著者
大西 真理子 庄司 一郎 小川 宣子 中上 寧 長岡 俊治 下村 道子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.305-313, 2004-04-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
20
被引用文献数
4

炊飯過程において調味料の添加が, 飯粒の水の吸水・膨潤にどのような影響を及ぼしているのか, 米の品種に違いがみられるのかを食塩を用いて検討し, 以下の結果が得られた.(1) 米の粗タンパク質およびみかけのアミロース含量はコシヒカリよりも初霜の方が多かった.(2) コシヒカリと初霜の飯の物性をテクスチュロメーターによって測定した.低圧縮測定した付着性については両品種とも食塩飯粒は普通飯粒よりも有意に減少していた.高圧縮測定した中心部の硬さ, 付着性, 凝集性のいずれも, コシヒカリについては, 食塩添加による影響はみられなかったが, 初霜については, 特に硬さについては有意に増大し (p<0.001, n=20), 付着性は減少傾向がみられ, 凝集性は有意な増加を示した.(3) 飯粒横断面の組織は, コシヒカリでは, 食塩飯粒と普通飯粒は同様の形態を示し, 胚乳細胞は表層部, 中心部ともに膨潤していた.初霜の食塩飯粒では, 飯粒の表層部は膨潤しているが, 中心部の胚乳細胞は小さく, 膨潤が抑制されているのが観察された.組織構造への食塩添加の影響は, 品種問に違いがみられた.(4) コシヒカリと初霜の白米 (掲精度90%) における蒸留水の吸水率は, 両品種間に差はなかったが, 食塩水の吸水率は, 蒸留水のそれよりも有意 (p<0.01) に低かった.また, 白米中心部 (搗精度50%) では, 蒸留水における吸水率は, 両品種間に差がみられ, 初霜の蒸留水の吸水率はコシヒカリの蒸留水のそれよりも低く, 食塩水においても有意に低かった.(5) 初霜の米粒を蒸留水および食塩水に浸漬したときの粗タンパク質の溶出は, 両浸漬水でみられ, 蒸留水におけるよりも食塩水の方が溶出率は高かった.そして, 溶出タンパク質のうちグロブリン, アルブミンおよびグルテリンが多いことをSDS-PAGE分析により確認することができた.
著者
濱田 由香里 中尾 理恵子 大西 真由美
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.260-268, 2016 (Released:2016-06-18)
参考文献数
25

目的 長崎県で「薬局 DOTS」を展開するための薬局側の準備状況を明らかにするとともに,薬局 DOTS 展開の実施可能性について分析し,今後行政が薬局 DOTS 導入に向けた検討を行う際の基礎資料とすることを目的とした。方法 長崎県内の結核指定医療機関533店舗の薬局開設者(概ね薬剤師)を対象に,郵送法による自記式質問紙調査を実施した。質問項目は,1)回答者の属性,2)薬局関連情報,3)結核関連学会等参加経験の有無,4)DOTS の認知および薬局 DOTS 協力や研修参加意向,5)薬局 DOTS を実施する場合の課題や必要条件等である。薬局 DOTS の「協力意向」および「研修会参加意向」の関連要素について χ2 検定により分析した。有意水準は0.05未満とした。結果 有効回答212件(有効回答率39.8%)を分析したところ,「学会・研修会参加」,「結核患者支援経験」,「DOTS 認知」,「薬局 DOTS 認知」,「基準調剤加算」,「地域医療連携体制」を有している薬局開設者は,「薬局 DOTS 協力意志有」に統計学的有意に関連していた。また,50歳未満かつ,「学会・研修会参加」,「結核患者支援経験」,「DOTS 認知」,「薬局 DOTS 認知」,「基準調剤加算」,「地域医療連携体制」を有している薬局開設者は,「薬局 DOTS 研修会参加意志有」に統計学的有意に関連していた。薬局 DOTS 展開の必要条件として,6 割以上が「結核に関する知識や情報」,過半数が「薬局のマンパワー」と回答した。結論 「基準調剤加算」および「地域医療連携体制」を有する薬局,50歳未満で,かつ結核関連学会などへ積極的に参加している薬局開設者の中から,今後薬局 DOTS の協力が得られる可能性が高いと考えられる。また,今後は行政が医療機関と連携し,結核や薬局 DOTS に関する研修会を開催するなど十分な準備体制を整えることで,長崎県内での薬局 DOTS 展開が期待できると考えられた。
著者
大西 真代 塚本 枝里 鈴木 裕介 山本 吉則 嘉戸 直樹 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.131-138, 2011 (Released:2012-01-06)
参考文献数
3

