著者
近江 秀崇 岡本 順子 水口 美樹 水野 みか 伊藤 英子 Hidetaka Omi Junko Okamoto Miki Mizuguchi Mika Mizuno Hideko Ito 中京学院大学短期大学部 Chukyo Gakuin University Junior College
雑誌
中京学院大学短期大学部研究紀要 = Bulletin of Chukyo Gakuin University Junior College (ISSN:24334898)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.67-76, 2017-09

日々の保育の現場では様々な歌が歌われている。歌われる歌の種類としては、毎日の基本的生活習慣を身につけるもの、四季の自然の美しさや生き物の存在を身近に感じるもの、園で行われる行事に向けて歌われるものなどが挙げられる。現代では、CD などの録音媒体を通して伴奏を流し子どもたちに歌わせることも可能だが、やはり保育者自身の手で、子どもたちが歌いやすいテンポや音量などに配慮した伴奏を心掛けることが大事である。また、保育者が奏でる生の音や歌声に触れながら、一緒に歌い音楽を共有することが、子どもの豊かな表現力や感性を育むことに結びつくと考える。しかし、ピアノの経験がない学生にとって、ピアノを弾きながら歌うという「弾き歌い」は、決して容易なものではない。保育者として現場に出る準備をする学生に、この「弾き歌い」の能力をつけるのが保育士養成校で音楽を教える教員の役割であることから、2年間の音楽の授業の指導法に関する考察や、教員間での情報交換に取り組んだ。また、筆者が昨年度に行った、東濃5市の保育施設において歌われている四季の歌に関する調査結果と、昨年度の学生の習得状況の比較を行ったところ、取り扱われる歌に関して、大学と保育施設の間で差があることも明らかになった。
著者
山下 玲 今給黎 薫弘 岡本 聡 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J102-B, no.4, pp.310-318, 2019-04-01

データセンタネットワーク(DCN)における消費電力増加に伴い,電気パケット交換と光回線交換/光スロット交換を併用するハイブリッド型DCNが注目されている.ハイブリッド型DCNでは,DCN内を流れるフローをサイズや継続時間によって分類し,電気パケット交換網と光回線交換網/光スロット交換網のどれに流すべきかを判断する必要がある.本論文では,フロー分類手法として,Hadoopのジョブ特性を用いたアプリケーション駆動型手法を提案する.提案手法では,HadoopのShuffleデータ量とジョブ継続時間を推定することで,電気パケット交換網と光回線交換網/光スロット交換網のうちより省電力な網を選択することを可能とした.コンピュータシミュレーションにより,従来手法と比較して約15.8%のスイッチング消費電力削減効果を確認した.
著者
馬越 智浩 高橋 廣臣 八尾 和雄 稲木 勝英 中山 明仁 永井 浩巳 岡本 牧人
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.65-69, 2001-01-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
18

Between June 1988 and December 1996, 57 patients with non-Hodgkin's lymphomas of the head and neck were treated at our department. The primary lesion was located in Waldeyer's ring in 31 patients and cervical lymph nodes in 26 patients. These patients, who were diagnosed as Stage I or II, were treated with chemotherapy and radiation. The chemotherapy regimen consisted of pirarubicin (45mg/m2; day 1), cyclophosphamide (750mg/m2; dayl), vindesine (1.5mg/m2; day 1) and predonisolone (100mg/body; days 1-5). The complete and partial response rates were 79% and 82% respectively. The five-year estimated overall survival rate calculated by Kaplan-Meier method was 75%. We concluded that the combination of chemotherapy regimen (THP-CVP) and radiation were useful and safe for treating non-Hodgkin's lymphomas of the head and neck.
著者
菊池 麻紀 沖 理子 久保田 拓志 吉田 真由美 萩原 雄一朗 高橋 千賀子 大野 裕一 西澤 智明 中島 孝 鈴木 健太郎 佐藤 正樹 岡本 創 富田 英一
出版者
一般社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.181-196, 2019-07-20 (Released:2020-01-20)
参考文献数
66

