著者
黒田 吉益 黒川 勝己 宇留野 勝敏 衣川 友康 加納 博 山田 哲雄
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.331-335, 1976-11-20
被引用文献数
3

舞鶴帯の北側に分布する大江山超塩基性岩体は主としてダンかんらん岩からなるが,その北部にかなり大きな単斜輝石岩の岩体がある(Fig. 1).それは一部,角閃石にとんだ,緑れん石一角閃石岩(部分的に斜長石をもち,角閃岩状になる)になっている.以前,川砂の研究から,この単斜輝岩岩体中より十字石,藍晶石が発見される可能性を指摘したが(宇留野・黒田, 1972), 1975年,黒川が藍晶石を発見し(黒川, 1975),つづいて衣川・黒田が十字石を発見した(衣川, 1975).それらは緑れん石角閃岩中に残晶として産するものである(Fig. 2).そのEPMAによる化学分析を行なった(Table 2).このようなことから,われわれはこの岩石が特殊な岩石であったことを確認し,今後共同して研究をすすめる予定にしたが,今のところ次のような作業仮説を考えているので報告した.かつて,藍晶石+十字石+単斜輝石という組合わせにあったものが,大江山岩体北方の宮津花崗岩体の接触変成作用により,緑れん石一角閃岩相程度の再結晶作用をうけ,緑れん石+角閃石(±緑泥石)のに組み合わせになった.
著者
芳野 重俊 田崎 三郎 都筑 伸二 山田 芳郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27
被引用文献数
4

最近、高密度ディジタル記録においてビタビ検出技術は、PR(Partial Responce)技術と結びついて重要な役割を果たしている。このビタビ検出での問題点は、ACS操作の複雑さと、トレリス線図上の生き残りバスを遡りマージ状態を探索するために多くの処理時間が費やされることである。本稿では、バス形状マトリクスを使用した代数的探索法のバス形状マトリックスをロザリオ型に変更することで、より単純で高速化が可能な探索法を得たので提案する。
著者
森 幹彦 山田 誠二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.487-494, 2000-05-25
被引用文献数
21

ブックマークエージェントは, ユーザが興味をもったURLを登録してあるブックマークファイルを参照し, ユーザ間で情報の共有を行うシステムである.このエージェントは, 既存の検索エンジンよりも効果的に情報の検索を行うことができる.ユーザがあるWebページをブラウジングによって探そうとしているとき, このエージェントはユーザの要求していると思われるWebページをブックマークの中から検索して, ユーザのブラウザにハイパリンクとしてのリストを提示することができる.更に, エージェントは他のユーザのエージェントと交信することにより, 他のユーザのブックマークの検索も行うことができる.小規模で興味の似たユーザからなるグループにおいてこのエージェントを用いることで, ブックマークというユーザによってあらかじめフィルタリングされている情報を利用できるため, ブックマークエージェントは既存の検索エンジンよりも適合率の高いWebページの提示が可能である.このことは, ブックマークエージェントの性能評価のため6人のユーザを使った実験により確認された.
著者
山田 耕作
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.313-314, 1985-04-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。物性研究小解説
著者
鎌田 大督 山田 朋人
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会2013年度研究発表会
巻号頁・発行日
pp.192, 2013 (Released:2013-12-01)

中緯度において発生する豪雨、豪雪、旱魃等のいわゆる極端現象はブロッキングによって引き起こされることが多い。本研究では、北半球冬季(12~2月)を対象にブロッキング現象の頻度と南北地表面温度勾配の関係を分析した。本研究は複数の全球気候モデル(GCM)の現在気候の再現結果及び将来予測結果を分析することによって極端現象をもたらすブロッキング現象の発生頻度及び、その物理機構の解明を目的とするものである。本要旨では2つのGCMの出力値を解析した結果を報告する。Pelly and Hoskins(2003)のブロッキングインデックスを用いた判定手法により判定を行った。本研究では将来予測におけるブロッキング現象の出現頻度がMIROC GCM、MPI GCM 共に増加傾向にあることが分かった。本学会の発表では、複数の全球気象モデルにおけるブロッキング現象の出現頻度及び物理機構について議論を行う予定である。
著者
嶋田 敬士 山田 亨 高崎 友香 野口 祥宏 山崎 郁子 福井 和広
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2569-2581, 2014-12-15

病院でのリハビリテーションの一環として行われる取り組みの1つに,音楽療法士が音楽の力を意図的・計画的に利用して,患者の心身障害の回復や機能の改善に役立てる音楽療法がある.従来その効果は,病院や音楽療法士が各々独自に設けた評価基準と介入内容の記録などを通じて質的・量的に評価する方法が試みられてきたが,患者の症状,回復状況や個性が様々なことなどから,客観的で統一的な評価方法を確立することは非常に困難であった.そこで我々は,患者の心身賦活にともなって広く一般的に見られる表情である笑顔に着目し,評価記録用に撮影された音楽療法時の映像データのみから患者の笑顔度を定量化した.さらに,あらかじめ構造化されていた療法内容に着目し,介入の質が異なる場面での笑顔度の違い,それらの経過回数にともなう変化を統計的に検定した.その結果,療法内容と経過にともない統計的に有意な患者の表情変化を確認するとともに,その変化が従来行われてきた主観評価結果とも高い相関を示していることを確認した.
著者
井上 公夫 石川 芳治 山田 孝 矢島 重美 山川克己
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.12-30, 1994-04
被引用文献数
8 1