We administered physical therapy to a patient with post-stroke right hemiplegia who had difficulty eating with the fingers of the affected hand. The functioning of the fingers was preserved, but their dexterity decreased because the affected upper limb could not maintain forward elevation. We believed that instability of the trunk and scapular region of the affected side influenced finger movements of that side. Therapeutic gain, after providing physical therapy to the trunk and affected shoulder region, was assessed using surface electromyography. Alignment of the trunk and affected shoulder region as well as feeding activity improved. Surface electromyography evaluation during forward elevation of the affected upper limb showed an improvement in the muscle activation pattern. Stability of the chest and scapula was necessary to attain finger dexterity in this patient.
著者
小口 太一 大西 真理 近川 幸恵 児玉 貴志 鈴木 えみり 笠原 正輝 穐山 浩 手島 玲子 布藤 聡 日野 明寛 古井 聡 橘田 和美
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.41-46, 2009-02-25 (Released:2009-03-26)
参考文献数
5
被引用文献数
2 14

食品・飼料としての利用を目的とした遺伝子組換えテンサイ品種が開発されている.本研究では,テンサイを原料とした加工食品を遺伝子組換え食品の検査の対象にすべきか評価するため,テンサイ糖製品におけるDNA残存の有無を調査した.複数のテンサイ内在性遺伝子配列を標的としたPCR分析の結果,テンサイに含まれるDNAは製糖過程の早い段階で分解され,テンサイ糖製品中から分析可能な質および量のDNAは回収できなかった.
著者
大西 真輝 澤井 裕一郎 駒井 雅之 酒井 一樹 進藤 裕之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

近年,インターネット上での失言をきっかけに,誹謗中傷や非難が殺到する「炎上」と呼ばれる現象が大きな社会問題となっている.そこで,我々はTwitter上の発言を対象に炎上抑制を目的とする包括的なシステムを構築した.システムは,入力文に対し炎上判定を行い,必要に応じて予想される返信文の提示と炎上する表現を訂正した文の提案を行う.利用者は,炎上の危険性と,未然に防ぐ知見を得ることが予想される.
著者
山ノ井 髙洋 豊島 恒 山﨑 敏正 大西 真一 菅野 道夫
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.639-646, 2016-06-15 (Released:2016-07-12)
参考文献数
12

著者らは,クラブのトランプAからKまでの13枚の画像をCRT上で被験者に提示し,認知時またそれを想起した際のEEG計測を行なった.著者らが従来から試みている正準判別分析法をこれらのシングルトライアルEEGに適用した.従来から判別に用いている右中前頭回に対応する国際10-20法に対応するEEG計測位置であるFp2とF4,C4,F8の4チャネルからのEEG出力を判別に用いた.サンプリング区間は潜時400msから900msを25ms間隔でサンプリングし,84次元のベクトルデータを構成した.さらに,データを3倍とするサンプリング方法も検討した.ジャックナイフ統計を用いた正準判別分析の結果9人の被験者の判別率は90パーセントを越えた.これにより.トランプカードの推定マジックがトリックなしで90%以上の確率で行えた.
著者
橋村 愛 大西 真由美
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.323-332, 2016

