著者
田邊 俊朗 小川 和香奈
出版者
沖縄工業高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校紀要 (ISSN:1881722X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-20, 2015-03

沖縄県久米島で収穫した菌根性担子菌について、二次菌糸の分離、および rRNA 遺伝子内の ITS 領域の塩基配列解析を行った。二次菌糸が生育し菌株の単離ができる培地について検討したところ、ビール酵母を含む培地で生育・単離できることが明らかになった。また、得られた ITS 領域塩基配列データから BLAST による相同性解析を行ったところ、アンズタケ Cantharellus cibarius に 99.3%の相同性を示し、極めて近い類縁種であることが示唆された。
著者
森山 卓郎 鍋島 惠美 斎藤 真由美 村田 眞里子 櫨山 ゆかり 小川 陽子 高野 史朗 光村 智香子 田中 琢也
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
vol.115, pp.27-45, 2009-09

葛藤場面の写真から事態をどう見取るか,そしてどのような対応をするのかを学生(教育実習未経験),保護者,幼稚園の教員,保育園の保育士,において調べた。その結果,「可能性のある事態」,「最も可能性の高い事態」としても,幼稚園の教員は「事故」と考える割合が低く,学生は高かった。ここから,学生は事態をどう見るかの観点が獲得できていないと言える。次に,対応についても調査したが,「見守る」という対応をとったのは幼稚園の教員に有意に多く,学生に有意に少かった。同じ場面に対しても学生と幼稚園教員とでは対応が違うと言える。子どもが「仲よく」という発言をしていたという仲裁の場合は,「そうだね,仲良くしようね」といった介入は幼稚園の教員には有意に少なく,保護者に有意に多かった。以上から,幼稚園教員には直接的な介入を少し控えて,子どもたちの自立的な発達を促す傾向が読み取れる。こうした様々な「見方」を意識化することは教育実習での学びをより深くするためにも有益だと思われる。Using questionnaires, we studied how students, parents, kindergarten and nursery school teachers judged a situation in a photo showing conflict between 9 children. We found that students tended to judge the scene as an accident, while kindergarten teachers did not. From a management point of view, kindergarten teachers tended to "monitor the situation," while students did not. In case in which a child tried to mediate other children's conflicts, parents agreed with and enforced the mediation, while kindergarten teachers did not. Generally speaking, kindergarten teachers try to refrain from intervening with the intent of nurturing children's self-management.
著者
松木 俊二 名取 和一 小川 幸司 松井 隆 松隈 京子 坂本 慶 木村 美由紀 神田 英里 米納 誠 伊藤 一弥 鄭 恩希 白源 正成 入江 伸
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.151-159, 2014-07-31 (Released:2014-08-13)
参考文献数
24

