著者
小川 眞里子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.66-70, 1993-07-20

「なぜ生物は死ぬのか」という問いには、二つの局面がある。一つは老化や死の原因を問うもので、二つめは、生物が死ぬべく運命づけられている理由を問うものである。本論のねらいは、これらの疑問に生物学がどう答えてきたかを歴史的に明らかにしようとするものである。第一点については、自然死と事故死を区別してかからねばならない。古代ギリシャ時代から、自然哲学者にしろ生物学者にしろ、基本的には自然死すなわち老化過程を扱ってきており、一般に、老化過程は何ものかが失われていく過程として捉えられてきた。第二点については、ドイツのヴァイスマンが19世紀後半の進化論的考察の中から初めて明らかにしたものである。それによって、死は不可避な、忌むべきことがらではなく、外界によりよく適応するために生物が獲得した進化論的戦術と見なされることになった。
著者
小川 康明
出版者
警察時報社
雑誌
警察時報
巻号頁・発行日
vol.7, no.10, pp.26-29, 1952-10
著者
小川 典子
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本年度は、1.指示詞を含む表現における意味拡張、2.注意(attention)を土台とした指示詞の現場指示・文脈指示の統合的説明を中心に研究を行い、研究論文(5件)・研究発表(5件)として発表した。1.に関しては、(i)指示詞を含む人称詞「こいつ/そいつ/あいつ」と、(ii)「指示詞+助詞」の指示表現「こりゃ(あ)/そりゃ(あ)/ありゃ(あ)」に注目し、研究を行った。(i)では、非現場指示用法において指示対象の範囲が拡大していることを指摘し、指示対象の拡大と指示用法との間に関連があることを明ら脳こした。(ii)では、縮約に伴い話者の評価の表出という制約が加わることを指摘し、さらに「そりゃ(あ)」には、話者の「もちろんである」という感情を表す談話標識的用法があることを明らかにした。本研究は、作例中心の従来の指示詞研究においてはほとんど考察されてこなかった、いわば周辺例・拡張例を中心に扱っており、指示詞の特性である広い分布と豊かなバリエーションを記述しているという点で重要である。くわえて、これらの成果は、本研究が依拠する枠組みである認知言語学・認知文法理論において精力的に行われている主観性・間主観性研究を推進させるものである点で意義深い。認知言語学・認知文法理論はこれまで、人間の認知と言語のかかわりを中心に扱っており、社会の側面への考慮があまりなされていないという指摘が近年なされている。今年度の研究成果としての発表には至らなかったが、本研究では2.の注意を土台とした指示詞の現場指示・文脈指示の統合的説明へ向けて、日本語のソ系指示詞という聞き手が密接に関わる言語現象の分析を通して、何らかの対象に注意を向けるというヒト個体の認知能力と、言語・非言語によって他者の注意を操作するという社会的側面への考察を行ってきた。この点も本研究の重要な意義として挙げられる。
著者
小川 孔輔 照井 伸彦 南 知惠子 余田 拓郎 小野 譲司 藤川 佳則 酒井 麻衣子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究プロジェクトでは、米国版顧客満足度指数(ACSI)の理論モデルを参考に、日本版(JCSI)を完成させた。JCSIの開発完了後、日本の30業種約300社のサービス業に適用されている(2010年から商用開始)。蓄積データを用いて、研究メンバーは、各自の関心に従い理論・応用研究を推進してきた。研究成果としては、顧客感動・失望指数の開発、推定法の工夫、スイッチング・バリアへの影響、CS優良企業の事例研究等を挙げることができる。
著者
小川 晴也
巻号頁・発行日
2008-03-25