<p><b>目的</b></p><p>  長崎県内で生殖年齢にある外国人女性が多く居住する長崎市および佐世保市の周産期ケアに携わる看護職が考える「外国人への周産期ケアコミュニケーション能力」として必要な要素を抽出することを目的とした。</p><p><b>方法</b></p><p>  長崎市および佐世保市の分娩取扱い医療機関全25施設のうち、調査協力への承諾が得られた長崎市6施設、佐世保市4施設の計10施設に勤務する、周産期ケアに携わる看護職207人を対象に、郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。質問紙は個人属性、海外・外国人関連項目(英会話能力、海外滞在・渡航経験、異文化学習経験、外国人患者ケア経験、外国人妊産褥婦ケア経験)、および独自に作成した38項目から成る「外国人への周産期ケアコミュニケーション能力」に関する質問から構成した。38項目は「全く必要でない」「あまり必要でない」「やや必要」「とても必要」の4件法で回答を求め、順に1点から4点と点数化した上で因子分析を行った。</p><p><b>結果</b></p><p>  10施設207人の看護職を本研究対象とし、141人から回答済み質問紙が返送され(返送率68.1%)、そのうち有効回答が得られた120人を分析対象とした(有効回答率58.0%)。外国人妊産褥婦ケア経験のある者は120人中111人(92.5%)であった。長崎市内施設看護職では中国出身、佐世保市内施設看護職では中国または米国出身の外国人妊産褥婦へのケア経験があると回答した者がそれぞれ8割を超えた。「外国人への周産期ケアコミュニケーション能力」に対する必要性の認識では38項目中36項目の平均得点が3.0以上であった。平均得点が3.0を下回った2項目を除く36項目で因子分析を行い、さらに因子負荷量の絶対値の基準0.4以下であった3項目を除外した上で再度因子分析を行った。その結果、「異文化理解」「資源活用」「問題解決」「異文化尊重」「情報伝達」「非言語コミュニケーション」「自文化理解」「分娩期対応準備」の8要素が抽出された。</p><p><b>結論</b></p><p>  長崎市および佐世保市の周産期ケアに携わる看護職は、「外国人への周産期ケアコミュニケーション能力」として、「異文化理解」「資源活用」「問題解決」「異文化尊重」「情報伝達」「非言語コミュニケーション」「自文化理解」「分娩期対応準備」の8の要素の必要性を認識していた。</p>
著者
大西 真晶 森野 博章 実藤 亨 井上 真杉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.380, pp.93-98, 2010-01-14
被引用文献数
11

現在のデジタルサイネージは地域性に応じた電子広告を街頭において提示するものが主流である。配信される広告の効果を客観的に計測することは効果的な広告配信を行う上で重要であるが,その効果測定手段は提供されていない.そこで本研究では,地域ネットワークを利用して配信広告を見た人々の持つ端末情報をリアルタイムに追跡し,広告による購買効果を広告主が分析可能なデジタルサイネージシステムを提案する.具体的には,携帯端末から嗜好情報と位置情報を地域ネットワークにより自動収集し,最初の広告配信時,店舗サーバ接続時,来店時のそれぞれについて実際の効果を統計的に把握する.本提案システムにより地域の小規模店舗でも地域環境やユーザ特性に応じた広告の効果的な配信が可能となり,地域産業創生と地域活性化への寄与が期待できる.
著者
実藤 亨 井上 真杉 大西 真晶 森野 博章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.29-34, 2009-01-15
被引用文献数
6

ユビキタスセンサーネットワーク技術を利用したビジネス展開を考えた場合、現状漠然とした疑問点が存在する。まず、マーケットニーズそのものは大きく見えるが、実際にビジネスとして採算が取れるまでにどのようなマイルストーンが存在するのか?また、あと何年で採算性の見合うマーケットに成長できるのか?さらに、従来ネットワークビジネスと本質的に何が異なるのか?何が斬新なのか?そして誰がユビキタスセンサーネットのビジネスプレイヤーになり、誰がユーザとして利用するか?上記のような漠然とした疑問が存在する中でユビキタスセンサーネットワーク研究は進められてきており、現状その試験運用も含めた研究の中で何らかの解決が導き出されてきた。本講演においては、現在研究されているユビキタスセンサーネットワークに想定されるビジネス展開に向けた課題を整理して解決案を検討していく。
著者
西出 亮 坪井 新治 奥 智照 近藤 弓子 大西 真晶 上島 紳一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.455-460, 2007-06-25

