著者
山本 多香子 徳永 基与子
出版者
京都市立看護短期大学
雑誌
京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.49-55, 2008

本研究の目的は,2003〜2005年に行われた看護の場に焦点をあてたアロマセラピーに関する文献レビューにより,研究のエビデンスの動向や今後のアロマセラピー研究の方向性を探ることであった.36の文献を分析した結果,看護の場におけるアロマセラピー研究は,基礎的研究で明らかにされている薬理作用を考慮し,臨床患者に活かそうとする状況がうかがえた.新たな成果として「出産後の浮腫改善」「精神疾患患者の不穏行動の軽減」「術中血圧の安定化」「便秘の軽減」「更年期障害に対する有効性」「会陰切開部の回復」があった.看護の場におけるアロマセラピー研究の課題は,対象に応じた製油・実施方法,アロマセラピー効果に影響する要因の考慮,大規模な無作為化・比較検討した研究を積み重ねていくことがあげられた.
著者
山本 明夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.459-461, 2002-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
9
著者
森澤 豊 川上 照彦 山本 博司 貞広 哲郎
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.117-121, 1996-10-15 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6

The pathogenesis of a rotator cuff lesion of the shoulder is still controversial.The authors investigated the mechanoreceptors in the rotator cuff, the subacromial bursa and the coracoacromial ligament in order to clarify the proprioception of the shoulderjoint.
著者
山本 兼右 山崎 秀男
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.380-386, 2014 (Released:2014-06-15)
参考文献数
14

誤嚥事故の状況分析として, 硫酸バリウムの粘度と誤嚥頻度, 性・年齢別と誤嚥頻度の関係を調査した。80歳以上男性の誤嚥頻度が高いことが判明した。第1次対策は, 問診時に過去の誤嚥の有無を確認し, 誤嚥経験者を特定した。誤嚥経験者と80歳以上男性をハイリスク群と定義し, この群にはバリウムを紙コップに移し替えて服用させることにした。また, バリウム服用上の注意書きを「あわてずに, ゆっくりお飲みください」と修正した。第2次対策は, ハイリスク群に対して, 高粘度(粘度:280mPa・s)の高濃度硫酸バリウム180W/V%ゾル製剤を用い検査を行った。第1次対策は効果がなかった。第2次対策は, ハイリスク群(誤嚥経験者と80歳以上男性)の誤嚥発生頻度が有意に低下し(P<0.05), 誤嚥事故防止に成果があった。
著者
清水 康敬 山本 朋弘 堀田 龍也 小泉 力一 横山 隆光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.293-303, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
4
被引用文献数
6

授業でのICT活用による学力向上を実証するために,全国の教員に依頼して,ICTを活用した授業と活用しない授業を実施した結果を報告してもらい,それらを総合的に分析評価した.まず,授業を実施した教員が決めた評価の観点に基づいて分析し,ICTを活用した授業を実施した教員は,ICT活用によって児童生徒の学力が向上すると実感していることを示した.また,授業後に,児童生徒の意識調査に関するアンケートを実施してもらい,因子分析を用いて因子を抽出し,因子ごとにICT活用の有無による差を調べたところ,授業にICTを活用した場合の方がいずれの因子においても有意に高い効果が得られることを示した.さらに,授業後に実施した児童生徒に対する同一の客観テストの結果を総合的に分析評価し,ICTを活用した授業の方が,活用しない授業よりテストの成績が有意に高いことを示した.
著者
福田 健治 湧田 尚樹 武村 有祐 八尋 龍巳 山本 聡 本永 英治 安達 忍 井上 亨
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
脳血管内治療 (ISSN:24239119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.80-85, 2020

<p>【目的】宮古島は人口約54600 人であり,那覇から約300 km 南西に位置する.石垣島などを含めた先島諸島では,沖縄本島へのヘリ搬送は人的,時間的負担が大きいことから,緊急症例も含めたほとんどの疾患に対して地域完結型医療が求められている.宮古島における脳血管内治療医着任前後における治療数の変化および先島諸島における脳血管内治療普及の取り組みを報告する.【方法】着任前を前期:2013 年9 月から2016 年3 月,着任後を後期:2016 年4 月から2018 年9 月とし,後方視的に調査した.【結果】全脳神経外科手術における脳血管内治療は,前期5.9%(11/188 例)から後期13.6%(24/176 例)に有意に増加した(p=0.01).脳動脈瘤や頚動脈狭窄症において,直達手術の難易度が高くなる症例を中心に血管内治療を選択したことが症例数の増加の主要因であった.急性期主幹動脈閉塞に対する再開通療法において,後期群では来院から穿刺(中央値137 分 vs 217 分,p=0.01)および穿刺から再開通(中央値67 分 vs 112分,p=0.01)までの時間が改善した.石垣島にある県立八重山病院とも連携し,3 例の破裂脳動脈瘤の治療が行われた.【結論】先島諸島における脳血管内治療の必要性は高く,今後も安定した脳血管内治療医の定着およびさらなる発展が重要である.</p>
著者
山本 圭吾 及川 寛
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.589-598, 2017 (Released:2017-08-07)
参考文献数
30
被引用文献数
7

