著者
高橋 知里 山岸 俊男 橋本 博文
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.113-120, 2009-11-30 (Released:2017-02-20)

We tested a hypothesis that responses to the Singelis' (1994) interdependent self scale would be enhanced after being exposed to an "exclusion game" -a social dilemma game with an option for excluding uncooperative members. Thirty-nine participants were assigned to one of two conditions. In the self-presentation condition, participants were told that their responses to the interdependence scale would be revealed to other participants after the experiment. In the control condition, participants were assured that their responses would be anonymous. The average interdependence score increased after experiencing the exclusion game in the self-presentation condition, and decreased in the control condition. These findings show that people come to present themselves to others as being more interdependent after being exposed to a social situation in which they face a threat of rejection from their peers.
著者
平井 潤 山岸 由佳 三鴨 廣繁
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.2657-2665, 2014-11-10 (Released:2015-11-10)
参考文献数
20

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)はカルバペネム系抗菌薬に耐性を獲得した腸内細菌科細菌の総称で,ヒトの腸管に生息する腸内細菌が耐性を持つという点が重要である.ほとんどの耐性遺伝子がプラスミド伝播性であるため,他の細菌や種を超えて薬剤耐性が伝播する可能性があり,治療には多剤耐性菌用の薬剤であるチゲサイクリンやコリスチンの使用が必要な症例もある.現時点では本邦での検出頻度は低いが,アウトブレイク事例も認めるため,今後の動向には注意する.
著者
山岸 祐己 斉藤 和巳
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MUS-96, no.2, pp.1-6, 2012-08-02

動画共有サービスに投稿されている楽曲動画の評価法を提案する.一般に,楽曲動画は再生数等の絶対数の推移を用いてランキングされるため,上位にランクインするのは楽曲動画集合のうちの僅かな上澄みであることが多い.これに対し,動画情報に統計的な正規化を施してランキングを行うことにより,全ての楽曲動画を平等な評価基準にかけることを試みる.さらに,動画に対して外的に与えられた情報のみで動画同士の歪み距離を計算し,類似した楽曲動画を探索する手法も提案する.提案法は,いずれも動画共有サービスの特性を上手く利用していることを示す.
著者
山岸 智子
出版者
明治大学国際交流センター
雑誌
国際交流基金事業報告書
巻号頁・発行日
vol.2000, no.6, pp.28-30, 2000-06-15

2000年1月10日から20日まで、1999年度国際交流基金アポイントメント・プログラムで招請したロバート・グリーヴ氏について報告いたします。 グリーヴ氏は英国生まれで、1995年にマンチェスター大学からイスラーム学の博士号を授与された新進気鋭の中東研究者です。現在はブリストル大学の神学・宗教学部で講師として教鞭をとっています。 グリーヴ氏はまず(イギリスの)ヨーク大学政治学部でイラン・イスラーム革命を支えたアリー・シャリアティーの思想を研究しました。その後、英国における中東研究機関としては最高の評価を受けているマンチェスター大学大学院中東研究科に進学し、イスラーム法学について専門性の高い学識を身にっけられました。
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.41-50, 2000-03-29

本研究の目的は,内的作業モデル尺度の構造を明らかにするために,対人的関係性(親密性,依存性,援助の拒否)や自己への信頼感(無力感,孤独感,適応感)との関係を検討することと,縦断的データによってそれらの変数の変化を検討することである。被験者は95名の看護短大生で,1年時の4月,6月,3年時の4月,9月の4時点で同一の質問紙調査に答えてもらった。主な結果は次の通り。1.因子分析の結果,アンビバレントは対人的不安と一般的な自信のなさの2つに分かれ,回避は自力志向と情緒的関係の回避の2つに分かれた。それぞれの2要因間の相関は弱く,また対人的関係性や自己への信頼感との相関関係も異なる部分が見られた。これらのことはアンビバレントと回避の尺度は1つの要因ではなく,異なった複数の要因から成っていることを示している。2.時期による得点の違いに関しては,対人的不安とIWMの安定性,親密性が有意だった。対人的不安は学年の進行と共に減少する傾向が見られ,安定性は2ケ月半の病院実習の後で増えていた。4時期間の相関は2年半の間隔の場合も含めて比較的高く,これらの変数に関して大きな変動は少ないことが示された。
著者
佐々木 結花 山岸 文雄 鈴木 公典 宮澤 裕 杉戸 一寿 河端 美則
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.1065-1069, 1993-12-20
被引用文献数
3

