著者
伊藤 真 濟川 貴 杉原 歩 堀江 遥 井内 志穂 粟木 陽子 岡田 みなみ 勝部 遥子 山本 千尋
出版者
広島大学大学院教育学研究科音楽文化教育学講座
雑誌
音楽文化教育学研究紀要 (ISSN:13470205)
巻号頁・発行日
no.24, pp.11-20, 2012

The purpose of this study is to develop music classes using Etenraku, which is one of the oldest existing music in Japan called Gagaku (traditional Japanese court music), as a material in elementary and junior high school. The main points of view on developing music classes are as follows: (1) to pursue the musical substance, (2) to center a proactive and action-oriented learning of students, and (3) to promote and enhance language activity.The music class in elementary school has two goals. One is that students develop an understanding for a mechanism of producing sounds with double reed through the activity to make hand-made musical instrument. The other is that students understand the role of hichiriki (a kind of flute) in Gagaku ensemble, discovering sound aspects of hichiriki, and expressing the sound aspects with their own words.The music class in junior high school has two goals. One is that students understand the musical style of Gagaku through creating rhythm patterns of percussion section for the melody of Etenraku. When creating, students write musical note using composition software. The other is that students engage in entire learning process with language activity, for example, talking together about what they want to express in their work, describing their intention put into their work, or expressing what they feel when they listen other's work.
著者
山本 清龍 荒牧 重雄
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.26(第26回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.319-324, 2012-11-26 (Released:2014-09-20)
参考文献数
25

本研究では,わが国において最高峰を誇る富士山を事例として取り上げ,①高所登山における登山者属性と登頂断念にいたった理由,状況を把握すること,②自然公園における高所登山のリスク管理について考察することの2点を目的とした。その結果,富士登山者の63%が若年層であり初めての登山者が55%であること,登頂率は92%,登頂を断念した登山者が7%であることが明らかとなった。また,登頂を断念した理由は急性高山病とそれに類する自覚症状が多く,断念した登山者の76%は八合目で下山を開始していること,宿泊をしなかった登山形態では登頂を断念する登山者が有意に多いことなどが明らかとなった。最後に,結果をふまえて自然公園における高所登山のリスク管理について考察し,必要と思われる管理施策について提案を行った。
著者
山本 真一郎
出版者
兵庫県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではまず、新たな電磁環境対策材料として、金属線配列材を用いた反射・透過制御材設計法を確立し、反射・透過特性を評価した。具体的には、負の等価比誘電率を持つ金属線配列材と誘電体を組み合わせた構成により、バインドパスフィルター、ハイパスフィルターが設計可能であることを示した。さらに、有限長金属線配列材を制御材の一部に取り入れることにより、全透過・全反射周波数を制御できることを確認した。次に、近年注目されているミリ波帯での遮蔽材を評価するため、ミリ波用透過係数測定装置を新たに作製した。種々のミリ波遮蔽材を評価することにより、妥当な結果を得た。
著者
高倉 保幸 山本 満 陶山 哲夫 高橋 佳恵 大住 崇之 大隈 統 小牧 隼人 河原 育美 加藤 悠子 若林 稜子 草野 修輔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.B0014, 2006

【目的】脳出血で最も高い割合を占める被殻出血では、血腫の進展を示すCT分類や出血量、意識障害と予後との相関が高い事が知られているが、急性期病院の平均在院日数である発症後3週での予後との関係は明らかにされていない。また、臨床的には急性期の機能的予後にはCTにおける脳浮腫の程度と相関が高いという印象を持っているが、その評価基準は確立されていない。本研究の目的は、急性期被殻出血の機能的予後を予測する指標について検討することである。<BR>【方法】対象は当院にて初回発症で理学療法を行った被殻出血47例とした。年齢は60.1±10.7歳(平均±標準偏差)、性別は被殻出血が男性32例、女性15例であった。予後予測の因子として検討した項目は、脳卒中の外科学会によるCT分類(以下CT分類)、総出血量(長径×短径×高さ÷2)、出血径(長径)、脳浮腫、発症時意識(JCS)、発症翌日意識(JCS)とした。脳浮腫の判定は独自に3段階の評価基準を作製、いずれのレベルでも脳溝の狭小化がみられないものを1、脳溝の狭小化がみられるものを2、モンロー孔のレベルから3cm上部での病巣側の脳溝が消失しているものを3とした。基本動作能力の判定には11項目からなる改訂された機能的動作尺度(以下FMS)を用いた。FMSの検査時期は21.9±2.0日であった。各因子とFMSおよび因子間におけるスピアマンの相関係数を算出し、基本動作能力の予測に有用な因子を考察した。<BR>【結果】各因子およびFMSの結果をみると、CT分類の中央値はIII、総出血量の平均は36.8ml、出血径の平均は4.7cm、浮腫の中央値は2、発症時意識の中央値はII-10、発症翌日の意識の中央値はI-3、FMSの平均は14.8点であった。FMSとの相関は、CT分類では0.64(p < 0.01)、総出血量では0.61(p < 0.01)、出血径では0.57(p < 0.01)、脳浮腫では0.55(p < 0.01)、発症時意識では0.14(p = 0.34)、発症翌日意識では0.29(p = 0.45)となった。また、浮腫との相関は、CT分類では0.40、総出血量では0.50(p < 0.01)、出血径では0.54(p < 0.01)となった。<BR>【考察とまとめ】機能的予後を予測する指標としてはCT分類、出血量、脳浮腫が有用であることが示された。出血量では総出血量を算出する方が指標としての精度は高くなるが、長径により代用する方法も簡便で有用であると考えられた。新たに作製した脳浮腫の評価は予後と有意な相関を示し、CT分類や出血量と強い相関を示さないことから評価指標としての有用性が示された。意識はリハ開始前の死亡例が除かれていることおよび発症3週間という短期間で調査であることから相関が低くなったと考えられたが、発症日の意識よりも発症翌日の意識を指標とする方が有用であることが示唆された。<BR>
著者
タァンクァン ファン 山本 純一 西井 一輩 福井 知宏
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.285-286, 2019-02-28