本論文の目的は,リスクに関する合意形成に必要不可欠な議論分析ツールを開発し,新たなリスク・マネージメント・システムの可能性を考察することである. 現代社会には様々なリスクがある.我々はそのリスクを野放しにすることはできない反面,ゼロ・リスクを求めることも不可能な状況に置かれている.したがって,そのリスクをどのように取り扱うのかについての意見を調整し,その処理方法に関する合意形成をする必要がある.この合意形成のためのプロセスはリスク・コミュニケーションと呼ばれている.リスク・コミュニケーションの重要性は既に認識され,様々な観点からの研究も進められている.しかし,未だ試行錯誤が続けられており,より一層の改善が必要なのが実状である.これまでのリスク・コミュニケーションの中心課題は「如何に説得するか」であったが,時代の経過とともに「なぜ説得されないのか」に移り,「参加機会提供の重要性」を経て,現在では「信頼醸成の重要性」へと議論のポイントが移ってきた.しかし,「リスクに関する当事者間合意形成の方法論」については正面から研究対象とされたことがなく,実際には合意形成以前の問題として,相互理解すら達成されていないのが現状であると考えられる. そこで筆者はリスク・コミュニケーションをリスク・マネージメント・システムの中の一つの機能と位置付けながら,リスク・コミュニケーションに合意形成のためのツールを組み込むことにより,相互理解とリスク・マネージメント・システム全体の機能改善を図ることを目指した.したがって,本研究はリスク・コミュニケーションを行おうとする者に対し,相互理解のための具体的指針を与えるだけでなく,リスク・マネージメント・システム全体の効率向上をもたらすという実践的な社会的意義をも有している. 本研究では,以下の作業を通じ目的の達成を図るものである. (1)リスク・マネージメント・システムの観点から,種々のリスク研究分野におけるリスク概念およびリスク・コミュニケーションの意義を検討する. (2)本研究におけるリスク・コミュニケーションの意義を再規定する. (3)再規定したリスク・コミュニケーションの意義に基づき,合意形成のための分析ツールを仮説として導入する. (4)範疇分類された三事例を基に,仮説の有効性と限界を検証する. (5)検証された合意形成のための分析ツールを用い,リスク・コミュニケーションおよびリスク・マネージメント・システム改善の可能性を考察する. 本研究は,理論的考察と実証分析から構成される.理論的考察においては,リスク・マネージメント・システム論を理論構築の基盤とし,種々のリスク研究分野の知見をそこに組み込むことにより,リスク・コミュニケーションの意義を再規定した.そして,その再規定した意義から,リスク・コミュニケーションに関する仮説を導出した. 実証分析においては,事例を用いて仮説の検証を行った.そして,リスクに関する妥協が成立する原因およびプロセス,ならびにリスクに関する議論が発散・混乱する原因およびプロセスを,本論文の仮説により説明可能であることを示した. 本論文の構成は次のとおりである. 第一部(第2 章~第5 章)では,理論的考察を行い,リスク・コミュニケーションの意義を再規定した. その際に用いた先行リスク研究分野は,リスク認知心理学,リスクの社会的増幅理論(SARF)およびリスク社会論(ベックおよびギデンズ)である.その結果,リスク関係者を最も単純な二項である【リスク管理者】と【リスク被受者】とした場合,リスク・コミュニケーションの意義とは,両者がそれぞれ設定している【回避可能なリスク】と【不可避の危険】を峻別する【諦念の境界】の乖離を,縮減・解消することであると規定できた. 第二部(第6 章)では,再規定したリスク・コミュニケーションの意義から,リスク関係者間で発生する不安・不満の原因を分析する「3つの乖離」モデルという原因仮説を導出した.さらに,その仮説から「リスクに関する妥協成立」仮説および「リスクに関する議論の発散・混乱」仮説を派生させた. 第三部(第7 章~第9 章)では,実証分析を展開させる.先に挙げた三つの仮説検証を,農薬,ウシ海綿状脳症(BSE)および外因性内分泌攪乱物質(EDC)の事例を用いて行った. 農薬の事例では,農薬リスクに関する説明会である「農薬ゼミ」のアンケート結果を基に,「農薬ゼミ」の効果と限界を本仮説により説明できることを示した.BSE に関しては米国産牛肉の禁輸~輸入再開~再禁輸の事例を用い,日米両政府間の交渉過程および新聞読者投稿記事の内容の変化を,本仮説を用いて説明可能であることを示した.EDCに関しては,政府・行政,研究者,産業界およびジャーナリストが発信した情報を基に,EDC 問題に関する議論が発散・混乱した理由を,本仮説により説明可能であることを示した. 第四部(第10 章~第11 章)では,本研究論文の結論およびリスク研究分野におけるその意義を示すとともに,今後の課題として,本研究により得られた知見を基にリスクに関する議論を再構成し,より効果的な合意形成を得るための応用可能性の模索と提言を行った. 以上のように,本論文ではリスクに関する議論を分析するための新たな方法論を提示し,その有効性を過去の事例を用いて検証した.この方法論をリスク・マネージメント・システムに組み込むことにより,リスク・コミュニケーションとリスク・マネージメント・システム全体の機能改善が可能になると考えられる.したがって,本研究の成果は,実務者にとって多大な実践的意義があると考えられる.本研究の論述過程で考案・提示されたリスク・コミュニケーションの概念および意義は,これまで共約不可能であったリスク研究諸分野の関連諸概念を,包括的にリスク・マネージメント・システムに取り込んだ結果生まれた成果である.これは,新たな形のリスク・コミュニケーションを模索する上での契機と社会的基盤を提供するものであり,実務者だけに留まらず,広く社会一般に対しても一定の成果を提示するに至ったと考えられる.
著者
山脇 一郎 鈴木 雅博 小川 和男
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.963-971, 1994-04-15

