著者
生塩 孝則 遠藤 寛二 山本 恵司
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.116, no.11, pp.866-875, 1996-11-25
参考文献数
20
被引用文献数
4

The physicochemical properties of the enantiomer and racemates of suplatast tosilate (ST) were investigated by means of infrared spectroscopy, solid-state <SUP>13</SUP>C CP/MAS NMR spectroscopy, thermal analysis, and X-ray diffraction analysis, and by measuring the solubility and hygroscopy. The infrared and NMR spectra and X-ray diffraction pattern of the enantiomer were distinctly different from those of the racemate. The melting point of the enantiomer was lower than that of the racemate by 5&deg;C, while the solubility of the enantiomer was 1.3 times higher than that of the racemate. The hygroscopic rate of the enantiomer was greater than that of the racemate. These results suggested that ST was classified into a racemic compound crystal. Furthermore, by comparing the relative peak intensity ratios on X-ray diffraction patterns of crystals with various optical purities prepared by recrystallization, it was found that a mixture of racemic compound crystals and either of racemic mixture crystals or racemic solid solutions was obtained by recrystallization of ST in the content of 0 to 64%ee, while the recrystallization of ST in the content of more than 64%ee led to the formation of racemic mixture crystals or racemic solid solutions.
著者
原田 光 HUAN Nguyen Van 山本 宗幸
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部会報 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.1-11, 2006-12

四国山地全域および九州山地の一部の山村から収集したトウモロコシ地域品種のうち,四国山地の系統について聞き取り調査の結果を分析し,遺伝資源としての検討を行った.1.愛媛県23系統,高知県51系統,徳島県25系統および九州4系統(熊本県2系統,宮崎県1系統,大分県1系統)の合計103系統を収集した.2.トウモロコシの播種時期には地域的な差があり,徳島県と高知県では多くの系統が4月初旬から5月初旬にかけて播種されるのに対し,愛媛県では5月中旬から6月中旬にかけて播種される例が多かった.3.トウモロコシの栽培は100m^2以下の狭い面積で行われることが多く,これは必然的に近親交配をもたらすが,実のつきのよい健全な穂から次年度の種子を選ぶことが一般的に行われており,これによって近交弱勢が抑えられていると考えられた.4.聞き取りを行った農家の82%で種子は親から受け継がれたものと判断された.また約80%の農家が以前に焼畑を経験しており,このことからトウモロコシの地域品種は焼畑作物として農家単位で代々受け継がれてきたものと考えられた.5.聞き取りを行った農家の80%でスイートコーンなどの市販品種を栽培しており,交雑によるこれらの品種からの遺伝子浸透が危惧された.
著者
横井 徹 和田 淳 森信 暁雄 全 勝弘 関川 孝司 川野 示真子 永山 恵子 池田 弘 浅野 健一郎 福島 正樹 山本 博 土居 偉瑳雄 日下 昌平
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.1463-1469, 1991-11-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
25

1989年7月から1990年9月までの15か月間に経験したパラコート中毒例6例に対し, 胃洗浄, 血液吸着 (DNP), 強制利尿に加えて, ポリエチレングリコール含有電解質溶液Golytelyを用いた72-96時間の連続的な腸洗浄を行い5例を救命した. 救命例5例では, 治療開始後比較的短時間で尿中パラコート定性反応は陰性化し, 全例後遺症なく1か月後に退院した. 死亡例1例は大量服用例で, 尿中パラコート定性反応は陰性化せず, 多臓器不全に陥った.パラコート中毒治療の要点は本剤の体外への速やかな排泄である. 現在治療は腸管洗浄と血液浄化, 強制利尿を組み合わせて行われているが, 腸洗浄は電解質異常などをきたすため強力に行うことは難しい. Golytelyはこの欠点を補い, パラコートが腸管から体内へ吸収される前に速やかに排泄することによって本症を効果的に治療しうると考えられる. しかし本症のように腸管に広範囲の粘膜欠損を生じる場合は, 体内への多量の水分貯留をきたす場合があるので循環動態に注意が必要と考えられた.
著者
山本 美紀
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.30, pp.283-294, 2005-03-25

ジョージ・オルチン(George Allchin 1852-1935)による幻燈伝道は、彼の日本での宣教師としての仕事において、賛美歌の仕事と並ぶ大きな活動である。彼の伝道旅行は地方にも及び、多くの人々にとって福音のみならず賛美歌や聖歌といった西洋文化に初めて生でふれる機会となっていた。本論文は、時に一〇〇〇人以上という動員数を誇った彼の「幻燈伝道集会 Lantern Lecture」に焦点を当て、特に彼のオリジナル作品「ほととぎす」「世は情け」を中心にとりあげる。この二つの作品は聖書のたとえ話「放蕩息子」「善きサマリア人」の翻案である。
著者
大木 孝一 和田 公平 山本 祐三 牧本 一男 高橋 宏明
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1757-1762, 1993-12-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
6
被引用文献数
2 4

