著者
大越 裕人 上條 貢司 畑下 恒寛 小林 郁夫
出版者
一般社団法人 日本脳神経外傷学会
雑誌
神経外傷 (ISSN:24343900)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.113-116, 2017-12-20 (Released:2020-04-27)
参考文献数
11

Although chronic subdural hematomas usually affect elderly individuals, they sometimes affect young individuals. We present a case of 19-year-old male with a chronic subdural hematoma that occurred because of previous headbanging. During a rock concert, the patient was intensely headbanging, after which he experienced persisting headache, and his symptoms gradually deteriorated. He visited our hospital for a chief complaint of a headache. Brain CT revealed a right subdural hematoma, and he was urgently admitted. He was treated with emergency surgical drainage with a mass of hematoma. His postoperative status was pretty fair, and he was dis­charged on hospital day 8. Follow-up brain MRI showed an arachnoid cyst in the right frontal lobe, and the cyst was considered to be the cause of hematoma. To date, only two cases of headbanging-associated chronic subdural hematoma have been reported in western countries. To our knowledge, our patient is the first Japanese case.
著者
坂本 信介 畔柳 聴 右京 里那 小林 郁雄 家入 誠二
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
日本暖地畜産学会報 (ISSN:2185081X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.99-105, 2019 (Released:2019-11-13)
参考文献数
17

牧場への野生動物の侵入をカメラトラップ法で調べる際に,カメラの設置位置や設置時期によって結果が大きく変わるかを調べるため,同一牧場内の様々な施設の内外に 1 年にわたり自動撮影カメラを 9 台設置し,飼養形態や利用方式が異なる施設ごとにまた季節ごとに野生哺乳類の出現状況を比較した.哺乳類の撮影頻度は施設間で大きく異なっており,相対的に乳牛舎内,肥育牛舎外,繁殖牛舎外では,食肉類の撮影頻度が高い傾向にあった.また,肥育牛舎,繁殖牛舎,倉庫では,動物の撮影頻度のうちわけが施設の内外で大きく異なっていた.イエネズミとノネズミのどちらもが施設外で撮影されたため,イエネズミの施設内外の移動と施設外での両者の直接的・間接的接触が懸念された.また各動物の出現頻度には季節性が見られた.以上の結果から,牧場内でカメラトラップ法を用いる際には,撮影地点や設置時期の選定が調査結果に影響を及ぼすと考えられる.
著者
小林 郁雄
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.1201-1206,a1, 1996

地すべりは, 特定の地域および特定の地質条件のもとで発生すると言われ, その原因を地質や地下水などに求めることが多い。しかし, 地すべり面に直接作用し, 関与の程度が大きい特定の地質構造や地下水経路を実際に明らかにすることは容易ではなく, 設計の際には高度な判断を要する場合が多い。このため, 観測という確実性の高い手段による地すべりの監視や機構解明は, 対策設計の精度および信頼性向上に大きく貢献している。<BR>ここでは, 新潟県中頚城郡板倉町および妙高高原町地内にて実施中の直轄地すべり防止事業における事例をもとに, 観測手法の概要や課題を紹介する。
著者
小林 郁
出版者
神道史学会
雑誌
神道史研究 (ISSN:05830702)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.103-128, 2016-04
著者
山地 久美子 室崎 益輝 陳 來幸 近藤 民代 相川 康子 松岡 悦子 田間 泰子 山中 茂樹 磯辺 康子 小針 進 小林 郁雄 長 志珠絵 アンベッケン エルスマリー 金 千秋 垂水 英司 津久井 進 野呂 雅之 林 勲男 山崎 栄一 白 〓浩 韓 栄恵 陳 亮全 邵 珮君 LAURIE Johnson
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は日本、韓国、台湾、米国の自然災害被災地(阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、江原道、ソウル市、台中市、高雄市、台北市、ニューオーリンズ市、サンフランシスコ市等)において主に被災者と支援者、行政、メディアを対象としたインタビュー及び資料収集調査を実施し、災害復興・防災体制におけるジェンダー課題を国際比較調査から明らかにした。さらに、研究成果を基に東日本大震災直後から政策提言・意見書を提出し、法制度・政策の改善につなげた。調査概要はジェンダーと災害復興ホームページ(http://genderdisaster.net/)において確認できる。
著者
小林 郁夫 土居 寿 高橋 正史 中野 毅 米山 隆之 浜中 人士
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.406-413, 1995-07-25
被引用文献数
20