本稿では,空間型MMOGシステムを利用者から提供されるコンピュータノードを用いたP2Pドロネーネットワークにより構築する手法を提案する.本手法は,利用者の平面上のキャラクターの位置をノードの位置として,ドロネーネットワークを構成し,MMOGにおける処理を分散的に実行する.そこで,まずP2Pドロネーネットワークの構築手法を提案する.空間型MMOGにおいて,各プレイヤーのビュー生成に必要な情報は利用者のキャラクターの近傍のオブジェクト情報である.そこで,平面をボロノイ領域に分割し,各ノードに割り当て,そのボロノイ領域内に含まれるオブジェクト情報を各ノードが管理する手法についても提案する.更に,ノードの移動に備えてP2Pドロネーネットワークを保つ必要がある.そこで,ノードの位置情報の変化に基づきネットワークの組み替えを行い,P2Pドロネーネットワークを保ち続ける手法について提案し,検討を行う.
著者
大西 真駿
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

不良または余剰なミトコンドリアを適切に分解し除去することは細胞の健康維持に重要である。マイトファジーはオートファジーの仕組みを利用してミトコンドリアを分解する仕組みであるが、その詳細な分子機構はほとんど不明であった。本研究では出芽酵母を用い、ミトコンドリアと隣接するオルガネラである小胞体に存在する膜タンパク質がマイトファジーの制御に関わるメカニズムを解明する。この解析を通し、小胞体がミトコンドリアの分解制御にどのように貢献し、適切なレベルの分解を正確に駆動しているかの理解がより一層深まると期待される。
著者
大西 真美 曽山 いづみ 杉本 美穂 大瀧 玲子 山田 哲子 福丸 由佳
出版者
一般社団法人 日本家族心理学会
雑誌
家族心理学研究 (ISSN:09150625)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.137-154, 2022-03-31 (Released:2023-05-19)
参考文献数
15

In Japan, more than 200,000 children experience their parents' divorce annually. To help parents and children cope with problems that result from divorce, a psychoeducational program called Families in Transition (FAIT) has been conducted with Japanese families since 2013. The current authors have noted the importance of understanding the differences and similarities between custodial parents (CPs) and non-custodial parents (NCPs). The purpose of the current study was to examine differences and similarities between the experiences of CPs and NCPs. This study also examined how conflicts occur and ways to improve the program. Participants were 17 parents who participated in the FAIT program. Data were collected via semi-structured interviews and analyzed using the KJ method. The main findings were as follows. Both parents felt hurt and unstable after the divorce. CPs felt as if they were the victims of the divorce, and NCPs felt ignored and lonely as a result of the divorce and not being able to see their children. These emotions hampered their ability to relate to the other parent. Both parents also felt that they had not received sufficient support and information during the divorce. As a result of participating in the FAIT program, both parents felt accepted by sharing their experiences and emotions and they also learned the importance of the child's perspective. CPs changed their view towards visitation, and NCPs' emotions changed when they were treated the same as CPs. Results revealed the importance of understanding both parents' point of view and keeping a balance between sharing personal experiences and maintaining the framework of a psychoeducational program.
著者
藤田 俊貴 首藤 一幸 西川 武志 大西 真晶
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.321-326, 2017

