著者
宮田 浩二 包國 友幸 小林 正幸
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
no.30, pp.79-86, 2008

This is an implementation report on how a new type of exercise program changes State-Anxiety and body sense.Results are as follows.1) There was State-Anxiety before the exercise in a range of 23 and 57; State-Anxiety after the exercise changed to a low of 21 to a high of 51. The mean level of State-Anxiety decreased significantly from 39.80 before the program to 32.70 after (p <.001).2) Flexibility and mobility improved on the spot according to a questionnaire survey. In addition, mood improvement and facial expression and color tended to the positive; a change in psychological factors was noted.Based on the current results, psychological factors were involved in the improvement of shoulder aches and stiffness of the shoulders; the current program decreased anxiety and was effective at improving physical and mental health.本研究は、新しいタイプの本運動プログラムにより、状態不安及び身体感覚がどのよう変化したかの実施報告である。結果は、以下のとおりである。1)状態不安の変動は、運動前は最低23から最高57の範囲にあり、運動後は最低21から最高57までに変動した。状態不安の平均値は、運動前の39.80から運動後の32.70と変動し、有意な低下を示した。(p<.001)2)アンケート調査より、その場で柔軟性や可動性が改善された。また、気分の改善や顔つきや顔色がプラス志向に変化し、心理的要因に変化が認められた。今回の結果より、肩痛、肩こりの改善に心理的要因が関与しており、本運動プログラムを行うことによって、不安が低減し、身体的・精神的健康に有効であることが示唆された。
著者
上出 櫻子 木村 恵美 小林 牧人
出版者
公益財団法人 平岡環境科学研究所
雑誌
自然環境科学研究 (ISSN:09167595)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-4, 2020 (Released:2020-12-28)
参考文献数
11

Japanese medaka (Oryzias latipes) is known to deposit fertilized eggs on aquatic substrates in shallow waters. In order to examine the influence of water depth on embryonic development of fertilized eggs of an orange-red variety and wild medaka, we observed fertilized eggs for 18 days and compared the hatching rate and the hatching time at different water depths of 5, 30, and 65 cm. The hatching rate was lower at 65 cm depth than at 5 cm depth and the hatching time was longer at 65 cm depth than at 5 cm depth with both the orangered variety and the wild medaka. These results indicate that deep water is not suitable for the embryonic development of medaka and suggest that preservation of natural conditions in shallow waters of rivers and ponds is important for conservation of wild Japanese medaka.
著者
上出 櫻子 小南 優 小林 牧人
出版者
公益財団法人 平岡環境科学研究所
雑誌
自然環境科学研究 (ISSN:09167595)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-4, 2017 (Released:2020-01-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

The present study examined the preference in water depth for egg deposition of female, orangered variety medaka Oryzias latipes in order to obtain basic information for conservation of wild medaka. Substrates for egg deposition were set at various depths in experimental aquaria and male and female medaka were kept in the aquaria for seven days to observe spawning. The number of eggs and the egg deposition depth were recorded every day. The female medaka deposited eggs on the substrates at various depths but notably a significantly large number of eggs were deposited at shallow depths. These results indicate that female medaka gives a preference to shallow water depths for egg deposition.
著者
永田 員也 日笠 茂樹 酒木 大助 小林 淳 宮原 謙二 和泉 俊弘 須田 敬也 豊原 麻美 加藤 淳 中村 吉伸
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.343-349, 2007-09-01 (Released:2015-04-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

高速撹拝ミキサーを用い炭酸カルシウム(CaCO3;平均粒子径1.4μm)とタルク(3.2μm)の複合化とステアリン酸表面処理とを同時に行い調製したハイブリッドフィラー(Hybridized Filler),,エチレンープロピレンージエン三元共重合体(EPDM)およびPPとを二軸押出機により混練し,複合材料を調製した。得られた複合材料はマトリックスPPにタルク,CaCO3,EPDMがそれぞれ単独に均一分散していた。PPにHybridized Fillerを充填した複合材料の衝撃強度はタルク充填複合材料に比べ優れていた。さらに,EPDMをPPに添加(ブレンド)によりHybridized Filler充填複合材料の衝撃強度は大きく向上した。EPDM(2mass%)ブレンドPPにHybridized Fillerを充填した複合材料の衝撃強度はタルクを充填した複合材料に比較し50%以上向上し,弾性率はタルクを充填した複合材料とほぼ同じであった。複合材料の弾性率向上にはCaCO3に比較してタルクが大きく寄与しており,衝撃強度の向上にはCaCO3が寄与していると考えられる。さらに,CaCO3による衝撃強度の向上においてEPDMのブレンドがその効果を著しく向上させおり,CaCO3粒子とEPDM粒子が共存するとその衝撃強度が相乗的に向上することが明らかとなった。アイゾット衝撃強度試験の破壊を顕微鏡観察した結果,マトリックスとは構造の異なる領域(白化領域)が観察され,これは,フィラー粒子界面に形成されるボイド,エラストマー粒子近傍に形成されるPPのクレーズ,フィラー粒子間でのせん断降伏に起因して形成されたと考えられる。この白化領域が形成される体積が大きいほど複合材料の衝撃強度が大きいことが明らかとなった。
著者
小林 哲
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.113-130, 2000
被引用文献数
22

