著者
野村 尚樹 宮島 昌克 山岸 宣智 藤原 朱里
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1002-I_1012, 2013
被引用文献数
3

近年,我が国では多くの地震が発生し,多くの犠牲者が発生した.地域住民の地震あるいは津波に対するリスク認知が不十分なために被害が拡大したと言われ,多くの地域ではそれらを教訓に自主防災活動に取り組み始めた.しかし,地域におけるリスク認知度に大きな個人差があり,活動の弊害になっていることも事実である.本研究では,2007年能登半島地震を経験した輪島市臨港地域周辺の住民を対象としたアンケート調査を実施し,地域住民の地震津波災害に関する意識を把握し,防災リスクマネジメント研究の1つである防災リスクコミュニケーション研究の基礎的資料とすることを目的とする.
著者
山岸 俊男 坂上 雅道 清成 透子 高橋 伸幸 阿久津 聡 高岸 治人
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

平成29年度には、行動・心理・脳構造・遺伝子多型データセットの解析を進め、ゲーム行動と脳構造の関連性に関する実験を行った。その結果、以下の知見を含む複数の知見を論文化した。知見1:社会的規範の逸脱者への罰は、従来の研究では社会的公正動機に基づく利他的な行動と考えられてきた。しかし本研究の結果、規範逸脱者へ単に苦悩を与えたいという公正さとは無縁な攻撃的動機に基づく罰行使者もかなりの比率で存在することが明らかになった。さらに攻撃的罰行使者は左尾状核が大きいという脳形態的特徴があり、この尾状核は線条体に含まれることから、罰行使で何らかの満足を得ている可能性が示唆された。知見2:攻撃性と社会規範成立との関係については、学生参加者による検討から社会的地位の高さとテストステロン量の多さが、相手への支配的行動を強めることも明らかにされている。本研究の知見は、複数の罰行動の背後にある心理・神経基盤を混同してきた従来の研究へ警鐘を鳴らし、攻撃的な罰が社会的公正の達成へ正負いずれの方向に機能しうるかという観点からの研究の重要性を示唆するものである。海外の研究者と共同で信頼ゲーム実験を17カ国で実施し、ペアの相手の集団所属性について国を単位として内集団・外集団・不明集団で操作したところ、偏狭的利他性(内集団成員をより信頼・協力する)が文化・社会を超えた普遍的な心理的基盤である可能性と、そうした利他性は評判に基づいた間接互恵性によって相殺される可能性も併せて示された。これにより関係形成型独立性へと移行する社会制度設計に評判が重要な役割を果たすことが示唆された。本研究の最終目的につながる文化形成実験は、社会的ニッチ構築の観点からの心の文化差の説明を検証する世界初の本格的実験であるが、プレテストを繰り返し実施する中で適切な実験デザインを確定し、社会的ニッチ構築理論の精緻化を進めた。
著者
高橋 知里 山岸 俊男 橋本 博文
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.113-120, 2009

We tested a hypothesis that responses to the Singelis' (1994) interdependent self scale would be enhanced after being exposed to an "exclusion game" -a social dilemma game with an option for excluding uncooperative members. Thirty-nine participants were assigned to one of two conditions. In the self-presentation condition, participants were told that their responses to the interdependence scale would be revealed to other participants after the experiment. In the control condition, participants were assured that their responses would be anonymous. The average interdependence score increased after experiencing the exclusion game in the self-presentation condition, and decreased in the control condition. These findings show that people come to present themselves to others as being more interdependent after being exposed to a social situation in which they face a threat of rejection from their peers.
著者
佐藤 将之 宮森 正 小柳 純子 村瀬 樹太郎 坂 祥平 石井 信朗 西 智弘 山岸 正 石黒 浩史
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.515-522, 2013 (Released:2013-06-07)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

