著者
武本 真治 春山 亜貴子 松本 倫彦 服部 雅之 吉成 正雄 河田 英司 小田 豊
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
日本歯科理工学会誌 (ISSN:18844421)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.41-46, 2011-01-25 (Released:2017-05-08)
参考文献数
16

次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を含有した根管清掃剤で処理した牛歯歯冠象牙質への4-META/MMA-TBB系レジンセメントの接着強さに及ぼす還元剤処理の影響を検討した.根管清掃剤で処理した牛歯歯冠象牙質の接着強さは,根管清掃剤の処理時間が長くなるにしたがって低下した.一方で,根管清掃剤処理後に還元剤を応用するとその接着強さは,根管清掃剤で処理していない牛歯歯冠象牙質の接着強さと同等であることが明らかとなった.また,エッチングと還元剤での処理の順序は接着強さに影響しないことが明らかになった.さらに,根管清掃剤で処理することにより,レジンタグの伸長が抑制されるものの,還元剤を応用するとレジンタグの伸長が抑制されないことが明らかになった.
著者
大薮 泰 寺田 幹雄 阿蘇 雄 小田 圭昭
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.729-734, 1995-12-20
参考文献数
8
被引用文献数
2 4

漆をモデルとした酵素反応形塗料の開発において, ラッカーゼとウルシオール類似物をエマルション化するたあの第3成分として, 4種の化工でんぷんを選んだ。<BR>これらの化工でんぷんを使い, ヒイロタケの培養液より生産したラッカーゼと4- {9' (Z), 12' (Z) -オクタデカジエニル} カテコールをエマルション化して, 20℃80%RHにて24時間乾燥させた。これらの膜に対して乾燥時間, 動的粘弾性, 光沢, 透過色を測定した。<BR>主な結果は次のようである。<BR>1) 化工でんぷんによるエマルション化は充分であった。<BR>2) 化工でんぷんのリン酸基やカルバモイル基は初期の硬化に影響し, これらの基が増加するにともない乾燥時間が短くなった。<BR>3) これらの膜は一般的な漆膜と同じような理想的な粘弾性を示し, 漆膜に比べ高光沢でやや黄色みを帯びていた。<BR>以上の結果から, 天然漆の成分を含まない酵素反応形塗料を開発することができた。
著者
小田 隆弘 磯野 利昭 中川 英子
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.180-185, 1983

1981年8月28日から30日まで韓国 (釜山) を旅行した福岡市内一民間会社職員27名のうち16名 (発症率59.3%) が在韓中の8月29日昼すぎから帰国後の9月1日朝にかけて, 下痢 (93.8%), 腹痛 (87.5%), 脱力感 (68.8%), 頭痛 (62.5%), 発熱 (37.5%), 吐気 (12.5%), 嘔吐, 悪感 (各6.3%) を訴える集団下痢症例が発生した.下痢は水様ないしは粘液便, 回数は最高10回, 平均4.5回で, 発熱は最高38.5℃, 入院を含めた臥床者が7名いたが死亡者はなく, 経過は良好で数日後に全員回復した. 患者の発生は31日をピークとする一峰性を示した. 在韓中の食事または飲料水が疑われたが感染源の推定はできなかった.<BR>細菌学的検査の結果, 患者13名中10名の便より毒素原性大腸菌 (ST<SUP>+</SUP>LT<SUP>-</SUP>) が検出され, 血清型別により, 034: H10と型別不能の2種の毒素原性大腸菌による複合感染事例である事が判明した.
著者
江草 智弘 佐藤 貴紀 小田 智基 鈴木 雅一 内山 佳美
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

