著者
池口 主弥 小林 正和 有浦 由紀 森 貞夫 高垣 欣也 石橋 千和 片山(須川) 洋子
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維学会誌 (ISSN:13495437)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.12-21, 2005-06-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
24
被引用文献数
1

The effects of young barley leaf powder(YBLP) on defecation frequency and fecal characteristics were studied in 61 healthy volunteers(34.1 ± 10.2 years old). The subjects were divided at random into 4 groups;non-dose control group(CG), low-dose group(LG), middle-dose group(MG), and high-dose group(HG). Total examination period was 4 weeks. After one week as the pre-test period, all groups were given a placebo diet for one week(placebo period). For the following 2 weeks(test period), CG, LG, MG and HG was given a placebo diet(not contained YBLP), a low-dose diet(1.5 g), a middledose diet(4.5 g) and a high-dose diet(6.0 g), respectively. In analysis, the subjects were screened under the condition that defecation frequency was below 7 times for one week of the pre-test period. This result showed that MG increased the defecation frequency and estimated fecal quantity significantly for the test period compared with those for the pre-test period, and HG increased them significantly for the test period compared with those for the pre-test period and placebo period. No clinical signs of toxicity recognized in the test period. These results suggest that YBLP has a fecal bulking effect and is useful for safety food material.
著者
小林 正佳
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.37-48, 2012
参考文献数
16
被引用文献数
1

交通事故などで生じる頭部外傷は、副鼻腔炎、感冒とともに嗅覚障害の三大原因のひとつであり、他の原因と比較して嗅覚の予後が悪い。本来嗅神経には他の脳神経よりも強い再生能力が備わっているにもかからわず、外傷性嗅覚障害の予後成績がよくないのはなぜか?これを突き止めるために外傷性嗅覚障害モデルマウスを用いて予後因子の探究と予後改善のための治療研究を施行した。嗅神経の確認が容易なOMP-tau-lacZマウスを用い、2種類のカッターを使い分けて嗅神経を切断して軽傷と重傷の外傷性嗅覚障害モデルを作製し、篩板-嗅球創部の傷害組織の所見、局所炎症の程度、嗅神経の再生度を比較検討した。その結果、外傷性嗅覚障害の予後は局所炎症の程度に依存し、外傷後早期に積極的な消炎治療を施行すれば、外傷性嗅覚障害の予後成績を改善できる可能性が示唆された。消炎治療薬として抗IL-6受容体抗体はステロイドよりも副作用が少なく、実際に臨床応用できる外傷性嗅覚障害の有効な治療薬の候補であると考えられる。
著者
原田 勇彦 加我 君孝 水野 正浩 奥野 妙子 飯沼 寿孝 堀口 利之 船井 洋光 井上 憲文 安倍 治彦 大西 信治郎 牛嶋 達次郎 宮川 晃一 伊藤 修 佐久間 信行 北原 伸郎 土田 みね子 飯塚 啓介 小林 武夫 杉本 正弘 佐藤 恒正 岩村 忍 矢野 純 山岨 達也 広田 佳治 仙波 哲雄 横小路 雅文 鈴木 光也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.380-387, 1994-06-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

鼓膜炎, 慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎の感染時, 中耳術後の再感染症例を対象として, オフロキサシン (OFLX) 耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究を行った。研究参加施設を無作為に2群に分け, 1群では1回6-10滴, 1日2回, 7日間以上の点耳を行い, 毎回点耳後約10分間の耳浴を行うよう, II群では同様の点耳後に2-3分間の耳浴を行うよう患者に指示した。総投与症例は258例で, 全体では83.3%の改善率, 86.7%の菌消失率 (143例中) が得られた。副作用は1例もなく, 全体としては82.9%の有用率であった。統計学的検定により1群とII群の比較を行ったところ, すべての項目で両群間に有意の差はみられなかった。以上の結果から, OFLX耳用液は鼓膜, 中耳の炎症性疾患に対して極めて有用かつ安全なものであり, その点耳後の耳浴時間は2-3分でも十分な効果が得られるものと考えられる。
著者
古澤 徹 阿部 博 小林 野愛
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.20, pp.1-8, 2021-05-06