外科用インプラント材として知られているTi-6Al-7Nb合金の歯科領域での臨床応用をはかるため, この合金の試験片を歯科鋳造法によって作製し, その鋳造性ならびに鋳造体の力学的性質を評価した.その結果, マグネシア系埋没材と遠心鋳造機を使用したときにもっとも良好な鋳造体が得られた.また引張試験の結果, Ti-6Al-7Nb合金は0.2%耐力, 最大引張強さではTi-6Al-4V合金にやや劣るものの, 破断伸びでは勝っており, およそ1.4倍の伸びを示すことがみいだされた.このときのTi-6Al-7Nb合金の組織は, 旧β相粒内に針状α相が微細に析出した組織を呈しており, この微細な二相組織がこの合金の強さを支えているものと考察された.以上の結果から, Ti-6Al-7Nbを従来どおりの歯科鋳造法によって利用することができると結論した.
著者
小林 郁 谷口 裕信 浦野 綾子
出版者
皇學館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

代々伊勢神宮外宮の権祢宜を務めてきた橋村氏は、西国を中心に約31万軒の檀家を擁する神宮御師でもあった。本研究では、新出資料である「伊勢御師橋村家関係資料」約10,000点と、中世後期より存続する同家の墓石群を網羅的に調査・整理し、それを素材として、信仰の地“伊勢”に関する総合的研究を行うことを目的とする。本研究では、①「伊勢御師橋村家関係資料」の目録作成、②文献資料・墓石群の調査報告書の作成、③企画展示の開催、④皇學館大学デジタルアーカイブ(現在構築中)での資料電子公開、を目標とし、伊勢神宮研究にとどまらない多分野にわたる学問領域の基礎的資料情報としてアプローチできることを目指す。
著者
小林 郁奈 松尾 歩 廣田 峻 陶山 佳久 阿部 晴恵
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.425, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)

堅い殻に包まれたオニグルミ種子は、一般にアカネズミには採食されるが、より小型のヒメネズミには採食されない。しかし、アカネズミの分布しない新潟県粟島ではオニグルミ種子がヒメネズミに採食されると言われている(林ら、私信)。私たちの予備的観察では、佐渡島や粟島で小型のオニグルミ核果が多く観察されたため、オニグルミとヒメネズミの共進化が起こっているのではないかと予測した。そこで本研究では、島嶼3集団(粟島、佐渡島、金華山)および本州の7集団でオニグルミ核果を採取してサイズを計測し、さらに各集団から採取したオニグルミ計80個体を対象として、MIG-seq法を用いた集団遺伝学的解析を行うことで、島嶼と本州間での遺伝的分化と核果サイズ変異との関係を調査した。その結果、島嶼ではオニグルミの核果サイズが多様で、本州集団と比較すると小型だった。一方で島嶼と本州のオニグルミは遺伝的に分化しておらず、核果サイズ変異と遺伝的変異との関係は確認できなかった。また、野外にセンサーカメラを設置しヒメネズミがオニグルミ核果を持ち去るかどうかを撮影したところ、粟島では持ち去りが確認されたが、佐渡島では確認できなかった。
著者
下条 広介 羽石 敬史 加治佐 誠 Siswandi Riki 中山 緑 小林 郁雄 藤代 剛 福山 喜一 上村 俊一
出版者
宮崎大学農学部
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.115-120, 2007-03

分娩後早期の乳牛に対して、エストロジェンを含むプロジェステロン徐放剤PRIDを膣内挿入することで新たな卵胞波が発生し、PRID除去時には直径10mm以上のクラスIII卵胞の形成がみられた。PRID除去後の定時AIにおいて、E2群1/5頭(20%)、GnRH群5/6頭(83%)が受胎し、最終的な分娩間隔は、E2群429±115.1日、GnRH群346±9.4日となった。PRIDは分娩後の乳牛の卵巣機能賦活に有効であった。
著者
小林 郁雄 福山 喜一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.262-265, 2013
参考文献数
5

常時において,非常時に備えることは難しい。予測をはるかに超える出来事が同時多発的に進行していく非常事態においては,局面での適切な対応を迅速に行うことが困難になり,過去の前例やマニュアルを参考にしたところで,結果として大きな損害を被ってしまうことがある。2010年4月20日,宮崎県都農町の繁殖牛農家で突如発見された口蹄疫は,発生当初における甘い期待を裏切りながら爆発的に被害を拡大させた。宮崎県では,2000年に発生した口蹄疫を最小限の被害で食い止めた実績があり,今回も何とかなるのでは?といった推測があったのは否めない。しかしながら,5月に入ってから感染確認は急速に拡大した。後の調査で明らかになったように,最初に口蹄疫が発見された時点で,すでに近隣家畜密集地帯の農家でも口蹄疫に感染した牛が相当数いたのである。当時は報道も限られ,現場の情報も伝わらずに混乱を招いた。その後の家畜の殺処分も,様々な理由により遅々として進まなかった。5月18日に宮崎県知事による非常事態宣言がなされ,5月21日には発生農家の半径10km以内の全頭に口蹄疫ワクチンを接種して殺処分することが決まった。発生当初から8月27日の口蹄疫終息宣言に至るまでの経緯については,農林水産省のホームページや各種報道,国および県の口蹄疫対策検証委員会報告書等に記載されており,ネット上で簡単に入手できるのでそちらをご覧頂きたい。
著者
Thi Thi Zin 小林 郁雄 椎屋 和久 Pyke Tin 堀井 洋一郎 濱 裕光
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2020年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第73回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.254-255, 2020-09-18 (Released:2021-01-20)

