著者
橋本 良子 山田 順常 林 進 中島 襄 城戸 国利
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.83-86, 1976
被引用文献数
1

われわれは, 半年前より持続する緑色帯下を主訴として来院し, レ線撮影により腟内に鈴を発見した1例を経験したので報告する. 患児は4才. 全身状態には異常なく, 外陰部は発育正常で外傷はなかったが, 発赤湿潤して悪臭があり, 腟スメアはI°~II°であった. 肛門診で前方に硬い腫瘤を触れ, 腟内に挿入したゾンデの先端に金属様の抵抗があったので, レ線撮影を行なったところ直経約1cmの鈴が描出された. 入院の上, 全麻下に子宮鏡を腟内に挿入して鈴の位置を確認し, 肛門から示指をもって容易に圧出し得た. 幼女の腟内異物は稀で, かつ診断が困難な場合が多いので, 文献的考察を加えて報告した.
著者
山田 順子 鬼頭 美江 結城 雅樹
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.18-27, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
40
被引用文献数
1 11

本研究の目的は,友人関係および恋人関係における親密性の文化差の原因の検討である.近年の国際比較研究は,北米人の方が東アジア人よりも,対人関係のパートナーに対して感じる親密性が高いことを示してきた.本研究は,社会生態学的視点に基づき,この文化差をもたらす原因を,北米社会における対人関係選択の自由度,すなわち関係流動性の高さに求めた.この仮説を検討するため,日本人とカナダ人参加者を対象に,親友・恋人および最も親しい家族に対する親密性,また参加者を取り巻く身近な社会環境における関係流動性の認知を尋ねた.その結果,まず先行研究と一貫して,日本人よりもカナダ人の方が,親友や恋人に対してより強い親密性を感じていた.さらに,理論仮説と一貫して,親友に対する親密性の日加差は,対人関係選択の自由度によって有意に媒介され,自由度が高いほど親密性が高いことが示された.
著者
須山 巨基 山田 順子 瀧本 彩加
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si4-3, (Released:2018-11-07)
参考文献数
66

集団力学研究とは,実験・調査・モデリングを通じて,個体が集合的に作り出す複雑な社会現象を定量的に検証する研究群の総称である。社会心理学における集団力学研究は,1940年代から隆盛するも徐々に研究の主流から外れていった。一方,生物学では,近年の新しいデータ収集法や分析方法の発達により集団力学研究が盛んに行われるようになり,再び集団力学研究が脚光を浴び始めている。本稿ではまず,社会心理学と生物学のそれぞれにおける集団力学研究の歴史を概観する。続いて,社会心理学において高い関心が寄せられてきた同調と文化拡散に注目し,これらのトピックに関して生物学が新たな集団力学的な手法を用いてどのような知見を見出したのか紹介する。最後に,生物学における集団力学研究の社会心理学への援用可能性とその便益性を示し,社会心理学と生物学の融合による集団力学研究の展望を論じる。
著者
橋本 良子 山田 順常 林 進 中島 襄 城戸 国利
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.83-86, 1976-01-01 (Released:2011-10-11)
参考文献数
12
被引用文献数
2

われわれは, 半年前より持続する緑色帯下を主訴として来院し, レ線撮影により腟内に鈴を発見した1例を経験したので報告する. 患児は4才. 全身状態には異常なく, 外陰部は発育正常で外傷はなかったが, 発赤湿潤して悪臭があり, 腟スメアはI°~II°であった. 肛門診で前方に硬い腫瘤を触れ, 腟内に挿入したゾンデの先端に金属様の抵抗があったので, レ線撮影を行なったところ直経約1cmの鈴が描出された. 入院の上, 全麻下に子宮鏡を腟内に挿入して鈴の位置を確認し, 肛門から示指をもって容易に圧出し得た. 幼女の腟内異物は稀で, かつ診断が困難な場合が多いので, 文献的考察を加えて報告した.
著者
須山 巨基 山田 順子 瀧本 彩加
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.161-170, 2019 (Released:2019-03-26)
参考文献数
66

集団力学研究とは,実験・調査・モデリングを通じて,個体が集合的に作り出す複雑な社会現象を定量的に検証する研究群の総称である。社会心理学における集団力学研究は,1940年代から隆盛するも徐々に研究の主流から外れていった。一方,生物学では,近年の新しいデータ収集法や分析方法の発達により集団力学研究が盛んに行われるようになり,再び集団力学研究が脚光を浴び始めている。本稿ではまず,社会心理学と生物学のそれぞれにおける集団力学研究の歴史を概観する。続いて,社会心理学において高い関心が寄せられてきた同調と文化拡散に注目し,これらのトピックに関して生物学が新たな集団力学的な手法を用いてどのような知見を見出したのか紹介する。最後に,生物学における集団力学研究の社会心理学への援用可能性とその便益性を示し,社会心理学と生物学の融合による集団力学研究の展望を論じる。
著者
名知 博司 山中 新太郎 大津 なほ子 木村 輝 安井 重成 山田 順子
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.123, no.1579, pp.34-35, 2008-08-20