The aims of the present study were (1) to determine the maximum tolerated doses of quetiapine and pramipexole when given to healthy Japanese male subjects using gradually increasing single doses; (2) to evaluate the feasibility of this exploratory method for further bioequivalence trials; and (3) to conduct bioequivalence trials using doses determined based on prior tolerability trials. For quetiapine, 18 participants received 25 mg in the first stage. In the second stage, participants were divided into three groups of six subjects each and allocated to receive 50 mg, 75 mg or 100 mg depending on the severity of adverse events in the first stage. For pramipexole, 18 participants received 0.125 mg in the first stage, and then received 0.25 mg, 0.375 mg, or 0.5 mg in the second stage in the same manner as quetiapine. In the group receiving 75 mg of quetiapine, three mild adverse events and seven moderate adverse events (including nightmare and syncope) were reported from all six subjects. In the group receiving 0.5 mg of pramipexole, three mild and five moderate adverse events were reported from five subjects. Therefore, we judged that doses equal to or greater than 75 mg of quetiapine and 0.5 mg of pramipexole are not well tolerated by healthy subjects. Based on these results, we conducted two-way crossover bioequivalence clinical trials with brand-name and generic formulations of 25 mg of quetiapine (25 mg tablets or 50% fine granules) and 0.125 mg of pramipexole, in subjects who did not participate in the tolerability studies. By calculating 90% confidence intervals of logarithmic transformed values of Cmax and AUCt, we found that the brand-name and generic formulations were bioequivalent.
著者
大野 道邦 小川 伸彦
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的は、記憶と文化の関係について18世紀初頭の「赤穂事件」を手掛かりに分析し「文化社会学」の理論的・経験的な可能性を追究するものである。この場合、(1)記憶は既存の文化的な「枠」に準拠して「構成/再構成」される、(2)記憶は集団や個人のアイデンティティ形成の焦点となり、新たな「文化」や「物語」として「生成」する、という仮設を設けた。研究の結果、次の知見等が得られた。1.文化論・記憶関係の諸議論を検討し、記憶と文化の関係の二重性や記憶様態の類型を理論的に明確にした。2.『假名手本忠臣蔵』の英仏訳書や忠臣蔵論等を検討し、赤穂事件記憶の演劇文化や国民文化としての成立過程の一側面について知見を得た。3.『忠臣蔵』の歌舞伎上演記録から、明治末から大正にかけての上演数の突出を確認し、これがナショナリズムの高揚と結びつく国民文化の形成に関連すると指摘した。4.事件記憶の構成において「サムライ名誉文化」がどの程度「枠」として機能したのかについて、事件論評や武士(道)関連文献を検討し理論的な知見を得た。5.「赤穂義士祭」について、義士祭・義士会および観光関係の資料を収集し義士祭の担い手やツーリズム的特性について知見を得た。6.愛知県吉良町における吉良義央関係の史跡・事績・伝承等を整理し、「対抗記憶」が形成されてきたことを確認した。7.京都・山科の岩屋寺における拝観者への対応に関する調査により、事件に関する語りを採取し分析した。8.長野南部伝承の義士踊りを現地調査し歴史的事件の芸能化に関する知見を得た。9.「銚子塚」(川崎)、「泉岳寺」(東京)、「大石神社」(京都)の調査結果を比較しつつ、義士記憶にまつわる祭祀のあり方を分析した。10.「忠臣蔵サミット」関係の資料を分析し、事件記憶の行政文化的・地域文化的な資源=資本化の動態について知見を得た。以上の調査研究から記憶と文化の関係の二重性仮説をある程度検証することができた。
著者
小川 佳世子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.25, pp.51-62, 2002-04-30

世阿弥(一三六三?~一四四三?)作の能や能楽論に連歌の影響が強いことについては、二条良基(一三二〇~八八)との関係を中心に多くの研究がなされている。しかし、世阿弥と連歌との関係は二条良基との間のみで完結しているとは思えない。
著者
木原 令夫 足立 哲也 藤永 秀子 小川 隆一 小関 隆 姫野 友美 牧野 荘平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.609-617, 1995
被引用文献数
3

伊豆大島住民のうち15歳以上の4673名を対象としてスギ花粉症のアンケート調査を行ったところ回収率は22.3%であり, 春先 (2月中旬から3月中旬) に鼻症状を有する例は8.9%, 眼症状例は5.7%, 皮膚症状例は8.1%であった. 有症状例に行ったスクラッチテストで13.8%の例がスギ抗原陽性であり, IgE RAST score 2以上の例は33.3%であった. 平成2年2月から4月までの最高スギ花粉飛散数は北部診療所で3月7日に118個/cm^2, 南部診療所では2月28日に271個/cm^2であった. 全住民に対するスギ花粉症患者を推定すべく再度アンケート調査を行ったところ (回収率53.1%) 鼻症状3項目以上と眼症状2項目とを同時に有する例は4.7%であり, 未回答者のうちランダムに選んだ100名に対する電話での調査結果と合わせて頻度を検討すると, 全住民のうち5.64%にスギ花粉症を疑わせる例が見出された.
著者
小川 [琢]治
出版者
地球學團
雑誌
地球
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.598-607, 1925-06-01
著者
小川 勤
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-24, 2010-12-01

