- 著者
 
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             谷口 礼央
             
             永井 康貴
             
             千田 彰彦
             
             鈴木 洸
             
             髙橋 宏太
             
             川村 允力
             
             田村 哲哉
             
             友成 悠邦
             
             後藤 駿吾
             
             岩崎 暁人
             
             武内 悠里子
             
             斯波 忠彦
             
             厚川 和裕
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人 日本肝臓学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 肝臓 (ISSN:04514203)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.61, no.9, pp.470-477, 2020-09-01 (Released:2020-09-09)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 15
 
          
          
        
        
        
        症例は58歳男性.黄疸,肝機能障害,腹痛にて近医より紹介受診.採血では,黄疸,肝機能障害,好酸球の増多を伴う白血球上昇を認めた.CTでは,肝臓両葉に多発する不整形の低吸収域,十二指腸球部の浮腫性の肥厚を認めた.上部消化管内視鏡では,球部にびらんや粘膜炎症所見を認めた.内視鏡による生検,肝低吸収域の生検を実施したところ,双方共に悪性所見はなく,著明な好酸球の浸潤を認めた.好酸球性胃腸炎診断基準(腹痛等の症状,内視鏡生検での好酸球浸潤,末梢血中の好酸球増多,等)を満たし,同症と診断した.肝低吸収域もこれに伴う好酸球性の炎症性腫瘤と診断した.ステロイドによる治療を開始したところ,開始数日で採血,画像所見の改善を認めた.その後,ステロイド漸減を進め,現在は,プレドニゾロン5 mg/日にて外来管理を続けている.発症2年を経て,再発は一度もなく,内視鏡・CTなどの画像所見も正常化している.