著者
依藤 彰記 細谷 友雅 岡本 真奈 粕本 愉美 五味 文
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1527-1533, 2019-12-05

ブリモニジン酒石酸塩点眼液(アイファガンⓇ,以下BT)の主な副作用として結膜充血,アレルギー性結膜炎などがあるが,角膜炎の報告は少ない。BT使用の経過中に発症した角膜実質炎3例を報告する。【症例1】62歳女性。4年前から両眼にBTならびに緑内障治療薬2剤を使用。右眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存し,矯正視力0.8と低下した。抗ヘルペス薬は中止したが再燃はない。【症例2】79歳女性。6年前から両眼にBTほか2剤を使用。左眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の新生血管を伴う濃厚な弧状角膜混濁を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。視力低下は認めなかった。【症例3】76歳男性。3年前から両眼にBTとヒアルロン酸点眼液を使用。左眼耳下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血,濾胞を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。全例BT使用中に出現した角膜炎であること,角膜ヘルペスの既往はないこと,実質深層の新生血管を伴う角膜周辺部病変で,既報の所見に類似していることから,BTが発症に関与した可能性のある角膜実質炎と診断した。緑内障治療中の患者に周辺部角膜実質炎をみたら,BT使用歴の確認も必要である。
著者
岡本 光央 染谷 満 平井 悠久
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.140, no.9, pp.572-575, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
2

1.はじめに茨城県つくば市つくばエクスプレス研究学園駅の駅前にガラス張りの未来的なビルが建っている(図1)。筑波大学大学院教授であり,サイバニクス研究センター創立者である山海嘉之氏

1 0 0 0 OA 名神序頌

著者
岡本監輔 著
出版者
黒崎精二
巻号頁・発行日
1895
著者
佐保 美奈子 入江 真行 古山 美穂 山田 加奈子 髙 知恵 島田 憲次 松本 富美 位田 忍 小杉 恵 岡本 伸彦 石見 和世 松尾 規左 鶴丸 礼子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

総排泄腔遺残症の思春期女性の学業・就労・恋愛・結婚への支援について研究した。①性の多様性と理解 性分化疾患については、医療者も対応に苦慮しているのが実状で、社会全体で理解促進が必要である。②障がい者の就業支援 排泄障害を持つほとんどの者が上司や同僚からの配慮を必要としている。職場・社会全体の理解促進が必要である。③障がいをもつ女性のエンパワメント 総排泄腔遺残症の女性とパートナーのもつ思いやり・やさしさ・強さなどを社会に発信していきたい。研究成果物として、『膣拡張用樹脂製ダイレーター』『総排泄腔遺残症ってこんな病気』『総排泄腔遺残症の就労支援』『DSDの子どもをもつご家族の皆様へ』などがある。
著者
小坂 浩隆 田邊 宏樹 守田 知代 岡本 悠子 齋藤 大輔 石飛 信 棟居 俊夫 和田 有司 定藤 規弘
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.255-261, 2012

自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核症状である社会性障害の脳基盤を解明するために,青年期の高機能ASD群に対して,共同研究機関とともに行ってきたfMRI研究を一部紹介する。自己顔認知課題においては,ASD群は自己顔認知処理がなされる後部帯状回の機能低下と情動処理に関わる右島の賦活異常を認め,認知と情動的評価に解離がみられた。相互模倣課題においては,自己動作実行と他者動作観察の同一性効果を求め,ASD群は左側の extrastriate body area の賦活が不十分で,症状重症度と逆相関を認めた。アイコンタクト・共同注視課題における2 台 MR同時測定(Dual-fMRI)においては,ASD群は視覚野の賦活低下を認めたほか,定型発達者ペアで認められた意図の共有を示す右下前頭葉活動の同調性が認められなかった。これらの脳領域が,ASD の social brain markerになる可能性があると考えられた。
著者
木谷 智子 岡本 祐子
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.119-127, 2016-01-27 (Released:2017-05-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1

This study investigated the relationship between self-concept variability and psychological well-being. The results show that self-concept variability positively relates to a sense of having a “purpose in life” and “personality growth.” By dividing the self-concept variability into positive and negative aspects, positive self-concept variability relates positively and negative self-concept variability relates negatively to psychological well-being. In addition, the size and balance of the effect that the positive and negative self-concept variability caused was different depending on the type of psychological function. In particular, positive self-concept variability strongly influenced the way a person perceives the future, such as concepts of “personal growth” or “purpose in life.” On the other hand, negative self-concept variability influenced the perceived current state of existence of the self, such as “self-acceptance.”

1 0 0 0 OA 観光図説

著者
岡本金二郎 編
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1893
著者
岡本 宣雄 Okamoto Nobuo
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.37-48, 2013

