著者
服部 寄生 鈴木 雅之 荒川 俊介 阿部 一尋 山岸 義廣
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.442, pp.37-45, 1992-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

We studied multifamily housing type with common inner court among recently developed residential Blocks (1976〜1990) in Urban Districts of Western Countries, mainly Germany. Research materials were picked up and arranged in the articles about residential blocks published mostly in architectural periodicals of Europe. Valid samples are 18 cases locating in Germany, France and so on. Main points are as follows ; 1) Main function of the housing is to give the comfortable living environment in urban districts. 2) The common court is designed to be private as well as public space. The court as private garden is safe for children's play and noiseless for family life. 3) The housing block is mostly mixed developed with urban facilities.
著者
畠野 雄也 須貝 章弘 山岸 拓磨 中島 章博 柿田 明美 小野寺 理
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.187-192, 2020 (Released:2020-03-31)
参考文献数
15

アミロイドβ関連血管炎(amyloid β-related angiitis)では,皮質や皮質下の微小出血や脳表ヘモジデリンの沈着が,脳MRI上の重要な所見である.我々は,治療前にはこれらの所見を呈さなかったアミロイドβ関連血管炎を提示する.症例は75歳女性.右同名半盲と失語で発症し,昏睡に至った.脳MRIでは,びまん性の軟髄膜造影病変と散在性のDWI高信号病変を認めたが,T2*WIでは微小出血は検出されなかった.病理所見からアミロイドβ関連血管炎と診断した.ステロイド治療により画像所見,臨床症状ともに改善した.治療後のsusceptibility-weighted imaging(SWI)では多数の微小出血を認めた.アミロイドβ関連血管炎の非侵襲的診断のために,微小出血以外の画像の特徴を集積すべきである.
著者
渡部 幹 寺井 滋 林 直保子 山岸 俊男
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.183-196, 1996-12-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
42
被引用文献数
19 20

最小条件集団における内集団バイアスの説明のために提出されたKarpら (1993) の「コントロール幻想」仮説を囚人のジレンマに適用すると, 囚人のジレンマでの協力率が, プレイヤーの持つ相手の行動に対するコントロール感の強さにより影響されることが予測される。本論文では, 人々の持つコントロール感の強さを囚人のジレンマでの行動決定の順序により統制した2つの実験を行った。まず第1実験では以下の3つの仮説が検討された。仮説1: 囚人のジレンマで, 相手が既に協力・非協力の決定を終えている状態で決定するプレイヤーの行動は, 先に決定するプレイヤーの行動により異なる。最初のプレイヤーが協力を選択した場合の2番目のプレイヤーの協力率は, 最初のプレイヤーが非協力を選択した場合の2番目のプレイヤーの協力率よりも高い。仮説2: 先に行動決定を行うプレイヤーの協力率は, 同時に決定を行う通常の囚人のジレンマにおける協力率よりも高い。仮説3: 2番目に決定するプレイヤーの協力率は, 相手の決定が自分の決定の前に知らされない場合でも, 同時に決定を行うプレイヤーの協力率よりも低い。以上3つの仮説は第1実験の結果により支持された。3つの仮説のうち最も重要である仮説3は, 追実験である第2実験の結果により再度支持された。
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22(2000-ARC-142), pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.
著者
藤田 修二 井上 幸人 高木 和貴 山岸 和子
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.326-328, 2019-09-13

本報告では多数の香料を同時に独立して提示できるVirtual Reality (VR) ヘッドセットなどに装着が容易なポータブル嗅覚ディスプレイ技術を紹介する。嗅覚技術をVRなどに汎用的に応用するためには、映像や音楽同様に制御自由度の高い香りの提示技術が期待される。我々が新たに開発した微小バルブを搭載するプロトタイプでは直感的な視認性および操作性UIにより30種類の香料を独立にON/OFF制御することで、瞬間的な香料の切替や、複数香料のブレンドをデモンストレーションする。
著者
山岸 明彦 矢野 創 小林 憲正 横堀 伸一 橋本 博文 山下 雅道 田端 誠 河合 秀幸
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.72-76, 2008 (Released:2022-01-18)
参考文献数
23

