著者
小林 良彰
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択の研究 (ISSN:02869624)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.57, pp.1-3, 2011-02-15 (Released:2014-11-17)
著者
田中 美智子 長坂 猛 矢野 智子 小林 敏生 榊原 吉一
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.4_59-4_65, 2008-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
18

健康成人女性11名を対象とし,腹式呼吸を行っている間に,循環反応や自律神経系がどのような反応をするのかに加え,ストレス時に見られるホルモンの分泌が抑制されるか,また,覚醒感に関与しているセロトニンの分泌は促進するのかという点を検討する目的で行った。腹式呼吸時の循環反応は通常の呼吸と同様の経過を辿った。実際の心拍数は経過とともに減少し,血圧の上昇を示したが,有意な変化ではなかった。RR間隔の時系列データを周波数解析すると,腹式呼吸時は副交感神経優位となった。尿中セロトニン濃度は腹式呼吸及び通常の呼吸で変化が認められなかったが,腹式呼吸では尿中のノルアドレナリン濃度,アドレナリン濃度及びコルチゾール濃度の有意な低下が認められた。腹式呼吸はコントロール実験として行った通常の呼吸と同様,生体に対してストレッサーにはなっておらず,リラックスした状態を維持できる呼吸法であると考えられた。
著者
小林 茂雄 小口 尚子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.71, no.605, pp.119-125, 2006
参考文献数
22
被引用文献数
4 6 4

The purpose of this study is to clarify the effects of brightness and loudness of the background music on interpersonal communications in a cafe. An investigation to observe the conversational behavior of subjects, and an experiment to estimate suitability of lighting and sound environments for various behaviors were carried out under four different conditions. The principle results are summarized as follows. 1. Women tended to have more frequent eye contact than men under every condition. 2. Men tended to talk considerably under low illumination, and women tended to talk more under conditions of low sound volume. 3. Men tended to bend forward under high illumination, and women tended to bend forward under low illumination. 4. There were combined effects of illumination and music loudness on the evaluation of usage behaviors. For example, studying was appropriate in bright and quiet condition.
著者
小林 玲子
出版者
京都聖母女学院短期大学
雑誌
聖母女学院短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.36, pp.64-67, 2007

アダムとエヴァの罪の解釈を取り上げたのは、政教分離のなかった頃、キリスト教の信者たちがこの話を操る権力者たちによって、知識は禁断の実であって、何も知らずに神と教会の命令に従う事こそ良き信仰の道であると教え込まれていた後遺症が、今だに残っているからである。しかし、ユダヤ教においてもキリスト教においても、神と人間の決定的な出会いの場は、人間が自分の罪を悔い改めて神に立ち帰る所にあり、先のような誤った解釈は、人々が自分自身の罪と救いを真剣に考えることを妨げるものである。ダビデ王は神の為にと思って様々な大事業を成し遂げたものの、神と最も深い所で出会ったのは自分の犯した罪を悔い改めた時であった。イエスも放蕩息子の喩えで、悔い改めた人と神の出会いを物語っている。教会の規則を守って悪行をしなければ救われる、あるいは善行を積めば救われるというのは、本来のキリスト教の教えではないと言うべきであろう。アダムが罪を犯したからではなく、我々が罪人だからこそイエス・キリストの救いが必要なのだ。キリストは、悔い改める我々と神のコミュニケーションを回復させる。そして人間の善悪の知識は、このコミュニケーションにおいて初めて確かなものとなるのである。本論は3部から成る。まず、聖書の解釈一般について、次にアダム神話の解釈を述べ、その後、アダム神話の人間論的意義について述べる。
著者
杉田 早苗 小林 宣洸 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.751-756, 2010-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

本研究では、ホームレスにとって重要な場所である寝場所の移動を把握し、またその移動と様々な形態をとる排除との関係を考察することを目的とする。川崎市のホームレス支援NPOが所有するデータを個人別データベース化し、寝場所の移動の実態と傾向を把握するとともに、ヒアリング調査と資料調査からホームレスの排除事例と排除された場所の現在の利用状況を検証し、移動と排除の関係を分析した。結論は以下の3点である。1.川崎市のホームレス支援NPOから提供を受けたデータを個人別データベースとして構築し、寝場所の移動の実態を明らかにした。2.寝場所を移動している人は全体の60%程度であり、また河川では一定の場所で野宿を継続する人が、公園や道路、駅では移動を繰り返しながら野宿する人が多いことがわかった。3.排除行為の発生は公園、道路、駅にある寝場所で起こることが多く、河川では少ない。このことが結論2の移動と固定と関係あることが推測される。
著者
小林 正秀 上田 明良
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.435-450, 2005-10-01 (Released:2008-05-22)
参考文献数
188
被引用文献数
39 48 21

