著者
藤原 求美 山口 実果 手塚 康貴 太田 忠信
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.330-333, 2006-10-20

本研究の目的は,脳卒中患者・骨関節疾患患者・健常高齢者におけるFour Square Step Test (以下,FSST)の検者内信頼性と妥当性について検討することである。対象は脳卒中患者30名,骨関節疾患患者20名,健常高齢者20名とし,FSST,Berg Balance Scale(以下,BBS),Timed Up and Go test(以下,TUG)を測定した。脳卒中患者30名のうちFSSTを完全に実施できた患者は24名であった。FSSTは2回の測定を2日間行い,その測定値より級内相関係数を求めた結果,全対象者で高い再現性(ICC=0.807〜0.985)を示した。またFSSTとBBS,BBSとTUGの間には危険率1%未満の有意な相関関係(ρ=0.677〜0.860)が認められ,FSSTとTUGの間には危険率5%未満の有意な相関関係(r=0.559〜0.948)が認められた。結果より,FSSTは上記の対象者において有用な評価方法であると示唆された。
著者
森 治嗣 手塚 健一 加賀見 雄一 手塚 英昭
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2003, no.3, pp.187-188, 2003-08-05

Dry-out and rewetting on fuel rods in a reactor core, possibly observed during the events of pump trip or reactor power increase etc., are significant phenomena from the viewpoints of securing the integrity of a fuel rod and safety evaluation on MCPR in the design. The two-phase flow boiling visualization experiments of dry-out and rewetting processes by a high-speed digital movie were successfully carried out under BWR rated-operating condition of ∿7MPa and ∿286℃ in the present work; on the other hand, these visualization tests could be found only under the atmospheric pressure conditions so far. The tests were carried out using the thermal-hydraulic experimental loop of Tokyo Electric Power Co., Inc. (TEPCO), which enables us to directly observe the two-phase flow boiling, dry-out and rewetting phenomena under the BWR rated-operating conditions of ∿7MPa and ∿286℃. The observations by a high-speed digital movie, measurements of void fraction increase by optical-fiber void probes and rods' surface temperature soaring and steep diving by thermocouples brought us incontrovertible evidences of the occurrence of rewetting just after dry-out in transients.
著者
堀 敦史 手塚 宏史 高橋 俊行 住元 真司 曽田哲之 原田 浩 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.83-88, 1999-08-02
被引用文献数
3

SCoreクラスタシステムソフトウェアは,Myrinetを用いたクラスタを対象とした高性能かつスケーラブルな並列プログラミング環境のソフトウェアパッケージである.本稿は,Myrinet以外のネットワーク,SMPクラスタ,及びクラスタ化されたクラスタという3つの新たな形態のクラスタにSCoreを対応させる方法について提案するものである."Composite"と呼ばれる仮想ネットワークデバイスを設け,compositeネットワークデバイスが複数の実ネットワークデバイスとルーティングテーブルを持つことで,これらの形態のクラスタに対応可能であることを示す.ここで提案された方法は,見方を変えれば,ヘテロなネットワーク構成のクラスタへの対応と考えることができる.提案された方法は,現在SCore 3.0として開発が進められている.A high performance scalable cluster system software package, SCore, was designed for clusters using Myrinet. To adapt it to a cluster using other networks, an SMP cluster, and a cluster of clusters, the notion of "composite" is proposed in this paper. The "composite" is a virtual network device which consists of a routing table and several physical network devices. From the viewpoint of seamless computing, the "composite" is to handle heterogeneity. New SCore 3.0 is under development for implementing the "composite".
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕 曽田 哲之 原田 浩 古田 敦 山田 務 岡 靖裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.79, pp.121-126, 1996-08-26
被引用文献数
3

我々は並列マシンにおける時分割空間分割スケジューリング方式を提案し、ワークステーションクラスタ用のスケジューリングシステムSCore?DをUNIXのデーモンプロセスとして開発した.現在,対話的な並列プログラミング環境実現方式の研究の最初のステップとして,オンライン並列デバッガSCDBの設計開発を行ってきている.一般に,デバッガプロセスはシステムコールによってデバッグ対象のプロセスの実行制御を行う.このような環境では、SCore?Dはユーザプロセスの状態を制御できず,スケジューリングシステムが正常に動作しない.そこで,SCore?Dがユーザプロセスに対してOS機能をサービス可能とするための機構を,プロセス間共有メモリおよびUNIXのシグナルを用いて設計開発した.We have been proposing Time-Space-Sharing Scheduline (TSSS) and developed a scheduling system, named SCore-D, as demon processes on UNIX. As a first step towards the research and development of an interactive parallel programming environment, we are designing a parallel online debugger, named SCDB. Generally debugger process has a control of debugee process. In the case of SCore-D, however, SCore-D can not control debugger and debugee processes, and the sceduling of SCore-D and the control of debugger can conflict. To avoid this situation, we design and develop a mechanism for SCore-D to support OS functions using inter-process shared memory and UNIX signals.
著者
手塚 和彰 村山 真維 岩間 昭道 中窪 裕也 木村 琢麿 金原 恭子 野村 芳正 柿原 和夫
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

