著者
中村 好徳 金子 真 林 義朗 莟 博行 山田 明央
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
日本暖地畜産学会報 (ISSN:2185081X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.181-194, 2012-09-28 (Released:2012-12-29)
参考文献数
36
被引用文献数
1

褐毛和種去勢雄牛(4頭,8~9ヵ月齢)を用いて,配合飼料無給与で暖地型牧草(バヒアグラスなど)放牧地と寒地型牧草(イタリアンライグラス)放牧地で周年放牧育成(草地育成期間:293日)後,放牧を続けながら自家産のサイレージ(トウモロコシと大豆の混植)を併給する肥育方法により飼養(草地肥育期間:248日)し産肉性と肉質を調査した.放牧期間中の1日増体量は,草地育成期間で0.35 ±0.03 kg/日,草地肥育期間で1.02 ±0.10 kg/日であった.供試牛の血液性状は飼料成分(特に生草)の変化に顕著な影響を受け,季節変動が激しかったが正常値範囲内の変化に留まった.供試牛は26.8 ±1.0ヵ月齢で体重676 ±50 kgで出荷され牛枝肉格付評価はB-2であった.また,屠畜後の内臓廃棄率は0%であった.本研究で調査された食肉科学および栄養学的データを他の慣行肥育牛のデータと比較検討することにより,褐毛和種去勢雄牛の草地肥育牛は,1)産肉性として,‘まえばら’と‘そともも’の発育が良好であること,2)肉質として,ほとんどの部分肉の脂質含量が和牛肉と乳用肥育牛肉の間に位置すること,β-カロテン含量が高くコレステロール含量と脂肪酸組成のn-6系多価不飽和/n-3系多価不飽和比率が低いことが明らかになった.これらのことから褐毛和種去勢雄牛の草地肥育における産肉性や肉質の特徴が明らかになった.
著者
羽柴 哲夫 山田 正信 本郷 卓 宮原 永治 藤本 康裕
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.301-306, 2010-05-25 (Released:2010-07-09)
参考文献数
5

症例は67歳男性.突然の意識障害と右上下肢麻痺で発症した.臨床症状より脳底動脈塞栓症を疑ったが,発症1時間後の頭部CTでは異常を認めず.撮影中に意識障害・右上下肢麻痺は改善を示したため,同時に3D-CT angiographyを施行した.結果,主幹動脈の閉塞を認めず,塞栓後直ちに再開通が得られたと判断した.発症当日には患者は完全に回復したと発言し,自覚的訴えも無かったが,発症翌日に盲を訴えた.MRIにて両側後頭葉梗塞を認めたため,皮質盲と診断した.本患者は発症急性期には,盲であることに無関心であったと考えられ,病態失認の一種であるAnton症候群を呈していたと考えた.T-PA時代においては脳梗塞急性期に正確な神経症状の評価が必要であり,病態失認の存在は急性期診断のpit fallになりえると考えた.閉塞血管の再開通により神経症状の回復が見られ,t-PA療法の適応がないと判断されてもNIHSSの評価は必須であると考えた.
著者
杉浦 学 小舘 亮之 来住 伸子 加藤 大志 植村 弘洋 國枝 和雄 山田 敬嗣
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.1-8, 2010-02-27

MIT Media Lab の子供向けビジュアルプログラミング環境である Scratch を拡張した制御プログラムエディタにより,NEC のコミュニケーションロボット PaPeRo を制御可能な 「ぱぺろっち!ツール」 を,NEC と津田塾大学で共同開発した.体験型学習のワークショップで 「ぱぺろっち!ツール」 を利用することにより,PaPeRo の対人コミュニケーション機能を活用して,人間と PaPeRo の対話的な要素を含むロボットの利用シナリオを考案し,シナリオの実現に必要な機能をプログラミングするといった活動が可能になり,アイデアの創出を重視した創造的な学習活動が実現できる.女子高校生を対象とした利用実験では,多様なロボットの利用シナリオが発想され,プログラミングの初学者でも比較的短時間で制御プログラムを記述できることが確認できた.We developed the "PaPeRochTool", a robot programming environment for "PaPeRo", based on Scratch. PaPeRo is a communication robot developed by NEC Corporation, which has various functions of human-robot interaction. PaPeRochTool supports a creative robotics workshop, such as drawing up a scenario which includes human-robot interaction, and developing robot control programs to perform the scenario. The result of experiment carried out for high school female students shows the fact that students could get diverse scenario ideas and developed control programs within a relatively short time.
著者
山田晋平 中本幸一
雑誌
平成22年度情報処理学会関西支部支部大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-09-22