高齢化、大規模化する現代の畜産で、24時間365日にわたり家畜の健康管理を適切に行い、異常や変化に留意し続けながら経営を継続することは容易ではない。本研究開発では、家畜生産性の改善と地域活性化の実現を目的とする牛のモニタリングシステム構築に必要な要素技術の開発を行った。ここでは、牛の栄養状態の指標となるBody Condition Score (BCS)を自動評価できる画像解析システムおよび定期的に牛のBCS評価のため経時変化モニタリングシステムの開発について発表する。
著者
永瀬 茂 小林 郁 工藤 貴子
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 : 化学と工業化学 = Journal of the Chemical Society of Japan : chemistry and industrial chemistry (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.3, pp.177-184, 1994-03-10
参考文献数
40

ゲルマニウムを骨格にもつ芳香族化合物,多面体化合物,ラジカルカチオンの特性をab initio分子軌道計算を用いて理論的に研究した.具体的には,(1)ベンゼンと多環式芳香族化合物のナフタレン,アントラセン,ナフタセンおよびペンタセンの骨格炭素をすべてゲルマニウムで置換したときの構造と電子的特性,(2)ゲルマニウムを骨格にもつテトラヘドラン,[n]プリズマン(n=3-10),ドデカヘドランなどの多面体化合物の歪みエネルギー(3)シクロトリゲルマン,ビシクロ[1.1.0]テトラゲルマン,ペンタゲルマ[1.1.1]プロペランおよびヘテロ原子置換体のイオン化による興味深い構造変化を明らかにした.ゲルマニウム骨格の特性を系統的に明らかにするために,対応する炭素,ケイ素,スズおよび鉛化合物とそのラジカルカチオンの同様な計算結果とも比較した.これらより,ゲルマニウムに特有な興味深い物性と新規な構造をいくつか予測した.
著者
小林 郁夫
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.330-334, 2002 (Released:2007-03-30)
参考文献数
25
被引用文献数
8 6
著者
田中 聡 小林 郁夫 岡 秀宏 宇津木 聡 安井 美江 藤井 清孝 渡辺 高志 堀 智勝 竹内 正弘
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.694-700, 2004-10-20

難治性の悪性グリオーマに関しては高レベルの治療上のevidenceは少ない.1997年より,広義のグリオーマ90例(low grade glioma 12 例, GradeIII glioma 30 例, glioblastoma multiforme 42 例,medulloblastoma 6例)に対してACNU耐性遺伝子であるMGMTのRT-PCRによる検出に基づいた103回の個別化補助療法(individual adjuvant therapy ; IAT)を行った.手術により摘出した-70°C凍結検体よりtotal RNA を抽出し,最初の51回は通常のRT-PCR,最近の52回はreal-time RT-PCRに代表される定量的RT-PCRによるMGMTmRNAの検出・定量を行った.MGMTの発現量が少なかった68回はACNUを,MGMTが高発現であった35回は白金製剤を治療の中心に用いた.ACNUを用いた治療群と白金製剤を用いた治療群との問に治療成績の有意差は認められなかった.全体の有効率(partial response + complete response率)は53.3%, glioblastoma 42例の2年生存率は51.1%であった.2002年4月以降にreal-time RT-PCRの結果に基づいてACNU-vincristin-interferon-β-radiationまたはcis-platinum-etoposide-interferon-β-radiationによる補助療法を行ったGradeIIIとglioblastomaで,年齢3歳以上70歳未満, Karnofsky's performance scale が50以上の初発20症例の有効率は60.0%であった.IATが高レベルのevidenceを獲得するためには,症例を選択し,統一された治療法によるrandomized controlled trialを行う必要がある.
著者
金子 翔太 小林 郁太郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.2, pp.280-288, 2013-02-01

本論文では,SNS活発化要因の解明を目指して,Web参加者特性の解析を行う.近年,利用者の増加が目立つSNSのアクセス数や投稿数の動向を調査すると,コメント数の経時変化が収束する,トピックごとのコメント累積数がべき乗則の傾向をもつ,という二つの特徴的な結果が得られた.そこで,マルチエージェントモデルを用いて,SNSコミュニティにおけるコメント行動をモデル化し,シミュレーションを行った結果,コメント数の増加に従い参加者のコメント確率が累乗的に減少する場合にのみ二つの特徴的な結果を再現でき,実測値とも良い一致を示すことが分かった.つまり,参加者の属性として累積したコメント数の増加に従いコメント確率が累乗則で減少することを見出した.更に,実測値からモデルを用いて逆算することにより,Webコミュニティ内のトピックへ参加者が感じる魅力分布は2極化の形状が現れることを示した.これは行動学,心理学分野で導かれた消費市場へ感じる2極化魅力分布とよく一致することを示した.