著者
山田 美雪
出版者
現代文芸論研究室
雑誌
れにくさ = Реникса : 現代文芸論研究室論集 (ISSN:21870535)
巻号頁・発行日
no.4, pp.239-254, 2013

特集 ラテン文学論文The Buenos Aires Affair: Novela policial de Manuel Puig (1973), la película Hable con Ella de Pedro Almodóvar (2002), y The Diver: Japan Version (El buceador) (2009), obra teatral de Hideki Noda; las tres obras, tomando la forma de crónica de los casos criminales, o haciendo como fuentes de sus materiales los casos que sucedieron realmente, describen la historia desde el punto de vista de la maternidad distortada. En estas obras, el cuerpo de la heroína se rasga entre el sueño y la realidad. Al misimo tiempo, se oponen la narración ficcional y la narración informativa, y por revelarse la contradicción de la posterior, se perfila la necesidad de la historia, la fantasía y el amor maternal. Así, después de describir la lucha física y la lucha en la comunicación, los autores asimilan el proceso físico en el que las heroínas se hacen madres/ dejan de ser madres a la fusión/ la interrupción de la historia y la realidad. Y, describen los casos criminales que ellas experimentan como el resultado de tal interacción entre maternidad y historia. Finalmente, por los casos, se fracasan la maternidad y la historia, pero los autores les dan a ellas el nuevo espacio del sueño y la historia, haciendo la heroína en madre. Y, junto con ellas, la "historia" cobra alento. De esta manera, tomando los casos criminales como materiales, los tres autores hacen las heroínas renacer como "la madre de la historia" a través de desmontar el motivo por medio de la maternidad y reorganizarlo. A la vez, dichas obras resucitan la "historia" entre los textos del medio informativo, recogiendo la vida y la voz estancada desde el espacio por el cual ha pasado la violencia y la muerte, y enrazan la posibilidad de la historia en el interior de los lectores.
著者
櫻井 聖大 山田 周 北田 真己 橋本 聡 橋本 章子 木村 文彦 原田 正公 高橋 毅
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.635-638, 2014-11-01 (Released:2014-11-14)
参考文献数
9
被引用文献数
3

臭化ジスチグミン(ウブレチド®,鳥居薬品)は排尿困難に使用されるコリンエステラーゼ阻害薬である。重篤な副作用としてコリン作動性クリーゼを起こすことが報告され,その使用量は制限されるようになった。ただ,その後もコリン作動性クリーゼの報告は散見される。我々は,重症肺炎とそれに伴う麻痺性イレウスからショックに至った症例を経験した。当初は敗血症性ショックを疑ったが,臭化ジスチグミンを内服していたことと,コリンエステラーゼ活性の著明な低下を伴っていたことから,コリン作動性クリーゼによるショックが考えられた。臭化ジスチグミンはその大半が便中に排泄されることから,麻痺性イレウスのように消化管蠕動が低下している場合には血中濃度が上昇し,コリン作動性クリーゼを起こす可能性があり注意が必要と思われた。
著者
山田 方敏 蜂谷 豊彦
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.43-61, 2012-05-01

資金制約と投資水準の理論および内部資本市場の理論に基づいて,個別事業部門および多角化企業全体の投資決定に関して理論的な考察を行い,財務的視点からその妥当性を実証的に検証した.多角化企業における資金供給曲線は部門内調達,部門間調達(内部資本市場)および外部調達から構成される.部門内調達による投資水準は部門自身が創出する内部資金と固定的投資支出に依存する.これに対し部門間調達による投資水準は内部資本市場の効率性に依存する.内部資本市場の効率性は内部資金として各事業部門から供給される資金の大きさと,部門間あるいは経営者と部門との情報の非対称性に依存して決定される.妥当性を検証した結果,内部で創出する資金が多い時および内部資本市場の効率性が高い時に投資水準は高くなること,内部資金の創出が豊富あるいは固定的投資支出が少なく内部資本市場に供出される資金が多い時に内部資本市場の効率性が高いこと,資金供給の多様性が高い時に内部資本市場の効率性が高いことが明らかになった.
著者
岩瀬 信夫 岩瀬 貴子 山田 浩雅 中戸川 早苗 糟谷 久美子 三上 勇気
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

セルフケア行為について慢性統合失調症患者に面接を行った。精神症状が落ち着いても日常的な会話の意味をとらえる困難さや、認知機能の低下、現実感覚の歪み、辛さ、不安がみられ、いざ退院準備をしようとすると、さまざまな提案に困難さを覚える。入院を継続している今は、病気の説明を受けることで疾患を受容し、自分なりに気分転換し、できることをし、代替を考えることにより、病気との付き合いを行っていた。
著者
齋藤 武雄 山田 昇
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.63, no.609, pp.1783-1790, 1997-05-25
被引用文献数
5