Piperazinealkanol ester derivatives of indomethacin were prepared and tested for inhibitory activities against 5-lipoxygenase (5-LO) and cyclooxygenase (CO). They inhibited 5-hydroxyeicosatetraenoic acid (5-HETE) formation by the cytosol of guinea pig polymorphonuclear leukocytes and thromboxane B_2 (TXB_2) formation by washed rabit platelet suspension. Of the test compounds, 2-[4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazinyl]-1-phenylethyl 1-(4-chlorobenzoyl)-5-methoxy-2-methyl-3-indolylacetate dimaleate (II-8) was found to be the most active dual inhibitor of 5-LO and CO, and its inhibitory potency was higher than that of 2-[4-(3-hydroxypropyl)-1-piperazinyl]-ethyl [1-(4-chlorobenzoyl)-5-methoxy-2-methyl]-3-indolylacetate (CR-1015) (I), the lead compound.
著者
永原 陽子 浅田 進史 網中 昭世 粟屋 利江 石川 博樹 今泉 裕美子 大久保 由理 愼 蒼宇 鈴木 茂 難波 ちづる 中野 聡 眞城 百華 溝辺 泰雄 飯島 みどり 松田 素二 上杉 妙子 丸山 淳子 小川 了 ジェッピー シャーミル サネ ピエール テケステ ネガシュ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、20世紀の戦争において植民地と他の植民地との間を移動した人々(兵士・軍夫、軍に関連する労働者、「売春婦」等の女性)に着目し、とくに世紀転換期から第一次世界大戦期を中心に、これらの人々の移動のメカニズム、移動先での業務と生活の実態、様々な出自の人々との接触の内容、移動の経験が帰還後の出身地社会においてもった意味、などについて検討した。その結果、植民地の場における労働と戦争動員との連続性(「平時」と「戦時」の連続性)、兵士の動員と不可分の関係にある女性の自発的・強制的な移動の事実、さらに従来の研究の中心であった知識層の経験とは大きく異なる一般労働者・女性の経験が明らかになった。
著者
萩原 正人 小川 泰弘 外山 勝彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.440-450, 2011 (Released:2011-04-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

