著者
加藤 瞭 後藤 春彦 吉江 俊
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.730, pp.2741-2751, 2016 (Released:2016-12-30)
参考文献数
23
被引用文献数
3 4

Currently a type of outdoor advertisement, which cannot be truly defined as outdoor advertisement, is partially constructing the street landscape of commercial districts. In this study this type of advertisement is labeled as “semi outdoor advertisement”. Taking the commercial district of Ginza as a subject of research, this study will enable one to understand the character and display methods of “semi outdoor advertisement” in urban landscapes by comparing it to conventional outdoor advertisement. To arrive at a representative comparison the following 3 steps are carried out: (1.) Based on the elements of streetscapes, the 179 streets of the Ginza district are categorized into 8 different types, which can promote clear understanding of Ginza's spatial structure. (2.) By conducting a mesh analysis of the street facades as well as research on the existing conditions of advertisement installations, the amount of existing outdoor advertisement and “semi outdoor advertisement” will be quantitatively revealed. (3.) By sampling all advertisements in the streetscapes, several groups were extracted, according to their forms and information. Based on this research, advertisements in streets differ in forms and their information, which can be recognized as the difference of scenery within Ginza. Those analyses can be suggestive in order to understand regional characteristics created by streetscapes. In addition, it was revealed that near about half of the advertisement constructing streetscape within commercial districts are “semi outdoor advertisement” which cannot be regulated as outdoor advertisement. These “semi outdoor advertisement” will get more influence in streetscape and cannot be ignored, since they are increasing disorderly. These changes transform the urban informational environment, by changing the characteristics of media information and installation of advertisements. Therefore towards the streetscape maintenance in present commercial districts, it is necessary to position “semi outdoor advertisement” as the candidate of streetscape design control. In order to be able to control the design of commercial districts this study also makes evident the imperative to develop guidelines, which regulate the use of “semi outdoor advertisement”, to maintain the landscape. Furthermore, from the perspective of landscape conception, additional guidelines to make adequate use of the merits of “semi outdoor advertisement” will be necessary. In the future, we should deal with not only outdoor advertisement but “semi outdoor advertisement” in law and cityscape ordinance and hold design discussions about “semi outdoor advertisement”.
著者
伊藤 日向子 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1200-1207, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
2

独居高齢者の増加が社会の趨勢として避けられない中、独居しつつも周囲との繋がりを実感でき、生活の質を保ったまま老いていくことができる社会を実現することは喫緊の課題である。本研究の目的は、独居高齢者の生活行動と孤独感の関係を解明し、独居であっても孤独を感じずにいる人々の生活行動の特徴を明らかにすることにある。それによって、孤独感の解消に資する都市空間を実現していくために、介入の根拠となる基礎的知見を構築する。特定の住宅団地を対象にアンケート調査を行った結果、対人交流と外出行動に関する項目が孤独感と相関を示す要素として明らかになった。さらに、補足的なヒアリング調査から、様子確認ができる親密な人の存在に加えて、生活に余暇外出(とりわけ、徒歩30分圏内で行う日常的な散歩)を取り入れることが重要であるということが、孤独感を低減させる上で重要であると示唆された。「社会的孤立」の解消には家族以外による共助・公助の確立が課題となっている一方、「孤独感」は散歩など余暇外出を生活に取り入れることで改善できるとすれば、余暇外出行動を促進する都市環境を整えることで、一人暮らしの「孤独感」を低減できる可能性がある。
著者
伊藤 日向子 後藤 春彦 髙嶺 翔太 松浦 遥
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.66, pp.961-966, 2021-06-20 (Released:2021-06-20)
参考文献数
9
被引用文献数
5

Our target are unemployed living alone seniors in the apartment complexes. We conducted a questionnaire survey and extracted 3 patterns of lifestyles. We analyzed lifestyle characteristics according to the presence or absence of loneliness and subjective health status. We also asked what kind of facilities and events they wanted in their apartment complexes. And we compared the features of them by levels of loneliness, subjective health and lifestyles. Finally, we identified some features in terms of facilities and events which are aligned to certain lifestyle that can contribute low level of loneliness and high subjective health.
著者
松谷 定 竹下 千尋 五十嵐 健祐 阿部 真也 吉町 昌子 後藤 輝明 山城 海渡 川﨑 直人
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.115-121, 2020 (Released:2020-10-26)
参考文献数
8

