著者
蜂谷 俊泰 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2010年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.689-690, 2010 (Released:2011-03-10)

本研究では多関節アームロボットの自律的な学習によるロバスト性を有した行動獲得を目的する。ロボットにあるタスクを与え、物理法則を考慮したシミュレーションによってその挙動のシミュレートを行う。ロボットは人工ニューラルネットワークによって制御し、そのパラメータを遺伝的アルゴリズムによって最適化を行うことで学習を行う。シミュレーション実験から得られたロボットの獲得した動作のロバスト性について考察する。
著者
原口 強 下田 一太 杉山 洋 登坂 博行 内田 悦生 山本 信夫 中川 武
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は密林に覆われた古代都市アンコール帝国の実像解明を目的としている.2012年に取得されたLiDAR地形データから作成した高分解能赤色立体図は密林下の地形と遺構を鮮明に描き出し,王都アンコール・トム周辺地域を含む往時の都市構造を解読することが可能となった.LiDAR地形データをベースに王都内の現況水路網の配水・排水検証と降雨に対する挙動を数値計算した結果、自然勾配を生かした水路網と溜池群などの水利都市構造が,雨季と乾季に二分されるこの地域の気象環境条件を克服し,多数の人口を維持するために機能していたことが推定された.
著者
山本 渉
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.279-294, 2015
被引用文献数
2

本研究の目的は, 中学校の担任教師が, 生徒・保護者への対応において, スクールカウンセラー(以下, SCと略記)の活動をどのように生かし, その結果どのような体験をしているのかを, 担任教師の視点からボトムアップ的に把握することであった。半構造化面接法にて収集された16名の中学校教師のインタビュー・データを, グラウンデッド・セオリー・アプローチを援用して分析した。その結果, 担任教師がSCの活動をどのように生かしているのかは, ≪担任のしづらい動きを担ってもらうことでゆとりを得る≫, ≪SCの情報や発言から生徒・保護者への理解を深める≫, ≪対応にあたってのガイドを得て判断の参考にする≫, ≪気持ちや考えへの保証を得て精神面の回復に役立てる≫の4つに整理されることが示唆された。これらのいずれか, あるいは複数の生かし方をした結果, 担任教師はそれまでよりも生徒・保護者に≪安定して対応できる≫ようになると考えられた。さらに, SCとの協働を経て≪安定して対応できる≫ようになることがきっかけとなり, 担任教師自身の≪対応スタンスの変化が促される≫場合もあることが示唆された。
著者
石川 航平 山本 知幸 藤波 努
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第20回全国大会(2006)
巻号頁・発行日
pp.125, 2006 (Released:2006-12-07)

なぜ人間は技能習得の過程、リズム感の習得において個人差が生じるのであろうか。本研究ではサンバスクールに通い、サンバ・ダンスを初心者が6ヶ月間の練習期間に上達する過程を観察した。サンバのリズムは元来、日本人が持つ感覚とは異なり、長期的に渡る訓練で習得しなければならない。実験においては二人の被験者を対象として6ヶ月間の間、5回に渡り、モーションキャプチャ装置を身体の18カ所のポイントに装着し計測した。タスクは難易度により四段階に分類した踊りのパターンとした。得られたデータを身体各関節の協調度に注目して分析した。その結果、サンバ・ダンスの上達過程における特徴的な差異を特定した。
著者
山本 真弓 鷲尾 昌一 入部 久子
出版者
日本看護倫理学会
雑誌
日本看護倫理学会誌 (ISSN:1883244X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.77-85, 2015-03-20

本研究の目的は、看護基礎教育における基礎看護学実習前後の看護倫理教育の実態を明らかにすることである。2007年5月〜7月看護基礎教育機関685施設の教育担当者に45項目の倫理教育実態調査を行った。結果、有効回答は85施設、回答率12%(内訳:看護学校56、短大3、大学26)。基礎看護学実習の開講時期は1・2年次が多く、実習前の倫理教育の報告は72施設(84.7%)に比べ、実習後の倫理教育48施設(56.4%)と少ない結果であり、実習後の臨床経験に基づく教育の機会が不足していた。また看護倫理教育は科目として構築されておらず、構築する必要あり53(62%)、必要ない13(15%)、どちらでもない16(19%)、無回答3(4%)であり、大学の教育担当者と看護専門学校の教育担当者間の科目構築の必要性に関する認識にはp値0.07と有意な差はないが、差の傾向が見られた。回答者の年齢は51±8.6、臨床経験年数13±7.4である。
著者
茂尾 亮太 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.7, pp.1-6, 2009-09-03

