著者
渡部 美香 山岸 弘 内藤 厚志 安江 良司
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016)
巻号頁・発行日
pp.250, 2016 (Released:2016-08-04)

目的 生活者が浴室内でカビを見つけたことがある箇所に,「壁」,「ドアや窓のゴムパッキン」と同様に,「洗面器やシャンプー等の小物」が挙げられており,生活者は浴室内小物のカビが気になっていることが判ってきた.本研究では,浴室内小物のカビ汚染及び掃除実態を明らかにし,簡便に効率よく行えるカビ対策法提案を目的とする.方法 掃除実態は,月に1回以上自分で家庭内の掃除をしている首都圏の30~59歳既婚女性450名を対象にWEB調査を実施した.カビ汚染実態は,首都圏の11家庭を対象に浴室内小物のカビ生菌数を測定した.結果 生活者の68%は1年間に浴室内小物にカビを見つけたことがあるが,その37%はカビを見つけても掃除をせず放置していることが判った.一方,浴室内小物にカビを見つけたことのある生活者の63%はカビ取り掃除をしているが,その49%は塩素系カビ取り剤を使用せず浴室用洗剤等で掃除をしていた.以上の結果から,浴室内小物はカビ汚染されている可能性が高いと仮説を立て,一般家庭の浴室内小物のカビ汚染実態を調査した.その結果,カビは11家庭中4家庭の洗面器から検出され,最大で数万CFU/cm2,イスにおいては7家庭から検出され,最大で数百万CFU/cm2存在しており,多くの家庭の浴室内小物がカビ汚染されていた.本報告では,さらに浴室内小物も含め浴室内隅々まで簡便に効率よくカビ除菌ができるカビ対策の提案について報告する.
著者
山岸 健
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.97, pp.p89-120, 1994-07

In a sense landscape is a proper spectacle of outer world, but it is also a state of mind. We are always involved in landscape-world as well as social world. All people are living in the midst of various landscape-world. Provence in southern France is not only a proper geographical space but also a unique cosmos which is ordered by several rivers, mountains, hills, fields, and la mer Mediterranee. Provence may be called as a unique historical cultural social world and also as a local landscape-world. We can understand Provence as a stage of people's life-long experiences or a everyday life-world. I think identity is in our everyday world-experiences: social experiences, spiritual experiences, and landscape-experiences. Although we can experience some aspects of Provence in every places or corners of this country, also we can find several proper aspects or phases of this Provence in many paintings or works by Cezanne or van Gogh. Provence may be in poems by Rene Char or phrases by Alphonse Daudet. Plaine de la Camargue is in a novel titled Malicroix written by Henri Bosco. Provence may emerge in various perspectives and lived experiences of people or travellers.
著者
山岸 勝榮
出版者
明海大学
巻号頁・発行日
2004

博士論文
著者
松本 慎平 加島 智子 山岸 秀一
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育 (ISSN:24343463)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.31-40, 2020 (Released:2020-05-01)
参考文献数
34

プログラミング教育に関するいくつかの論文では,プログラミング学習後の理解度はプログラミング学習以前の何らかの適性によって決定付けられると述べている.そこで本論文では,プログラミングの適性をその学習以前に行われるプログラミングゲームの理解度で定義し,それとプログラミング学習後の理解度との関係を調査することを目的とする.すなわち,プログラミング学習前に動機付けの目的で利用されたプログラミングゲームの理解度の状況を個々のみならず全体の傾向も含め事前状態として把握するばかりでなく,事前状態と事後状態であるプログラミング学習後の成績とを対応付けて分析することを課題とする.本論文では,事前状態を把握するためのプログラミングゲームとしてアルゴリズム思考の体験を目的とした「アルゴロジック」を利用した.アルゴロジックは,プレイヤが予め設定した命令ブロックでロボットを自動的に動作させ間接的に問題解決を行わせるプログラミング未経験者向けのパズルゲームである.本論文では,学習者がプログラミングの学習を始める前にアルゴロジックを用いた演習を行い,演習後その理解度を確かめるためのアルゴロジックテストを実施した.学習者は,アルゴロジックテストの後,プログラミングの基本を約10か月間かけて学習し,プログラミング学習の理解度を都度テストで確認した.本論文では,これらテストの結果をアルゴロジックテストの得点と関連付けて分析した.分析の結果,アルゴロジックテストの結果とプログラミングの理解度との間には正の関係が示唆された.
著者
山岸 宏 中村 譲 和田 芳武 沖野 外輝夫 中本 信忠
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.48-58, 1966
被引用文献数
2

