでなく、布教活動とともにキリスト教化した他の世界の諸地域も対象とした。これまでの研究は主として、中近世キリスト教の非妥協的態度、迫害社会の形成、異教徒との対決の視点から研究がなされてきたが、我々は最近の研究動向に従い、中近世キリスト教世界の多様性やことなる宗教の共存に光があてつつ研究活動を行ってきた。この間の多くのワークショップなどの成果に基づき、各分担者が論文などで中近世のキリスト教史の新しいイメージを提示できた。
著者
松岡 美樹子 原島 沙季 米田 良 柴山 修 大谷 真 堀江 武 山家 典子 榧野 真美 瀧本 禎之 吉内 一浩
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.52-57, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
10

近年, 摂食障害と発達障害との関連が指摘されている. 今回, 発達障害の合併が疑われ, 知能検査の施行が治療方針変更の良いきっかけとなった1例を経験したので報告する. 症例は32歳女性. X−21年に過食を開始し, 過食, 自己誘発性嘔吐や食事制限, 下剤の乱用により, 体重は大きく変動した. X−6年に神経性過食症と診断され, 入退院を繰り返した. X年に2型糖尿病に伴う血糖コントロールの悪化をきっかけに食事量が著明に低下し, 1日数十回の嘔吐を認め, 当科第11回入院となった. 生育歴やこれまでの経過から, 何らかの発達障害の合併が疑われたため, ウェクスラー成人知能検査を施行した. その結果, 動作性IQが言語性IQに比して有意に低値であり, 注意欠陥多動性障害を疑う所見も認められた. 退院後atomoxetineを開始したところ, 過食・嘔吐の頻度が週に1, 2回程度に減少し, その後も安定した状態を維持している.
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[33],
著者
川口 清司 加瀬 篤志 堀田 裕弘
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.2_48-2_53, 2018 (Released:2018-03-25)
参考文献数
8

The upbringing of creativity, problem-identifying ability, problem-solving ability, and planning ability of engineers by using logical thinking is one of important problems for developing products in Japan. The upbringing of above abilities by using logical thinking is required for graduation research and master research in university. Therefore the authors planned and practiced the new subject “Advanced Exercises for Creative Designing toward Problem Solving” that performed master research by using logical thinking. In this education subject, students performed the investigation of conventional studies, the examination of problem-solving method, the planning of research and the conduct of research about their master researches by using logical thinking methods. The results of the questionnaire made it clear to be able to bring up creativity, problem-identifying ability, problem-solving ability, and planning ability by attending the subject.
著者
飯田 真理子 新福 洋子 谷本 公重 松永 真由美 堀内 成子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.187-194, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
20

HUG(Help-Understanding-Guidance)Your Baby育児支援プログラム(以下HUGプログラム)は米国,ノースカロライナ州のファミリーナースプラクティショナーであるJan Tedder氏により開発されたプログラムである。このHUGプログラムは,新生児を家族に迎えたばかりの両親に分かりやすく新生児の行動を説明し,育児のスキルを伝え,両親が児の行動を正しく理解し,出産後に肯定的な育児行動を継続することを目標としている。今回HUGプログラムを日本において実施するにあたり,日本語版の教材を作成しプログラムを開発したので,その内容を報告する。作成にあたり,原版開発者との協働で英語版HUGプログラムを日本語へ翻訳した。英語版を研究者らが日本語へ翻訳し,そのバックトランスレーションが行われ,英語のプログラムとの内容妥当性を確認された日本語版HUGプログラムを開発した。翻訳した教材はHUGプログラム内で使用するスライド,2つのスキルを紹介したリーフレット,母乳育児の道のりを示したリーフレット,新生児の行動をまとめたDVDである。HUGプログラムの構成は次の通りである:育児に使える2つのスキル「新生児のゾーン」「新生児の刺激過多の反応」の紹介,新生児が示す刺激過多の反応への対処方法,順調な母乳育児のコツ,2つの睡眠パターンの紹介である。そしてその後はおくるみと赤ちゃん人形を用いたおくるみレッスンと育児経験者から子育ての苦労やヒントを聞く,という構成である。HUGプログラム内で使用している教材は参加者に配布し,自宅で繰り返し活用できるようにしている。現在はプログラムの目標の達成度を測定している。参加者の反応等の分析を経て,日本の子育て文化を考慮した日本語版HUGプログラムの更なる発展と普及に向けて,教育活動を続けていく予定である。
著者
多田 幸雄 山脇 一郎 上田 修一 松本 宏 松浦 直資 安本 三治 江田 昭英 堀 幹夫
出版者
Chem-Bio Informatics Society
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.86-94, 2002 (Released:2002-10-31)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

I 型アレルギー疾患治療薬を開発する目的でトシル酸 2-ヒドロキシエチルジメチルスルホニウム (1) 誘導体の抗アレルギー作用を検討した。それらの中でトシル酸 2-アルコキシと2-フェノキシエチルジメチルスルホニウムの数化合物がIgE 誘導ラット同種受身皮膚アナフィラキシー(PCA)の抑制作用を示した。抗アレルギー作用および急性毒性と化合物の疎水性または電子的性質(HOMOまたは酸素原子上の電荷)との間に相関が見られた。そしてトシル酸2-フェノキシエチルジメチルスルホニウム(5)を、次の開発段階における第二のリード化合物として選定した。
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[24],
著者
横堀 進
出版者
THE JAPAN INSTITUTE OF ENERGY
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.95-99, 1951