【目的】脊髄圧迫症状は, がん患者のQOLを大きく低下させる合併症である. 脊髄圧迫症状を合併した患者に対するデキサメタゾン大量療法の有効性や副作用についてレ卜口スペクティブに検討し, 報告した. 【症例】2009年5月から2011年9月までに当院でデキサメタゾン大量療法のみを, 脊髄圧迫症状を合併した8症例に対して行った. 【結果】放射線照射や外科的治療を併用できずデキサメタゾン大量療法のみを行った患者8例のうち, 徒手筋力テストの改善を4例(50.0%)に, 改良Frankel分類の改善を5例(62.5%)に認めた. デキサメタゾン大量療法のみで, 歩行不可能であった7例のうち1例(14.3%)が自力歩行での退院となった. 自験例では重篤な副作用はなかった. 【考察】放射線照射や外科的治療を受けることができない脊髄圧迫症状に対してのデキサメタゾン大量療法が神経症状を改善する選択肢として有用である可能性が示唆された.
著者
平原 憲道 山岸 侯彦
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.534-545, 2011 (Released:2012-03-09)
参考文献数
30

We investigated risk perception as it appears to breast cancer patients and how it develops. Wealth of anecdotal evidence as well as interview with both medical professionals and patients led us to hypothesize that patients' risk attitude would develop from incipience, wherein they are preoccupied by optimism toward complete treatment, to recurrence, wherein they become less optimistic and accept the realistic need to cohabitate with the disease. One-hundred breast cancer patients were recruited via voluntary patients organizations in Japan. The participants responded to either a 5-paged web questionnaire or a paper-pencil survey to judge the likelihood of certain risky treatment incidents happening to them, such as bad treatment result, side effects of chemotherapy, recurrence, and medical accident. The result showed that breast cancer patients did not differ as a whole in their optimism on medical risk perception between the two treatment stages. However, the result differed depending on patients' current treatment status: only in the regular treatment (defined as seeing a doctor once or twice a month) group patients were more optimistic in their incipient stage when compared with their recurrence stage, while there was no such difference in no treatment (defined as receiving a follow-up examination once a year) group. There was no difference in their optimism on medical risk perception among formally (medically) categorized cancer stages. Also, confirmatory factor analysis revealed that there were three distinctive factors to which the patients' optimism on risk perception was divided, namely “recurrence,” “aggressive treatment,” and “medical accident.” Hence, we uncovered a possible structure underneath “medical risk perception,” as well as successfully replicated the result of the past study. Implications and possible extension are discussed.
著者
西條 辰義 下村 研一 蒲島 郁夫 大和 毅彦 竹村 和久 亀田 達也 山岸 俊男 巌佐 庸 船木 由紀彦 清水 和巳
出版者
高知工科大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007-07-25

特定領域「実験社会科学」の研究者のほとんどがその研究成果を英文の学術雑誌に掲載するというスタイルを取っていることに鑑み, 社会科学の各分野を超えた領域形成が日本で始まり, 広がっていることを他の日本人研究者, 院生などに伝えるため, 和書のシリーズを企画し, 勁草書房の編集者と多くの会合をもち『フロンティア実験社会科学』の準備を実施した. 特定領域におけるステアリングコミッティーのメンバーと会合を開催し, 各班の内部のみならず, 各班の連携という新たな共同作業をすすめた. 方針として, (1)英文論文をそのまま日本語訳するというスタイルは取らない. (2)日本人研究者を含めて, 高校生, 大学初年級の読者が興味を持ち, この分野に参入したいと思うことを目標とする. (3)第一巻はすべての巻を展望する入門書とし, 継続巻は各班を中心とするやや専門性の高いものにする. この方針のもと, 第一巻『実験が切り開く21世紀の社会科学』の作成に注力した. 第一巻では, 社会科学の各分野が実験を通じてどのようにつながるのか, 実験を通じて新たな社会科学がどのように形成されようとしているのかに加えて, 数多くの異分野を繋ぐタイプの実験研究を紹介した. この巻はすでに2014年春に出版されている. 継続の巻も巻ごとで差はあるものの, 多くの巻で近年中に出版の見込みがついた. さらには, 特定領域成果報告書とりまとめを業務委託し, こちらも順調にとりまとめが進んだ. 以上のように本研究は当初の目標を達成した.
著者
熊谷 友多 永石 隆二 木村 敦 田口 光正 西原 健司 山岸 功 小川 徹
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.1109220008, (Released:2011-09-27)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

