著者
小玉 祥平 市川 みさ希 太田 高志 羽田 久一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20-25, 2013-09-27

コンサートやスポーツ・イベントにおいて観衆の一体感を生成するシステムが広まりつつある.本論文では,事前の準備を必要とせずに複数の端末上のブラウザを一元的にコントロールできるシステムを提案する.本システムはWebSocketとHTML5によって構成されており、ブラウザを用いて特定のURLにアクセスするのみでデバイスを表示やコントロールに利用することが可能となる.本システムは参加型のライブパフォーマンスとして利用できる.
著者
太田 裕通 神吉 紀世子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1208-1215, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
13

本研究はジャカルタのカンポン・アクアリウム(Kampung Akuarium)を対象としては居住者による「個人」が捉えるカンポンの姿から「集団」がつくり上げる空間や秩序と自己組織化との関係を明らかにするものである。このカンポンは2016年4月、州政府によって強制立ち退き・住宅撤去が行われたが、その後居住者復帰と再建の運びとなり今まさに一からカンポンの物理的環境を構築しようとしている。物理的環境の再建に向けて、既に開発されている「都市認識」へアプローチするダイアログ手法を導入し、居住者らが抱く「カンポン」の姿へ迫った。結果12名の居住者「個人」が捉える自地域の姿と成り立ちを明らかにし、その中での価値付けに基づく空間的関与が撤去後に仮設されたシェルターの住環境にも反映され、実現している空間があることを確認した。さらに、撤去により物理的環境が失われても自律的に残っている「集団」がTempat Nyamanの存在や、漁村、密集市街地ならではの空間性を共有していることを明らかにした。以上から「個人」の多様な捉え方と関与の実現を許容しつつ、同時に異なるレベルで「集団」によって自律的に生まれる秩序とその実現が住環境をつくり上げていくというある種の自己組織化が明らかになった。
著者
太田 達男 宮崎 利夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.538-539, 1958
被引用文献数
4

From the air-dried pericarps of <i>Ruta graveolens</i> L., a trace of phenolic and nonphenolic weak bases (0.07%) were isolated by succesive extraction with petroleum ether and methanol, and subsequent treatment in the usual manner. The colorless needle crystals, m.p. 169-170&deg; (picrate: m.p. 217-218&deg;), obtained from the non-phenolic bases by crystallization from hydrated ethanol, were found to be identical with those of kokusaginine. The pale yellow prismatic crystals, m.p. 176&deg; (picrate: m.p. 195-197&deg;), obtained in 0.0018% yield from the foregoing crystallization mother liquor by chromatography on alumina in benzene solution, were proved to be those of skimmianine.
著者
太田 和一
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.20, no.8, pp.417-421, 1956 (Released:2008-04-04)
参考文献数
1

The distribution of hardness in transverse and oblique sections of a cold rolled Armco iron and nickel was measured. The distribution curves showed a convex form up to some degrees of working. The effect of skin pass upon the distribution of hardners and the relationship between the distribution of hardness and residual stress were also studied.
著者
藤井 照重 太田 淳一 蒋 安衆 木島 和夫 金加 貴史
出版者
日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.56, no.527, pp.p2093-2097, 1990-07

In a system constructed by combining a gas turbine with a generator and an unfired waste-heat-recovery boiler,the exhausted gas becomes the heat input to the boiler and thus,the characteristics of this heat input obviously differ from those of the heat input to a conventional boiler system. To clarify the dynamic characteristics of the unfired waste-heat-recovery boiler,a simple naturalcirculation loop tube was manufactured to simulate an actual boiler. The experiments on dynamic responses with step changes in heat input were carried out for the cold start of about 10℃ and the warm start of 50℃ or 90℃. Dynamic responses such as the drum pressure,the drum water level and the natural-circulation velocity were clarified experimentally.
著者
生田 旭洋 太田 友規 大野 善隆 後藤 勝正
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.A0233, 2008