データ関係をノードとエッジで表すネットワーク構造は多くの分野で共通に利用されている.ネットワークの可視化技術は単なるノード間のつながりからは発見できないネットワークの構造や特徴を見出すのに有用な技術である.従来の研究で様々な可視化手法が提案されてきたが,本研究では力学的手法に焦点を当てる.力学的手法は実装と拡張が容易な最も一般的な可視化手法であるが,可視化のための計算量が大きく大規模なネットワークには適用することができない.しかし,比較的小規模なネットワークに対してはネットワークの特徴を捉え高速に可視化が可能である.提案手法では可視化対象のネットワークのある範囲内のノード群に対し,局所的エネルギー最小化によるノード配置をランダムに繰り返し行うことにより,ネットワーク全体の大域的なノード配置を導出する.これにより,計算量を削減し高速化に可視化を行う.また,従来手法との比較を行い提案手法の有用性を検証した.
著者
早瀬 環 山本 淑子 山本 啓一
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第32回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.121, 2005 (Released:2005-06-08)

我々はこれまで、濫用薬物であるコカイン(COC)やメタンフェタミン(MA)の不安惹起作用について、マウスにおける高架式十字迷路法などの方法によって調べてきた。COCやMAによる不安症状は、他の原因による不安症状同様、ベンゾジアゼピン受容体やセロトニン受容体などの受容体と関係があるといわれ、様々な抗不安薬による抑制効果が検討されてきたが、最近カンナビノイド(CB)受容体との関係が示唆されている。特にanandamide(AEA)など内因性CB受容体作用薬(内因性CB)は抗不安作用など様々な治療効果を示すことが証明されている。本研究ではCOC及びMAによる不安症状に対する内因性CBの影響を調べ、他の抗不安薬との比較を試みた。【方法】雄ICRマウスでCOC及びMAの不安惹起作用に対するベンゾジアゼピン受容体(diazepamなど)、セロトニン受容体(ketanserin、ondansetronなど)などに関係のある抗不安薬、及び内因性CBであるAEA、2-arachidonylglycerol、N-arachidonyldopamine(NADA)、noladin ether、virodhamine(VD)の影響を高架式十字迷路法(壁のあるenclosed armへの嗜好性の変化)によって調べた。【結果と考察】高架式十字迷路法では、COC 30mg/kg又はMA 4mg/kgの急性投与群(腹腔内投与)、及びCOC 15 mg/kg又はMA 2mg/kgの慢性投与群(7日間の投与)の両方で、3日間以上の不安症状(壁のないopen armへの移動回数の減少、壁のあるclosed armへの移動回数の増加、open armでの滞在時間の減少、open armに最初に移動するまでの時間の延長、すくみ緊張姿勢の増加など)の継続が認められたが、(最終)投与40分後では、急性投与群のみで著明な不安症状が認められた。抗不安薬については、投与40分後では、diazepam(5mg/kg)、chlormethiazole(10mg/kg)、ketanserin(5mg/kg)、ondansetron(0.01mg/kg)、及びCB受容体に対して部分antagonistとしても作用するVD以外の内因性CBの抗不安作用(上記の評価値の回復)が急性投与群で認められたが、投与3日後では、内因性CBのみに急性投与群と慢性投与群の両群での抗不安作用が認められ、作用の継続性とCOCやMAの退薬症状に対する効果の可能性が示唆された。また内因性CBなどの効果がCOC群とMA群の両群で認められることが示された。
著者
山本祐弘 著
出版者
相模書房
巻号頁・発行日
1943
著者
山本 宏義
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.122, pp.161-171, 2011

公の施設の管理に関して指定管理者制度が始まって8年になるが、この間、指定管理者が管理する図書館において、どのような運営上の課題があるかを明らかにしたい。制度設計に起因するものについてはあちこちで語られてきたが、運営上の問題についてはあまり論議されていない。そこで、人権上問題があるとされた「老いの超え方」という図書の取扱いについてアンケートを行い、それによって運営上の課題を探ろうとしたものである。しかしながら、震災のこともあり、本格的な調査を行うことができなかったので、これを予備調査として、本格的な調査は後日に譲る。指定管理者側の問題もさることながら、指定管理者から報告を受けた設置者側がそれを良しとするかしないか、良しとしなかったときはどのような対応になるか、といったところに問題が潜んでいそうである。いずれにしても本格調査によって明らかにしたい。
著者
山本 宏義
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.122, pp.161-171, 2011

公の施設の管理に関して指定管理者制度が始まって8年になるが、この間、指定管理者が管理する図書館において、どのような運営上の課題があるかを明らかにしたい。制度設計に起因するものについてはあちこちで語られてきたが、運営上の問題についてはあまり論議されていない。そこで、人権上問題があるとされた「老いの超え方」という図書の取扱いについてアンケートを行い、それによって運営上の課題を探ろうとしたものである。しかしながら、震災のこともあり、本格的な調査を行うことができなかったので、これを予備調査として、本格的な調査は後日に譲る。指定管理者側の問題もさることながら、指定管理者から報告を受けた設置者側がそれを良しとするかしないか、良しとしなかったときはどのような対応になるか、といったところに問題が潜んでいそうである。いずれにしても本格調査によって明らかにしたい。
著者
宇平 幸一 永福 順則 山本 博二 横山 博文 荒木 卓次
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山. 第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.S36-S44, 1984-12-28
被引用文献数
1