近年,保険薬剤師は業務の多角化が求められている.そのためストレスが増大し,インシデントにつながる危険性がある.しかし,保険薬剤師の職業性ストレスとインシデントの関連性については明らかにされていない.そこで本研究では,保険薬剤師の職業性ストレスとインシデントの関連性について調査した.2016 年12 月,(株)ツルハ(212店舗)の保険薬剤師を対象に勤務状況,職業性ストレス,離職願望およびインシデントに関するアンケートを実施した.回答が得られた 397 名のデータを解析した結果,職業性ストレス因子の「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の適性度」「働きがい」と「離職願望」がインシデントと関連することが明らかとなった.本研究で明らかとなったインシデント関連因子を早期に把握できる環境を整える必要性が示唆された.
著者
後藤 新治
出版者
西南学院大学学術研究所
雑誌
西南学院大学国際文化論集 (ISSN:09130756)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.93-115, 2014-09-02

「私の性格のいけないところは,私が決して自分に満足しないこと, 自分の仕上げ具合を本当に心から喜ばないことで,常に心のうちで, またこの目のうちにもう一つ進歩を求めようとすることです。」-ルオーのシュアレス宛て書簡 1193年11月1日
著者
安田 将 杉本 元一 後藤田 直人
出版者
一般社団法人 日本外科感染症学会
雑誌
日本外科感染症学会雑誌 (ISSN:13495755)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.314-321, 2021-12-15 (Released:2022-01-07)
参考文献数
33

【目的】大量肝切除術前のリハビリ栄養療法(リハ栄養)による骨格筋指数(Skeletal muscle index,SMI)変化および術後経過への影響を検討した。【方法】2008年9月から2019年5月までに門脈塞栓術後に大量肝切除を施行された全99症例のうち,術前待機期間中にリハ栄養を行った症例群(リハ栄養群)と対照群で臨床的特徴およびSMI変化率を比較した。また,リハ栄養群においてSMI増加群と減少群の術後合併症発生率を比較した。SMIは門脈塞栓術前後の腹部CT画像で評価した。【結果】リハ栄養群30例では対照群69例と比較し,SMIの有意な増加を認めた(中央値+1.8% vs. +0.1%,P=0.038)。リハ栄養群30例において,SMI増加群21例では減少群9例と比較し,術後に手術部位感染(臓器体腔)(14% vs. 56%,P=0.032)と肝不全(14% vs. 56%,P=0.032)の発生率が低く,術後在院日数(17日 vs. 24日,P=0.033)が短かった。【結論】術前待機期間中のリハ栄養により骨格筋量が増加し,術前の骨格筋量増加は術後合併症軽減に有用であると考えられた。
著者
後藤雄太著
出版者
ナカニシヤ出版
巻号頁・発行日
2021
著者
後藤 健志
出版者
くにたち人類学会
雑誌
くにたち人類学研究 (ISSN:18809375)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-19, 2018

アマゾニアの熱帯雨林に産する向精神性の医薬であるアヤワスカは、インディオの精神文化を扱った民族誌の中では、比較的なじみの深い主題として記述されてきた。アマゾニアの生態系とは、植民者たちが到来する以前から、在来の園芸農業による改変を被りながら形成されてきた自然と人間との複合体である。アヤワスカの原料となる植物種もまた栽培種として、そこでの伝統的な生業体系の中に組み込まれてきた。本稿では、植民者たちの間で創設されたアヤワスカを実践する新宗教が、アヤワスカの慣習がもともと存在してこなかったマト・グロッソ州へと展開していく過程について、「園芸」という側面に注目して考察する。アヤワスカの摂取を通じて自己の内的世界を変性させた主体が、やがて現代的な熱帯農業の技術と融合させながら、自己を取り巻く外的世界をアマゾニア的な構成態へと再編していく過程について、筆者のフィールド・データをもとに素描する。
著者
後藤 功雄 田中 英輝
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.577-597, 2018-12-15 (Released:2019-03-15)
参考文献数
21