This paper introduces a method to promote improvement of the curriculum systematically and continuously, as an example of Yamaguchi University's efforts to guarantee the quality of undergraduate education. It is necessary to restructure the curriculum including liberal arts education with specialized courses for a consistent undergraduate education. Yamaguchi University revised its Graduation Policy and Curriculum Policy that had been made six years ago to specify the system and the correspondence between subjects. Moreover, the curriculum flow chart and results evaluation system were developed. As a result of these approaches, the attitude of teachers towards a systematic match of educational improvement has changed. Moreover, the teachers came to be more interested in the curriculum.
著者
外山 勝彦 小川 泰弘 大野 誠寛 中村 誠 角田 篤泰 松浦 好治
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は,日本法の動きに関する情報を即時に,分かりやすく国際発信するための支援環境の構築である.特に,統計的機械翻訳の利用とターミノロジーの構築により,法令の要約である「法令のあらまし」の翻訳・理解・発信を支援する手法とその有効性を示す.本研究の結果,「法令のあらまし」に対する日英統計的機械翻訳手法と文書構造化手法,複単語表現対訳辞書の構築手法とそれを用いた統計的機械翻訳手法の開発,法令改正に伴う法令ターミノロジーの経時変化の抽出・可視化手法などを開発した.また,「英文官報」からの対訳法令用語2,750語の抽出や,現在有効な定義語6,890語からなる法令ターミノロジーの構築も行った.
著者
小川 晃一
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-49, 1986-06-05
著者
小川持正 著
出版者
文昌堂
巻号頁・発行日
1886
著者
小川 信夫 牧 博司 黒田 健嗣
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.59, no.566, pp.2975-2981, 1993-10-25
被引用文献数
1

Control of turbulent jets has applications in the manufacturing industry. It has been reported that it is possible to control the jet structure by a pure tone. However, in pure-tone-excited jets, the detailed characteristics of the flow fields are unknown. In this paper, a jet excited by a pure tone radiated from the direction perpendicular to the axis is addressed. A woofer was set downstream near the nozzle. As a result, we found that the cross section of the jet was distorted elliptically in shape. It was clarified that the distorted cross section depended on frequency and sound pressure level of the excitation. This phenomenon is very useful to control jet flows, since it can change the characteristics of the flows. We attempted to clarify the mechanism of elliptical distortion of the jet cross section, assuming the mixing region of the jet was organized into many vortex rings in a time-averaged domain.
著者
磯貝 知美 飯塚 舞 小川 睦美
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.770, pp.64-73, 2004-12-01

米の消費拡大に寄与するため,米粉を用いたスポンジケーキを試作した。米臭を消すためにオレンジリキュール,抹茶風味青汁粉末を添加し,さらに,若年女性に不足しがちな鉄を添加したケーキを試作し,これらのケーキの食味及び物性を,添加材料や加熱方法の違いから検討した。その結果を以下に述べる。1)添加材料及び加熱方法によるケーキヘの影響・順位法による官能検査では外観や香りの項目でオレンジ・焼・鉄剤1g添加(オ・2)のケーキが有意に好まれたのに対し,きめ,ぱさつきの少なさ,舌ざわりの項目ではオレンジ・蒸・鉄剤1g添加(オ・4)のケーキが有意に好まれた。総合的な評価では有意差は見られなかったが,青汁粉末ケーキに比ベオレンジケーキの方がやや好まれる結果となった。・重量及び密度では全体的に蒸したケーキの方が重量が重く,密度も高くなり,焼いたケーキと蒸したケーキとの間に多くの有意差が見られた。・膨化率では加熱方法によってケーキの膨化の仕方が異なり,焼いたケーキの方がやや膨化率が高くなる結果となった。・破断強度ではオレンジ・焼・鉄剤無添加(オ・1)のケーキの結果についてさらなる検討が必要であるが,それ以外のケーキでは加熱方法による破断強度の差は少なく有意差は見られなかった。しかし,破断曲線では焼いたケーキと蒸したケーキとの間に曲線の違いが見られた。2)鉄剤の添加量によるケーキヘの影響・3点比較法による官能検査ではオ・2とオ・5(オレンジ・焼・鉄剤2g添加)のケーキとの間に有意差は見られず,これらは同等のものであると言えた。・嗜好意欲評価尺度では全員から食用に適する基準に達する回答が得られ,オ・5のケーキは製品として充分に成り立つものと言えた。・重量及び密度では鉄剤を増すにつれ重量が増加した。密度は,オ・5のケーキが最も低値となった。・膨化率では有意差は見られないもののオ・5のケーキが最も高く,鉄剤を増すにつれ膨化率が上がる結果となった。・破断強度では鉄剤を添加することでスポンジに弾力が増すものの破断荷重は低くなるという結果となった。以上から,今回試作したケーキは加熱方法によってその物性や食味に影響が認められ,焼いたものの方が好まれる結果となった。また,鉄剤の添加により膨化率,破断曲線に影響があったが,添加量を増加しても充分に食用に適しているということが明らかとなった。