Zeolite is used for decontamination of radioactive water containing salts from seawater in the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station. Evaluation of hydrogen production by water radiolysis during the process is important for a safe operation. Thus, hydrogen production from the mixture of zeolite and seawater was studied by γ-radiolysis experiment, and the hydrogen production during the process was evaluated. The measured yield of hydrogen from seawater was comparable to the primary yield in the γ-radiolysis of water. This result indicates that oxidation of hydrogen by radical products of water radiolysis is not effective in seawater. The measured yield from the mixture decreased at a high weight fraction of zeolite. However, the measured yield was higher than that expected from the direct radiolysis of water in the mixture, which would decrease proportionally to the weight fraction of water. This result suggests that the radiation energy deposited on zeolite is involved in hydrogen formation. From the measured yields, the hydrogen production rate was evaluated to be 3.6 mL/h per ton of radioactive water before the process and 1.5 L/h per ton of the waste adsorbent after the process.
著者
飯塚 正人 黒木 英充 近藤 信彰 中田 考 山岸 智子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1998年2月に「ユダヤ人と十字軍に対するジハードのための国際イスラーム戦線」が結成されて以来、いわゆる「イスラム原理主義過激派」のジハード(聖戦)は新たな段階に入った。そこでは、これまでイスラーム諸国の政府を最大の敵と見て、これに対する武装闘争を展開してきたこれら過激派が、反政府武装闘争を否定するウサーマ・ビンラーディンのもとに結集し、彼の指揮するアルカーイダとともに、反イスラエル・反米武装闘争を優先する組織へと移行する現象が見られたのである。本研究の主な目的は、結果として「9,11」米国同時多発テロを引き起こすことになるこうした変化がなぜ起こったのか、また対外武装闘争を実践しようとする諸組織の実態はいかなるものか、を地域横断的に分析することにあった。このため、各年度の重点地域を中央アジア、中東、東南アジア、南アジアに設定し、それぞれの地域におけるジハード理論の変容と実践を現地調査するとともに、必要に応じて毎年各地で継続的な定点観測も行っている。その結果、当初設定した課題には、(1)諸国政府による苛酷な弾圧の結果、「イスラム原理主義過激派」にとって反政府武装闘争の継続が著しく困難になったこと、(2)パレスチナやイラクに代表されるムスリム同胞へのイスラエルや米国の攻撃・殺戮が看過できないレベルに達したと判断されたこと、という回答が得られた。またこの調査では、特に「9.11」以降欧米や中東のムスリムの間で論じられ、強く意識もされてきた"ISLAMOPHOBIA"(地球規模でのムスリムに対する差別・迫害)現象がアフガニスタン戦争、イラク戦争を経て東南アジアや南アジアのムスリムにもまた深刻な問題として意識されるようになっており、こうした差別・迫害に対する抵抗手段として、ウサーマ・ビンラーディン型のジハードを支持、参入する傾向がますます強くなりつつある事実も明らかになっている。