たんぽぽ(蒲公英,dandelion)は綿毛のついた種子を風に乗せて頒布し,その生息域を広げる多年草である.我々は,この名前のもと,国際宇宙ステーション-JEM(日本実験棟)上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出および解析実験を提案する.我々は,超低密度エアロゲルを用いることで,微小隕石やその他の微粒子を捕集することが可能であると考えている.低軌道上で超低密度エアロゲルを一定期間曝露することで宇宙空間で微粒子を捕集する.エアロゲル表面と衝突トラックの顕微観察の後,エアロゲルの様々な解析を行う.衝突トラックの詳細な検討により,国際宇宙ステーション周辺のデブリのサイズと速度が明らかにできると期待される.エアロゲル中に残存した粒子に関して,鉱物学的,有機化学的,及び微生物学的な検討を行う.一方,宇宙環境下での微生物の生存可能性について検討するため,微生物を直接宇宙空間に曝露する実験も行う.同様に,宇宙環境下での有機化合物の変性の可能性を検討するため,有機化合物の宇宙空間への直接曝露実験も行う.これらの実験を行うための装置はすべて受動的な装置であり,そのための装置の基本構造,装置回収後の解析法も,既に確立されている.
著者
山岸 明彦
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.6, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
87

In my college age, I read the Japanese translation of “The Origin of Life” written by Oparin, though understood a little. During graduate school and postdoctoral position in Japan and USA, I started the research experience in the field of photosynthesis. After returning back to Japan, I started the research career in Tokyo Institute of Technology, where I started the research on the structure of genomic DNA of archaebacteria. We analyzed the characteristics of the last universal common ancestor, which we named Commonote commonote, and found that the species was hyper-thermophilic, based on the experimental results obtained by reproducing an enzyme possessed by C. commonote, in Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences. Then, we started the research on microbiota in deep see hydrothermal system as well as high atmosphere. Later, we started the space experiment Tanpopo on the International Space Station. The research field is now called Astrobiology.   There are ample of research results related to the RNA-origin of life. The ribonucleotides were produced nonbiologically in aqueous media by a reaction process with drying steps. The ribonucleotides were polymerized without biological catalyst. RNA-replicating ribozyme with the length of 200 nucleotides capable of replicating 200-nucleotide-long template has been reported. The process from the protocell containing self-replicating ribozyme surrounded by lipid membrane to the last universal common ancestor Commonote commonote is proposed.
著者
山岸 明彦 河口 優子 横堀 伸一 橋本 博文 矢野 創 今井 栄一 田端 誠 小林 憲正 三田 肇
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.173-179, 2018-06-05 (Released:2018-06-05)
参考文献数
27
被引用文献数
1

「たんぽぽ計画」では国際宇宙ステーション(ISS)曝露部で微生物を採集することによって,この高度での微生物の存在可能性を検討する.また,微生物が宇宙空間で,どの程度の時間生存できるのかを,微生物を宇宙環境に曝露することによって調べる.生命の起原以前に,宇宙空間で合成された有機物が宇宙塵とともに地球に飛来した可能性がある.そこで,ISS上で宇宙塵の採集を行い,有機物を解析する.地球周辺には,スペースデブリが多量に蓄積している.本計画ではそのモニターも行う.これらの実験のために0.01g/cm3という超低密度のエアロゲルを開発した.これは今後の宇宙における様々な高速衝突微粒子採集に利用可能である.曝露試料は1年間,2年間,3年間曝露の後に地上に持ち帰り解析する.すでに,1年目と2年目の試料が地上に帰還して分析が行われている.1年間曝露した微生物の生存が確認された.
著者
山岸 明彦
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-124, 2011-06-25 (Released:2017-08-25)
参考文献数
22