昨年のGallup社の従業員エンゲージメント調査レポートの発表以降、産業界では従業員エンゲージメントへ注目が高まっている。我々の先行調査では、感謝が従業員エンゲージメントを向上させる要因であることが示唆された。本研究では、感謝と従業員エンゲージメントの関係を分析するための実験を行った。実験では、企業にて感謝を送受信できるアプリを3か月間利用してもらい、その前後で独自の調査票(働きがい・上司関係・同僚関係・組織文化の4因子)でエンゲージメントを測定した。結果として、感謝の送受信データと従業員エンゲージメントの上司関係の変化に相関が見られた。
著者
山本 英弘 渡辺 勉
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.147-162, 2001-06-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

政治的機会構造論は, 現在の社会運動論において主流をなす理論の 1 つだといえるが, いくつかの問題点がみられる.本稿では, 政治的機会構造論の修正を試みたうえで, 1986~1997年の宮城県における社会運動イベントのデータを用いて計量的に検証する.分析から, 以下の2点を示唆することができる. (1) 社会運動に対する政治的機会構造の影響は, 運動の類型によって異なる.したがって, 政治的機会構造がそれぞれの社会運動の類型に対してどのように影響するのかを考慮しなければならない.従来の研究ではこの点が看過されていた. (2) 社会運動の類型によっては, 運動に対する政治的機会構造が機会として影響するのではなく, 政治体による政策が運動を誘発するという影響を及ぼす.そのため, 政治体と社会運動体の相互作用をより重視する必要がある.
著者
山本 昇吾 藤東 祥子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.347-358, 2011-05-20
参考文献数
28

再発性眼疾患に対して再発防止の目的で漢方治療を行った症例を呈示し,漢方治療の有効性について考察した。<br>眼科漢方30年の経験の中で,再発予防を目的として漢方治療を施した症例は27例あった。疾患の内訳は,再発性麦粒腫,再発性多発性霰粒腫,再発性結膜下出血,再発性糸状角膜炎,再発性角膜ヘルペス,Posner-Schlossman Syndrome,中心性漿液性脈絡網膜症,再発性硝子体出血であったが,随証治療の原則に従い,継続的に漢方治療を施したところ27例中12例で3年以上にわたって再発を認めなかった。<br>再発性眼疾患に対する再発防止は一般に困難と考えられているが,これらの結果は再発性眼疾患に対する漢方治療の有効性を示唆するもので,漢方は今後も試みるべき治療であると考える。また,今回の検討から,再発性疾患に対して治療を施した場合にその治療が有効であると言えるまでの年数に関する一つの基準として3年~4年が妥当ではないかと思われた。
著者
山本 晴彦
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.77-83, 1992
被引用文献数
1
著者
磯部 宏 西村 正治 稲葉 秀一 山本 宏司 神島 薫 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.535-538, 1987-05-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
19

症例は28歳女性で, 咳嗽, 喘鳴を主訴に当科に入院した. 約5年前より上記症状を繰り返し, 気管支喘息として通院加療を受けていたが, コントロールは不十分であった. ペットとして猫を飼育している. アロテック吸入による1秒量の改善率は24.4%であり, 皮内テストでは猫毛, 犬毛, ハウスダストが陽性, IgE-RAST score は猫毛4, 犬毛3, ハウスダスト3であった. 猫毛抗原による吸入誘発試験を施行したところ二相性喘息反応を呈した. 以上より猫毛による気管支喘息と診断し, 猫を遠ざけた生活を指導し良好なコントロールが得られている. 我々の知る限りでは, 我が国での猫毛, 猫毛皮屑による気管支喘息の報告は少なく, また二相性喘息反応を呈した報告例は認めない. 猫毛による気管支喘息の臨床像とともに, 特に二相性喘息反応での臨床的, 肺生理学的変化について報告した.