著者
白川 友紀 鈴木 敏明 鴫野 英彦 佐藤 博志 長澤 武 武谷 峻一 加茂 直樹 山岸 みどり 夏目 達也 渡辺 公夫
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究では各大学における教育目標、教育方針、アドミッションポリシーと中等教育の多様性の適合度を明らかにしたいと考え、入学者受入方針等に関する調査を行うとともに、AO入試の実施状況、オープンキャンパスにおける高校生に対する情報提供の現状と課題、専門高校および総合学科高校出身者の大学受入の現状、ならびに入学者の志望動機等に関するアンケート調査などを実施した。また、専門高校、総合学科高校、SSHと高大接続、総合的な学習と高大接続などの高校での学びの多様化と大学入試について研究会を開催し、話し合った。モデル化も行う予定であったが、この数年でAO入試実施大学が急激に増加し、そのアドミッションポリシーも新たに独白性を持ったものが増えており、今後さらに増加すると予想されるため、静的なモデルではあまり意味がないと考え現状分析を行った。今後、時代の変化に応じた新しい入試や大学進学を扱う、環境適応能力を表現できる動的なモデルを考える必要があると思う。アドミッションポリシー、入学試験や合格者への調査は本研究のメンバーによって大変精力的に行われ、大きな成果があったと考えている。一方、入学後ある程度の時間を経た学生や大学側の満足度のような指標の調査はあまり広く実施できなかった。複数の大学で共通のアンケート調査を実施して卒業研究評価を試み、幸い九州大学と筑波大学の2大学で実施した結果を平成18年度の入研協で報告できることとなったが、このような共同研究は大学間の調整の困難さだけでなく、アドミッションセンターと学部や学科との間の調整がかなり困難であるらしいことも分かった。海外調査はSARSの影響で平成16年度以降に行った。欧州の調査は行えなかったが本研究メンバーが他の研究費で行ったフィンランド等の調査結果について本研究のミーティングで知ることができた。本研究では米国、オーストラリア、中国、台湾の調査を行い、各国で入試の多様化が進んでいることが分かった。「理科離れ」について、理科教育を熱心に行っている教員や学芸員、SSHの教員との研究会を開催してAO入試との関連について話し合った。総合的な学習で理科が好きになる、総合的な学習の時間を減らして理科の時間を増やすべき、などの意見があった。しかし、私見であるが、実践されている授業内容に大きな違いは無いように思われ、また、理科離れは科学振興という社会の要請と生徒や学生の個人の幸福が結びついていないというところにも問題があると思われた。さらなる研究が必要である。本研究の成果は、平成15、16年度中間報告書とシンポジウム論文集ならびに成果報告書の4部に収録した。
著者
丹羽 隆子 山岸 寛 庄司 邦昭 大津 皓平
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14年と15年の夏に地中海沿岸諸国の実地踏査に出た結果、新知見を多く得ることができた。古代、優れた海洋民族であったフェニキア人の広域に渉る海上活動が、地中海の精神文化や物質文化の交流、伝播に大きな貢献をなしたであろうこと。カルタゴの港湾都市やギリシアのピレウス港などは古くから高度に整備された港湾施設などを要していたこと。また地中海島嶼、レバノン、ギリシア本土の各地やイタリア各地、スペイン東岸の沿岸地域を踏査し、入り組んだ海岸線や入り江のある地中海の地形と環境が古くから自然の良港として、海上活動の発展を促したことなどを確認した。また、発展した海底考古学が発見した古代地中海の木造船建造法が「ほぞとほぞ穴」を使った"shell-first method"だったことの延長上に、ギリシアでは「ヒュポゾーマタ」という艤装品を重要な必須艤装品としていたことも知り、文献学的にも、造船工学的にも研究を進めることができた。「ヒュポゾーマタ」の装着法などを巡り、イタリアのアマルフィの開催された「中世以降の艤装品と航海機器の発展」と題した国際シンポジュームに招かれて講演し、さらに日本航海学会、日本西洋古典学会でも研究発表した。国際シンポジュームではかなり反響がった。Elsi Sapathari, Sailing through Time : the Ship in Greek Artの翻訳、解説、補注の形でそれらをまとめた。出版刊行の予定である。
著者
山岸 宏光 畑本 雅彦 鎌田 光也 志村 一夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.128, no.6, pp.941-952, 2019-12-25 (Released:2020-01-28)
参考文献数
25

