著者
太田 晴美
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学札幌保健科学雑誌 = Sapporo Medical University Sapporo journal of health sciences (ISSN:2186621X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-6, 2020

災害医療の歴史的変遷を紐解き,近年の災害医療実践例から,管理・経営的側面からその学びと課題について述べる。阪神淡路大震災では,後方支援の重要性と心のケアの必要性が明らかになり,有珠山噴火では病院同士が連携する創意工夫があった。東日本大震災では,平時も有事も「安全」と「安心」を提供する重要性がわかった。熊本地震では高齢者や福祉施設に対する支援体制等を構築する課題が明らかになった。北海道 胆振東部地震では医療者自身に正常性バイアスがあった。また、SNS活用は情報伝達がスムーズになる一方,善意のデマ拡散というデメリットがあり,情報ツールを活用する力が求められた。2019年台風19号では,予測できる気象災害に対し,人々がどのように備え,対応するかが問われ,災害モードの切り替えが重要 と再認識した。医療機関の備災力向上のためには,マニュアルだけでは補えず,どのようにマニュアルを使っていくかが重要である。
著者
山本 巌 田中 距聰 藤本 哲也 太田 和親 松崎 啓
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1227-1230, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
4

1,1-ジフェニルポスホリナニウムプロミド[1]を出発物質として,二硫化ジメチルによるα-位へのメチルチオ基の導入,それにつづくデカナールとのWittig反応を行ない,対応するビニルスルフィド[4]を収率56%で得た。つぎに[4]を,ヘキサナールとWittig-Horner反応すると,アルコール[5]が収率67%で得られた。ついで,[5]を水素化ナトリウムで処理すると,Douglas Fir Tussock Moth(Orgyiapseecdotsugata)の性フェロモン前駆体であるジエン[6]が収率31%で得られた。さらに,[6]を塩酸水溶液で加水分解し,目的の性フェロモンて[7]を収率82%で得た。
著者
近藤 史崇 岩井 俊治 三浦 智恵美 坂田 潤弥 太田 史 井戸 篤史 入江 奨 岡松 一樹 角正 浩一 三浦 猛
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.16-00030, (Released:2016-11-01)
参考文献数
41
被引用文献数
5 7

養殖クロマグロに最適な飼料の開発を目指して,EP給餌と生餌給餌の体成長と消化関連因子の比較を行った。EP給餌のクロマグロの体成長は胃のペプシン活性が減少した後に一旦停滞したが,その後,幽門垂の肥大化に伴うプロテアーゼ活性の増加により生餌給餌と同程度に回復した。EPは生餌に比べて難消化であるため胃での滞留時間が長く,消化関連因子(cck, pyy)は生餌より遅れて発現した。成長関連因子(ghrelin)は餌の消化管内での移動に伴って発現が変動し,EP飼料では有意に増加する事が明らかとなった。
著者
太田 岳史 小谷 亜由美 伊藤 章吾 花村 美保 飯島 慈裕 マキシモフ トロフューム コノノフ アレキサンダー
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

筆者らは,1998年よりロシア・ヤクーツクの北方,約20kmに位置するスパスカヤパッド・カラマツ実験林において,渦相関法を用いた全生態系からの蒸発散量,光合成量の観測を行ってきた.植生条件は上層植生は2007年6月に展葉していた樹木が枯れ始め,下層植生は2006年~2007年よりコケモモから湿地性の草本や低木が繁茂するようになった.気象条件は,降水量は,1998年~2000年は平年並み,2001年~2004年は渇水年,2005年~2009年は豊水年,2010年~2011年は平年並みとなった.その間に,大気側の成分(放射量,気温,飽差など)はあまり大きな経年変動をしなかったのに較べて,地表下の成分(地温,土壌水分量)は明確な経年変動を示した.そして,蒸発散量,光合成量は,この地表面下の成分により変化したと考えられた.すなわち,土壌水分量と蒸発散量は関係は2007年から低下しており,土壌水分量と光合成量は1年遅れて2008年より低下した.つまり,2005年から土壌水分量は上がりはじめ,2年の時間遅れで蒸発散量を低下し,光合成量はもう1年の時間遅れが必要であった.詳しくは,講演時に発表する.
著者
佐中 孜 葛西 浩美 早坂 勇太郎 鈴木 利昭 久保 和雄 須藤 尚美 阿岸 鉄三 杉野 信博 太田 和夫
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.88-91, 1983

腎の排泄機能不全によって、体内に蓄積する蛋白結合能阻害因子(PB-Ix)は、他の物質と競合して、アルブミンと結合すると考えられている。今回の研究によって、馬尿酸および2a, 2bと命名された中分子物質と同定したPB-Ixは、HD、HFよりHDFによって比較的容易に除去された。但し、PB-Ix活性という観点からみると、それらの血液浄化法では、その改善を計ることができず、CAPDのみが活性値を正常値の近くまで回復させることができた。
著者
太田 朋子
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.65-68, 2015-07
著者
村井 史香 岡本 祐子 太田 正義 加藤 弘通
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.31-39, 2021-03-25

本研究の目的は、自認するキャラを対象に、キャラを介したコミュニケーションとセルフ・モニタリングとの関連を検討することであった。中学生と大学生を対象に質問紙調査を行った結果、以下2点が示された。第1に、学校段階に関わらず、セルフ・モニタリングはキャラあり群の方がキャラなし群よりも高かった。第2に、キャラ行動および受け止め方とセルフ・モニタリングとの関連について、自己呈示変容能力はキャラ行動を促進し、キャラの積極的受容につながることが示された。また、自己呈示変容能力は、キャラへの拒否に負の関連を示した。一方、他者の表出行動への感受性は、キャラ行動および受け止め方とは関連がなかった。なお、この過程は学校段階に関わらず、成り立つことが示された。以上の結果から、キャラの利用は、対人場面での自己呈示に対する不安よりも、状況に応じて自身の言動を適切に調整できるという自信に基づいている可能性が示唆された。
著者
石原 鉄也 安田 知壱 大門 啓志 引地 康夫 太田 敏孝
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.103, 2003

従来のマシナブルセラミックスは結晶のへき開性を利用しており,低強度で1000℃以上の高温では使用できない. 本研究では,高強度セミックスである3Al_2O_3・2Si0_2(ムライト)にYPO_4を添加し, 焼結後の加工ができ,高強度を維持できるセラミックスの作製を目的とする.実験方法はYPO_4とムライトを湿式ボールミルで混合し, 混合比はYPO_4を0, 10, 20, 30, 40, 100mass%とした. 得られた粉末をCIP成形し,ムライトは1600℃, その他は1550℃, 3時間焼成をした YPO_4を40mass%添加した焼結体について穴あけ加工ができ, 高強度であった.