Actinomycosis is a chronic purulent granulomatous disease caused by actinomyces, an organism which is often present in man. Patients with a chronic clinical course have been on the increase in recent years, and differentiating this disease from tumor is often necessary when the mass is in facial and cervical regions other than the oral cavity and jaw. We report two cases of actinomycosis in the face and neck.Case 1: A 54-year-old man complained of a swelling in the anterior part of the neck. A mass 65 × 70 mm with redness of the skin was noted at his first visit. The mass was of platelike consistency with a smooth surface closely adherent to the surrounding tissue. The tuberculin test was negative. A malignant tumor was considered, so percutaneous needle biopsy was performed, but no significant abnormality was found. Antibiotics were given by drip infusion, and the mass disintegrated. Yellow viscous pus containing light gray granules was discharged to form a fistula.Case 2: A 40-year-old man developed a swelling in the left cheek. A ping pong ball-sized mass of plate-like consistency with redness was noticed at his first visit. A fistula formed in the oral cavity on the left, and pus was discharged from it. Plain CT revealed an isodense lesion in the left cheek, with no connection to the maxillary sinus.Actinomyces is anaerobic, so it was not detected by culture in either case. Histopathological examinations of actinomycotic granules was useful in the diagnosis.The treatment consists mainly of drainage by incision of the lesion and administration of antibiotics, especially penicillin.
著者
小島光晴 土永将慶 山本貴史 矢口裕明 稲葉雅幸
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.63-64, 2013-03-06

人の生活を支援するためのロボットHSRでは実証実験の結果、家庭環境でマーカレスでロバストに物体を認識し支援することが求められている。認識手法のひとつとしてLINEMODを家庭環境で認識が必要とされる照明条件・物体に適用し評価した。これについて報告しロバスト性向上のための方法を検討する。
著者
山本 博崇 本間 陽一郎 浜野 孝
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.81-84, 2010-01-31 (Released:2010-03-03)
参考文献数
11

症例は22歳の男性。緩徐に増強する腹痛と嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した。身体所見,画像所見より腸閉塞が疑われた。腸管虚血も否定できないため,緊急手術を施行した。開腹し腹腔内を検索したところ,Meckel憩室が食塊で充満され,小腸の通過障害をきたしていた。憩室を含む小腸を切除し,手術を終了した。切除した組織には炎症所見は認めなかった。本症例はMeckel憩室による腸閉塞の分類(Rutherford分類)に当てはまらず,まれな症例と考えられた。
著者
原田 恵雨 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_127-1_134, 2011-01-25 (Released:2011-02-18)

本論文では,二部グラフのコミュニティ対応関係を考慮したコミュニティ分割を定量的に評価する指標である二部モジュラリティを提案し,すべてのコミュニティ分割のパターンに対する二部モジュラリティの分布を調査することにより,その妥当性を示す.さらに,提案した二部モジュラリティを用いたコミュニティ分割手法を提案し,人工的に生成した二部グラフに対し適用することで,その有効性を示す.
著者
山本熊太郎 著
出版者
古今書院
巻号頁・発行日
1936
著者
山本 麻子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.172, 2006 (Released:2006-08-10)

ヴィクトリア朝初期の一般家庭では、画一的な仕上がりのベルリン刺繍が人気だったが、これに批判的だった芸術家たちは、新しい技法である芸術刺繍を提案した。特にウィリアム・モリスは芸術刺繍の推進者となり、彼の思想に賛同する団体が数多く設立された。中でも1872年に開校された王立刺繍学校では、モリスは講師として関わり、図案も提供した。モリスらの働きかけにより、19世紀後半には芸術刺繍は一般のレベルにも広まり、室内装飾にも影響を与えた。
著者
佐藤 徹哉 山本 紀和 中村 誠
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.191-196, 2006-06-25 (Released:2011-02-17)

世界初の有効840万画素16: 9CCD, 広角28mm相当からの光学4倍の光学式手プレ補正 (O.I.S.: Optical Image Stabilizer) 搭載Leica DC Vario-Elmaritレンズを搭載したDMC-LX1により, 撮影アスペクト比を操る楽しみをはじめとする新たな楽しさの提案を行った.新開発のレンズとCCDをはじめとする要素技術とデザインが一体となって商品開発を行って, コンパクトサイズを犠牲にすることなくクリエイティブコンパクトモデルと称するにふさわしい表現力を備えたカメラを実現した. ユーザアンケートの結果では, 購入者の多くが新たな16: 9での撮影に満足されている一方で, 4: 3での撮影と併せて, 撮影アスペクト比を一つの表現手段として使う様子が伺われた.