森林小流域においては、地下水が流域界を越えて移動し、流量・水質形成に大きな影響を及ぼす。既存の地下水移動量を求める研究の多くは年水・物質収支を用いており、年より短い期間の移動量を求めた研究は少ない。短期水収支法は、「流量が同程度の2時点では、流域内の水貯留量の差は無視できる」と仮定する。その結果、2時点間の損失量(蒸発散量と地下水移動量の和)は期間降水量-期間流量によって算出される。本研究の目的は、短期水収支法を用い、年より短い期間の地下水移動量を明らかにすることである。我々は神奈川県丹沢山地に位置する大洞沢流域(NO1; 48ha, NO3; 7ha, NO4; 5ha)を対象とした。2010-14の5年間、降水量・流量の観測を行い、短期水収支法を適用した。今までの研究により、NO1では年間の地下水移動量が小さいことがわかっている。従って、我々はNO1の損失量は蒸発散量を表すと仮定し、NO3, 4の損失量からその値を減じ、地下水移動量を算出した。夏季を中心に、NO3では地下水が流域外に流出しており、NO4では逆に流入していた。いずれの流域でも期間降水量と地下水移動量に相関があり、降雨に伴う地下水位の上昇による地下水流入量の決定が示唆された。
著者
只隈 章浩 幸福 辰己 滝川 清 横手 敏弘 奥村 靖浩 小田 勝也 小堀 達
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_491-I_496, 2015

国土交通省九州地方整備局では,調査観測兼清掃船「海輝」「海煌」を用いて,有明海・八代海の海域環境特性の把握を目的として,水塊構造調査並びに底質・底生生物調査を実施している.2004-2013年度の10ヶ年分の調査結果を整理した結果,八代海では球磨川河口前面海域よりも湾奥の海域の方が表層-下層間の密度差が大きいことが確認された.また,八代海において,底質と底生生物群集のクラスター解析により,それぞれ4つのグループに分類されるが,さらに,これらの組み合わせにより9つのグループに細分類され,複雑な環境特性を持つ海域であることが明らかになった.
著者
小田切 岳士 森 浩平 田中 敦士
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-76, 2017

「教職員のための障害学生修学支援ガイド」(日本学生支援機構,2015)では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受入れ姿勢・方針を示すことが重要とされている。希望を申し出にくい消極的な環境を放置したまま、ただ本人からの支援申請を待つことは、合理的配慮の不提供につながるといっても過言ではない(松田,2016)が、現在それぞれの国公立大学において障害学生支援規程等の方針がどの程度公表されているかといった状況はこれまでに明らかとされていない。そこで本研究では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生が比較的情報を入手しやすいと考えられる、ホームページ上での公開状況や公開内容について閲覧・調査を行った。その結果、国立大学88大学のうち、障害学生支援に関する基本方針を大学ホームページ上に公開していた大学数は24校(27.3%)に留まった。また、内容については「目的」、「定義」、「機会の確保」等の20カテゴリに分類された。
著者
森 浩平 陳 麗婷 小田切 岳士 橋本 実夕 田中 敦士
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-37, 2017

現在の聴覚障害教育は、医療の発展を背景に障害の重度・多様化が進み、幼児児童生徒の実態も大きく変化している。また、聾学校に勤務する教員としての役割に加え、小・中学校等の教員への支援や通常学級等に在籍する幼児児童生徒に対する指導・支援といったセンター的機能も果たさなければならず、研修や研究等による幅広く高い専門性の習得が求められている。そこで本研究は、A県内の聾学校教員に質問紙調査を行い、聴覚障害教育に関する専門性の実態を明らかにし、今後必要な教育や研修等のあり方について検討することを目的とした。今回の調査により、聴覚障害教育に関する専門性について、年齢や経験で身につくだけではなく、免許保有の有無が興味・関心や能力特性の把握、理解力に即した指導等の専門性に関連があることが示唆された。
著者
小田切 岳士 森 浩平 田中 敦士
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-76, 2017 (Released:2018-02-13)
参考文献数
9

「教職員のための障害学生修学支援ガイド」(日本学生支援機構,2015)では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受入れ姿勢・方針を示すことが重要とされている。希望を申し出にくい消極的な環境を放置したまま、ただ本人からの支援申請を待つことは、合理的配慮の不提供につながるといっても過言ではない(松田,2016)が、現在それぞれの国公立大学において障害学生支援規程等の方針がどの程度公表されているかといった状況はこれまでに明らかとされていない。そこで本研究では、障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生が比較的情報を入手しやすいと考えられる、ホームページ上での公開状況や公開内容について閲覧・調査を行った。その結果、国立大学88大学のうち、障害学生支援に関する基本方針を大学ホームページ上に公開していた大学数は24校(27.3%)に留まった。また、内容については「目的」、「定義」、「機会の確保」等の20カテゴリに分類された。
著者
大橋 宏重 小田 寛 大野 道也 渡辺 佐知朗 琴尾 泰典 松野 由紀彦 平野 高弘 石黒 源之 大熊 俊男 伊藤 裕康 澤田 重樹 荒木 肇 横山 仁美
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.1017-1023, 1998-06-28
参考文献数
24
被引用文献数
2