Extraction of named entitiy classes and their relationships from large corpora often involves morphological analysis of target sentences and tends to suffer from out-of-vocabulary words. In this paper we propose a semantic category extraction algorithm called Monaka and its graph-based extention g-Monaka, both of which use character n-gram based patterns as context to directly extract semantically related instances from unsegmented Japanese text. These algorithms also use ``bidirectional adjacent constraints,'' which states that reliable instances should be placed in between reliable left and right context patterns, in order to improve proper segmentation. Monaka algorithms uses iterative induction of instaces and pattens similarly to the bootstrapping algorithm Espresso. The g-Monaka algorithm further formalizes the adjacency relation of character n-grams as a directed graph and applies von Neumann kernel and Laplacian kernel so that the negative effect of semantic draft, i.e., a phenomenon of semantically unrelated general instances being extracted, is reduced. The experiments show that g-Monaka substantially increases the performance of semantic category acquisition compared to conventional methods, including distributional similarity, bootstrapping-based Espresso, and its graph-based extension g-Espresso, in terms of F-value of the NE category task from unsegmented Japanese newspaper articles.
著者
竹内 敬人 伊藤 眞人 小川 桂一郎 吉村 伸
出版者
東京大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1992

3年前このプロジェクトを開始したとき、我々はそもそも「課題研究」が実際にどう運用されるか、クラスでの授業の一部として行われるのか、あるいは夏休み等の宿題・自由活動となるのか、あるいは実質的には無視されるのか、といったことすら分からない状態だった。又、課題研究が取り上げられるにしても、化学史がとの程度対象となるかも見当がつかなかった。そこで、課題研究のテーマとして、「化学の歴史的実験例の研究」が取り上げられたものとして、研究を構成した。そのような前提にたっても、なお、多くの問題点、疑問が残り、我々が最初に討議したのは以下の様な問題点であった。(1)高校生が使える「データベース(DB)」とは何か。そういったものがあるのか。(2)どういう資料をDB化すべきか。(3)DB作成の物理的作業はどのくらい大変なのか。(4)実際に学校で使って貰えるのか。(5)著作権の問題はどうクリアできるか。これらについて、先例となるものは無く、すべて自力で解決していかなければならなかった。研究を計画した当時のコンピュータ事情から言えば、そして、現在においても高校でのコンピュータ事情は、三年前と大差ないことから言えば、FD(1MB)ベースによるDB製作の計画は技術的には極めて現実的なものであり、手堅い企画だったといえる。だが、世の中一般について言えば、コンピュータ事情はかなり変わってきている。さらにいわゆる「マルチメディア」化が急速に進行している。「マルチメディア」化の正体は幾分曖昧だが、ともかく、コンピュータに音声・画像、特に動画像を組合わせたもの進歩は著しい。この様な状況を考えると、我々が構築したDBは、内容の問題ではなく、入れ物の問題のために古くさいものになってしまうだろう。だから、本研究の延長、第二弾として、蓄積したデータの「マルチメディア化」を計画しなければなるまい。さしあたって書き込み可能なCD-ROMをメディアとしたDB構築を検討すべきであろう。その際、本研究で可読化した資料が元になるのは当然である。それに新たに動画像、音声などを加えたマルティメヂア型DBが構築できれば、生徒たちにとっても新しい装いをもった課題研究や化学史に接する機会を得ることになる。その結果これらに対する関心が高まり、ひいては自然科学一般への関心が高まると期待される。
著者
加藤 径子 小川 英明 河田 克博 内藤 昌
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.542, pp.153-159, 2001

The aim of this paper is to study the characteristics of land use in Spanish cities. We firstly reconstructed city maps, the nanalyzed and compared with respect to the ratio of land use area. The results show the followings; i) land use patterns inhistorical area of Spanish cites are dominated by economic uses, ii) in Barcelona and Madrid, a special patten of land use are observed reflecting their political positions, iii) at the turn of the 20th century, central urban areas were mainly used for economic purpose in all cities.
著者
財部 香枝 河野 銀子 小川 眞里子 大坪 久子
出版者
中部大学国際関係学部
雑誌
貿易風 : 中部大学国際関係学部論集 : Chubu international review (ISSN:18809065)
巻号頁・発行日
no.9, pp.152-165, 2014-04