エッジコンピューティングは,端末とクラウドの中間に位置するエッジで処理を行うことで低遅延応答や中継トラフィック削減が可能となる新しいパラダイムとして着目を集めている.近年コンテナ仮想化技術や Kubernetes,およびサービスメッシュを用いたマイクロサービスアーキテクチャ (MSA) が普及しているが,エッジにおいても同様に MSA を導入することで,エッジ基盤やエッジアプリケーションライフサイクルの効率的な管理,オートスケールの実行が可能になると期待される.しかし,エッジは利用可能なコンピューティングリソースが限られているため,個々のエッジ内でオートスケールを実行させても処理能力には限界がある.特定のエッジに処理限界を超える過負荷が発生した場合,エッジの処理能力が劣化し,大規模な遅延やサービス停止が発生しうる課題がある.本研究では,コンテナ仮想化技術や Kubernetes,およびサービスメッシュを用いたエッジ基盤における協調型負荷分散の実装手法を提案する.エッジのアプリケーションへの単位時間あたりリクエスト数をモニタリングし,エッジの処理限界を超えるリクエストをリソースに余力ある近接エッジまたはクラウドに転送するようにサービスメッシュ設定を動的に変更するコントローラを実装する.実験により,過負荷発生時のアプリケーションの平均処理時間が改善されることを示す.
著者
小林 直樹
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.685-702, 1998

一 『今昔物語集』巻一七第33話は、女人と変じた法輪寺の虚空蔵菩薩が好色な叡山僧を学問の世界へと「謀リ」導く顛末を幻想味豊かに語って、本朝仏法部中でもひと際印象深い一篇である。その末尾は次のように結ばれる。……
著者
小林 達雄 小田 静夫 羽鳥 謙三 鈴木 正男
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.231-252, 1971-12-25 (Released:2009-08-21)
参考文献数
34
被引用文献数
1 3

A. The Nogawa Site and its Stone Culture (KOBAYASHI and ODA)1. The Nogawa site is located in Kamiishihara, Chofu City, Tokyo. It sits on a low bluff on the Tachikawa Terrace facing across a stream toward the higher Musashino Terrace marked by the Kokubunji Cliff Line (fig. 1).2. The site was first excavated in 1964, and exploratory excavations were carried on for the next several years (Kidder et al.: 1970). Then a project to widen the stream threatened to destroy the site, and in response the Nogawa Site Excavation Group was formed to excavate the endangered part of the site. Excavations were carried out from June to the end of August 1970 (Nogawa Iseki Chosa Kai: 1970, 1971a, 1971b, 1971c).3. Geologically the site has thirteen strata (fig. 3). The base stratum XIII is gravel. Over this are nine layers of loam, strata IV to XII, the so-called Tachikawa loam. Four of these strata, strata IVb, V, VII and IX, are black bands of fossil soils. Stratum III is the soft loam, stratum II is a brown humus, and stratum I is a black humus.4. Culturally there are eleven layers, ten Preceramic Period layers (numbered III, IV1, IV2, IV3a, IV3b, IV4, V, VI, VII and VIII to correspond to the geological strata in which they were found) and one mixed Jomon Period layer in stratum II. More than 10, 000 artifacts were recovered from the Preceramic Period layers. Over 2, 000 are tools or flakes. Another more than 7, 000 artifacts are fire-reddened gravel usually found in heaps. The clarity of stratification, the number of layers, and the quantity of artifacts make Nogawa the best stratified, Preceramic Period site in Japan.5. The Nogawa data, when correlated with data from other sites in Kanto (fig. 7-10) (in particular, the Heidaizaka Site and ICU Location 15 in Koganei City and the Tsukimino Site Group on the Sagami Terrace in Kanagawa Prefecture), allows definition of four broadly defined phases for the Preceramic Period. The earliest phase, Nogawa layers VIII to V (Heidaizaka layers X to V), has mostly flake tools plus some heavy-duty tools made from pebbles. Phase II, Nogawa layers IV4 to IV1, is characterized by backed blades. Temporally related changes in the form of these backed blade tools are apparent. The early assemblages of the phase are marked by lightly worked blades of knife-like form. Later assemblages see changes to smaller tools of more geometric form and the appearance of small, bifacially worked points. (Phase III of the South Kanto Preceramic Period is distinguished by the presence of microblades and the cores from which they were obtained. However, this phase is not represented at the Nogawa site). The latest Preceramic Period phase, phase IV, Nogawa layer III, consists mainly in large, biface points and pebble tools.6. The heaps of fire-reddened gravel are found mostly in Nogawa layers IV1 to IV4, i. e. Preceramic Period phase II. X-ray diffraction analysis done by M. Suzuki of Tokyo University shows the stones to have been heated to more than 600°C. The meaning of these heaps is unclear. It is not known whether they were used as found-single layers of gravel spread in near circular patterns one to two meters in diameter-or whether they were simply disposed of at a location in the site some distance from where they were used. However, many of the stones do have a kind of tar-like substance on them, and one is probably justified in thinking the stones were used directly in some manner for cooking. Also, pounding stones, grinding stones and anvil-like stones are frequently found in close proximity to the heaps.
著者
小林 英知 朝日 亨 後藤 和宏 服部 敏温 清水 剛 石丸 新
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.25-27, 1998-05-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
3