2013-2015年に麻痺性貝毒原因種の出現とアカガイ,トリガイの毒量,毒成分変化を調査した。確認有毒種はAlexandrium tamarenseとA. catenellaで,主毒化原因種は前者であった。アカガイは毒化,減毒が遅く通年毒が検出されたのに対し,トリガイは,原因種終息後は毒が検出されなくなった。毒成分は前者が強毒のGTX2, 3主体で,後半STXが増加した一方,後者はC1, C2主体であった。両種とも原因種増殖期にGTX1, 4が増加したが,トリガイでは毒が速やかに排出されたと推察された。
著者
増田 朋美 青山 和宏 森永 敦樹 山本 武寿 天羽 康
出版者
愛知教育大学附属高等学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:09132155)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.53-67, 2016-03-31

現在、「データの分析」は、知識の伝達だけに偏らず、学ぶことと社会とのつながりをより意識した指導が期待されている。一方、高等学校教育課程としては約40年ぶりに導入された本単元には、現場からの戸惑いの声も多く、まだまだ課題が山積している。そこで本研究では、基礎的な知識・技能の習得することとともに実社会や実生活の中でいきる統計的思考力を育成することを目標に、テクノロジー活用を前提とした多変数のデータセットからなる教材を開発し、実践した。本教材を生徒たちがどう学習したか、その様相を明らかにすることを通して、「学ぶ統計」から「使う統計」へ、学習の転換を提案したい。
著者
田中 充樹 津嘉山 泉 山本 登志子 中村 孝文
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.93-101, 2020 (Released:2020-06-18)
参考文献数
40
被引用文献数
2

食品の嚥下しやすさ評価への嚥下音と筋電図の応用性を検討するために, 嚥下のしやすさの異なる食品を嚥下した際の嚥下音信号と筋電図のパワーと発生時間を解析した。食品にはポタージュ, ヨーグルト, プリン, 及びヨーグルトと同程度のとろみに調整したジュースと自然薯粉末溶液を用いた。健康な成人男性13名について, 3 gの試料を一度に嚥下した際の嚥下音信号を小型コンデンサーマイクで甲状軟骨部から, 筋電図を右側顎二腹筋表面から記録した。テクスチャー解析で得た食品のかたさは嚥下しやすさが増すと増加した。嚥下音信号のパワーはかたさの対数と有意に逆相関したが (r = -0.435, p < 0.01) , 発生時間は有意な相関を示さなかった (r = -0.151) 。筋電図については, パワー及び発生時間のかたさの対数についての相関係数はそれぞれ0.261と0.176であり, 有意な相関はみられなかった。かたさは嚥下しやすさに関係することから, 嚥下音信号のパワーはゾル状食品の嚥下しやすさの評価に応用できる可能性の一端が示された。
著者
小西 宏史 田口 芳治 山本 真守 温井 孝昌 道具 伸浩 中辻 裕司
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.223-228, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
13

症例は63歳男性.左臀部から左下肢のしびれ,下肢筋力低下,膀胱直腸障害などの馬尾症候群を発症し,亜急性に症状が進行し入院した.腰仙髄造影MRIにて馬尾下部領域に造影効果を認め,神経伝導検査では両側脛骨神経の導出が不良で,腓骨神経はF波潜時の延長を認めた.M蛋白血症を認め,多発性骨髄腫を疑ったが,血清可溶性IL-2受容体が4,490 U/mlと著高で,FDG-PETにて椎体,馬尾の集積増加を認めた.L4椎弓根生検にてび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断し,R-CHOP(rituximab, cyclophosphamide, hydroxydaunorubicin, oncovin, prednisone(prednisolone))療法を行い症状の改善が得られた.M蛋白血症を伴う馬尾症候群の場合,悪性リンパ腫の可能性も考慮すべきである.
著者
山本 巍
出版者
東京大学教養学部哲学・科学史部会
雑誌
哲学・科学史論叢 (ISSN:13446185)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-46, 2009-01-10

冊子出版時より1箇所を訂正 <訂正> 41頁 註2(九鬼彰夫訳) [誤]「九鬼」→ [正]「鬼界」
著者
佐久川 裕行 山口 さやか 山城 充士 苅谷 嘉之 新嘉喜 長 山本 雄一 高橋 健造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.94-98, 2020

<p>31 歳,女性。16 歳頃より自覚していた左足底の黒色斑が,妊娠 25 週頃より急速に増大し,隆起してきたため,妊娠 30 週で当科を紹介された。初診時,左足底に 18×10×2 mm の潰瘍を伴う黒色結節があり,悪性黒色腫を考え 10 mm マージンで全切除生検を行った。病理組織学的には,表皮真皮境界部を主体として,豊富なメラニン顆粒を含有し核小体の目立つ異型細胞が胞巣状に増殖しており,末端黒子型の悪性黒色腫と診断した。Tumor thickness は 3 mm,深部断端,側方断端は陰性であった。pT3bNXMX stage Ⅱb 以上の診断で,早期の全身検索および補助化学療法が必要と判断し,妊娠 32 週 4 日に経膣分娩で早期娩出した。胎盤や出生児に転移所見はなかった。出産後,全身検索,センチネルリンパ節生検を行い,末端黒子型悪性黒色腫 stage Ⅱb(pT3bN0M0)と診断し,術後の補助化学療法として,DAV-Feron 療法を 3 クール行い IFN-<i>β </i>の局注射療法を継続している。術後 4 年が経過しているが,再発,転移はない。</p>