「たんぽぽ計画」では国際宇宙ステーション(ISS)曝露部で微生物を採集することによって,この高度での微生物の存在可能性を検討する.また,微生物が宇宙空間で,どの程度の時間生存できるのかを,微生物を宇宙環境に曝露する事によって調べる.生命の起原以前に,宇宙空間で合成された有機物が宇宙塵とともに地球に飛来した可能性がある.そこで,ISS上で宇宙塵の採集を行い,有機物を解析する.地球周辺には,スペースデブリが多量に蓄積している.本計画ではそのモニターも行う.これらの実験のために0.01g/cm^3という超低密度のエアロゲルを開発した.これは今後の宇宙における様々な微粒子採集に利用可能である.
著者
山岸 明彦
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.172, 2010 (Released:2010-08-30)

一般に生命の起原は地球と考えられているが、古くから生命は宇宙を移動するという仮説が提案されている。この仮説は「パンスペルミア仮説」とよばれている。この仮説は、それでは地球外でどのように生命が誕生したのかという点には答えないため、その意義については疑問も多かった。また、長らくその検証手段が無かった。しかし最近、この仮説の検証するための実験が欧米を中心に進んでいる。すなわち、生物が惑星間を移動する過程で生存可能かどうかを試す実験が行われている。日本のアストロバイオロジーの研究者グループでは「たんぽぽ計画」という計画を計画している。この計画では、国際宇宙ステーションで微粒子を採集し、その中に微生物がいるかどうかを調査する。また、微生物を宇宙環境に曝露して生存の可能性を探査する。さらに、火星の研究が進み、火星には今も水(氷)が大量に残されていることが明らかになっている。さらに、メタンの発生が検出されている。現在計画中の火星探査計画MELOSの一部として生命探査を検討している。これらの現状を紹介する。
著者
山岸 順一 Cooper Erica
出版者
国立情報学研究所
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

我々は伝統話芸である落語の実演データから深層学習モデルを学習、あたかもプロの噺家の様に、噺を読み上げる落語音声合成システムを最先端音声合成技術に基づき構築した。従来の音声対話システムとは目的が全く異なり、聞き手を楽しませるAI噺家の実現を目標としている。本課題では 、長期的音響情報および非言語情報の明示的モデル化により合成音声の表現力を向上させ、 ニューラル言語モデルによる噺の自動生成に取り組む。
著者
高橋 信幸 山岸 俊男 林 直保子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.9-16, 1999-04-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
23
被引用文献数
7 2

Recent computer simulation studies (Takahashi & Yamagishi, 1995, 1996) suggest the possibility that altruists outperform egoists, and the key to their advantage is a strategy called Downward OFT. The strategy calls for acting always altruistically, at the same time selecting as the target of the altruism the most altruistic person among potential recipients. The main purpose of this study was to examine whether people actually follow Downward OFT in a situation where no direct reciprocity was possible. Results were as follows: (1) Pure generalized exchange (i.e., unilateral recourse giving) did emerge and persisted over forty-five trials. (2) Subjects selected other altruists as recipients of their unilateral resource giving. (3) The tendency of altruistic subjects to discriminate among potential recipients of their altruism was stronger than that of self interested subjects. (4) Subjects who unilaterally gave more resource ended up with more profit (resource received minus resource given) than those who gave less.
著者
山岸 俊男
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.24-34, 1999 (Released:2022-07-27)

通常は集団との心理的同一化の結果として理解されている日本人の集団主義的な行動傾向か,集団との同一化によってではなく,集団の内部に一般的互酬性が存在することに対する期待によりもたらされていることを示す一連の実験を紹介する.これらの実験の結果は,集団成員からの互酬的な「内集団ひいき」が期待できない状況においては,実験参加者が集団主義的に行動しなくなることを示している.