高性能なカメラが安価で手に入るようになった.そこで,多数のカメラを用いて多数の撮影対象を複数の視点から撮影することが可能になってきた.サッカーや音楽ライブ等で多数のカメラを活用するためには,カメラ毎にどこを撮影するか決定して撮影する必要がある.また撮影したい映像によっては,複数のカメラが同じ場所を撮影しないようにカメラ間で協調制御をする必要がある.しかし人の手により多数のカメラを操作することや,協調制御を行うことは困難である.よって,多数のカメラを用いて多数の撮影対象を撮影するには,カメラを自動制御するべきである.カメラを自動制御する際に,制御するプログラムを書き下すのは大変であり,また撮影したい映像を撮影するように制御プログラムを書くのは困難である.そこで本論文では,撮影者が撮影指針を点数付けで与えることにより,複数台のカメラを自動制御する制御手法を示す.本制御手法を用いることで,撮影者が撮影したい映像を自動で簡単に複数撮影することが可能となる.提案制御手法の有効性を確認するために,Unityで作成したシミュレータ上で行った実験の結果を示す.実験は点数付け方法を変化させて提案制御手法で撮影することで行い,その結果撮影映像が変化し,また複数のカメラが連携して撮影していることを確認した.
著者
大西 真里子 渡邉 尚子 岡村 勝正 村田 和也 野口 和真 松田 秀秋
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 : shoyakugaku zasshi : the Japanese journal of pharmacognosy (ISSN:13499114)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.71-76, 2012-08-20
参考文献数
20

Alopecia areata is one of the most common forms of alopecia and an effective treatment strategy has long been wanted. Several studies have shown that interferon-γ (IFN-γ) is implicated in the pathogenesis of alopecia areata. In this manuscript, we report on an in vitro screening method based on the restoration of cell proliferation against the cell growth inhibition induced by IFN-γ. The proliferation of the human squamous-cell-carcinoma cell line DJM-1 was suppressed by treatment of IFN-γ and the cytotoxicity was ameliorated by anti-human IFN-γ antibody. From the screening of ten extracts prepared from crude drugs related to treatments of alopecia and thermal burn, the extract of dried leaves of Ginkgo biloba (GB-ext) showed the most potent activity at 60.5% of inhibition at 100μg/mL among the samples tested. Furthermore, the seasonal transition manner of the rescue activities of GB-ext was investigated to reveal that the activity increased as the leaves grew. Surprisingly, the fallen leaves showed most potent activity. In addition, a preliminary experiment on the mechanism of the activity was performed using reverse transcription-polymerase chain reaction to demonstrate that GB-ext samples suppressed the expression of mRNA for HLA-DRA. These results suggest that the leaves of G. biloba can be a candidate material for the treatment of alopecia areata and the development of an effective screening method was achieved. The identification of the active principle and further investigation on the mechanism of the rescue activity are now underway.
著者
西原 三佳 大西 真由美 中村 安秀
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.55-67, 2016