冠動脈疾患 (CAD) などの心血管系合併症の発症頻度が維持血液透析 (HD) 患者で高いことが問題になっている. HD患者の脂質代謝異常が動脈硬化の発症, 進展に大きな役割を演じていることが報告され, 高中性脂肪 (TG) 血症と低HDL-コレステロール (HDL-C) 血症がその特徴と考えられている. 近年, リポプロテイン (a) (Lp(a)) の上昇しているHD患者の多いことが報告されるようになり, 心血管系合併症, なかでもCADとの関連が注目されるようになった. 今回, 我々は5年間経過を観察し, HD患者のLp (a) が心血管系合併症, なかでもCADの独立した危険因子となるか, 検討した.<br>5年間でHD患者268名 (慢性腎炎: CGN212名, 糖尿病性腎症: DN56名) のうち70名が死亡した. 内訳は心血管系合併症, 悪性腫瘍, 感染症の順であった. 心血管系合併症による死亡例は脳血管障害 (CVD) 26名, CAD22名, 胸部大動脈瘤破裂1名の計49名であった. 心血管系合併症で死亡した症例は, 非心血管系合併症で死亡した症例に比較して, Lp (a) が有意に上昇していた. また心血管系合併症のうちCVDに比較してCADでLp (a) はさらに上昇していた.<br>しかしながら, Lp (a) 30mg/d<i>l</i>以上の症例は未満の症例に比較して生存率が低いという結果は得られなかった.<br>CADで死亡した症例はLp (a) のオッズ比4.13 (95%信頼区間1.25-15.0), 相対危険度0.71で, HD患者でLp (a) はCADの独立した危険因子となることが示唆された.<br>以上より5年間の経過観察から, 心血管系合併症で死亡したHD患者のLp (a) は上昇しており, Lp (a) はCADの独立した危険因子となる可能性が高い.
著者
小田 良弼
出版者
中央図書出版社
雑誌
国語国文 (ISSN:09107509)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.p33-47, 1992-06
著者
小田 ひで次
出版者
文星芸術大学
雑誌
文星紀要
巻号頁・発行日
vol.15, 2003
著者
小田 満
出版者
税務経理協会
雑誌
税経通信
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.122-138, 2018-02
著者
塩尻 容子 黒崎 勇二 川崎 博巳 柳澤 一恵 荒木 博陽 五味田 裕 小田 慈 竹田 芳弘 平木 祥夫
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.677-682, 1998-12-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

Improving the patient's QOL is an important matter for guaranteeing proper pharmacotherapy. Lugol's solution (LS, iodine content: I2 3.4%, KI 6.6%) for internal use is a useful drug for the inhibition of radioiodine uptake to the thyroid gland. However, it is difficult for patients, especially children to take this agent or ally due to its unpleasant taste, terrible smell, and peculiar color. The present study was conducted to improve both the taste and the smell of LS, by using soft drinks containing ascorbic acid. Iodine (I2) molecules in LS are reduced to iodide (F) by ascorbic acid, and the peculiar color of LS thus vanished. The amount of L (+)-ascorbic acid (VC) required to remove the color was in good agreement with the rational value. The improvement in the taste, smell, stimulation on the tongue, and the overall ease in taking the following four LS preparations, i.e., the control LS (LS-I), added by Simple Syrup solution (LS-II), by VC solution (LS-III), and by POCARISWEAT® (LS-IV), were then evaluated in the ten healthy adult volunteers. LS-II, -III and -IV, significantly improved all the elements compared with LSI, and eight volunteers selected LS-IV as the easiest preparation. The inhibitory effect of LS-IV to the radioiodine uptake to the thyroid gland was also confirmed in a patient with neuroblastoma based on a clinical diagnosis using 131I-metaiodobenzyl-guanidine scintigraphy. These results suggest that the medication method for taking LS with soft drinks containing VC improves the compliance and QOL of these patients.
著者
小田切進著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1984