著者
山崎 沙織 逢坂 裕紀子 岡本 詩子
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.45-63, 2012

2009年に制定された「公文書等の管理に関する法律」の要点のひとつは、国の非現用公文書等についての利用請求権を 認め、それに基づく異議申し立てを可能にしたことにある。同法の努力義務規定により、上述の権利とそれに基づく異義申し立ては地方自治体の公文書政策にも反映される見込みだ。そこで、本研究は同法制定後の地方自治体の公文書館についての条例・規則の改訂状況を次の2点から調査した。(1)利用請求権や異議申し立てを認める改訂はあったか。(2)公文書館への意味づけを変えるような改訂はあったか。調査の結果、(1)'新規に条例・規則を制定した自治体を除き、利用請求権や異議申し立てを認める改訂は見られないこと、(2)'公文書館への意味づけは「地域の歴史・教育・文化を振興させる場」と「開かれた行政を実現させる場」に二分されるが、前者が保持される傾向にあり、この傾向が利用請求権成立の困難さに一定の影響を与えていることが判明した。
著者
伊保 清子 浅野 和江 村山 真弓 阿久津 二夫 長沼 英明 徳増 厚二 岡本 牧人
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.67-76, 2011 (Released:2011-06-01)
参考文献数
13

Appearance of the dominant peak-frequency in body sways during standing was retrospectively investigated in patients with spinocerebellar degeneration (SCD). Subjects tested were 25 patients with SCD (16 men and 9 women, ranging in age from 25 to 80; mean 55.8±15.4 yr). The disease types comprised SCA3 (n=5), SCA 6 (n=3), MSA-C (n=12), and an unknown type (n=5). Stabilometry was performed in each patient, who was asked to stand upright with a closed stance, with eyes open and eyes closed, using Anima's stabilometer G6100. The sampling time was 50 ms (20Hz) and the correcting time was 60 s. The peak-frequency was measured based on the power spectrum using the maximum entropy method (MEM). Total locus length, envelope area and velocity-vector of movement of the center of foot-pressure were also measured.The first or main peak appeared in a low frequency range between 0.10 and 0.59Hz in most of the cases with eyes open and eyes closed. It was detected in the lateral direction in 24 patients of the total number (96.0%) and in the anterior-posterior direction in 22 patients of the total (88.0%).The body sway of a frequency of 3Hz was detected in 4 patients (16.0%). Among them, the peak in the lateral direction was observed in 2 (8.0%) with eyes open or closed (one with SCA 6 and one with an unknown disease type). The peak in the anterior-posterior direction was detected in 3 (12.0%) with eyes open or closed (one each with SCA 6, MSA-C and an unknown disease type); in these subjects, the values of the total locus length divided by envelope area were more than 40.The dominant peak-frequency of 3Hz in body sways during standing did not frequently appear in patients with SCD, but it is suggested to be one of characteristic balance disorders in the disease.
著者
鴨井 美帆 今村 武浩 山本 健 岡本 真理子 高橋 実里 園田 華子 西岡 千賀子 門松 伸一 山近 重生 斎藤 一郎 中川 洋一
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.85-91, 2011-12-01 (Released:2012-02-07)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Purpose: The purpose of this study was to investigate the effects of sulpiride, an antidepressant, on xerostomia.Method: Fifty-five patients who visited the Dry Mouth Clinic, Tsurumi Dental Hospital with subjective oral dryness were enrolled in this study. The cause of the xerostomia in the patients was unknown. The patients did not meet Sjögren's syndrome criteria, and their condition was not congruent with xerostomia caused by radiation therapy to the head and neck, HIV infection, chronic graft-vs-host disease, or diabetes mellitus. The patients were divided into two groups: the dry group, with the chief complaint of dry mouth, and the pain group, with the chief complaint of pain. The patients received oral administration of sulpiride, and the clinical efficacy was evaluated by doctors' subjective judgment and by visual analogue scale (VAS).Results: Sulpiride was effective in both groups, but the response rate was higher in the pain group than in the dry group according to the doctors' subjective judgment. In the evaluation by VAS, improvements were not obtained in other items such as thirstiness and dysgeusia, although a significant decrease of VAS value was found in "dry mouth" in the dry group. In contrast, in the pain group, significant improvements were found in all items as well as pain.Conclusions: The results suggested that the dry and pain groups possessed completely different pathophysiologies. The results also suggested that subjective dry mouth may be a partial symptom of burning mouth syndrome (BMS), and that depression was one of the causative factors of xerostomia.
著者
川合 葉子 鉄尾 実与資 岡本 正志 永平 幸雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.122-125, 2000-02-05