南米アマゾン川流域に生息するモルフォ蝶は、「生きた宝石」と呼ばれ、世界一美しい蝶と言われている。近年の研究によって、このモルフォ蝶の羽根の色は、色素によるものではなく、羽根表面の不思議な微細構造によってつくり出されていることが明らかになった。われわれの眼には空や海が青く映るように、モルフォ蝶の羽根は光干渉作用により青く発色していた。このモルフォ蝶の羽根の複雑で微細な構造原理から学び、染料や顔料を使用しないで、光により発色する繊維が実用化されている。今回は、人工的につくり出された光発色繊維に秘められたナノテクノロジーについて学ぶ。
著者
山田 順也 竹林 崇 福山 千愛
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.539-546, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
15

身体機能障害に加え,アパシーによる意欲低下や抑うつ症状が出現した脳卒中患者を経験した.事例は介入初期より意欲低下を認め,具体的な目標設定が困難であった.また,経時的に抑うつ感・不安感が出現し,精神機能の評価結果が悪化した.これらの症状に対し,複数のポジティブな視覚フィードバックを用いて,身体機能に対する介入の効果が分かりやすくなるように提示した.結果,アパシーや抑うつの改善とともに言動変化を認め,具体的な目標共有が可能となった.本事例報告において,脳卒中後にアパシーや抑うつを呈した事例に対し,ポジティブな視覚フィードバックを用いた介入は,精神機能の改善や行動変容を促進する可能性が示された.
著者
上野 伸哉 古川 智範 二階堂 義和 下山 修司 柴 祐子 山田 順子
出版者
弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2-4, pp.105-109, 2016 (Released:2021-06-01)
参考文献数
3

γ-aminobutyric acid (GABA)は成熟脳における主要な抑制性神経伝達物質であり,対応する受容体としてGABAA およびGABAB 受容体が存在する.GABAA受容体はGABA が結合することによりCl⁻イオンに選択性をもつイオンチャネルで,神経細胞膜電位の過分極をきたし,最終的に活動電位発生抑制をもたらす.このGABA 作動性の抑制機構はダイナミックに制御されていることが近年明らかとなってきた.この制御メカニズムを,①細胞内Cl⁻濃度制御,②GABAA 受容体サブユニット発現による制御,③受容体分布にかかわる受容体輸送(トラフィッキング)機構に焦点をあてて紹介する.
著者
日野 明子 広瀬 隆則 山田 順子 高井 チカ子 山口 美紀 佐野 寿昭
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.93-97, 1999-01-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1

鼻腔内腫瘍として発症した浸潤性下垂体腺腫を経験したので細胞所見とともに報告する. 症例は64歳, 女性. 右鼻閉感と鼻出血が出現し, 耳鼻科にて鼻腔内腫瘍を指摘された. 頭部MRIで腫瘍は蝶形骨洞を主座とし, 眼窩, 上顎洞, 筋骨洞, 鼻腔への進展が認められた. トルコ鞍は腫瘍で置換されていた. 鼻腔からの生検で神経内分泌腫瘍と診断され, 当院脳神経外科にて経蝶形骨腫瘍摘出術が行われた. 捺印細胞像では腫瘍細胞は均一で平面的に配列していた. 細胞質は豊富でライトグリーンに淡染し, 核は円形でクロマチンは細顆粒状に増量していた. 組織像では充実性もしくは索状に配列し, perivascular pseudorosetteやmicrocystがみられた. 免疫組織化学にてcytoker-atin, chromogranin A, synaptophysinが陽性で, 下垂体前葉ホルモンは陰性であった. 電顕的には神経内分泌顆粒が認められた. 以上から下垂体腺腫null cell typeと診断した. 本腫瘍は頭蓋内の良性腫瘍だが, 時に周囲の骨を破壊して眼窩や鼻腔などの頭蓋外へ進展することがあり, 悪性腫瘍と誤認しないことが大切である.
著者
山田 順之 小池 淳司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00021, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
14

我が国の国土政策は,国土の均衡ある発展を目指して進められてきたが,地方の人口減少と並行する形で都市への人口集中が続いており,地方における担い手不足や経済の停滞などが大きな課題となっている.一方,EUは我が国と比較して地方の人口減少を緩和させている.この要因の一つとして,中山間地域の主要産業である農業に対する政策の差異が考えられる.EUでは農業政策においても国土政策的な視点から地域の隔たりなく,営農に加え教育や医療へのアクセスなども確保する政策,つまり全国民が満たすべき基本的権利を尊重した政策を講じ地域間格差是正や地方への人口定着を図っている.本研究では既往研究からEUの農業政策を分析し,我が国との比較を通して,国土政策の推進に有益となる施策や枠組みを新たな視点で検討・提案した.
著者
山本 嘉則 山田 順一 西井 真二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1177-1182, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2