大規模な組込みシステムの複数プログラム領域間において,プログラムの想定外の動作による不正なアクセスを防ぐため,許可されたアクセスのみを可能とするメモリ保護機構を有するリアルタイムOSの設計を述べる.
著者
牛山 美奈 池田 龍二 新田 哲也 田實 裕介 宮脇 昭彦 山口 辰哉 下堂薗 権洋 牛之濱 風見 松井 竜太郎 杉原 一正 中村 典史 山田 勝士
出版者
JAPANESE SOCIETY OF ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.143-150, 2008

In our hospital, hospital preparations of Azunol Saline Gargle (AS, saline solution containing 0.006% sodium gualenate hydrate), and Azunol Lidocaine Saline Gargle (ALS, AS with lidocaine) are used as a treatment for oral cancer with oral mucositis. However, little is known about the stability and microbiological safety of AS and ALS. In this study, the stability and microbiological safety of AS and ALS were assessed as the pH and the percent of sodium gualenate hydrate remaining in both preparations after exposure to various light and temperature conditions and the colony formation, respectively. As a result, we found that under fluorescent lamp lighting, AS and ALS were stable for 7 days at 4°C compared with 25t or room temperature. Furthermore, by light shielding, they were stable for at least 14 days at 4°C. Bacterial contamination of AS was prevented by preserving at 4°C for 14 days.<BR>We have demonstrated the stability and microbiological safety of AS and ALS and established an appropriate preservation method. This study provides useful information regarding the management of oral mucositis in oral cancer patients.
著者
山田 作男
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.3-11, 1993-07-20
著者
松山 憲治 中松 芳樹 前野 芳史 山田 勝彦 宇田川 智之 長坂 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1147-1148, 1989-10-16

我々は、LispマシンELIS 8200上のXウィンドウシステムを開発した。ELIS 8200では、FEP(Front End Processor)として、OS/2が稼働するIF800/EX(CPUは80386)を採用している。これは、今後、ビジネス分野で主流になるであろうOS/2と、Lispマシンとしての機能の両方をユーザに提供している。しかしながら、ワークステーションとしてはネットワーク環境が重視されるため、OS/2上で、ネットワーク(TCP/IP)、および、Xサーバーが動作し、UNIX系のマシンとも融合できるように設計されている。本稿では、ELIS 8200 Xウィンドウシステムの構成、および、OS/2上へのXサーバーの移植について述べる。
著者
黒田 慶子 山田 利博 峰尾 一彦 田村 弘忠
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.p606-615, 1988-12
被引用文献数
9

11年生クロマツにマツノザイセンチュウを接種し, 1週間ごとの伐倒の前日に根元から染色剤を吸収させて, その上昇パターンから木部の通水異常を検出した。木部含水率を測定し, 通水異常との関係を明らかにすると同時に, マツ組織の変化, 線虫の増殖との関係を調べた。接種2週後に水分の上昇に乱れが観察され, 含水率が低下し始めた。樹幹の木口断面では, 放射方向に長く白色の線状ないし紡錘形の部分が, 染色部と明確に区分されて出現した。この部分では仮道管は水を失い, 気体が入っていた。この現象は「キャビテーション(空洞化)」と呼ばれる。健全な樹木では, 木部の水はらせん状に上昇するが, 線虫接種木ではキャビテーション部位で流れが妨げられて通水パターンが乱れる。キャビテーションの範囲はしだいに拡大し, 4週後には木口断面のほぼ全面を覆った。マツ組織の変化と線虫の増殖は4週後, 木部の含水率が健全木の30%に低下してからであった。これらの事実から, 形成層や師部の壊死はキャビテーション部位に接した後に水不足により起こったものと判断した。仮道管のキャビテーションがマツの枯死の直接的原因である可能性が高い。他方, 漏出した樹脂による仮道管通水の機械的阻害は, 非常に小さな範囲に留まるため, 枯死の主因とは考えにくい。染色の阻止状況から, 疎水性の物質がキャビテーション部位の仮道管内に存在することが示唆された。マツノザイセンチュウがなぜマツを枯らすのかを明らかにするためには, まずキャビテーションの原因を解明する必要がある。
著者
嵯峨山 茂樹 伊藤 克亘 宇津呂 武仁 甲斐 充彦 小林 隆夫 下平 博 伝 康晴 徳田 恵一 中村 哲 西本 卓也 新田 恒雄 広瀬 啓吉 峯松 信明 森島 繁生 山下 洋一 山田 篤 李 晃伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.73-78, 2003-12-12

擬人化音声対話エージェントのツールキット"Galatea"の開発プロジェクトについて報告する.Galateaの主要な機能は音声認識,音声合成,顔画像合成であり,これらの機能を統合して,対話制御の下で動作させるものである.研究のプラットフォームとして利用されることを想定してカスタマイズ可能性を重視した結果,顔画像が容易に交換可能で,音声合成が話者適応可能で,対話制御の記述変更が容易で,更にこれらの機能モジュール自体を別のモジュールに差し替えることが容易であり,かつ処理ハードウェアの個数に柔軟に対処できるなどの特徴を持つシステムとなった.この成果はダウンロード可能となっており,一般に無償使用許諾している.