In most cities, it is becoming evident that the increase in energy consumption is causing environmental problems, including a temperature rise in the urban atmosphere (an urban heat island) and air pollution. The present paper reports on the results of a three-dimensional computer simulation of the urban heat island in the Tokyo metropolitan area, as well as moisture migration. The three-dimensional governing equations for the urban atmospheric boundary layer were formulated by virtue of the vorticity-velocity vector potential method. Particular attention was focused on the representation of a buoyancy term in the equation of motion in the vertical direction, thereby describing the cross-over effect and stratified inversion layer near the ground surface. According to a recent computer simulation for urban warming in the Tokyo metro area in 2031,the maximum ambient temperature in the evening (18 : 00) at Otemachi will exceed 42℃. In contrast to the interior thermal comfort in residential and office buildings, the urban outdoor comfort is strongly affected by intense thermal radiation coming from the surface of the structures, as well as solar radiation. Motivated by the above facts, we propose a new standard effective temperature index (USET^*), which is applicable to urban comfort. By using this comfort index, assessment of the urban environment is made for both presentday Tokyo and Tokyo around 2030. Furthermore, it is suggested that a comprehensive urban environmental index (UEI). which includes pollutants and ultraviolet rays, is adopted for the future urban environment.
著者
山田 昇 長谷川 豊 円山 重直
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.74, no.748, pp.2615-2620, 2008-12-25
被引用文献数
1

This paper describes the numerical simulation results of radiative heat transfer between the human body and an urban street canyon (building walls, pavement, and the sky) in the presence of participating non-gray gas mixtures consist of H_2O and CO_2. The ambient temperature of typical summer condition and the concentration of gas mixtures in summer Tokyo were assumed, and parallel infinite plane model and simple urban street canyon model were used. The results show that the participating gas significantly affects the infrared radiation field in urban street canyon. The radiation flux emitted by the participating gas is approximately 35% of the total incident radiation flux to the human body surface. This causes a homogenization of the infrared radiation field. Gas radiation plays an important role in the heat transfer between human and environment under hot and humid summer condition.
著者
山田 昇 徳原 真弥 円山 重直
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.150, pp.9-17, 2009-09-05

夏期の都市街路空間における熱的快適性の重要な因子であるふく射について,ふく射性ガスによる吸収・放射の影響を考慮した路面-人体スケール物体間のふく射伝熱解析を行った結果を報告する。解析モデルは「路面」,「街路空間中のふく射性ガス」,「人体スケール物体」により構成され,日射を無視した際の人体スケール物体へ入射するふく射熱流束に着目した.ふく射性ガスとして水蒸気および二酸化炭素を考慮し,統計狭域バンドモデルにより単色吸収係数を求め,モンテカルロ法により放射・吸収挙動を非灰色解析した。解析スケール,路面温度,ふく射性ガス濃度および気温をパラメータとする解析によりふく射性ガスが及ぼす影響を明らかにした.ふく射性ガスの影響は解析スケールが大きくなるほど顕著になり,解析スケールが20m以上になると,ふく射性ガスを考慮した場合の解析結果は考慮しない場合よりも120〜160W/m^2ほど人体スケール物体に入射するふく射熱流束が大きくなり,日射を除く全入射ふく射熱流束の約50%をふく射性ガスから受けることが示された.また,路面から人体スケール物体へのふく射はふく射性ガスによって約30%が吸収されることが示された.現在および2100年頃の気温,相対湿度,二酸化炭素濃度を各「35℃,66%,400ppm」「40℃,66%,800ppm」として解析を行った結果,人体スケール物体に入射するふく射熱流束に顕著な差は生じなかった.さらに,水蒸気の影響に比べて二酸化炭素の影響は極めて小さいこと,人体スケール物体の下部が路面からのふく射を強く受けるのに対し,上部はふく射性ガスからのふく射を強く受ける傾向があることが示された.
著者
山田 有芸
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