蒸汽機関車用自動給炭機の各種型式の利害得失を歴史的に論じ, 次に国鉄で採用された蒸汽噴流撒布式自動給炭機の構造と性能を紹介して居る。<BR>構造は炭水車より焚口までスクリユコンベヤがあつて, 之に依り炭水車より焚口迄自動的に石炭が運ばれ, その間に粉碎も行われる。焚口にて撒布台に落下し蒸汽にて撒布される。此際, 撒布台について居る案内板に依り火格子各部に於ける撒布の均一性が保たれる。コンベヤの動力は, 2シリンダー複動蒸汽機関で, 蒸汽の使用量は撒布用のものを含めて発生蒸汽の約1~2%であって, 又, 石炭輸送能力は450~1, 925kg/hrの広範囲に亘り良く作動し, 粉砕能力の1例を示すと, 給炭が25~37mmの中塊のみの時, 焚口の粒度は13mm以下の粉炭が52%, 元の粒度のもの13%を示して居る。<BR>燃焼状態は手焚の時に較べて非常に改善され, 例えば過剰空気量25%の時CO発生量は手焚の時0.4%のものが, 自動給炭機にて0.05%と低下した。之は投炭の際の過剰空気の入る事が少いことと蒸汽に依る燃焼の促進に依ると述べて居る。然し, 罐効率は反対に手焚の場合より低く, 燃焼率400~450kg/m<SUP>2</SUP>hr, 5, 510kcal/kg発熱量の石炭を用いた路上試験に於て約6%低く, 石炭使用量に於て約7%多くなつたと述べ, 之はシンダ損失に依るものであろうと述べて居る。<BR>然し, 以上の欠点は今後次第に改良されるものと思われ, 機関車が大型となると共に, 自動給げ炭機は必須なものになるであろう。
著者
是澤 紀子 堀越 哲美
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.145-150, 2004-10-25
参考文献数
15
被引用文献数
4 1

本研究では、京都市街地を通過する花折断層南部の周辺地域を取り上げ、地震情報としての活断層を含む自然環境の条件と、信仰の場としての神社の立地との関係性を探ることによって、立地場所の地形地質的要素が神社とその周辺における景観の様相に及ぼす影響を把握し、景観整備のための景観形成を評価する指標を探ることを試みた。神社立地の頻度分布において活断層付近の神社は、活断層沿いに分布する様相を呈していることが示された。地形と地質の構成を検討した結果、活断層周辺の神社景観を形成する自然環境の表出は、基盤岩と被覆層という地質条件により区別できる可能性が考えられ、地形的特徴となる断層崖の地質のうち隆起した被覆層は、神社立地と自然環境との関わりを考察する上で、両者のインターフェースかつ指標であると推察される。このような自然環境条件の指標は、その土地固有の自然と文化により構成されるものであり、建造物と一体化した神社の周辺環境すなわち景観を保存整備していく上で重要である。
著者
平川 史央里 白仁田 秀一 小栁 泰亮 堀江 淳 林 真一郎 渡辺 尚
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0749, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)が報告しているCOPDに対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)のエビデンスにおいて,不安や抑鬱の軽減はエビデンスAと強い根拠を示している。当院においても3ヵ月間の呼吸リハを施行したCOPD78例に対し,HADS鬱の点数は初期が6.8±3.1点から3ヵ月後は5.1±3.0点(p<0.01)で,また,HADS鬱疑いである8点以上の割合も初期が38%から3ヶ月後は22%(p<0.01)と有意な改善が認められた。しかし,鬱疑いのあるCOPDは22%も継続されていることは課題である。そこで今回,鬱が改善した群と改善しない群の諸項目の変化量の比較と変化量の影響因子の検討をする事で鬱改善はどのような項目のリハ効果に影響しているのか調査した。【方法】対象はHADSが8点以上の鬱疑いのある外来COPD30例(年齢:71.8±10.6歳,BMI:22.2±4.3,%FVC:80.0±26.7%,%FEV1.0:60.0±29.9%,modified Medical Research Council scale(mMRC):2.4±1.1,COPD Assessment Test:19.3±8.9点)中,呼吸リハ実施3ヶ月後にHADSが8点未満になった(鬱改善群)13例,HADSが8点以上のままだった(鬱非改善群)17例とした。検討する項目は,症状検査はmMRC,生活範囲検査はLife Space Assessment(LSA),身体活動量検査は国際標準化身体活動質問票(IPAQ),身体機能検査は膝伸展筋力/体重比(%膝伸展筋力)と6分間歩行距離テスト(6MWT),QOL検査(St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)とした。統計解析方法は,鬱改善群と鬱非改善群の諸項目の変化量の比較を対応のないt検定を用い,また,HADSの点数の変化量と諸項目の変化量の関係をpearsonの積率相関を用いて分析した。なお,帰無仮説の棄却域は有意水準5%とし,解析にはSPSS ver21.0を用いた。【結果】2群間の実測値と比較結果は,改善群vs非改善群の順に⊿mMRCは-0.5±0.7vs-0.4±0.6(p=ns),⊿LSAは+13.2点±11.4vs+0.4±12.5点,⊿IPAQは+164.9±206.4vs+48.4±366.7(p=ns),⊿%膝伸展筋力は+9.0±11.7%vs+6.3±9.4%(p=ns),⊿6MWTは+44.6±56.1mvs+38.2±37.3m(p=ns),SGRQは-7.0±10.9vs-0.7±7.1(p<0.05)であった。⊿HADSとの相関分析の結果は,⊿mMRC(r=0.05),⊿LSA(r=-0.48),⊿IPAQ(r=-0.27),⊿%膝伸展筋力(r=0.33),⊿6MWT(r=0.12),⊿SGRQ(r=0.05)で有意差が認められたのはLSAだけであった。【考察】鬱改善群は非改善群より,生活範囲や外出の頻度,QOLの改善が高かった。その他の身体活動量,症状,身体機能は両群ともに同量の改善を示した。また,HADSの変化量には特にLSAの変化量の影響を受ける事が示唆された。鬱軽減に対して,身体活動や身体機能の改善ではなく,外出頻度向上させることが重要となることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究は,COPDの鬱改善に関わる検討であり,COPDの鬱に対する呼吸リハの効果を客観的に示した研究である。本研究結果は鬱に対する呼吸リハプログラムのアセスメントとなる研究である。
著者
中屋 宗雄 森田 一郎 奥野 秀次 武田 広誠 堀内 正敏
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.22-28, 2002-01-20
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