スピリチュアリティは,人が生きるうえでの価値や感情,認識,行為に影響を与える.本稿は,文献研究を通しスピリチュアルな存在として生きる高齢者像を把握するため,高齢者の Spiritual well- being を取り上げ,心理的な見地より考察する.また,Spiritual well-being の内容を類型化し構造的 に捉え,この概念の特徴について検討する.その結果,スピリチュアリティならびに Spiritual well-being に含まれる「超越性」の特質と超越 性を有し生きる高齢者の特徴が明らかになった.また,この Spiritual well-being が表わす状態や 行為は,「関係」(究極的な他者・他者や自然・自己)と「時間」(過去・現在・未来)で構成され ることが明らかになった.加えて,高齢者のスピリチュアルなテーマと課題の検討から,高齢者の Spiritual well-being には,「意味への充足と応答」の内容が含まれることが示唆された.高齢者の Spiritual well-being は,意味探求の対象(究極的な他者・他者や自然・自己)との関係,人生という 連続する時間のなかで,高齢者が超越的な存在として自身の生を肯定した状態として理解できる.ま た,この概念は,人生の窮状においても,それに意味付をし,価値ある存在としてその生を肯定でき る,逆説的な生き方ができる人間の特性を含んでいる.以上のことから,筆者は,Spiritual well-being を「Spiritual well-being は,自己,他者,自分より 偉大な存在との結合により,連続した時間のなかで,人生の窮状においてもなお,意味が与えられ, 自らの人生を肯定する人間の生の側面である」と定義付ける.本稿の Spiritual well-being をめぐる 高齢者の実像に迫る考察と構造的理解は,生活課題に直面した高齢者の実像を把握するアセスメント 票の開発に有益である.
著者
岡本 沙織 濱田 真輝 田鹿 安彦 川畠 弘子 岡田 芳和
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.351-355, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

要旨:グリチルリチンと抑肝散併用で偽アルドステロン症を生じ,脳内出血と低カリウム性ミオパチーを合併した症例を経験したので報告する.症例は85 歳の女性.肝機能障害と認知症に対して半年以上前より両剤を併用していた.失禁と食欲低下,認知症悪化のため当院を受診し,四肢脱力と左同名半盲,CT で右後頭葉皮質下出血を認めた.血液検査ではカリウム1.6 mEq/l,レニン活性低下,心電図変化を認め,偽アルドステロン症と診断し,保存的加療を行った.入院後,血圧は高値で推移したが,カリウム値の正常化に伴い1 週間程度で安定した.甘草含有製剤である抑肝散は,偽アルドステロン症発生により薬剤抵抗性の二次性高血圧を来すことがあるため,効果を増強させ得るグリチルリチンなどの他剤との併用時には留意が必要である.また,脳内出血などの合併症を予防するために,定期的な血圧管理,電解質検査,心電図検査などが重要であると考えられた.
著者
岡本 誠 倉石 信 藤井 芳 森 俊彰
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-003, (Released:2020-05-29)
参考文献数
28

Fertilized eggs of two manefishes (Caristius macropus and Paracaristius nudarcus) were collected off Shionomisaki, Wakayama Prefecture, Japan and hatched in an aquarium. Descriptions are provided for early-life stages of both species [C. macropus (6 specimens: 8.9–125.9 mm in standard length: SL; maximum rearing period 255 days) and P. nudarcus (26.8 mm SL; 64 days)], based on the reared larval and juvenile specimens. Characters known to be diagnostic for the genus Caristius, including small sized lateralline scales and serrated lower caudal-fin rays, appeared from 80.9 mm SL in juvenile C. macropus. Juveniles of the two species differed in dorsal fin shape and meristic characters. The occurrence of fertilized eggs in waters off Wakayama Prefecture, Japan indicated that C.macropus and P. nudarcus both spawn in Kuroshio waters.
著者
大森 正司 矢野 とし子 岡本 順子 津志田 藤二郎 村井 敏信 樋口 満
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1449-1451, 1987-11-15 (Released:2009-02-18)
参考文献数
7
被引用文献数
74 87

This study was conducted to investigate the effects of green tea made from leaves incubated in an anaerobic condition (Gabaron tea) on the blood pressure of spontaneously hypertensive rats (SHR). No difference was found in the mean body weight of the control groups (first group, fed on water; second group, fed on ordinary green tea) and the experimental group (third group, fed on Gabaron tea) throughout the test period. The mean blood pressure of the three groups was identical at 160 mmHg in the pre-test period. The mean blood pressure of the experimental group was 158 mmHg, whereas the control groups shared 163_??_167 mmHg one week after the experiment started. The blood pressure of the experimental group was significantly lower than pressures of the control groups (P<0.01). In all groups, the mean blood pressure increased gradually from 10 to 20 weeks of age. The mean blood pressure of the experimental group was about 150 mmHg, and those of the control groups reached 175_??_180 mmHg. The mean blood pressure of the experimental animals was 14_??_17% lower than the pressures of the control animals at 20 weeks of age (P<0.01). The hypotensive effect on SHR fed the Gabaron tea infusion disappeared when the animals were returned to ordinary green tea intake at 20 weeks of age.
著者
安井 瞭 岡本 透 寺嶋 芳江 Helbert Helbert 奈良 一秀
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>外生菌根菌(以下菌根菌)は樹木の根に共生し、土壌中の無機栄養分を樹木に供給する菌である。琉球列島において広く分布する固有種の「リュウキュウマツ(以下松)」の根には、菌根菌が共生していることが明らかになっている。琉球列島には松が自生する島の他に人為的に松が導入された島が数多く存在する。このような人為的な松の導入と共に菌根菌も共に侵入する事例が小笠原諸島などでは明らかになっており、過去に松が植林されたとされる琉球列島の島々でも同様に菌根菌の共侵入が起こっていると考えられる。しかし、琉球列島においてはどの島にいつ頃松が導入されたのかという情報が明らかになっていない。そのため、本研究では江戸時代の国絵図や文献資料などから読み取った植生情報を活用し、琉球列島の島々の松林が自生か植林由来であるか起源を明らかにするとともに、植林の有無が菌根菌群集に与える影響について考察する。</p>