大学や研究機関の移転や改築に伴って,古い物理学実験機器が数多く出てきて廃棄処分になることも少なくない.そういう機器の中に,近代日本の物理学史,物理教育史の貴重な資料が含まれていることを最初に明らかにしたのが,京都大学に保存されている第三高等学校由来の物理学実験機器の調査・研究である.この機器群は数が多いだけでなく,当時の輸入教科書もよく残されており,購入台帳や事務関係の文書も揃っているので,機器の史料的価値の研究を可能にしている.以下に具体例を挙げながら,その内容を紹介する.
著者
岡本 五郎 後藤 新太郎
出版者
岡山大學農學部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.9-13, 2005-02

岡山県新庄村で栽培されているサルナシ果実の健康食品としての評価を行うために、同地区のサルナシ園で生産された3品種(光香、峰香、在来種)の果実、及び近隣の山地で収穫された野生サルナシ果実の成分分析を行った。参考として、岡山市内のマーケットで購入された輸入のキウイフルーツ(ヘイワード)、レモン(品種不明)、及び国産のリンゴ(ふじ)の成分も調査した。サルナシ栽培品種では、収穫適期でも硬熟状態のものと軟熟状態のものが混在し、さらに普通の果実の半分程度の小果実(すべて軟熟)も混在した。果汁のビタミンC含量は、峰香の硬熟果と光香の小果で220-260mg/100mLと非常に高い値を示した。市販のキウイフルーツのビタミンC含量は約100mg、レモンで50mg、リンゴは4mg/100mL程度であった。サルナシ果汁の全ポリフェノール含量とラジカル消去能はキウイフルーツと大差がなかったが、リンゴに比べれば有意に高かった。サルナシはキナ酸含量が最も高く、無機成分のN、Ca、Mg、Mn含量が高かったが、糖含量は低かった。本分析結果から、サルナシ果実はビタミンとポリフェノールが豊富で、現代人の食事で不足しがちなミネラルも多いことから、健康食品として評価されうる。
著者
松村 敦 岡本 穂高 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.93-96, 2010
被引用文献数
2

本研究では,子どもの視点を考慮した絵本推薦システム構築のための基礎的準備として,子どもの好みと絵本の主題との関係性を捉える方法を検討した.実際に,34組の親子による絵本の読み聞かせ場面をビデオで撮影し,子どもの反応を記録した.次に,ビデオを分析し,反応の強弱によって子どもに好まれる絵本のページを特定した.最後に,各ページの主題を抽出し,子どもの好みと主題との関係性を分析した.その結果,21.4%のページには反応がなく子どもの好みとは無関係であることを示した.また,ページ毎に子どもの好みと主題とを結びつけて分析することで,より詳細な関係性を捉えられる可能性を示した.
著者
岡本 嘉一
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2009-2011
著者
岡本 栄司
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:挑戦的萌芽研究2009-2011
著者
岡本 直久
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
溝淵 律子 岡本 正弘 梶 亮太
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.46, pp.15-38, 2006-03
被引用文献数
2

「紅染めもち」(べにぞめもち)は,晩生,良食味糯の「西海糯197号(ひみこもち)」を母,晩生・赤米(粳)の「は系赤124(ベニロマン)」を父とした交配組合せから育成された赤糯品種であり,2004年1月に水稲農林糯395号として命名登録された。出穂期は「ひみこもち」より約3日早く,育成地では中生の晩に属する糯種である。稈長は中,草型は偏穂数型,止葉の直立程度はやや立で,草姿熟色は良好である。耐倒伏性は「つくし赤もち」より優れ,「ひみこもち」と同程度のやや強で倒伏しにくい。いもち病真性抵抗性遺伝子Pita-2を持つと推定され,圃場抵抗性は葉いもち,穂いもちともにやや強である。収量性は「ひみこもち」の約80~90%であるが,「つくし赤もち」に比べ標肥栽培では同程度,多肥栽培では優れる。玄米は赤褐色に着色し,「つくし赤もち」に比べ粒色は均一に濃く発色する。おこわにすると桜色を呈して美しく,おこわとしての食味の総合評価は「ひみこもち」より優れる。玄米の抗酸化性物質(プロアントシアニジン)含量は「ベニロマン」より少なく,「つくし赤もち」と同程度である。暖地の平坦地から中山間地および温暖地西部の平坦地に適応する。
著者
岡本一平 著
出版者
先進社
巻号頁・発行日
1930