The Earth, Clouds, Aerosols and Radiation Explorer (EarthCARE) mission is a European-Japanese joint satellite mission that aims to provide the global observations necessary to advance our understanding of clouds and aerosols and their radiative effect on the Earth’s climate system. Toward this goal, the EarthCARE satellite loads two active instruments, Cloud Profiling Radar (CPR) and Atmospheric Lidar (ATLID), offering vertical profiles of clouds and aerosols, together with light drizzles, whose properties are extended horizontally using complementary measurement by Multispectral Imager (MSI). The properties thus obtained are then used to estimate outgoing shortwave and longwave radiation at the top of the atmosphere, which is evaluated against measurements taken by the fourth sensor, Broadband Radiometer (BBR). Such a “closure assessment” is used to give feedback to the microphysical property profiles and optimize them, if necessary, to offer consistent three-dimensional datasets of cloud-aerosol-precipitation-radiation fields. EarthCARE’s integrative global observation of clouds, aerosols and radiation with the new measurement capabilities, particularly with Doppler velocity, is expected to not only extend the A-Train measurement toward a longer-term climate record, but also to advance our perspective on the fundamental role that global clouds have within the climate system in the context of their relationships to dynamical processes and their interactions with aerosols and radiation. This review paper provides an overview of the mission, the satellite and its payloads, with a particular focus on the algorithm and products developed in Japan, and areas of scientific study expected to progress.
著者
遠藤 悟 細野 光章 王 戈 岡本 拓士 小野田 敬 桑島 修一郎
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.238-257, 2019-10-25 (Released:2019-10-29)
参考文献数
21

Research performed at universities and public research institutions are crucial for the creation of new industry and for the enhancement of quality of life of the people. It contributes to improve the scientific literacy of the people and to develop human resources for research by stimulating scientific curiosity of the people. However, it is pointed out that research capability in Japan has been declined in recent years. In this paper, analyses of current situation of research activities at universities and public institutions are presented. The discussions made in this paper include the followings: (1) recognition of situation of research activities, (2) research funding, (3) governance and evaluation of universities and research institutions, (4) research performance, (5) human resources. Several recommendations for the improvement of research capacity in Japan through comparison with major overseas countries and through analyses of current research systems in Japan are presented.
著者
岡本 香 村田 浩子 西山 英子 田口 素子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.154-166, 2019-12-01 (Released:2020-02-06)
参考文献数
44
被引用文献数
1

【目的】男性持久系競技者を対象とした食事記録法の栄養評価における食品重量見積もり誤差の特徴を明らかにすることである。【方法】筆者らの研究室に蓄積された食事記録法のデータベースから,競技者及び非競技者を対象とした食事記録を抽出した。これらに基づいて作成したモデル献立の写真と食事記録票を栄養評価者に配布し,食品の選択及びその食品番号と見積もり重量の記入を依頼した。その後,筆者らが栄養素等摂取量を算出し栄養評価値を得た。モデル献立の基準重量と評価者に依頼した見積もり重量との誤差及び基準値と栄養評価値との誤差を比較した。【結果】競技者モデル献立の基準値と栄養評価値との間に,10%以上の過小評価が認められたものはエネルギー及び炭水化物(それぞれ平均値で-13%,-16%),過大評価が認められたものはビタミンA及びビタミンC(それぞれ40%,10%)であった。エネルギー及び炭水化物への寄与率が高かったご飯の見積もり重量に有意差が認められ,基準重量に対し23%の過小評価が認められた。また,ビタミンAへの寄与率が高かったにんじん,ほうれん草は基準重量に対しそれぞれ48%,68%の過大評価が認められた。ビタミンCへの寄与率が高かったほうれん草は基準重量に対し68%の過大評価が認められた。【結論】男性持久系競技者を対象とした食事記録法の栄養評価においては,ご飯と緑黄色野菜の重量見積もり誤差が大きいという特徴があることが示唆された。
著者
廣政 良 阿部 正幸 岡本 龍明
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.416-439, 2016 (Released:2016-12-25)
参考文献数
23