目的 東日本大震災被災地,岩手県陸前高田市において震災後から継続して未来図会議(保健医療福祉包括ケア会議から名称変更)が実施されている。この会議が果たしてきた役割を分析し,今後の災害対応計画への一助とする。<br/>方法 未来図会議創成期の保健医療福祉関係者10人(行政 6 人,行政以外 4 人)への聞取り結果,既存資料による情報収集を基に,経済協力開発機構開発援助委員会(OECD/DAC)による評価 5 項目を用いて分析した。<br/>結果 被災直後,市関係者は支援調整対応に追われ現状確認と情報集約が出来ない状況にあった。元市職員の支援者が調整役となり初回会議が2011年 3 月27日に開催され,参加者は官民区別なく全保健医療福祉関係者とされた。各方面の現状情報共有と支援調整が行われ,5 月には復興に向けた課題共有を開始した。6 月末までほぼ毎週開催され,災害援助法救護班派遣が終了した 7 月より月 1 回の開催となった。参加者はその頃より現地職員を主とし,地元市民団体,外部支援団体となり,中長期的課題共有と対応検討をし続け,現在に至る。<br/> DAC 評価 5 項目別に以下の結果が得られた。①妥当性:被災後の現状把握,情報共有,支援調整の場として機能した。②有効性:行政,民間,支援関係者が共通認識をもち役割を確認し,支援連携を生む機会となった。③効率性:支援の需要と供給のマッチング機会を創出した。知恵が集積され新たな視点や効果的な活動を生み,支援の効率化に貢献した。④インパクト:関係者への知識普及と課題の共通理解を促進した。包括的ニーズ把握が施策化に活かされた。⑤自立発展性:早期からの復興イメージ提示により課題共有がされ,行政・民間双方において復興に関し検討する必要な場として認識されている。<br/>結論 災害時の国際協力では効率的支援と最大限の支援効果を目的とするクラスターアプローチが実施される。専門分野ごとにパートナーシップを構築し支援調整を行うものだが,未来図会議は,緊急期,復旧期においてこのクラスターアプローチの役割を担っていた。復興期以降は全関係者が中長期的課題を共有し検討できる場として役割を担っている。このような未来図会議の取組みは今後の災害対応計画において一つのモデルとなり得る。<br/> 提言として①早期に情報交換の場を立ち上げること,②会議参加者の資格は問わず自由参加とすること,③地元既存組織を含め民間組織との平時からの関係構築,が挙げられた。
著者
高畠 令王奈 大西 真理 真野 潤一 岸根 雅宏 曽我 慶介 中村 公亮 近藤 一成 橘田 和美
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.235-238, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

安全性審査済み遺伝子組換え(GM)トウモロコシおよびダイズの粉砕試料中の混入率を,重量混合比として算出するためには,内標比が必要である.内標比は,GMダイズに関しては,リアルタイムPCR新機種QuantStudio5, QuantStudio12K Flex, LightCycler 96およびLightCycler 480において,組換え配列と内在性配列のコピー数比を基に既に測定されているが,GMトウモロコシに関しては未対応であった.本研究では,GMトウモロコシのスクリーニング検査法の対象であるカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター,GA21構造特異的領域,MIR604系統特異的領域,MIR162系統特異的領域において,上記リアルタイムPCR4機種を用いて内標比を算出した.
著者
中尾 理恵子 杉山 和一 川崎 涼子 大西 真由美 本田 純久
出版者
日本健康学会
雑誌
日本健康学会誌 (ISSN:24326712)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.130-140, 2018-07-31 (Released:2018-08-20)
参考文献数
53
被引用文献数
1

This study aimed to clarify factors related to self-rated health among elderly people who live in geographically disadvantaged environments in sloped residential areas. A self-administered questionnaire was carried out among elderly residents aged 65 years or older living in a sloped residential area in Nagasaki City, Japan. Among a total of 148 respondents (46 males, 102 females), 35.8% demonstrated poor self-rated health. The factors statistically significantly associated with better self-rated health were going out, participating in social activities, and having relationships with neighbors. No relationship was found between self-rated health and sex/family structure. Logistic regression analysis showed that the factors associated with poor self-rated health were falls (odds ratio [OR]: 3.64, 95% confidence interval [CI]: 1.3-10.2), assistance with going out (OR: 10.43, 95%CI: 2.3-46.7), limited access to shopping (OR: 4.99, 95%CI: 1.8-13.7), and not participating in volunteer activities (OR: 5.26, 95%CI: 1.3-21.2). These results suggest that getting assistance when going out and voluntarily participating in social activities may improve the health of elderly residents living in sloped residential areas.
著者
大西 真輝 澤井 裕一郎 駒井 雅之 酒井 一樹 進藤 裕之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.3O13in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年,インターネット上での失言をきっかけに,誹謗中傷や非難が殺到する「炎上」と呼ばれる現象が大きな社会問題となっている.そこで,我々はTwitter上の発言を対象に炎上抑制を目的とする包括的なシステムを構築した.システムは,入力文に対し炎上判定を行い,必要に応じて予想される返信文の提示と炎上する表現を訂正した文の提案を行う.利用者は,炎上の危険性と,未然に防ぐ知見を得ることが予想される.