A swarm of earthquakes, precursory indication of the eruption, began to be recorded at Miyakejima Weather Station at 1358 on 3 October, 1983, although none was recorded at any other seismic station of JMA until the onset of the eruption. On the other hand, another swarm of earthquakes that resumed after the onset of the eruption was caught by seismographs around Miyakejima. Precursory earthquakes were grouped into two types, i.e., high frequency earthquakes and low frequency ones, according as their predominant frequencies were higher than 2.5 Hz or not. It is unpromissing to try to determine hypocenters of precursory events, but, both the first motions of 5 high frequency earthquakes and the particle motions of 2 low frequency ones in the horizontal plane inidicate that their sources were located to the SW of the seismograph, probably on the island. Gradually increasing continuous tremors started immediately after the earthquake at 1522 which had a predominant frequency of about 1.4 Hz from initial motion through coda. The following continuous tremor had almost the same predominant frequency. Major eruptive activity probably began with this low frequency earthquake. The magnitudes of two large precursory earthquakes were estimated to be about 3.0 by applying the relation between the magnitudes of post-eruption earthquakes and their maximum amplitudes or duration times of vertical component at Miyakejima Weather Station. However, this estimation was not appropriate because earthquakes of such size were large enough to be recorded at seismic stations other than Miyakejima. The seismograph at the sea bottom off Omaezaki (named "TK1OBS" in the seismological bulletin of Japan Meterological Agency), about 180 km W of Miyakejima, detected post-eruption earthquakes of magnitude about larger than 2.5, but did not record any pre-eruption earthquakes. The background noise on 3-4 October had remained at a similar level of 0.02 milikine, which corresponds to the expected maximum velocity of the vertical component on TK1OBS when an earthquake of magnitude 2.4 occurs at Miyakejima. Therefore, precursory earthquakes seem to be of magnitude less than 2.4.
著者
石田 康行 帖佐 悦男 矢野 浩明 山本 惠太郎 河原 勝博 田島 卓也 山口 奈美 崎濵 智美
出版者
日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
雑誌
JOSKAS (ISSN:18848842)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.468-471, 2010 (Released:2011-02-10)

Partial-thickness articular-side tears of the rotator cuff were termed "partial articular surface tendon avulsion" (PASTA) by Snyder et al. Avulsion fracture of the medial aspect of the greater tuberosity in the region of the supraspinatus footprint was termed "bony PASTA lesion" by Bhatia et al. Kaspar et al. described a case of hyperabduction injury to the shoulder with fracture and extensive cavitary bone defect in the superolateral proximal humerus, caused by impression of the acromion.### We describe a case of bony PASTA lesion caused by hyperabduction injury to the shoulder. A 41-year-old male fell from a scaffold and hung from it. At that time, his left shoulder was placed in hyperabduction, causing a bony PASTA lesion. Because the displacement of the fragment was slight, he was given only conservative therapy for 7 months. He came to our hospital because motion pain and impingement in his left shoulder were not improved after 7 months. Physical examination revealed impingement sign and motion pain in his left shoulder. Radiographic examination revealed a 10 mm diameter cavitary bone defect and a small bone fragment of his injured greater tuberosity.### We diagnosed impingement syndrome caused by the small bone fragment, and performed arthroscopic operation. The bone fragment was removed, and the PASTA lesion was repaired with arthroscopic transtendon repair technique which preserved the superficial layer of the rotator cuff (arthroscopic PASTA repair). His postoperative course was good, and the preoperative symptoms disappeared.### In such cases, arthroscopic operation is best, because it is less invasive. 2004年Kasparらは肩関節過外転による肩峰と上腕骨の衝突で上腕骨近位に骨欠損と骨折を生じる症例があると報告し,2007年Bhatiaらは肩関節前方脱臼後に生じた棘上筋腱大結節付着部関節面側裂離骨折をbony PASTA lesionと称した. 今回,肩関節過外転で生じたbony PASTA lesionの症例を経験したので報告する. 症例は41歳,男性で建築作業中,足場より転落し左手でぶら下がり左肩関節過外転となり,左棘上筋腱大結節付着部関節面側裂離骨折を受傷した. 転位が軽度であったため近医にて保存的加療を行った. 左肩関節運動時痛,ひっかかり感が改善しないため受傷後7カ月で当科紹介受診となった. 画像所見上,上腕骨大結節に直径約10mmの骨欠損像と棘上筋腱大結節付着部関節面側に2×2×5mm大の小骨片を認め,小骨片による肩インピンジメント症候群と考え鏡視下手術を施行した. 小骨片は切除し,棘上筋腱関節面部分断裂を残存腱板を温存し,鏡視下に経腱板的に修復した(arthroscopic PASTA repair). 術後経過良好で術前の症状は消失した. 本例に対する鏡視下手術は鏡視による低侵襲での病変部の評価と残存組織を温存した修復が可能で最良の方法であった.