家庭内言語が外国語であるニューカマーの児童(以下、ニューカマーの児童)の支援ニーズを包括的に捉え、支援の実態と有効な支援について検討を行った。本研究の成果は、中学生以上が主に対象とされてきたニューカマーの子どものうち小学生児童の支援ニーズに特化し、事例検討、事例校検討、質問紙調査、インタビュー調査、フィールドワークという様々な調査手法を用いて彼らの支援ニーズを詳細に明らかにした点にある。特に学校における支援ニーズに着目し、学校で提供できる支援と提供者(支援者)について二ューカマーの児童本人への調査を通じて明らかにした点に特徴がある。本人が日常的に発する支援ニーズを明らかにすることで、日常的かつ長期的な学校支援のあり方について重要な示唆を与えることができると考える。交付申請書では研究課題を5つ提示したが、研究を進める過程でニューカマーの児童本人の支援ニーズをより具体的に検討するため研究課題①~④の分析の再検討を行った。まず、ニューカマーの児童に提供される支援についてソーシャルサポートの観点から詳細に整理するため、研究課題①~②(二ューカマーの児童の支援ニーズを回顧法または観察によって明らかにした。)の分析方法を再検討し、最終的な分析結果を出した。次に、研究課題③では学校教育実践に多大な影響力をもつ学校教員の役割に着目してデータの読み込みを行い、学校教員が捉えるニューカマーの児童の支援ニーズと学校実践の実態を明らかにする分析を最終的に行った。研究課題④では、様々な母語背景をもつニューカマーの児童を対象としたインタビュー調査を実施した。母語の違いを越え児童に共通の支援ニーズと個別特徴的な支援ニーズを過去、現在、未来という異なる時間軸をもとに取り上げた。また、担任と日本語指導担当教員に質問紙調査を行い、教員間で支援ニーズの捉え方に違いがあることを指摘した。
著者
小松崎 明 末高 武彦 山田 敏尚 干場 貫二
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.464-472, 1995-07-30
被引用文献数
8

著者は,効果的な学校歯科保健対策を検討する手始めとして,歯科健康診断と事後措置の状況について,全国の小中学校合計1,201校を対象として郵送法を用いて調査検討を行い, 398校から回答を得た。定期歯科健康診断はすべての小中学校で実施され,結果については90%以上の学校で養護教諭が学校歯科医から指示・指導を受けている。またほとんどの学校では結果を児童生徒・保護者に報告し,治療勧告を行っている。なお,市部と郡部では特徴ある大きな差が見られなかった。しかし,健康診断当日に欠席した者を放置している学校も多く特に中学校では50%あり,学校歯科医からの指示・指導を校長では50%近くが,学級担任では50%以上が把握しておらず,疫学的な分析が50%以上で行われていなく,集計結果も学校歯科医に30%以上の学校で報告されていないなど,問題点も多くの学校で認められる。この結果,歯科健康診断等はいまだ多くの学校で義務づけられた保健管理として行っていると見られ,この結果を学校保健が目指す保健教育へ活用し,歯科保健の特性を生かして保健教育と保健管理との調和した学校保健を進めている学校はわずかと考えられる。著者は,保健教育と保健管理とが調和した学校保健活動を求めて,この調査の結果を踏まえ学校内の体制について,また,学校歯科医活動のあり方について若干の方策を提案した。
著者
米田 力生 中路 貴彦 山本 隆範 山田 雅博 瀬戸 道生
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の作用素、テープリッツ作用素、合成作用素がいつ閉値域を持つのかを特徴付けを行った。ベルグマン空間上での掛け算作用素に関しては勿論、一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の掛け算作用素が閉値域を持つ必要条件に関する必要十分条件に関しては知られているが、テープリッツ作用素、ハンケル作用素がいつ閉値域を持つのかに関しては殆ど知られていない。そこで、シンボルを解析函数に限定して、サンプリング集合の特徴付けを行い、その解析結果を利用して、テープリッツ作用素及びハンケル作用素がいつ閉値域を持つかに関する結果を得た。
著者
宇佐美 誠 嶋津 格 長谷川 晃 後藤 玲子 常木 淳 山田 八千子 吉原 直毅 那須 耕介
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、法と経済学に関して、法哲学を基軸としつつ経済哲学的・実定法学的な視点も導入した学際的視座から、総合的かつ多角的な考察を実施した。(1)学問方法については、効率性・正義等の基本概念の分析、経済学的法観念と法学的法観念の比較検討、経済学的人間モデルの吟味、法解釈学の射程の論定、厚生経済学の批判的精査を、(2)学問対象については、経済学的研究が従来未開拓だった公的扶助、学校教育、民事訴訟での立証責任分配に関する分析を行った。
著者
岡部 正幸 山田 誠二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本研究では,ファイアウォールログ分析タスクにおいて人とコンピュータが協調して問題解決を行うために役立つ相互フィードバック設計について検討する. 分析手法として用いるk-近傍法に基づく外れ値検出において,外れ値スコアを計算するための部分特徴空間の探索を対話的に効率よく行うための提案を行う.
著者
山田 隆 藤江 誠
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

青枯れ病菌巨大ファージRSL1ゲノムに検出した343個の遺伝子を対象にDNAマイクロアレイ解析を行い、感染期における4つの発現パターンを検出しゲノムマップ上に塗り分けた。持続的感染期に発現する12個の遺伝子を同定し、宿主菌増殖抑制/活性化制御等に関する機能解析を行い興味深い新規知見を得て、当初の目的を達成できた。病原細菌を薬剤を使わずファージを用いて持続的に制御する新システムとして重要と思える。
著者
青木 多寿子 橋ヶ谷 佳正 宮崎 宏志 山田 剛史 新 茂之
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