“Buratamori Muroran,” an NHK Japan TV program was broadcasted on November 25, 2017. To prepare for the program, observations were made on the Etomo Peninsula using ortho-photographs provided by Muroran City as Open Data. A large number of aerial photographs were taken using aircrafts and observational research was undertaken by road. In addition, cliffs were observed from a small boat provided by Hokkaido Regional Development Bureau, Muroran. As a result of these research activities, many remarkable outcrops and occurrences of Miocene subaqueous volcanic rocks were observed on the cliffs, most of which are inaccessible. Subaqueous pumice flows, concentric and radial columnar jointed dikes called Peach Rock, subaqueous lava domes associated with hyaloclastites, and their feeder dikes forming apophyseal, polygonal and columnar-joints were observed. The occurrences of these variable subaqueous volcanic rocks are described and models of some volcanic rocks are described. Finally, cliffs are defined as subjects for geo-tourism.
著者
藤原 宣夫 山岸 裕 村中 重仁
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.26-31, 2002 (Released:2004-08-27)
参考文献数
7
被引用文献数
18 17

森林のCO2固定量については, 面積あたり固定量を原単位とした算定方法が明らかとされているが, 街路樹など森林形状を有しない都市緑化樹木によるCO2固定量の算定には, 樹木1本あたりの原単位の設定が必要と考えられる。本研究では, 原単位となる年間木質部乾重成長量の算定式を得るため, 都市緑化に多用される6樹種, 30本を対象に, 樹幹解析により成長過程を明らかにした。その結果, 樹高, 胸高直径と木質部乾燥重量には密接な関係があり, 回帰曲線が得られた。また, 樹高, 胸高直径と樹齢とは直線による回帰が可能であり, 両者の関係から, 特定の大きさの樹木1本の年間木質部乾重成長量を推定する式を作成した。この式からは, 各樹種の多様な大きさに対応した年間木質部乾重成長量が得られる。算定式の構造は次のとおりである。Y= a{(X+c)b-Xb} ; Y: 年間木質部乾重成長量(kg/y), X: 樹高(m) または胸高直径(cm), a, bおよびc: 樹種毎の定数
著者
安保 秀範 大澤 高浩 葛 平蘭 高橋 章 山岸 勝俊 櫻澤 裕紀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00257, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
26

近年,人工衛星SARデータの活用については社会インフラ設備の維持管理などへの研究が進んでいるものの,恒久散乱点が得られやすいロックフィルダムにおいても,PSInSAR解析による恒久散乱点の変位の計測精度が十分に検証されているとは言い難い.本論文では,既に安定期にあるもののここ数年でも年間最大1cm程度変位しており,外部変形量を連続計測しているロックフィルダムを対象に,Sentinel-1 SARデータを活用したPSInSAR解析を実施し,測量値と解析結果を比較することにより,人工衛星SARデータから把握できる変位の精度を検証するとともに,ロックフィルダムの保守管理への適用性について考察した.ロックフィルダム外部変形の測量値と解析結果の比較により,PSInSAR解析によりmmオーダーの高い精度で計測できることが検証され,保守管理に人工衛星SARデータが活用できる可能性があることを示した.
著者
山岸 輝樹 鈴木 雅之 広田 直行 服部 岑生
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.686, pp.801-806, 2013-04-30 (Released:2013-06-04)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

The purpose of this study is to propose a method of evaluation and visualization of accessibility to regional facilities for elderly peoples, and to verify the validity of proposed method through comparative study of 3 residential areas.In this study, the following subjects were studied.1) In each area, the different type of facility is the cause of poor accessibility for many blocks.2) If facility location lacks continuously, there are poor total accessibility blocks.3) In the near future, the accessibility to Regional facility will become a problem for many blocks around Tokiwadaira-danchi and around Kitanarashino station.
著者
中島 裕司 安藤 克己 山岸 敏之
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-123, 2006-04-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
85
被引用文献数
1