カシノナガキクイムシの穿入を受けたブナ科樹木が枯死する被害が各地で拡大している。本被害に関する知見を整理し,被害発生要因について論じた。枯死木から優占的に分離されるRaffaelea quercivoraが病原菌であり,カシノナガキクイムシが病原菌のベクターである。カシノナガキクイムシの穿入を受けた樹木が枯死するのは,マスアタックによって樹体内に大量に持ち込まれた病原菌が,カシノナガキクイムシの孔道構築に伴って辺材部に蔓延し,通水機能を失った変色域が拡大するためである。未交尾雄が発散する集合フェロモンによって生じるマスアタックは,カシノナガキクイムシの個体数密度が高い場合に生じやすい。カシノナガキクイムシは,繁殖容積が大きく含水率が低下しにくい大径木や繁殖を阻害する樹液流出量が少ない倒木を好み,このような好適な寄主の存在が個体数密度を上昇させている。被害実態調査の結果,大径木が多い場所で,風倒木や伐倒木の発生後に最初の被害が発生した事例が多数確認されている。これらのことから,薪炭林の放置によって大径木が広範囲で増加しており,このような状況下で風倒木や伐倒木を繁殖源として個体数密度が急上昇したカシノナガキクイムシが生立木に穿入することで被害が発生していることが示唆された。
著者
福島 正也 砂川 正隆 片平 治人 渡辺 大士 草柳 肇 小林 喜之 樋口 毅史 久光 直子 久光 正
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.312-319, 2015 (Released:2015-11-21)
参考文献数
30
被引用文献数
2

円皮鍼は鍼治療に用いられる鍼の一種で,1mm前後の極めて短い鍼を絆創膏で皮膚に留置することによって,種々の生体の反応を引き出す.本研究では,ラット社会的孤立ストレスモデルを用い,ストレスに対する円皮鍼の効果を調べ,作用機序の検討としてオレキシン神経系の関与を検討した.8週齢Wistar系雄性ラットを使用し,コントロール群(Con群),ストレスモデルにシャム鍼を貼付した群(Sham群),ストレスモデルに円皮鍼を貼付した群(PTN群)の3群に分けた.社会的孤立ストレスモデルは8日間単独で飼育することで作製した.Con群は1ケージに3~4匹で飼育した.ストレス負荷7日目,PTN群とSham群には百会穴相当部への円皮鍼(パイオネックス®,セイリン社製)またはシャム鍼を貼付した.ストレス評価として,噛みつき行動時間の測定(7日目と8日目)と,EIA法にて血漿コルチコステロンの測定を行った.また,オレキシン神経系の関与を検討するために,EIA法にて血漿オレキシンA濃度を測定し,外側視床下部におけるオレキシンニューロンの変化を組織学的に検討した.ストレス負荷8日目,10分間の噛みつき行動時間は,Sham群(460.2±24.2秒)に対し,PTN群(263.3±53.7秒)で有意に抑制された(p<0.01).血漿コルチコステロン濃度は,Con群(44.0±8.2ng/ml)に対しSham群(128.6±26.4ng/ml)では有意に増加したが,PTN群(73.5±8.9ng/ml)ではその増加が有意に抑制された(P<0.05).血漿オレキシンA濃度は,Con群(0.17±0.01ng/ml)に対しSham群(0.36±0.04ng/ml)では有意に増加したが,PTN群(0.23±0.03ng/ml)ではその増加が有意に抑制された(P<0.05).外側視床下部におけるオレキシンAの発現もCon群(26.88±3.03 Optical Density:OD)に対しSham群(80.89±6.03 OD)では有意に上昇したが,PTN群(49.87±1.84 OD)ではその上昇が有意に抑制された.百会穴への円皮鍼治療は,ラット社会的孤立ストレスモデルにおけるストレス反応を抑制し,視床下部オレキシンニューロンの活性を抑制した.ストレスによる交感神経系や内分泌系の興奮に視床下部オレキシン神経系が関与することが報告されている.円皮鍼治療はオレキシン神経系を抑制することにより,ストレス反応を抑制したと考えられる.
著者
小林 卓
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.356-370, 2012-01-01

日本の公立図書館における「図書館利用に障害のある人々」へのサービスについて,1970-90年代を中心に1)読書権,2)アウトリーチ,3)図書館の自由をひろげる,4)図書館の側の障害,5)図書館利用に障害のある人々,のキーフレーズと,6)障害者サービスの「障害」とは,に着目し,それらの概観,整理を行った。最後に,筆者のベースである多文化サービスの視点から,近年の「障害学」を反映し,「図書館利用に障害のある人々(マイノリティ)」をそれぞれ「文化集団」ととらえる必要性を提起した。
著者
小林 明秀
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.256-258, 2015-06-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1
著者
小林 傳司
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.310-318, 2007-12-27 (Released:2017-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2