日本の本州・四国・九州などを流れる河川に生息するカニ類の生態をまとめ,河川環境におけるカニ類の生態的地位と現状について考察を加えた.カニ各種の分布と回遊のパターンから,6タイプを分けた.タイプAとタイプBは感潮域付近でのみカニ期を過ごし,タイプAは繁殖のための回遊はないがタイプBは繁殖のため河口域から海域へ水中を移動する.タイプCとタイプDはカニ期を感潮域から淡水域に沿った陸域で過ごし,タイプCは河川の淡水域から感潮域にかけてで卵を孵化させ,幼生は広い塩分耐性があり感潮域へと流れくだる.タイプDは繁殖のためカニが海域へと移動し,海域で孵化を行う,タイプEは河川の淡水域でカニ期を過ごし,成熟したカニが川を降り感潮域に達しそこで繁殖する.これらのタイプはいずれも浮遊生活期の幼生が海域を分散する.タイプFは全生活史を淡水域上流部で過ごし,幼生期は短縮される.<BR>河川ではカニの分布は感潮域周辺に集中している.干潟に多くみられるスナガニ類は底質の粒度組成に応じてすみわけており,ヨシ原など後背湿地にはイワガニ類が多く出現する.淡水域の下流~中流域では,モクズガニが水中に,ベンケイガニ類3種(ベンケイガニ,クロベンケイガニ,アカテガニ)が水辺から陸上に出現する.上流域では,サワガニが水中から陸上にかけて分布する.代表的なスナガニ科8種,コブシガニ科1種イワガニ科10種,サワガニ科1種についての生態をまとめ,紹介した.<BR>河川生態系においては,カニ類は感潮域で腐食連鎖の上で重要な位置を占めていると考えられる.特にスナガニ類およびイワガニ類は,感潮域において有機物を消費している.また巣穴を多数掘ることで堆積物に沈積した有機物の分解を助け,環境浄化を助けている.近年,底質の変化によりカニ類の生息場所が損なわれ,堰の建設による流れの遮断により回遊の過程が妨害を受けている.河川改修による後背湿地における植生の喪失も,カニ類の生息場所を奪う危険性がある.以上のような,カニ類の生態を考慮に入れた改修事業が必要と考えられる.
著者
辻原 万規彦 小林 正美 中村 泰人 外山 義
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.64, no.524, pp.215-222, 1999-10-30 (Released:2017-02-03)
参考文献数
58
被引用文献数
1 1

For supporting design of arcades which improve the amenity in urban area, typical examples of modern arcades in West Japan after the world war II were arranged historically and analyzed systematically. In consequence, these examples were classified into four groups in chronological order, the period of invention (silver awning and silver arcade), the period of fashion (the arcade of the "Gassyou" type), the period of expansion (the arcade of the louver type), the period of maturity (the arcade of the dome type). The social conditions which had changed the role and design of modern arcades were investigated.
著者
谷川 孝弘 松井 洋 小林 泰生
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.495-501, 2009 (Released:2009-10-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

夏秋ギク‘精雲’の開花期の遅延と貫生花を発生させる温度要因を明らかにし,計画的出荷および貫生花発生率の減少対策を確立するため,昼/夜温および高温に遭遇する花芽発達時期が開花と開花時の形質に及ぼす影響について検討した.夏秋ギク‘精雲’の発根苗を栽培箱に定植し,温室内で暗期中断を行って花芽分化を抑制した.6月18日に電照を打ち切り,翌日から栽培箱をファイトトロンに移し,昼(6:00~18:00)/夜温(18:00~6:00)をそれぞれ替えて6区設定し,自然日長下で栽培した.また,短日下で2週間の高温処理を(35/25℃),①電照打切り直後から,②電照打切り2週間後から,③電照打切り4週間後から,および④電照打切り6週間後からの4処理区を設けた.頭花内の総苞片数が25枚以上ある株を貫生花として算出した.その結果,‘精雲’の開花は昼温30℃以上または夜温20℃以上になると遅延するようになり,貫生花は,短日処理開始2週間後から2週間,昼温35℃以上または夜温25℃以上の高温に遭遇すると発生することが明らかとなった.貫生花発生の防止対策として,電照打切り直後から3週間,遮光率50%のダイオネットを用いて遮光することにより貫生花発生率を減少させることができた.
著者
小林 茂雄 藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.57-63, 1985
被引用文献数
3

(1)帯広市岩内の落葉広葉樹天然林とカラマツ人工林で1983,1984両年の繁殖期に森林構造と鳥類群集との関係を調べた.<br>(2)天然林は多層構造をもつが,人工林は樹種,森林構造ともに単純であった.<br>(3)天然林の鳥類は21種,14.8つがいで,多様度指数は,3.300であったが,人工林ではそれぞれ12種,11.0つがい,2.084であった.<br>(4)天然林ではアオジ,ハシブトガラ,ヤブサメなど樹上で採餌し,樹洞や樹枝上で営巣する鳥類が優占し,人工林ではホオジロやウグイスなど低木や地上で採餌,営巣する鳥類が優占した.<br>(5)天然林と人工林の鳥類群集の類似度指数は,0.42であった.
著者
阿部 永 小林 垣明 藤巻 裕蔵
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.16, no.78, pp.420-422, 1961

No breeding record for Smew, <i>Mergus albellus</i> Linn&eacute;, has hitherto been known in Japan ("A Hand-List of Japanese Birds", 4th edition, 1958). Reported here are : 1. Six adults and 5 young were observed at Wakasakanai, the northern part of Hokkaido, July 1, 1961. 2. The pond, where Smews were observed, was in fir forest and about 50m. in diameter. <i>Carex curvicollis</i> and its allies were on the watersurface.