【目的】骨格筋は、力発揮という力学的な仕事をする器官である。そのため、骨格筋を構成する骨格筋細胞は他の細胞とは異なった特有の形態と構造を持っている。形態的な大きな特徴の1つは、筋の収縮方向に(筋が力を発生する方向に)細く長いことである。この形態的特徴から、骨格筋細胞は骨格筋線維あるいは筋線維と呼ばれている。骨格筋は力学的な仕事の負荷に応じて機能的かつ形態的な適応を示すことは良く知られているが、組織としての適応は個々の筋線維の適応変化による。一般に、骨格筋線維は遅筋線維と速筋線維の2種類に大別される。例えば、遅筋線維はエネルギー産生オルガネラであるミトコンドリアを多く含むことから酸化系酵素活性が高く持久性に優れるが、ミオシンATPase活性は低く収縮速度が低いという性質を持つ。一方、速筋線維ではミトコンドリア含有量は少ないがグリコーゲン顆粒が多く含まれ、解糖系酵素活性値が高く、そしてミオシンATPase活性が高く収縮速度が高いという特性を持つ。さらに、筋線維の直径を比べると、遅筋線維に比べ速筋線維が太いとされている。しかしながら、ラットのヒラメ筋では遅筋線維は速筋線維に比べて太いことが知られており、必ずしも遅筋線維が速筋線維に比べて細いとは言えず、組織としての骨格筋の存在様式や収縮機能などの特性に応じて、筋線維の太さが決定されている可能性が指摘されている。そこで本研究では、異なる存在様式ならびに収縮機能を有する骨格筋における遅筋線維と速筋線維の形態的特徴を比較検討し、骨格筋の機能的特性と筋線維タイプの関係を明確にすることを目的とした。<BR>【方法】実験には、生後8週齢の雄性マウス(C57BL/6J)を用い、両後肢よりヒラメ筋、長趾伸筋、足底筋ならびに腓腹筋を摘出した。摘出した各筋は結合組織を除去後に秤量し、即座に液体窒素により急速凍結し、-80&deg;Cにて保存した。凍結組織をクリオスタットにて、厚さ10 μmの連続凍結切片を作成し、HE染色ならびにミオシンATPase染色(前処置pH 4.35)を施した。染色した切片は顕微鏡にて観察・撮影し、筋線維タイプの同定ならびに筋線維直径の計測を行った。<BR>【結果】ヒラメ筋では遅筋線維が多数を占め、断面積に占める割合も大きいものであった。個々の筋線維の断面積を比較すると、ヒラメ筋では遅筋線維が、長趾伸筋、足底筋ならびに腓腹筋では速筋線維が高値を示した。<BR>【考察】以上より、速筋線維が太く遅筋線維が細いという法則は必ずしも全ての骨格筋に当てはまるものでなく、組織としての収縮機能に適合するように数的に多くを占める線維が大きな直径を有することが明らかとなった。<BR>【まとめ】リハビリテーションを行う上で筋機能に配慮した処置が必要になると考えられた。<BR>
著者
伊藤 昌毅 諸星 賢治 太田 恒平 森山 昌幸 神田 佑亮 藤原 章正
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.I_1465-I_1475, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
15

2018 年に発生した西日本豪雨の被災地では多くの道路や鉄道が寸断され,住民や訪問者の移動に困難が生じた.バスや鉄道などは運行を確保にできる限りの手を尽くしたが,Web や乗換案内アプリケーションでは正確な案内が出来ておらず,公共交通の利用は困難であった.本論文では,災害時に公共交通情報を地域住民や訪問者に届ける方法を論じ,西日本豪雨における実践を通じて有効性を示す.情報を一箇所に集約することは災害時には現実的ではないため,それぞれの交通事業者が出来る範囲で情報発信を行い,乗換案内などからリンクを張るという自律分散的な情報提供を実現した.時刻表通りの運行が困難な状況で役に立つバス運行実績情報や代行バスの位置情報といったリアルタイム情報を提案手法でまとめ,総合的な交通情報の把握を可能にした.
著者
石原 進 太田 雅敏 行方エリキ 水野 忠則
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.2997-3007, 2005-12-15
参考文献数
11
被引用文献数
12

携帯端末向けの手軽な個人認証手法として,携帯端末の動きを用いた個人認証手法「3D 動作認証」を提案し,その有用性について基礎的評価を行う.3D 動作認証では,動作計測用のセンサを搭載した小型端末でユーザの動きをとらえ,その個人特徴を認証に利用する.小型の加速度センサは腕時計や携帯電話に内蔵することができ,ユーザは特別な入力装置を用いずに,端末を動かすだけで手軽に認証操作を行うことができる.3 次元空間での動きは筆跡という目に見える形で残ることがなく,手首のひねりなどを利用した動作を肉眼でとらえることは難しいため,他人に動作をコピーされ悪用される危険性が低い.本手法では加速度センサで得られる加速度のDP マッチングにより認証判定を行う.加速度センサを搭載した実験用端末を用い,11 人の動作登録者および27 人の成りすまし被験者による実験の結果を行った.この結果より,本手法に適した認証用動作の特性を確かめた.また,ユーザ自身のサインを動作パターンとして用いた場合,上記の特性に従って登録する動作の選別を行えば,本人拒否率を1.5%未満,動作パターンを図示された条件下での成りすまし成功率を1%未満とできることが確かめられた.We propose an individual authentication scheme using motions of a portable device 3D motion authentication. In this paper, we evaluated the fundamental properties of the scheme. The 3D motion authentication scheme measures motions with a small device equipped with an acceleration sensor for the authentication. The risk of misuse by others is low in the method, because the motion of a device in the air doesn't remain as handwriting and it is difficult to recognize the motion with the naked eye. The scheme uses DP matching to judge motions. We developed a prototype device like a mobile phone for the authentication scheme and tested it with 11 registered users and 27 attackers. We obtained a guideline for suitable motion patterns for this scheme from the results. We also obtained false rejection rate less than 1.5% and the false acceptance rate for vicious attackers who know the motion pattern show in the figure less than 1% with the user's own signature satisfying the guideline.
著者
太田 幸雄
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.A31-A41, 1994-03-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
3
著者
太田 一郎 宇都木 昭 太田 純貴
出版者
鹿児島大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