わが国の4つの温泉地(蓮台寺, 浅間, 戸倉・上山田, 内郷)において, 温泉廃水を含む水体中に南米原産の胎生魚, グッピーが野生化し, 自然繁殖を続けていることを確認し, 主に戸倉・上山田および蓮台寺でグッピー個体群とその環境についての調査を行つた.グッピーは冬季には温泉廃水の混入する場所のみに生息する.これらの場所の水温は20℃前後に維持されている.戸倉・上山田温泉のこのような場所の一つで, グッピーは冬の終りには非常な高密度に達していた.しかし夏になるとグッピーは温泉の影響の少い農業用水, 水田, 川の岸辺の浅水部などへ広く分散する.この時期には越冬場所の個体数は著るしく減少した.これらのグッピーは下水の混入する汚濁のかなり強いところにも生息しうる.しかし耐寒性はない.グッピーの生長は非常に早く, 産子間隔も短いので, 急速に個体数が増加する.このような性質と強い雑食性によつて, 水田その他の水たまりの蚊幼虫の駆除にグッピーを利用することができる.調査した2つの温泉地の水田にはシナハマダラカとコガタアカイエカの幼虫が極めて少なかつた.
著者
北村 明彦 木山 昌彦 野藤 悠 山岸 良匡 横山 友里 谷口 優 清野 諭 新開 省二 西 真理子 村木 功 阿部 巧 山下 真里 陣内 裕成
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

地域住民の疫学研究により、生活因子(身体活動、食事、喫煙、飲酒、精神的ストレス等)、医学的因子(脳卒中、心疾患、動脈硬化、メタボリックシンドローム等の生活習慣病、及び低栄養、サルコペニア、認知機能低下、うつ等の老年症候群)、社会的因子(社会参加、近隣・地域との交流、ソーシャルサポート等)がフレイルの発症に及ぼす影響を中年後期、前期高齢期、後期高齢期の年齢層別に明らかにする。
著者
山岸 弘
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.73-79, 2019 (Released:2019-04-01)
参考文献数
19

私たちが生活する住宅内には様々な微生物が存在することが知られている。近年の衛生意識の向上に伴い, 住宅内の水周りである浴室やトイレにおいて, 生活者が気にする汚れは石鹸カス, 皮脂, 水垢, 尿石などだけではなく, カビやヌメリ, 雑菌, さらにはニオイにまで及んでいる。浴室の代表的な微生物汚染は床や壁に生える黒いカビや排水口に発生するピンク色のヌメリなど, 視覚的に認識されるものが多く, 生活者の不快感につながっている。本報では一般家庭の浴室における主要汚染カビやピンクヌメリ原因菌を明らかにし, カビ汚染の特徴や汚染のメカニズム, 温度湿度や汚れ成分が微生物の生育に及ぼす影響について解説すると共に, 日常の微生物対策, さらにはカビの汚染源に対処できる簡便且つ効果的なカビ対策を紹介する。一方, トイレには飛び散った尿に起因する微生物汚染やニオイ, ホコリといった様々な汚れが存在する。近年, 尿の飛び散りに対しては注目度が高く, 家庭での男性の小用スタイルの変化にも表れている。本報では尿の飛び散りや微生物汚染の実態, 微生物とニオイの関係について解説し, 併せて効果的な微生物対策について紹介する。
著者
佐藤 れえ子 山岸 浩之 内藤 善久 村上 大蔵 大島 寛一 高木 久 藤田 茂 佐々木 重荘
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.577-581, 1993-07-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
14
被引用文献数
6 11

1990年5~7月. キャットフードによるビタミンD中毒が疑われた猫4頭について, 血中ビタミンD代謝産物濃度とキャットフード中のビタミンD含有量を測定し, 石灰沈着との因果関係を追究した. また, 4頭の実験猫を用いてそのキャットフードによる給与試験を実施した. 全症例は同一市販キャットフードを主体に飼育され, 症例1と2は尿毒症に陥っていた. 血漿Ca濃度は症例1の初診時を除き全症例で11mg/dl以上を, また25 (OH) D濃度は100ng/ml以上を呈した. 死亡例では全身性の石灰沈着が著明に認められ, 上皮小体の萎縮が観察された. いっぽう, キャットフード中のビタミンD含有量は5, 290IU/100gと異常な高値を示し, キャットフードの給与試験では給与開始後血漿25 (OH) D濃度は著しく上昇しCa濃度も増加した.
著者
西内 崇将 奥谷 雄一 山岸 善文 藤田 俊和 清水 輝記 清水 寛
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.369-377, 2012 (Released:2013-07-19)
参考文献数
32