概要. RSA 仮定に最良帰着するランダムオラクルモデルで安全な署名方式を提案する.この方式は,同等の安全性を持つ既存の方式よりもランダムオラクルを用いる個数が少ない(最小)という利点がある.次に,どのような攻撃者に対しても,安全性を保ったままそのランダムオラクルを置き換えられるようなハッシュ関数が識別不可能性難読化器を用いて構成できることを示す.また,Coron の方式でも同様の結果を示す.
著者
菊池 誠 岡本 賢吾 岡田 光弘 三好 博之
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

現代の数学の哲学には (1) 数学の算術および集合論への還元,(2) 一階論理上での集合論の公理化,(3) 一階論理による証明概念の形式化,(4) チューリング機械による計算可能性の特徴付けという[四つの原理]がある.本研究はこの[四つの原理]と現代の[標準的数学観]の関係,[四つの原理]とそれらの相互の関係をに検討することで,数学の哲学の新たな展開と,計算・推論・情報の概念の哲学的解明を目指すものである.2018年度中には以下の活動を行った.(1) 2018年9月3日から9月6日まで神戸大学六甲台第二キャンパス内工学研究科において「数学基礎論サマースクール(テーマ:証明論,特に算術の無矛盾性証明)」を開催した.(2) 2018年9月18日から20日まで神戸大学瀧川記念会館において「Symposium on Advances in Mathematical Logic 2018(竹内外史追悼シンポジウム)」を会した.(3) 日本科学哲学会2018年度大会においてワークショップ「計算の哲学:推論および物理的現象との関係の再考に向けて」を開催した.(4) 共立数学文献を読む会において講演「幾何学の基礎に関するフレーゲ・ヒルベルト論争について」を菊池誠が行なった.これらの活動の結果として,以下の成果を得た.(1) 竹内の証明論と集合論の哲学の特徴について分析を行い20世紀の数学基礎論についての議論の枠組みの詳細を定めた.(2) フレーゲ以前の論理学,フレーゲ,ヒルベルトの量化と含意についての考え方の共通点と相違点の分析の重要性を明らかにした..(4) 量子論理の基本的な性質についての議論を進めた.(5) 不完全性定理と有限の立場についての分析を行なった.
著者
中村 亮介 岡本 美孝 秋山 晴代 岡本 好海
出版者
国立医薬品食品衛生研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

アレルゲン舌下免疫療法(SLIT)は、スギ花粉症等のアレルギー疾患の根治が期待できる非常に有望な治療法であるが、治療が長期に渡る一方、必ずしも全例が奏効するとは限らないことが問題となっている。そこで本研究では、SLITのメカニズムの解明に取り組むとともに、患者血清中からSLITによる治療の奏効性を早期に予測するバイオマーカーを探索することを目的としている。申請者は近年、培養細胞を用いる独自のアレルギー試験法「EXiLE法」を開発した。この手法は、特異的アレルゲンに対する血清中IgEの架橋活性だけでなく、血清中の中和活性を評価することも可能である。そこで今年度では、2シーズン以上に渡ってスギ花粉症のSLITを実施した患者38名における、血清中特異的IgE抗体価、血清中IgEによるEXiLE応答性および中和活性を経時的に評価し、患者の治療スコア(TNSMS)と比較することで、SLITの奏効性と相関するバイオマーカーを探索した。その結果、SLIT実施患者の血清中中和活性は治療開始2シーズン後に顕著に増加した。TNSMSの差(ΔTNSMS)をSLITの奏効性と定義すると、治療開始前のEXiLE応答性及びスギ花粉特異的IgE抗体価で患者群を層別化したときに、奏効性はカットオフの上下群間で有意に異なることが分かった。カットオフはそれぞれ2.0倍と10 UA/mLで、P値はそれぞれ0.00048と0.0021であった。この結果は、SLIT開始時の特異的IgE抗体価およびその架橋能はSLIT奏効性を予測するよいバイオマーカー候補であることを示唆している。症状発現へのIgEの寄与率が低い症例ほどSLITが効きにくい、というメカニズムが想定される。