The authors reveal and compare the changing patterns of gender segregation in the composition of students who have graduated from universities in Japan, Korea, and Taiwan since 2004. The students are classified into 7 categories in accordance with the ISCED97: Education, Humanities & Arts, Social Sciences, Science & Mathematics, Engineering, Agriculture & Veterinary, and Health & Welfare. We discuss (1) the situation of female PhD graduates and (2) the ratios of men and women at the various levels of higher education (bachelor, master, PhD) in each field.
著者
下条 誠 牧野 了太 小川 博教 鈴木 隆文 並木 明夫 斎藤 敬 石川 正俊 満渕 邦彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002
被引用文献数
3

神経系を介して生体系と機械系を一体化しようとする試みは, 医用生体工学の中でも最も注目を浴びている領域の一つである。しかしながら, いまだ世界において実際に遠隔地にある外部機器と生体の感覚神経を接続し, 人工感覚を生成するシステムを作成した報告は全く見あたらない。本研究では, 遠隔地にあるロボットハンドを被験者がネットワーク経由で操作を行い, ハンドと対象物との接触情報を, 再度ネットワーク経由で被験者の触感覚神経を刺激することで, ハンドに加えられた感覚刺激を自分の手に感覚が加えられたものとして感じる事を可能とするシステムを開発し, 実験に成功した。本報告ではこの実験システムに関して報告する
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
小海 宏之 加藤 佑佳 成本 迅 松岡 照之 谷口 将吾 小川 真由 三村 將 仲秋 秀太郎 江口 洋子 飯干 紀代子 園田 薫 岸川 雄介 杉野 正一
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.29-37, 2014-03

本研究は、各神経心理検査の一つの下位検査から言語性記憶指数(VMQ)を推定するための基礎資料を得ることを目的とする。対象は軽度認知障害者およびアルツハイマー病者の計71 名である。方法は対象者にMMSE、ADAS、WMS-R を個別実施し、VMQ との相関分析を行った。また、VMQ と各神経心理検査の下位検査との間で最も高い相関係数値となった下位検査についてVMQ との単回帰式を求めた。その結果、推定VMQ=50.203+6.661×(時間的見当識素点)、推定VMQ=39.469+6.762×(平均単語再生数)、推定VMQ=68.921+1.439×(論理的記憶II(遅延)素点)の単回帰式が得られた。さらに、これらの単回帰式から得られた各下位検査と推定VMQ に関する判定基準を導き出した。医療同意能力を予測する因子の一つとして記憶の機能は重要であると考えられるため、本研究結果の指標は有用になるであろうとも考えられる。
著者
小川 祐樹 山本 仁志 和崎 宏 後藤 真太郎
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-56, 2011-09-30

地域SNSは,地域コミュニティの活性化のための新たなサービスとして期待が集まっているが,災害時などの緊急事態に対応するためのネットワーク基盤としても重要な役割を果たす。近年,SNSのネットワーク構造やコミュニケーション構造の特徴分析は多くの研究でなされているが,災害時の情報共有や復興支援にSNSのどのようなコミュニケーションがなされ,活用されたのかの分析はなされていない。本研究では,佐用町(兵庫県)で発生した大規模水害において,地域SNSがどのような使われ方をしたのかをSNS上のネットワーク分析をおこなうことで明らかにする。具体的には,災害発生以前のコミュニケーション構造と災害発生時のコミュニケーション構造の変化に着目し,日常のどのようなコミュニティが災害時の中心的なコミュニティであったのかを明らかにする。分析の結果,災害直後において災害支援を志向するコミュニティが現れること,また,地域への関心が初期から高いコミュニティは将来への災害対策を志向したコミュニティへと推移すること,さらに,災害発生後に行政への意見を志向するコミュニティが現れることが分かった。