肺転移にて発見された後腹膜原発絨毛癌の一例を経験したので報告する.症例は24歳男性.主訴は血痰で, 精査目的にて当院に入院した.胸部エックス線所見上, 両側肺野に多発した結節影および両側胸水を認めた.外性器に異常所見は認められなかった.腹部CT写真にて後腹膜に腫瘤を認め, 泌尿器科にて腎腫瘍が疑われたが, 検査拒否にて組織型を決定できず, 呼吸状態が急激に増悪し, 呼吸不全にて死亡した.剖検にて, 両側肺を多発した腫瘤がしめ, また, 後腹膜に腫瘤が存在し, その一部は下大静脈壁内腔に浸潤していた.同腫瘤, 肺転移巣の両者の病理組織より, 絨毛癌の診断が得られ, 免疫組織学的検索で胞体がhCG陽性であることが確認された.生殖器には原発巣は認めず, 後腹膜原発絨毛癌と考えられ, きわめて稀な症例と考えられ報告した.
著者
山岸 祐己 斉藤 和巳 大久保 誠也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

レビュー時系列データからの分割統治による変化点検出法を提案する。本研究では、国内の代表的なオンラインレビューサイト「食べログ」のレビュー時系列データを用いて、提案手法の有効性を検証すると共に、詳細な分析によって、レビューサイトにおけるユーザーの評点行動の特性を明らかにする。
著者
山岸 健
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.131-197, 1963-01

1. 序2. 奈良県にみられる諸流派3. 流派の分裂,合併,創立/鵤御流の系譜4. 法隆寺と鵤御流5. 結語The Ikaruga School is one of the schools of flower arrangement, "Ike-bana" and tea ceremony, "Cha-no-yu" in Japan. This School is connected with Horyuji Temple which is the headquarters of the Shotoku sect of Buddhism. The Temple consists of two groups of buildings, that is to say, the Sai-in (West group) and the To-in (East group). It is generally believed that the Sai-in which was called Ikaruga-Dera originally was established in the Asuka Period (in 607 A.D.) by the Crown Prince Shotoku-Taishi. "Ikaruga" is the name of the district, where the Temple stands. In this paper, I try to investigate the structure and form of the "Iemoto" System analyzing the Ikaruga School and many other schools. I think the "Iemoto" System may be divided into two parts, namely, the varied and multiform relationships into which men necessarily enter in the course of arranging flowers or tea ceremony, and the norms or standards governing behavior. This study serves to focus our attention upon a way of life, a group, and a social organization or social structure in Japan. The Japanese flower arrangement had its primitive beginnings in the age when Buddhism was imported into Japan from China. Since then, Buddhism has contributed a great deal to enhance Japanese culture, not only in the field of religion but also of Japanese art, for example, architecture, sculpture, and so on. It was one of the customs of Japanese to place flowers as a offering to Buddha in the temple. Therefore the purpose of flower arrangement was originally to decorate the Buddhist altar with flowers. Of many arts peculiar to Japan, flower arrangement and tea ceremony are especially familiar to us In daily life. A knowledge of flower arrangement is considered so important to women that even busy peoples take the time to practice arranging flowers after their business hours. Tea ceremony today is practiced by women and men, and especially by young girls. The present head master of the Ikaruga School is Kyoichi Saeki. Exhibitions of flower arrangement put on by this School are held on festival days of Horyuji Temple. A set of traditional rules is maintained by the members of this School in arranging flowers. Though this School is supported by Horyuji Temple, it is important for us to notice the mutual aid between this Temple and the Ikaruga School.
著者
青山 慎 山岸 隼 三宅 仁
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.Supplement, pp.S393-S395, 2015 (Released:2016-06-18)

The stress is classified roughly into the distress and the eustress. The method for distress reduction is to receive counseling. However more convenient stress evaluation system is needed. We focused on onomatopoeias. Relevance of them and stress was investigated. The first purpose of this study was to develop of simple evaluation system using onomatopoeias. The second was to evaluate the system and usefulness of onomatopoeias. Ten male subjects were participated in the experiment using the system for two weeks. After that, they answered the system evaluation test of 34 items in 5-stages. As the result, the average was 3.94. Therefore, the system evaluated as a high rate. However, the average of one evaluation item, "This system leads to distress reduction", was 2.8. This means that the system could not reduce subjects' distress. Thus, the system needs a more clear feedback that those users are in the distress state.
著者
高安 肇 山岸 純子 大谷 祐之 石丸 由紀 池田 均
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.6-10, 2006
被引用文献数
2