東京都のA区が取り組み始めた人格の完全を目指した品性・品格教育を、研究者で支援するのが本研究の目的である。本研究の3年間の目的は、(1)品性・品格教育の全国初の実践に向けて、取り組みの理念や教育的意義を、教員や保護者に向けて正確に伝えるため、教育委員会の活動を支援すること、(2)品性に関する教育の成果を、well-beingとの関係を中心にアンケートで調査し、この取り組みをエビデンス・ベースの展開にすること、(3)アメリカで教員達に品性・品格教育を教え、全米で学校を支援しているボストン大学の先生をお招きし、A区の品性・品格教育にコメントしていただき、旧来の教育と違った新しい視点を取り入れることである。本年度はまとめの年なので、(1)、(2)を中心に行った。(1) 地域の保護者向け講演会、校内研修会、教育委員会主催の研修会等で、交通費、講演料なしの講演を行い、全区実施に向けて教員研修等のお手伝いをした。また、教育委員会は、全学区で使用する教師用手引き書を作成したが、これを作成する際、知識提供、翻訳した資料の提供を行った。(2) アンケート調査は、A区が取り組みを始める前の段階から毎年、2月に調査を行っている。今回で4回目のアンケートを実施した。3回目までのまとめは、アンケートに協力してくださった学校と教育委員会にお伝えした。この分析の結果、規範意識は確かにwell-beingと関わっているが、その教育の成果の様相は内容(根気、活力、寛容など)によって多様であることが窺えた。(3) 昨年のボストン大学の教授による講演の逐語録をまとめ、多くの方に配布できるようにした。
著者
山田 文雄 大井 徹 竹ノ下 祐二 河村 正二
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

福島原発事故で放出された放射性物質による野生動物への蓄積と影響についての調査研究が開始されつつあるが,野生動物の管理については人間活動の制限もあり不十分な点が多い.今回の集会では,野生哺乳類のモニタリングや管理問題について,特にニホンザルや大型狩猟動物を対象に,研究成果や社会的問題を紹介し,今後のあり方を議論する.今後,行政機関にどのような働きかけが必要か,要望書の提出も見据えながら議論を行う.本集会は,2012年5月に開催した4学会合同シンポジウムを受けて,日本哺乳類学会保護管理専門委員会と日本霊長類学会保全・福祉委員会の共同開催とした.1.「福井県におけるニホンザルの生息状況と餌食物の歩車占領の実態、及び今後の保護管理の問題点」  大槻晃太(福島ニホンザルの会) サルの主要な餌を分析し,放射能汚染による餌への影響や放射能汚染に伴う耕作状況の変化によるサルの行動変化を明らかにした.人間活動の再開に向けたニホンザルの保護管理の問題点などについても話題提供したい.2.「福島市の野生ニホンザルにおける放射性セシウムの被ばく状況と健康影響」  羽山伸一(日本獣医生命科学大学) 世界で初めて原発事故により野生霊長類が被ばくしたことから,演者らの研究チームは,福島市に生息するニホンザルを対象に低線量長期被ばくによる健康影響に関する研究を 2011年 4月から開始した.サルの筋肉中セシウム濃度の経時的推移と濃度に依存した健康影響に関する知見の一部を報告する.3.「大型狩猟動物管理の現状と人間活動への影響  仲谷 淳(中央農業総合研セ)・堀野眞一(森林総研東北) イノシシやシカなどの大型狩猟獣で食品基準値を超える放射性セシウムが検出され,福島県を中心に獣肉の出荷規制が継続されている.狩猟登録者数が減少し捕獲数にも影響する一方,農業等の被害増加が懸念されている.最新の放射性セシウム動向と,震災地域における狩猟者の意識変化について紹介し,今後の大型狩猟獣対策の方向を考える.4.「福島件における野生動物の被爆問題と被害管理の現状と課題」  今野文治(新ふくしま農業協同組合) 東日本震災から 2年が経過したが,山林等の除染は困難を極めており,年間の積算線量が 100mSv/hを越える地域も存在する.多くの野生動物への放射能の影響が懸念されており,基礎的なデータの収集と保全に向けた対応が急務である.一方,避難指示区域の再編が進められており,帰宅が進むにつれて被害管理が必要となっている.新たな問題が発生する地域での野生動物と人間の共生に向けた情報の共有と整理が重要となっている.5.総合討論「今後の対応と研究について」  山田文雄・大井 徹(森林総合研究所),竹ノ下祐二(中部学院大学),河村正二(東京大学)企画責任者 山田文雄(森林総合研究所)・大井 徹(森林総合研究所・東京大学大学院農学生命科学研究科)・仲谷 淳(中央農業総合研究センター)・竹ノ下祐二(中部学院大学)・河村正二(東京大学)