1 0 0 0 OA 洋服裁縫新書

著者
山田東明 著
出版者
文錦堂
巻号頁・発行日
1907
著者
石井 英子 青石 恵子 伊藤 守弘 大橋 裕子 渋谷 菜穂子 田島 織絵 城 憲秀 西尾 和子 丹羽 さゆり 林 公子 深谷 久子 堀井 直子 山田 知子
出版者
中部大学
雑誌
中部大学生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-9, 2008-03

目的 内蔵脂肪生活習慣Checkの有効的活用に向け、企業関係者や中部大学教職員の概況把握である。方法 本調査でのチェック項目(数、内容)と身体・生理学的データとの関連を分析した。個人データは匿名性を記し、すべて統計的処理を行い、統計ソフトはSPSS12.0 J Windowsを用い、有意水準を5%とした。調査期間は平成19年9月17日。結果 受診者172人のうち、男性64.5%、女性35.5%。メタボリックシンドロームの目安となる体重と筋肉スコアによる体型判定では、男性は肥満型68.5%、女性の肥満型80.3%、ウエスト周囲径の内臓脂肪型肥満者は男性44人(39.6%)、女性36人(4.9%)で男性に有意な内臓肥満者が多かった。内蔵脂肪症候群生活習慣Checkの予備群の出現割合の男女比較では、「おやつは毎日食べる」、「階段よりエレベーター・エスカレーターを使う」で女性の割合が多かった。肥満状況を、生活習慣Checkにあてはまる数が5つ以上、または、それ未満の者とで比較したところ、男性でのみ、チェック数が多い者の肥満傾向が高くなった。このことから、男性、とくに中年男性の生活習慣指導が必要であることが示唆された。
著者
田中 秀一 川西 昌浩 加茂 正嗣 西原 賢太郎 山田 誠 横山 邦夫 伊藤 裕
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.200-206, 2011-03-20

骨粗鬆症性椎体圧迫骨折では,圧潰椎体の後壁が脊柱管内に突出して脊柱管狭窄をきたし,腰痛に加えて神経症状を呈すことがある.今回,本病態の7症例(平均74歳)に対し低侵襲治療を目的に,一期的に椎体形成術と後方除圧術を施行し短期治療成績を検討した.術後,腰痛は全例で軽快し,JOA scoreは術前10.6から術後20.3,椎体高は前方と中央で有意に改善した.歩行不能であった3例とも歩行可能となり,跛行は4例中3例で消失した.こく短期間の検討では,同法は低侵襲に骨折椎体の前方支持性と神経症状,腰痛を改善できた.同法の有効性を論じるには症例の蓄積と長期経過観察が必要だが,特に固定術が躊躇される症例で治療オプションとなる可能性がある.
著者
ブラウン マーク 青山 久枝 山田 泉 住谷 美登里
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.407, pp.9-14, 2012-01-19

独立行政法人電子航法研究所では、羽田空港の交通流の改良を目指して交通流を分析し、改良方法を評価するためにシミュレーションモデル開発を行っている。忠実な交通流シミュレーションを得るため、各フライトの駐機スポットと駐機時間情報が必要である。スポット情報はSMAP(Spot Management and Planning:スポット総合調整サブシステム)とODAP(Online Data Archive Processor:運用情報管理サーバ)の二つの独立した航空管制情報システムから得ている。しかしながら、この二つのシステムのスポット情報に矛盾や欠陥が時々発生する。この場合、空港面監視レーダの航跡データからスポット位置を推定しスポットの利用状況を推定する可能性を検討した。本稿は羽田空港のSMAPとODAPスポット情報と空港面監視レーダ航跡データから推定したスポット位置の特徴を求め、駐機時間の解析を報告する。
著者
今井 博之 野村 琢家 魚森 謙也 山田 光穂 吉田 辰夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.25-32, 1993-01-22

前後に配置した実視標、およびHDTV偏光二眼式立体ディスプレイにより同位置に呈示された仮想視標を被験者に交互に注視させ、その時の奥行き方向も含めた3次元注視点を測定した結果、両者の奥行き方向の動きに関して違いが見られた。次に3Dおよび2Dの自然動画像を呈示し、被験者が特定の被写体を追跡した際の3次元注視点を測定した。その結果、注視点の奥行き方向の動きに関して、被写体と異なった動きが認められた。また3D、2Dの両者においても違いが見られた。

1 0 0 0 OA 虫の知らせ

著者
山田 卓良
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.420-420, 1995-02-01 (Released:2009-11-16)