著者
小林 功 近藤 照彦 武田 淳史 Teruhiko Kondou 武田 淳史 Takeda Atsushi
出版者
群馬パース大学
雑誌
群馬パース大学紀要 (ISSN:18802923)
巻号頁・発行日
no.15, pp.57-62, 2013-03

林野庁長官、秋山氏は1982年、最初に"森林浴"を提唱し、森林療法の概念を確立した。"森林の中には殺菌力を持つ独特の方向が存在し、森の中にいることが健康な体をつくる"とする、この構想の下につくられた林野庁のオリジナルの概念であった。それは健康な体をつくるために、国有林や他の自然林を利用して、心身ともに鍛えるためにそれらを利用することから始まる。国有林と自然林での生体反応を楽しみながら。健康な身体の状態を取り戻すためには、森林浴でのハイキングにより、健全な心身の健康状態を取り戻す必要がある。ところで、我々を含む人間、日本国民が、人為的に古代からの自然環境の下で現代文明、文化を発展させてきた。人間は約500万年前の人類の誕生から、その長い歴史の中で人間と自然との関係について考えるとき、人類は現代の都市文明の中で生きていると言える。人間は、自然界に適応しながら、サルから進化した人間にとってこのことは、長い歴史から見れば、ごく最近の出来事であるが、それまでは、森林の中で、長い時間を共存してきた偉大な歴史があり、この中で、人類は進化してきた。加えて、我々日本人は欧米人とは異なる親密な自然観のもとに生活をしている。この点からも、現代人においても、私たちの周囲の自然環境が密接に温泉周辺の森林生活環境に快適性を認めている。日本は森林の土地面積が全体の75%を占め、世界有数の森林国の一つである。この数値は、アマゾン流域の無限のジャングルを持つブラジルと同一である。一方、中国、イギリスに至っては、10%前後の少ない森林の土地面積となっている。日本は、亜寒帯から亜熱帯まで、北海道から沖縄まで細長い気候分布を持つ中で人々が生活している特色を持っているのである。
著者
小林,哲夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集
巻号頁・発行日
no.24, 1984-11-30

Yufu-Tsurumi volcanoes are situated at the northeastern part of Kyushu island, Japan. Lavas and pyroclastic rocks ranging from the late Pliocene to the late Quaternary in age form the basemment of this area and are cut by many active faults bringing about the blocks tilted variously. Judging from the tephrochronology of the wide-spread tephra, it has been confirmed that both Yufu and Tsurumi volcanoes started their activities more than 35,000 years ago. Yufu-dake is a stratovolcano with several parasitic lava domes and lava flows. The latest eruption occurred ca. 2,000-1,500 years ago issued the Tsukahara pyrodastic flow, the Ikeshlro lava, the Yufu-dake summit lava, and the Yufu-dake ash. The Tsukahara pyroclastic flow deposit is oxidized under the high temperature condition and has secondary fumarolic pipes. The Tsukahara pyroclastic flow is judged to have been formed by the collapse of an ascending lava dome. Stratigraphic relation between the pyroclastic flow and the volcanic ash shows that the collapse of the lava dome happened repeatedly at least two times. The last ascending of lava formed the Ikeshiro lava dome accompanied with lava flow. Shortly after that, the Yufu dake summit lava was issued and formed a summit lava dome. All the activities mentioned above represent a single cycle of eruption ceased within a short period of time. Based on the documentary record, however, it is convinced that the fumarolic activity was continued until the time ca. 1,100 years ago. Tsurumi volcano is composed of highly dissected volcanic edifice and the younger parasitic volcanoes. Based on the tephrochronology of wide-spread tephra, the younger parasitic volcanoes other than the Tsurumi-dake summit lava are judged to have been formed during the period of time ranging from 22,000 to 6,300 years before present. Garan-dake, Uchi-yama, and Nanpeidai are all lava domes and Oninomi-yama alone is a scoria cone with basaltic lava flow. The Tsurumi-dake summit lava which filled up the summit crater and formed a summit lava dome flowed down southward and eastward. One of the lobes of lava flow dammed up the river resulting in the developemment of a volcanic fan formed from the tip of a lava flow. Judging from the distrbution pattern of historic sites on the fan and the descriptions in the ancient manuscripts, it is reasonably concluded that the lava was issued about 1,500-1,200 years ago. Most of the rocks in this area is hornblende andesite ordacite, but a complicated assemblage of phenocryst, namely the olivine-clinopyroxene-orthopyroxene-hornblende-biotite-quartz-plagioclase-Fe-Ti oxides is frequently found in the rocks of of these volcanoes.
著者
小林 俊将 山口 仁
出版者
岩手県水産技術センター
巻号頁・発行日
no.7, pp.19-24, 2011 (Released:2012-12-03)