ステロイドアルデヒド〔3〕と(2R,4R)-(-)-2,4-ペンタンジオールから合成したキラルなステロイドアセタール〔8〕,S-R,R体,とアリルシラン〔12a〕,9-アゾル-9-BBN〔12b〕,またはアリルトリブチルスタンナン〔12c〕との塩化チタン(N)存在下での反応を行ない,つづいて常法にしたがって処理すると,ホモアリルアルコール〔14〕,S,S体,がきわめて優先的に生成する。ある場合には,S,S体が圧倒的(>99%)に生成する。〔3〕と(2S,4S)-(+)-2,4-ペンタンジオールから合成したアセタール〔9〕,S-S,S体,と〔12a〕または〔12b〕とを同様に反応させると,やはり〔14〕が優先的に生成した。これは,従来のアセタールテンプレートを用いる不斉誘導り結果からは理解しがたしこ現象である。一方,〔9〕と〔12c〕との反応では〔16〕,S,R体,のアルコールが得られた。また同様に,スタンニルアセチレン,〔11a〕,と〔11b〕と,〔8〕との反応ではS,S体〔13〕が得られ,〔9〕との反応ではS,R体〔15〕が得られた。一方〔9〕とシリルアセチレン〔1Zc〕とからはS,S体〔13〕,が得られた。これらの結果は,不斉誘導率のみならず不斉誘起の方向さえも有機金属化合物の求核性に大いに支配されることを示している。合成的にはC-22位の立体制御をスズ化合物を用磁れば可能であることを示している。機構的には,アセタールテンプレートによって高い不斉誘起を達成するためには,アセタールの結合開裂と結合生成とのタイミングが同一でなければならないことが明らかとしなった。
著者
広瀬 隆則 山田 順子 山本 洋介 佐野 暢哉 日野 明子 古本 博孝 山田 正代 佐野 壽昭
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.233-237, 1997-03-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
10
被引用文献数
4 4

子宮頸部にはまれに神経内分泌癌が発生することが知られている. 30歳, 妊娠29週の女性の子宮頸部に発生した小細胞性神経内分泌癌の1例を経験したので, 細胞所見を中心に報告した. 患者は不正性器出血を主訴として来院し, 頸部前唇にピンポン玉大の腫瘍が見出されたため, 広範子宮全摘出手術が行われた. 術後, 大量化学療法と末梢血幹細胞移植が施行されたが, 合併症のため約7ヵ月後に死亡した. 擦過細胞診では, 小型で裸核状の腫瘍細胞が壊死物質を背景に孤立散在性ないし結合性の弱い小集塊として認められ, 肺小細胞癌の細胞所見に類似していた. 組織学的に腫瘍細胞は, 胞巣状, 索状ないしリボン状に配列し, 多くの細胞でGrimelius法により好銀顆粒が証明された. 免疫組織化学的に, Chromogranin A, neuron specific enolase, synaptophysinなどの神経性マーカーが陽性を呈しており, 小細胞性神経内分泌癌と診断された. 本腫瘍は, 小細胞性扁平上皮癌や低分化腺癌との鑑別が難しいが, これらの腫瘍より進行が早く悪性度が高いので, 早期に診断し強力な治療を開始することが大切である. 診断上, 細胞診のはたす役割は大きいと考えられた.
著者
平田 和貴 山田 順一 新上 和正
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 22.64 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.31-38, 1998-11-20 (Released:2017-06-23)

JPEGベースライン・システムによる画像符号化を行う場合、より圧縮率が高く、かつより画像品質の良い量子化テーブルを採用することが望まれる。高次元アルゴリズムは多数の制御変数を同時に最適化できる最適化手法であり、これをJPEG量子化テーブルの最適化に用いた。高次元アルゴリズムによって国際標準例示の量子化テーブルに比較して、より圧縮率が高く、画像品質が改善された量子化テーブルを得ることができたので報告する。
著者
山田 順治 寺本 秀男 塚山 隆一
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.47-64, 1972

本論文の筆者山田, 寺本, 塚山の3氏は, 昭和46年5月土木学会総会において「急速施工を目途とした特殊セメントの開発ならびに実用化」の業績により, 吉田賞を受賞された。本誌ではすでに, 新材料新工法委員会が「アサノスーパーベロセメント超早強ボルトランドセメトント」 (1970年8月号) として紹介しており, 今回はこの新しいセメントの開発の経過と利用とをくわしく紹介するために本論文を登載した。