腹部大動脈瘤に対するY型人工血管置換術10例に対し, COBE社製洗浄式自己血回収装置BRATTM2を用いて洗浄効率を測定し,本装置の有用性について検討した。廃液および回収血を採取し, WBC・RBC・Ht・Hb・Plt・ヘパリン・Cr・BUN・T-Bil・TPについて回収率と洗浄効率をそれぞれ算出した。赤血球の回収率は良好な結果が得られたが,回収血のHtは49.7%と低値であったため,回収血にヘパリンの残在が確認された。しかし,ヘパリンの洗浄効率は95.3%と高値であった。また,他の血漿成分の洗浄効率も高い値を示した。
著者
小林 治夫
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.323-327, 1983

ニワトリの雛は孵化後ただちに視覚的に隔離され, 12時間後に電動の犬の玩具に露出された。最初の露出の翌日から5日間, 1日1回4分間, 雛鳥は円形台上におかれ, 追尾反応が我々の工夫した規準に従って評価された。その評点に従って雛鳥は均質な二群(一方は実験群, 他方は統制群)に分けられた。つぎの7日間, 両群は再認テストを受けた。そして実験群に対しては1日1回, 2分間の玩具の犬に対する露出2回(再認テスト1および再認テスト2)と, その2回のあいだに1分間の玩具の犬の隔離をはさむ再認テストを受け, 追尾反応が規準に従って評価された。統制群は1日1回4分間の隔離なしの露出の再認テストを受けた。その結果, 実験群では再認テスト1よりも再認テスト2の方がアタッチメント行動の程度が強かった。また2日目以後には実験群の再認テスト1の方が統制群のそれよりも強かった。この結果は, アタッチメント行動は学習の結果生じる可能性を示唆するDepaulo, P.らの報告と一致しない。
著者
小松 雅史 稲垣 善之 三浦 覚 小林 政広 梶本 卓也 池田 重人 金子 真司
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