A disastrous eruption of Asama volcano, the Tenmei eruption, occurred in 1783. During the eruption, "Kanbara pyroclastic flow" buried Kanbara Village located on the northern flank of the volcano, gradually changing into mudflow facies in the downstream. Furthermore, the mudflow went down along the Agatsuma and Tone Rivers. More than 1400 people were killed by this disaster. The pyroclastic flow is distributed within a parabolic area, with a narrow angle of 30deg; from a semi-circular depression with a diameter of 700 meters, which was located 4 km north of the summit. Aerial photo interpretation and field survey revealed that many gigantic blocks of essential lithics were scattered in an area of 18.1km<SUP>2</SUP>, and the volume of essentials was estimated to be 1.94×10<SUP>6</SUP> m<SUP>3</SUP> for blocks with diameter upper 5m and 4.30×10<SUP>6</SUP>m<SUP>3</SUP> for including blocks with diameter lower 5m. The largest block was 49 meters in diameter, 10 meters high, and 9200 m<SUP>3</SUP> in volume. Testpit survey clarified that the Kanbara pyroclastic flow deposit was 2.2 meters thick in average and hence amounted 4.70×10<SUP>7</SUP> m<SUP>3</SUP> in total volume. Paleomagnetic measurement of the essential lithic blocks indicated that they deposited at a temperature higher than the Curie point (about 400deg;) even in the downstream of 65km from the summit. The pipe-structure observed in the several testpits was attributed to upward steam segregation, which derived from sufficient water and incandescent essential lithic blocks in the deposit.<BR>Considering historic pictures and documents which suggest the water overflowing during the eruption, the authors interpreted that the semi-circular depression was a swamp, "Yanai marsh", of 1.0-2.5×10<SUP>7</SUP> m<SUP>3</SUP> in capacity.<BR>The downflowing of Kanbara pyroclastic flow at high velocity caused an extensive erosion in the north slope of the volcano, because of much water content. The volume of the flow gradually increased since the deposit captured accidental blocks and water along the eroded area.<BR>We propose two alternative interpretations as follows:<BR>(1) The eruption occurred at the summit of Asama volcano and the pyroclastic flow rushed into the Yanai marsh, incorporating the water of the marsh into the flow. Consequently the Kanbara pyroclastic flow gradually changed into mudflow facies.<BR>(2) Lateral eruption occurred at the depression (the Yanai marsh) which had been filled with water.The pyroclastic materials successively mixed with the water, which flowed out of the depression, and changed into mudflow facies.
著者
高松 雄三 塩坂 知子 山田 輝彦 山崎 浩二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.872-879, 1998-06-25
被引用文献数
12

本論文では, CMOS回路の短絡故障に対する一つのモデルを提案し, そのテスト生成法を述べる.CMOS回路における短絡故障の振舞いは故障点の回路構造と信号値に依存するので, 短絡している信号線の信号の強さから, あるいはアナログシミュレーションで計算した値からテストを生成するという方法が提案されている.しかしながら, これらの方法は計算量が多く効率が良くない.CMOS回路における短絡故障の多くは論理値で表されることが知られている.そこで, 本論文では「正常回路で互いに異なる論理値を有する信号線間に短絡故障が生じたとき, いずれか一方の故障信号線が正常値とは異なる論理値となる」という短絡故障のモデル(以下, Uモデルと呼ぶ)を提案する.次にUモデルに対するテスト(以下, Uテストと言う)を定義し, Uテストの一生成法を述べる.最後に, 提案する生成法をベンチマーク回路に適用してUテストの生成実験を行い, その有効性を考察する.
著者
清家 篤 山田 篤裕
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.115-144, 1998-10-25

高齢者の引退決定過程に与える,年金,退職管理制度,就業経験,個人属性などの影響にかんする計量分析を行った。分析方法は,就業状態への生存率を被説明変数とするハザード分析である。データは,個人やその個人のかつて勤めていた企業の属性などについての情報などに加えて,個人の引退プロセスや職業経験などにかんする回顧的情報を含むマイクロデータ(財団法人高年齢者雇用開発協会『定年到達者の仕事と生活に関するアンケート調査(1992年)』)を使った。ハザード分析では,カプラン・マイヤー法によるノンパラメトリック分析と,加速モデルによるパラメトリック分析の両方を行った。主な発見事実は次のとおりである。(1)年金の受給可能性は,公的年金,企業年金,私的年金のいずれも引退時期を早める効果を持っている。しかし,その効果の大きさは各々相違している。(2)管理職・専門職等の経験は引退時期を遅らせる効果を持っている。ただしこれは学歴などをコントロールすると必ずしも有意には計測されない。定年前の退職は引退時期を早める効果を持っている。その他の退職管理をめぐる雇用慣行については必ずしも有意な効果は確認できない。(3)現在の良好な健康状態および高度な教育が,引退時期を有意に遅らせる効果をもつ一方で,就業形態のフレキシビリティーのなさは引退時期を有意に早める効果をもっている。(4)いったん会社を退職した後の休養期間は,引退の時期を遅らせる効果を持っている。これは休養による人的資本・健康資本に対する再投資効果や雇用保険受給のための自発的休養効果ではないかと推測されるが,確認には更なる分析を必要とする。
著者
有岡 祐子 山田 泰広 伊藤 弘康
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

iPS細胞の樹立過程が発生の逆戻り過程、すなわち「終末分化細胞→組織幹細胞/前駆細胞→多能性幹細胞」を辿っているかは明らかにされていない。本研究では、対象組織を毛包細胞として、毛包細胞からのiPS細胞樹立過程を解析した。iPS細胞樹立過程において、一部毛包幹細胞マーカー(Lgr5)を発現する細胞集団の存在を認めた。しかし、これらは本来の毛包幹細胞とは性質が異なっていた。一方で、Lgr5を一過性に発現する細胞集団は、その後効率よくiPS細胞へと初期化されることを見出した。