ヒトの心臓形態形成は胞胚期(受精後2週)から始まり胚子期の終りに完成する(受精後7~8週)。拍動する原始心筒は3週の終り頃形成され,d-loop形成,心内膜床形成,中隔成分の形成とそれらの整列融合といった複雑な発生過程を経て,四腔を持った心臓が完成する。これらの形態形成過程の異常は先天性心疾患の原因となる。分子発生生物学,分子遺伝学の研究により,心臓形態形成過程をコントロールするさまざまな遺伝子が明らかにされ,先天性心疾患を伴うヒトのHolt-Oram症候群やdel22q11症候群の原因遺伝子は,それぞれTbx5,Tbx1の点突然変異であることが報告された。また成体の骨髄や心臓で心筋に分化転換可能な幹細胞が発見されたことにより,変性心筋による機能不全に対する心筋再生医療の可能性が示され,今後の臨床応用への展開が期待されている。
著者
山岸 直基
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1-2, pp.2-17, 1998-07-10 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
1

直前の反応と異なる反応を分化強化するとき手続きが行動の変動性に及ぼす効果を大学生を対象に調べた。実験1と実験2において1反応の単位としてそれぞれ2反応系列と3反応系列を使用した。行動の変動性は、(a)分化強化するために参照される直前の反応の数が系統的に変化する分化強化条件と、(b)分化強化条件と強化率の等しい、被験者内および被験者間の2つのヨークト条件において比較された。その結果、どちらの実験においても、分化強化条件では、行動の高い変動性と直前の反応と異なる反応の出現数が高い頻度で確認され、ヨークト条件では、行動の変動性は低く、直前の反応と異なる反応の出現数も少なかった。また、参照される直前の反応の数が1のときよりもそれ以上のときに、より大きな変動性が観察された。本実験の結果より、直前の反応と異なる反応を分化強化する手続きによって直前の反応と異なる反応の出現数が増加し、その結果として、行動の変動性が増加することが示された。
著者
山岸 健
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.213-237, 1996-03

100集記念号Trivial round of daily life is not trivial but full of dramas, episodes, and spectacles. Lived body is a dramatic stage of various world experiences. Also this body is always a zero point of perspectives, SENS, behavior, and social action. Everyday world is our intersubjective social cultural world. Reality construction is our life-long daily experiences. We are living in daily world building and identity building. Landscape experiences are one of our basic world experiences in personal life history and identity building. Always human being is in a process of becoming. Human being is living in a world of imagination as well as in a practical everyday world. One genre of culture, painting is a original colourful perspective of our everyday world and human world. Human world consists of natural cultural social experiences, personal memory, and individual imagination. Constructing humanistic sociology, it is necessary to understand multiple realities and human world experiences which are sources of meanings and SENS.
著者
山岸 吉弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.671, pp.127-133, 2012-01-30 (Released:2012-03-05)

Japanese architectural reference books “KIWARI-SHO” are known as the method of architectural design for Japanese traditional architecture used by the rules of proportional relationship and module. In this design technique, there are some important factors composed the base of system, for example “HASHIRA” (pillar) and “TARUKI” (rafter), which are the beginning of proportional relationship reaching every parts. Each chain of connection is necessarily joined somewhere, and it causes specific problems as contradiction. This paper traces the contents of “KIWARI-SHO” from this point of view, in order to understand its history.
著者
高木 信二 倉田 岳人 郡山 知樹 塩田 さやか 鈴木 雅之 玉森 聡 俵 直弘 中鹿 亘 福田 隆 増村 亮 森勢 将雅 山岸 順一 山本 克彦
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2018-SLP-120, no.14, pp.1-9, 2018-02-13

2017 年 8 月 20 日から 8 月 24 日にかけ,ストックホルム ・ スウェーデンで Interspeech 2017 が開催された.Interspeech は音声言語情報処理の分野におけるトップカンファレンスと位置付けられており,今後の本分野の動向に大きく影響を与えている.本稿では,本会議における研究動向,注目すべき発表について報告する.