アニメ声優が演じる「声」の音響的独自性が人びとの「感覚」に内面化した社会文化的な制度として確立している様子を主に言語学とメディア論の観点から複合的にとらえることを試みた。(1) 女性声優のアニメの声と一般女性の声を比較した結果,アニメの声にはより多くの倍音成分が含まれるなどスペクトル包絡に関わる特性が見られる,(2) アニメと声をめぐる状況は 声優とキャラの間の「演技」,キャラとファンの間の「受容(消費)」,ファンと声優の間の「情的関与」が考察の対象となる, (3) アニメ・声・身体の関係の議論についての重層的な声の受容を論じる聴覚文化論や「音象徴」などの言語学的知見が有効なことなどを示した。
著者
太田 聡
出版者
近代英語協会
雑誌
近代英語研究 (ISSN:21864381)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.25, pp.127-133, 2009-05-01 (Released:2019-09-03)
参考文献数
6
著者
川床 裕香 植野 拓 本多 亮平 太田 祐子 塩貝 勇太 小峠 政人 大和 枝里 永淵 郁 森松 明彦
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.138, 2008

【はじめに】<BR> 生態心理学領域において視覚情報が身体にもたらす影響が論じられており、臨床上、周辺視野内の情報が患者様の多様な身体反応を引き出す場面をしばしば経験する。側方にテーブルを設置すると同側へのリーチ距離が有意に延長したという先行研究報告もあり、視野内の物的環境を手がかりに身体にも変化をもたらすことがうかがわれる。<BR> 今回、周辺視野内のテーブル設置の有無やその設置条件の違いで前方リーチ距離や自覚的安定感に影響があるかを測定・検証し、リハビリテーションアプローチへの展開の可能性を検討する。<BR>【対象】<BR> 健常者44名(男性15名、女性29名、平均年齢26.04±4.22歳、平均身長161.79±9.22cm)を対象とした。<BR>【方法】<BR> 被験者は閉脚裸足立位で、両肩屈曲90度・肘伸展・前腕回内位の開始肢位から足底全面接地のまま水平方向に前方リーチを行い、TOEI LIGHTファンクショナルリーチ測定器T-2795を用いて、両中指を指標に測定を行った。<BR> 測定環境は、前方10m空間内にテーブル、測定器以外の視覚的要素の無い状態を設定した。<BR> 測定条件は、2回の前方リーチ練習を行った後、テーブル設置なし、テーブル設置ありで高さ2通り(膝蓋骨・大転子)、足尖からの距離2通り(30cm・60cm)の計4通り、合わせて5条件で行った。また、測定を行った後、自覚的にはどの条件下がもっとも前方リーチが行いやすかったかを、被験者に聴取した。<BR> 各測定条件下でのリーチ距離の比較についてはFriedman順位検定後多重比較検定(Bonferroni法)を、自覚的安定感の比較についてはカイ2乗検定を用いて統計解析を行った。<BR>【結果】<BR> テーブルの有無やそれぞれの設置条件間において、リーチ距離や自覚的安定感に有意差はなかった(p>0.05)。<BR>【考察】<BR> 今回の検証では、テーブル設置の有無や設定条件にかかわらず、前方リーチ距離や自覚的安定感の間には有意差はなかった。各々の設定条件は、被検者個々人の身体運動能力や主観に一律の影響を与えるような周辺視野情報とはなり得なかったと考えられる。リハビリテーションアプローチとして視覚情報を用いるとき、個別性を考慮した介入が必要であることが示唆される結果となった。今後も、臨床に活かすために他のテーブル設置の条件などを検討し、臨床場面への応用の糸口を探っていきたい。