症例は84歳の女性で,横行結腸と肝臓へ直接浸潤した切除不能進行胆道癌である。本例はgemcitabine(GEM)単剤による化学療法を施行した。同時に東洋医学的所見として気血両虚の状態であったため,十全大補湯を化学療法開始の段階から併用した。その結果,3コース後の腹部造影CT/腹部エコーでは完全寛解(CR)と言える著明な腫瘍縮小効果を認めた。切除不能胆道癌に対する化学療法として腫瘍の消失にまで至ることは極めて稀であり,これまでに同様の報告はない。ここに文献的考察を加えて報告する。
著者
石綿 良三 根本 光正 山岸 陽一 萩野 直人
出版者
神奈川工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

流体力学は重要な学問の一つであるが、関連する現象は一般の予想に反するような動きをしたり驚くような現象も多く、科学入門書やテレビ番組などで取り上げられることが多い。しかし、多くの原理の説明は間違っている。本研究では誤情報の拡散メカニズムの解明とその拡散防止を目的とした。科学入門書と物理学教科書を中心に調査し、調査書籍は600冊、1005項目であり、原理を誤認識している項目は248項目(24.7%)であった。著者が他書を鵜呑みにして確認を怠っていることが最大の原因と考えるが、他にも多く原因がある。誤認識の拡散を防止するためには、個人ではなく学会などの専門家集団による組織的な活動が有効である。
著者
田中 勲 小林 麻子 冨田 桂 竹内 善信 山岸 真澄 矢野 昌裕 佐々木 卓治 堀内 久満
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 = Breeding research (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.39-47, 2006-06-01
参考文献数
31
被引用文献数
18

イネ日本型品種コシヒカリとアキヒカリの交雑F<sub>1</sub>の葯培養に由来する半数体倍加系統群を用いて,食味に関与する量的形質遺伝子座(quantitative trait loci: QTLs)の検出を試みた.食味は食味官能試験による「外観」と「粘り」,アミロース含量およびビーカー法による炊飯光沢によって評価した.その結果,第2染色体のDNAマーカーC370近傍,OPAJ13および第6染色体のR2171近傍に,コシヒカリの対立遺伝子が食味官能試験の「粘り」を増加させるQTLが検出された.また,第2染色体のOPAJ13近傍にコシヒカリの対立遺伝子がアミロース含量を低下させるQTL,第2染色体のC1137近傍にコシヒカリの対立遺伝子が炊飯光沢を増加させるQTLが検出され,「粘り」を増加させるQTLとの関連が示唆された.以上の結果から,コシヒカリの良食味には,第2染色体に見いだされる一連のQTLが大きく影響していると推察された.<br>
著者
浅間 英樹 赤林 伸一 山岸 明浩 坂口 淳 渋谷 典宏 石山 洋平
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.47, pp.196-199, 2004-07-17

本報では,前報に引き続き北陸地域における住宅の用途別エネルギー消費量の調査結果から,各種家電機器のエネルギー消費量の検討結果について報告する。照明機器は,夏季に比べ冬季は使用時間が長く,また電力消費量も多い。厨房機器は使用時のピークファクターが高い。冷蔵庫の電力消費量と室温には高い正の相関が見られる。娯楽情報機器は使用時に安定した電力消費量を示す。家事衛生機器も使用時のピークファクターが高い。また,温水便座の電力消費量と水温には高い負の相関が見られる。
著者
鈴木 直人 金野 祐介 山岸 俊男
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.17-24, 2007-04-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
23
被引用文献数
8 9

The purpose of this study is to show that expectations of generalized reciprocity within one's own group are responsible for in-group trust. To test this hypothesis, an allocator choice game in the minimal group situation was used. We assigned the role of a recipient in a dictator game to all 81 subjects, and measured whether they chose to be a recipient of either an in-group or an out-group “allocator” who freely allocate a fixed reward between him/her and a recipient. The results indicate that in-group trust occurs only in the condition in which recipients know that allocators make a reward allocation knowing the group membership of their recipient; recipients show no preference for either an in-group or an out-group allocator when allocators make the decision without knowing the group membership of their recipient. It is thus shown that participants' in-group trust is derived from the general belief that people treat in-group members more favorably than out-group members—a belief about generalized reciprocity within groups.
著者
橋本 正史 山岸 豊
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.119-136, 2004-05-10 (Released:2011-12-05)
参考文献数
55

多環芳香族炭化水素 (PAH) の毒性は, ダイオキシンと同様にアリルハイドロカーボンリセプター (AhR) を介して起きることがよく知られているが, このメカニズムを中心に, 発がんに関連する生物学的反応と両物質のこの反応に対する関与の態様について概説した。その上で, PAH混合物の健康リスクを評価する手法について, これまでのアプローチを概括した。その中で, すでにダイオキシン類で採用されている方法である個別のPAHの毒性を積算して評価する手法 (Relative Potency Factor Approach) について概説し, 併せて著者らが開発した発がんメカニズムに基づいた健康リスク評価手法 (誘導変異原性法) について詳述した。