A Japanese boom of science communication beginning in 2005 shares some characteristics with advanced countries. This paper explores the background of a sudden boom of science communication in Japan into the struggle, common to advanced countries, for redefining the roll of technoscience in society. Firstly, it is shown that there are two kinds of motivations which triggered the boom of science communication. The first one is an erosion of public trust in experts of technoscience in the 90s. The second one is the changing role of technoscience from a symbol of national prestige to a tool of economic growth. Then, the characteristics and challenges for Japanese science communication activities are discussed.
著者
小林 麻美 岩永 誠 生和 秀敏
出版者
広島大学
雑誌
Memoirs of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. IV, Science reports : studies of fundamental and environmental sciences (ISSN:13408364)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.21-28, 2002

Previous researches suggest that musical mood and preferences affects on emotional response, and that context of music also affects on musical-dependent memory. We often feel 'nostalgia' when listening to old familiar tunes. Nostalgia is related to eliciting positive emotions, recall of autobiographical memory and positive evaluations for recall contents. The present study aimed to examine effects of musical mood, preference and nostalgia on emotional responses, the amounts of recall of autobiographical memory, and evaluations to contents of them. Participants were 50 undergraduates. They were presented with 4 music pieces that have listened when they were about ten-years-old. All participants listened to all pieces. As the results, the influences of nostalgia elicited greater positive emotion and amounts of recall of autobiographical memory than musical mood and musical preference. Regardless of musical mood and preference, the more feeling nostalgia, the more elicits positive emotion and autobiographical memory recall.
著者
小林 知子 伊藤 友章 三浦 太郎 河島 尚志 坪井 良治 大久保 ゆかり 三島 史朗 織田 順
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.525-529, 2020-08-31 (Released:2020-08-31)
参考文献数
6

目的:東京医科大学病院救命救急センターへ搬送された,アナフィラキシー患者を調べ,特徴を検討した。方法:2011年1月〜2017年3月まで,当院救命救急センターへ搬送された192例を対象とした。発生場所,重症度,治療,原因抗原を調べた。結果:アナフィラキシーの搬送数は,全搬送数の1.69%で年々増加している。自宅外での発症が58%を占め,重症度は中等症が76例(39%),重症が103例(54%)であった。被疑物質は,食物アレルギーが74.5%を占めた。皮膚科で原因抗原が確定した25例では抗原として小麦が一番多く,次にアニサキスアレルギー,甲殻類の順であった。考察:本検討では,アナフィラキシー患者は初発例が多い。再発防止のため,原因抗原の同定と指導が大切である。アナフィラキシーに対する他科との連携が大切である。結論:都心部におけるアナフィラキシー発症動向を検討し,食物アレルギーが多いことがわかった。
著者
嵯峨山 茂樹 川本 真一 下平 博 新田 恒雄 西本 卓也 中村 哲 伊藤 克亘 森島 繁生 四倉 達夫 甲斐 充彦 李晃伸 山下 洋一 小林 隆夫 徳田 恵一 広瀬 啓吉 峯松 信明 山田 篤 伝 康晴 宇津呂 武仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.14, pp.57-64, 2003-02-07
参考文献数
24
被引用文献数
42

筆者らが開発した擬人化音声対話エージェントのツールキット``Galatea''についてその概要を述べる。主要な機能は音声認識、音声合成、顔画像合成であり、これらの機能を統合して、対話制御の下で動作させるものである。研究のプラットフォームとして利用されることを想定してカスタマイズ可能性を重視した結果、顔画像が容易に交換可能で、音声合成が話者適応可能で、対話制御の記述変更が容易で、更にこれらの機能モジュール自体を別のモジュールに差し替えることが容易であり、かつ処理ハードウェアの個数に柔軟に対処できるなどの特徴を持つシステムとなった。この成果はソース公開し、一般に無償使用許諾する予定である。This paper describes the outline of "Galatea," a software toolkit of anthropomorphic spoken dialog agent developed by the authors. Major functions such as speech recognition, speech synthesis and face animation generation are integrated and controlled under a dialog control. To emphasize customizability as the dialog research platform, this system features easily replaceable face, speaker-adaptive speech synthesis, easily modification of dialog control script, exchangeable function modules, and multi-processor capability. This toolkit is to be released shortly to prospective users with an open-source and license-free policy.