稚ナマコApostichopus japonicusの生残に対するシオダマリミジンコTigriopus japonicusの影響を調べた結果、稚ナマコがシオダマリミジンコの攻撃に耐性を持つのは体長約3mm以上と推察された。また、珪藻があると、シオダマリミジンコの攻撃による稚ナマコの減耗が軽減される傾向が認められた。また、シオダマリミジンコは水温5℃~20℃の範囲では、水温が高くなるほど生育速度が速くなることが分かった。更に、水温10℃、15℃、20℃で採苗後3ヶ月間飼育した結果、水温20℃の試験区でシオダマリミジンコの大量発生と稚ナマコの大量減耗が観察された。
著者
小林 俊将 山口 仁 根田 幸三
出版者
岩手県水産技術センター
巻号頁・発行日
no.7, pp.15-18, 2011 (Released:2012-12-03)

海藻粉末、白陶土、脱脂大豆粉末、魚粉の配合割合が異なる11種類の配合飼料を6~9ヶ月令の稚ナマコApostichopus japonicusに与え、40~42日間の成長を比較したところ、白陶土65%、海藻粉末25%、魚粉10%の餌料を与えた場合が最も成長した。この配合飼料の粗タンパク、粗脂肪、灰分の含量はそれぞれ12.2%、1.4%、74.3%であり、マナマコ飼育には比較的低タンパクの配合飼料が有効であることが示唆された。
著者
小林 正秀 吉井 優 竹内 道也
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.95-104, 2014

<p>カシノナガキクイムシの穿入に伴うナラ枯れ被害が1980年代以降に拡大している.被害拡大要因として気象条件も指摘されているが,統計解析に基づいた仮説はない.そこで,舞鶴市と京都市で実施された被害量調査の結果を基に,ナラ枯れ被害量の増減と気象条件との関係を単回帰分析で解析した.その結果,両地域ともで,厳冬期(1~2月)の最高気温が高いほど被害が助長される傾向が認められた.また,京都市では春期の降水量が多いほど被害が助長される傾向が認められた.さらに,舞鶴市では,6~7月の間の最低気温が20℃以上の日数が多いほど被害が助長される傾向が認められた.ただし,通説化している夏期の高温・少雨が被害を助長することを支持する明確な結果は得られなかった.</p>
著者
原 鐵洋 二宮 基樹 土井 寛文 久原 佑太 木建 薫 豊田 和宏 小林 弘典 橋本 泰司 坂下 吉弘 宮本 勝也 嶋本 文雄
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-7, 2020-01-01 (Released:2020-01-31)
参考文献数
13

ニボルマブ投与により原発巣が著明に縮小し,10か月後に著効を認めたStage IV胃癌を経験した.症例は80歳の女性で,進行胃癌の診断で当院へ紹介された.No. 11リンパ節,大動脈周囲リンパ節の腫大を認め,Stage IV胃癌と診断した.一次治療でS-1とoxaliplatinの併用療法,二次治療でramucirumabとpaclitaxelの併用療法を施行したが有害事象と病状進行のため中止し,三次治療としてニボルマブを開始した.6コース投与後に原発巣が縮小した一方でNo. 11リンパ節は増大傾向を示したが,QOLの著しい改善を認め継続したところ,19コース投与後に著明な縮小を認めた.30コース投与後に原発巣は瘢痕化し,No. 11リンパ節はさらなる縮小を認めた.ニボルマブ投与により画像上増悪傾向を示しても全身状態,治療経過を考慮し継続することで遅発性に効果を認める例があることが示された.
著者
苛原 香 小牧 宏文 本田 涼子 奥村 彰久 白石 一浩 小林 悠 東 慶輝 中田 智彦 大矢 寧 佐々木 征行
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.450-454, 2012 (Released:2014-12-25)
参考文献数
20