森林に降下した放射性セシウムは樹冠にトラップされたのち、林内雨や葉枝の脱落によって林床に移行していくと考えられる。そこで、森林内の放射性セシウムの動態を明らかにするため、リターフォールによる放射性セシウムの移行について調査を行った。茨城県石岡市のスギ林およびヒノキ林、茨城県城里町のスギ林および広葉樹林において、リタートラップを用いて樹冠より降下するリターフォールを採取した。サンプルは葉や枝などに分別・計重し、放射性セシウム濃度を測定した。そして重量と濃度から、単位面積あたりのセシウム濃度を求めた。スギ林からのリターフォールによる移行は、主に褐色葉によるものであったが、事故から2か月間、雄花による移行が多いことが明らかになった。城里町のスギ林では、褐色葉のセシウム濃度は指数的に減少しているものの、事故から2年経過後もリターフォールによる移行は継続していた。石岡市の調査地では森林内のセシウム蓄積量分布調査を、また城里町の調査地では林内雨のCs濃度の計測を行っている。リターフォールによる放射性セシウムの移行について、樹種やサイトの比較とともに、これらの結果との関係について考察を行う予定である。
著者
小林 政広 吉永 秀一郎 伊藤 優子 篠宮 佳樹 相澤 州平 岡本 透 釣田 竜也
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.333-373, 2018

茨城県城里町に位置する桂不動谷津流域における2001年から2014年の降水および渓流水の主要溶存成分濃度および流入量についてまとめ、各年の平均値の変化傾向を解析した。降水中の非海塩性硫酸イオンおよび無機態窒素イオンの流入量はともに変動しながら減少する傾向が認められた。渓流水中の硫酸イオン濃度は2011年までほぼ一定であったが2012年および2013年の間伐施業時に上昇した。硝酸イオンは間伐前減少傾向にあったが間伐以降上昇に転じた。間伐時の濃度上昇はカリウムイオンおよびカルシウムイオンでも認められた。ケイ素濃度は年平均値の変動が小さく、緩やかに上昇する傾向が認められた。
著者
小林 浩子
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 = Bulletin of Uyo Gakuen College (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.31-37, 2007-02-01

本稿では、トリイ・ヘイデンのノンフィクション小説『シーラという子』の続編ともいえる作品『タイガーと呼ばれた子』を取り上げ、被虐待児に対するより良い教育方法を模索する。この作品では、小学校の特殊学級担任時代に教師として教育にかかわった、問題児であり被虐待児シーラと数年後に再会したトリイが、自らの「癒しの教育」がシーラに与えた影響の大きさと、それがトリイのクラスを卒業した後のシーラ自身に必ずしも良い影響を及ぼしてはいなかったことを、そしてさらなるトラウマを与えていたことを、ティーンエイジャーとなったシーラから指摘され、衝撃を受ける。しかしながらトリイは、そのショックを受け止め、シーラとさらに関わりを持ち続けることで、二人が抱えるトラウマを再認識し、そのトラウマを乗り越える新たな「癒しの教育」を見つけ出す。その過程を、トラウマからの「リハビリテーション」と「ハビリテーション」の違いという視点から考察する。
著者
野崎 真澄 堤 俊夫 小林 英司 竹井 祥郎 市川 友行 常木 和日子 宮川 和子 上村 晴子 辰己 佳次
出版者
日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.p156-168, 1976-06
被引用文献数
3

The spawning habit of the puffer, Fugu niphobles (Jordan et Snyder), was observal at Arai Beach and Aburatsubo Inlet from late May to early August in 1975. One spawning ground was found at Arai Beac (A in Fig.1), and four at Aburatsubo Inlet (B-E in Fig.1). The puffer laid eggs on any spawning bed with sandy (A), pebbly (B, C and D) or rocky shores (E). They spawned at beaches facing any direction (Fig.1). The spawning season extended from May 25 to July 28. Spawning ran 5-7 days at Arai Beach, and 2-6 days at Aburatsubo Inlet following each full or new moon. A large school of puffers, consisting of about 1000, approached each spawning bed with the rising tide. Spawning took place repeatedly in small groups of 10-60 puffers only in the evening high tide. Each spawning observed at Arai Beach started 110±6 minutes and finished 39±8 minutes before the full tide, except for the first day. Thus, most of the eggs were washed away from the beach by waves. The number of spawnings by small groups ws very small on the first day and became highest on the 3rd or 4th day. There was no difference in total length between males and females found at the spawning beds. The number of females was notably less than males. A large school of puffers approached the spawning beds with the rising tide in the morning, but spawning was not observed.