目的: ライフル射撃音による急性音響性難聴の聴力像と治療効果に対する臨床的検討を行った.<BR>対象と方法: ライフル射撃音による急性音響性難聴と診断され入院加療を行った53例, 74耳とした. 治療方法別 (ステロイド大量漸減療法群23耳とステロイド大量漸減療法+PGE<SUB>1</SUB>群51耳) と受傷から治療開始までの期間別 (受傷から治療開始まで7日以内の群42耳と8日以降の群32耳) に対する治療効果と聴力改善 (dB) についてretrospectiveに検討した. また, 各周波数別に治療前後の聴力改善 (dB) を比較検討した.<BR>結果: 全症例の治癒率19%, 回復率66%であった. ステロイド大量漸減療法群では治癒率17%, 回復率78%, ステロイド大量漸減療法+PGE<SUB>1</SUB>群では治癒率24%, 回復率63%であり, 両者の群で治療効果に有意差を認めなかった. 受傷から7日以内に治療を開始した群では治癒率21%, 回復率78%, 受傷から8日目以降に治療を開始した群では治癒率16%, 回復率50%であり, 受傷から7日以内に治療を開始した群の方が有意に治療効果は高かった. 入院時の聴力像はさまざまな型を示したが, 2kHz以上の周波数において聴力障害を認める高音障害群が50耳と多く, 中でも高音急墜型が20耳と最も多かった. また, 治療前後における各周波数別の聴力改善 (dB) において, 500Hz, 1kHzの聴力改善 (dB) は8kHzの聴力改善 (dB) よりも有意に大きかった.<BR>結論: 今回の検討で, 受傷後早期に治療を行った症例の治療効果が高かったことが示された. また, 高音部より中音部での聴力障害は回復しやすいと考えられた.
著者
上笹 恒 菱山 謙二 堀 洋道
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.48-56, 1987-11-20 (Released:2016-11-22)

Tsukuba Science City is a newly constructed city situated within the old farming areas of Tsukuba, Japan. The new development, therefore, has had a great impact not only on the original inhabitants of the central district but also on the others in the nearby areas. With the progress of the construction of the new city, the consciousness, values, attitudes, and behaviors of the population have been transformed from the traditional to the modern type. Six sets of survey data on attitudes and behaviors were collected over 10 years period. Based on these data, we made first the index of diversity of attitudes and behaviors which may represent the level of urbanization of the residents' consciousness. Then, into a mathematical model integrating time and space, we formulated the process of change in this index at several regions for 10 years period. The result indicates the model to be fitted well enough to describe the urbanization process according to the distance from the center of the town and to the lapse of time since the basic year.
著者
和田 充紀 堀 ひろみ 廣島 幸子 根塚 明子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.57-64, 2017-03-15

高等学校における,特別支援教育の支援体制や連携の現状を把握するため,特別支援教育コーディネーターを対象として質問紙調査をした。その結果,校内における支援体制の整備はすすめられているが,特別支援教育に関する研修や制度化が進む「通級による指導」などの情報は不足していること,また,在学中の発達障害等の生徒の指導や支援に直結する連携や情報交換と比較して,進学・就職先との連携は少ない現状が明らかになった。発達障害等の生徒の連続性のある支援のためには,高等学校における学校全体での特別支援教育への理解と支援体制の整備,関係機関との円滑な連携が求められる。