【目的】小児の予定小手術に際し実施すべき術前検査に関する一定の基準は示されておらず, 検査の内容は施設ごとに相違がある.今回, 小児の予定小手術における術前ルーチン検査の有用性および必要性について検討を行った.【対象と方法】全身麻酔下の予定小手術を目的に入院した1,005例の1,069回の入院を対象に, ルーチンに実施された術前検査の異常の有無と, 手術の中止(延期)ならびに周術期合併症に関し後方視的に検討した.【結果】入院後の手術中止は33回(33例)(3.1%)で, その理由は感冒症状が29例, 乳児肝炎, 鉄欠乏性貧血が各1例, 社会的理由が2例であった.乳児肝炎と鉄欠乏性貧血の症例は術前検査でそれぞれトランスアミナーゼの高値と貧血を指摘され手術が中止された.CRPの高値10例も手術が中止になったが, 全例感冒症状をともなっており, CRPのみを理由に中止された症例はなかった.尿検査, 胸部X線および心電図の異常により手術が中止された症例は認めなかった.周術期の合併症として高血圧を1例に認めたが, その他, 術前検査やその異常に関連する合併症は認めなかった.【結論】小児予定小手術の術前ルーチン検査の有用性を積極的に支持する根拠は乏しく, 問診, 理学所見とその結果, 必要な検査で術前評価を行っても安全に麻酔, 手術を実施し得る可能性が示唆された.特に尿検査, 心電図は手術の可否の判断を目的としたルーチン検査としては不要で, 血液検査も血算, 肝機能, 感染症のチェックなどに限定し得ると考えられた.

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著者
山岸荷葉 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1906
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.44-53, 1992-03-25
被引用文献数
1

学業-職業志向が異なる女子青年においては,性役割に関する自己認知の様相が異なるだろうという仮説のもとに,性役割と関連する特性について看護学生と社会科学専攻の女子大生を比較検討した。その結果次のことが示された。1)理想自己については,看護学生の方が女性性に該当する特性をもちたいとしていた。2)現実の自己に関しては両群間にほとんど差はなかった。しかし3)自己を認知する時の中心的な軸,及び4)自我同一性と性役割特性との関連の仕方において相違が見られた。社会科学系専攻の女子大生においては,外界に積極的能動的にかかわり一人でやっていく力-男性性-をもつかどうかが,自己認知の中心的な枠組みで,個の力をもつ者は全体的に好ましい特性をもつし,「確かな自分」をもつこととの関連も非常に強かった。それに対し看護学生においては,共同性や関係性-女性性-の方が自己認知の枠組みとして重要であり,他者とのかかわりに関する肯定的な特性をもつことが,個の力をもつことと同様に「自分の確かさ」と関連することが示された。
著者
岩橋 純子 山岸 宏光 神谷 泉 佐藤 浩
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 : 地すべり = Journal of the Japan Landslide Society : landslides (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-12, 2008-05-25
参考文献数
39
被引用文献数
7 8

2004年 (平成16年) 7月の新潟豪雨および10月の新潟県中越地震によって, 傾斜5度以上の丘陵地・山地に相当する中新世~更新世堆積岩類の斜面で起きた崩壊について, 25mグリッドのレベルで, 傾斜, 雨量, 最大加速度, 地質, 曲率, 地質構造, 斜面方位のGISデータを用いて判別分析を行った。判別分析によって, 各パラメータの崩壊に対する寄与を評価した。その結果, 傾斜は重要なファクターであるが, 豪雨による斜面崩壊では, 傾斜以上に日雨量の寄与が大きいこと, 西山階泥岩優勢タービダイト層と魚沼層では豪雨と地震に於ける崩れやすさが異なっていたこと, 曲率の寄与は豪雨で大きいこと, 地質と地質構造の寄与は地震で起きた大崩壊の場合大きいこと, 斜面方位の寄与には地域差があることなどが分かった。