【目的】先天性筋無力症候群 (congenital myasthenic syndrome ; CMS) の特徴を明らかにする.  【方法】CMSと診断した5例の臨床経過, 診察所見, 電気生理学的所見などを後方視的に検討した.  【結果】4例が乳児早期に筋力低下と運動発達遅滞, 1例は3歳時に運動不耐で発症した. 幼児期以降に1日単位で変動または数日間持続する筋力低下を全例で認めたのが特徴的で, 日内変動を示したのは1例のみであった. 反復神経刺激では, 遠位の運動神経では減衰を認めない例があった. 塩酸エドロフォニウム試験では, 眼瞼下垂を示した3例全例で改善を認めなかった. 全例で薬物治療による改善を示した.  【結論】CMSはていねいな診察と電気生理検査により診断可能で薬物治療が行える疾患である.
著者
小林 宏行 押谷 浩 高村 光子 河野 浩太
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.871-881, 1983-10-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
8

急性肺炎による呼吸不全を伴った症例 (15例) を対象に, 肺炎の早期治癒および呼吸不全の早期離脱を目的に広域抗生剤とステロイド剤の併用を行った.また家兎実験的肺炎を対象とし肺炎時呼吸不全発生のメカニズムおよびこれに対するステロイド剤の有用性について検討した.その結果, 肺炎発症後少なくとも4日以内にステロイドが併用されれば, 肺炎陰影の早期消失 (平均4.4日±1.7) およびPac2値の早期回復 (平均3.5日±1.4) が得られた.また, ステロイド併用によりその効果がみられなかった例は5例にみられ, これら症例のうち3例は高齢者高度進展肺炎で心不全併発による死亡例, 他の2例は肺炎治癒までに15日間を要した例であった. これら不成功例に共通することはステロイド併用開始時期の遅れ (平均7.6日±2.3) であった.肺炎時Pao2の低下は, 肺胞壁の著明な腫脹および肺胞腔内への滲出物充満等による肺内true shunt率増加にもとずくものとみられ, ステロイド剤はこれら肺胞壁の薄壁化あるいは滲出物を抑制しその結果呼吸不全の早期離脱を促進するものとみなされた.臨床的には以下の基準でステロイド併用が施行されることが望ましい. (1) 発病後4日以内, (2) Pao260mmHg以下, (3) 広域抗生剤の併用, (4) 使用期間は7日間以内.
著者
大坪 寛子 小林 正之 酒井 紀 海渡 健 吉田 真弓 島田 貴 増岡 秀一 西脇 嘉一 佐伯 明子 坂本 光男 関田 徹
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1425-1427, 1996

Severe anemia A 37 year-old male with therapy resistant multicentric Castleman's disease (MCD) anemia was treated by subcutaneous injection of erythropoietin. Although immunoglobulin and CRP concentration increased, anemia obviously improved with hemoglobin levels increasing from 4.8 g/d<i>l</i> to 8.5 g/d<i>l</i> without any side effects. Colony assay revealed that the bone marrow mononuclear cells responded to erythropoietin in a dose dependent manner. The mechanism of anemia of MCD is not clearly understood, and treatment is sometimes very difficult. There is no other previous report concerning erythropoietin as a treatment for anemia in MCD.
著者
増岡 秀一 大坪 寛子 小笠原 洋治 酒井 紀 小林 正之 海渡 健 吉田 真弓 関田 徹 佐伯 明子 西脇 嘉一 島田 貴 落合 成正
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.156-158, 1995