ニューラル機械翻訳 (NMT) は入力文の内容の一部が翻訳されない場合があるという問題があるため,NMT の実用には訳出されていない内容を検出できることが重要である.著者らはアテンションの累積確率と出力した目的言語文から入力文を生成する逆翻訳の確率という 2 種類の確率による,入力文の内容の欠落に対する検出効果を調査した.日英の特許翻訳での訳抜けした内容の検出実験を実施し,アテンションの累積確率と逆翻訳の確率はいずれも効果があり,逆翻訳はアテンションより効果が高く,これらを組み合わせるとさらに検出性能が向上することを確認した.また,訳抜けの検出を機械翻訳結果の人手修正のための文選択に応用した場合に効果があることが分かった.
著者
高木 敬彦 遠藤 治 後藤 純雄 河合 昭宏 村田 元秀 松下 秀鶴
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.312-321, 1986

自動車から排出される変異原物質の総量をモニターするための手法検討の一環として, 使用済ガソリンおよびディーゼルエンジンオイルの変異原性と走行距離との関係をサルモネラ菌TA100およびTA98株を用いて調べた。エンジンオイルの採取は両車ともに市中走行条件下でオイル交換直後から, 5000kmまで1000km毎に行った。又, 合わせて市中走行のガソリン車12台, ディーゼル車7台からもオイルを採取し, その変異原性を調べた。<BR>エンジンオイル中の変異原物質抽出法を検討した結果, メタノールを抽出溶媒にした還流抽出法が効果的であった。ガソリン車のエンジンオイルはTA100, TA98株に対してS9mix添加および無添加条件下で変異原性か認められたが, ディーゼル車のエンジンオイルはTA100株S9mix無添加条件下では変異原性がほとんどみられなかった。また, TA100株S9mix添加条件下で, 両車のエンジンオイルの変異原性と走行距離との間に相関関係がみとめられた。今回調べた市中走行車についてみると, ガソリンエンジンオイルの変異原性がディーゼルエンジンのそれに比べて高い傾向にあった。ガソリンエンジンオイル車の場合, 総走行距離が30000km以上になると, 走行距離1km当たりの変異原性 (TA100株+S9mix) が高くなる傾向がうかがわれた。
著者
冨田 忍 野尻 秀雄 大脇 正治 後藤 正和
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.608-612, 1970-10-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
1
被引用文献数
2 2

Bacterial endcarditis caused by streptococci has frequently been seen among swine examined in slaughterhouses. The authors encountered 21 swine cases of streptococcal endocarditis over a period from Apil, 1968, to March, 1970. They isolated α-type streptococci from 10 cases, β-type ones from 5 cases, and γ-type ones from 4 cases. Two types, α and β, were isolated from 1 case. One case could not be assorted.Two cases of endocarditis were proved to have been caused by mixed infection with streptococci and other pus-forming organisms.
著者
柳川 洋一 後藤 清 越阪部 幸男 阪本 敏久 岡田 芳明
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.11, pp.587-592, 2004-11-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
26

背景:排泄行為は循環動態に影響を与える。目的:トイレでの疾患発生状況を明らかにすること。方法:平成15年5月から1年間で,所沢市内のトイレで発症し,救急車の要請があった全症例(n=74)を対象とした。対象の性別,年齢,気温,トイレの様式,使用目的,搬送先の診断名に関して検討を行った。結果:性別は男性40例,女性34例,平均年齢は68±16歳であった。トイレの様式は洋式62例,和式2例,小便器2例,不明8例であった。使用目的は排便38例,排尿28例,不明8例であった。診断名に関しては中枢神経疾患23例,失神12例,消化管疾患11例,心疾患9例,ショック6例,心肺機能停止4例,その他9例であった。心疾患は失神と比較して,低温環境での発症が多かった。結語:中枢神経疾患を発症する危険性のある患者には円滑な排泄行為が行えるような対策,失神を生じやすい人には高温環境での排泄を回避する対策,心疾患に罹患している患者には低温環境での排泄を回避する対策をとる必要がある。
著者
浅井 寿生 石田 聖子 磯村 昌彦 伊藤 達也 今泉 景子 大岩 昌子 小野 展克 亀山 郁夫 後藤 希望 佐藤 雄大 白井 史人 高橋 直子 新居 明子 沼野 充義 根無 一信 濱嶋 聡 林 良児 福田 眞人 堀部 純子 真崎 翔 ムーディ 美穂 室 淳子 安井 朱美 吉見 かおる Marceau Etienne HIRATA Eric Paccoud Jérôme CRANE Paul Allen KENNY Tom Annequin Laurent
出版者
名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター
雑誌
Artes MUNDI (ISSN:24321125)
巻号頁・発行日
no.6, pp.191-207, 2021-03-31

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