- 著者
-
"宮脇 修"
"ミヤワキ オサム"
Osamu" "MlYAWAKI
- 雑誌
- 名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
- 巻号頁・発行日
- vol.31, pp.121-131, 1985-03-01
"PF-STUDY,CCPのデーターをもとにして,Low sociometric status groupをHigh sociometric status groupに対比して,その人格的・行動的特性をまとめると,次の三つに要約される. 1.L groupはH groupに比べ,一般的にフラストレーション耐性が低く,H groupがフラストレーション事態でも,その問題解決に当たって内省的努力の構えで対するのに,L groupはフラストレーションを惹きおこした事物・人物に向けて単なる不平不満の感情で終始する傾向がある. 2.L group は,H group に比べ,母親に対して情緒的接触の薄さを感じ,全体的に受容的母親像を持ちにくい傾向がみられる. 3.また,父親像に関しても,H group では子どもの依存性を排除し独立への希求を持つ親として把えられているのに対し,L groupではその点が弱い傾向にある.尚,この研究を通して,フラストレーション耐性と,子どもの養育をめぐる親子関係との間に深いかかわりのあることに気づいた.今後の課題として,このかかわりの面に注目し, L,H両群の比較研究をすすめていきたい."