Bilateral ankle skin ulcers developed in a 61-year-old man in the chronic phase of chronic myelogenous leukemia receiving hydroxyurea therapy. The circulating immune complex (anti-C<sub>3d</sub> antibody) was high in this case, but vasculitis was not observed in the pathological findings of biopsied skin materials. This association has been reported in patients who had chronic myelogenous leukemia or other myeloproliferative disorders and were treated with hydroxyurea. It is likely that skin ulcers are caused by hydroxyurea.
著者
景山 一郎 栗谷川 幸代 原口 哲之理 小林 ゆき
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1402-1408, 2019

二輪車の定常円旋回特性を詳細に検討したところ、これまでの理論的な表現では定性的な特性は表現できるものの、定量的な特性を表現することが難しいことを示した。この表現にはタイヤのオーバターニングモーメントおよびキャンバトルクの考慮が重要である事を示し、今後の運動力学検討時にこれらの考慮が重要であることを示した。さらに操舵系コンプライアンスの等価的影響を検証した。
著者
齋藤 款文 小林 稔彦 高島 俊
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1A1-M09_1-_1A1-M09_4, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)

As one field of sports, there is a game of bike trial. Riders operate mountain bicycles with various advanced techniques. The purpose of this research is to create a bike trial robot that can operate a mountain bicycle and perform various maneuvers such as bike wheelie and etc. The bike-trial robot is able to clear level differences and ditches which other wheeled type robots cannot clear such obstacles and also cannot intrude into narrow spaces. Therefore, it is possible to use the bike-trial robot in the way of means of mobility for disaster sites. In this paper, in order to verify whether the robot can do Wheelie, it is studied that the robot model is created and simulated of wheelie in simulation soft. And, the prototype physical model of bike-trial robot for experiments is designed and constructed on a scale of two to five.
著者
小林 信一 加藤 毅
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、平成7年6月に実施した大学教員の生活時間調査の再分析により大学教員の置かれている状況を時間資源の観点から多角的に明かにするとともに、研究活動の編成様式との関連の理論的検討を行うものである。1.生活時間分析大学教員の活動の実態をさまざまな属性別に分析し、中でも研究時間の不足感が強い国立有力大学について詳細に分析した。また、大学改革と生活時間の関係に関して分析を行い、会議時間に対する負担感が実態以上に大きいこと、時間の寸断など時間の質の低下などが発生していることを明かにした。さらに管理的職務の実態について分析を行った。これらの分析結果を、大学教員の仕事の質、大学教員の多忙と教育研究の支援体制、時間からみた大学教員の学術研究環境、管理的業務に関する分析の各項目についてとりまとめた。また、大学研究者に関する国際的統計の根本問題であるFTEをめぐる問題についても検討した。2.研究活動の編成様式の理論的検討科学技術のモード論を参照しつつ、科学技術論のレベルで大学教員の多忙の原因について検討を行った。知識生産の様式として、ピアレビュー・システム、インハウス・システム、オ-ディション・システムの3タイプが存在することを明かにした。とくにモード2の出現にともなうオ-ディション・システムの浸透、また多様な研究様式が並存することが、大学教員の多忙の原因になることを示した。3.とりまとめ以上の結果を内外の学会で口頭発表するとともに、論文などにまとめ、さらに報告書にとりまとめた。
著者
林 孝文 伊藤 寿介 中山 均 小林 富貴子 中村 太保 小宮 隆瑞 鈴木 誠 福島 祥紘 高木 律男 大橋 靖
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.74-80, 1993-06-30 (Released:2011-09-05)
参考文献数
20

Carcinomas arising in jaw cysts are a very rare lesion. There was only one case report which was thought to be of origin from an inscisive canal cyst.The authors present a case of squamous cell carcinoma probably arising from an incisive canal cyst.The patient was a 60-year-old female with complaints of swelling and tenderness of the hard palate. Overlying mucosa of the lesion was normal except for an opening of fistula.An occlusal X-ray film and bone images of X-ray computed tomography (X-CT) showed a radiolucent lesion on the midline of the palate with well-defined margin and they also revealed an irregular resorption of the alveolar process of the maxilla.Soft tissue images of post contrast X-CT showed a heterogenously enhanced area in the anterior part of the lesion extending to the left upper lip.Pathological examination revealed a squamous cell carcinoma and suggested that the tumor derived probably from an incisive canal cyst.