経済の国際化(グローバル化)は、日本を含む先進国の経済構造と雇用構造を根本的に変えることとなった。第一は、使用者と労働者の関係が、両者のほかに、派遣業者や職業紹介業者などが介在し、二面構造から、三面構造へと変化した。この構造をどのように法的に整備するのかに関しては、労働法的規制の少ない英米と、規制を、労使関係(労使の交渉、協約)により強めて来たドイツ、フランスなど大陸諸国も欧州のグローバル化により規制緩和を進めている。我が国も、いわゆるバブル経済の崩壊後、製造業をはじめとして、リストラを進め、正社員の減、従来の年功序列による賃金体系を業績評価による体系に変更した。他方、パートタイマーや派遣労働者はますます比重を高めてきている。第二に、このような雇用構造変化は、日本の先端技術・技能における我が国の国際競争力を低下させている。従前の研究開発システムは、従業員発明制度の不備もあって、新規開発に遅れ、付加価値をつけることのできない企業を低迷、倒産の危機に追い込んでいるが、この点でも本研究は学界に先鞭をつけた問題提起を行なうこととなった。第三に、本研究は、人口、雇用の将来予測を独自に行い、このような少子高齢化の中での、労働市場、雇用の将来でのあり方を探った。とりわけ、高齢者の雇用と年金のあり方を探り、今後の我が国の雇用のあり方とそれを支える法制につき具体的な展望を行なった。さらに、WTO体制の元に進捗する経済のグローバル化と、人口減少にともない、外国人労働者の導入が現実的な課題となってきている。実際に、現在200万人の外国人が日本で就労しているが、その社会的な受け入れの体制や、法制度上の問題は極めて多い。この点に関しても本研究は先端的な分析と方向付けをすることができた。
著者
手塚 奨 中里 秀則 太田 現一郎 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.399-403, 2009-02-24

大型地震に代表される,大規模災害が発生した時には平常時の数十倍のトラヒックが発生する.この場合の通信の確保が重要な命題となっている.その対策として,アドホックネットワークやAP(Access Point)間無線通信が注目され,様々な検討がなされている.本報告では,アドホックネットワークの通信安定エリアまでマルチホップさせ,バックボーンを確保するという概念をベースとして,被災地において被害を免れた既存網を補間要素として利用する通信制御方式を提案する.本方式では,構築するマルチホップネットワークにデータ伝送,既存網に位置管理を担わせ,通信を実現させる.また,ユーザ端末には第4世代携帯電話を想定している.
著者
手塚 薫
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

千島列島のほぼ全域で学際的な調査を実施し、考古学的遺物に加え、自然環境の変化を測定する各種データを収集し、環境変動に対する人類の脆弱性や耐性を究明した。千島列島において大小2回の人の居住時期の断絶が確認され、その原因を特定するうえで定期的に繰り返す海洋生物資源量の変動、火山噴火、地震津波などに起因する生態環境の悪化などを考慮するばかりではなく、それらの危機を乗り越える知識の拡充や社会ネットワークの活用などの文化・社会的なリスク回避の方法も検討することができた。
著者
手塚 耕一 河崎 悟朗 神頭 信之 下川 聡 中尾 古宏 内山 隆
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, 2004-12-01

現行MOやDVDの約13倍の記録密度を達成できる光磁気記録用OFH(Optical Flying Head)を実用化しました.OFHは青紫LD光を回折限界まで集光する高NAレンズ(NA:0.9)と高速磁界変調記録を可能とする薄膜コイルを,ハードディスクドライブ(HDD)に使用されているのと同等の浮上スライダ上に搭載した高性能光ピックアップです.このOFHと最新の高密度光磁気媒体とを組み合わせることにより50Gb/in^2以上の高密度記録を達成することが可能となりました.また,0FHの浮上量は約3μmで,現行HDDの約300倍あり,媒体交換が可能なリムーバブル装置を実現するほか,通常実験室で使用可能なOFH搭敏光磁気媒体評価設備(媒体テスク)の製品化も可能としました.
著者
手塚太郎 李龍 高倉 弘喜 上林 弥彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.67, pp.503-508, 2002-07-18
被引用文献数
1

World Wide Web(以下、WWW)は日常的な情報収集の手段として広く用いられているが、地域関連情報の検索はその重要な一角を占める。本研究ではWWW上のテキストデータに対する内容解析によって人間の地理空間認知の構造を明らかにし、地域情報検索の効率化に役立てる。自然言語において地名は格助詞を伴って現れることが多い。そこで格助詞の意味分析を行ない、共起しやすい格助詞の種類によって地名を特性付けした。地名には狭義と広義のふたつの意味を持つものが多く、解釈において困難を生じさせているが、その判定に格助詞との共起パターンを用いられることを示した。World Wide Web is now widely used as a tool for daily information search. One important usage of WWW is to search local information. Our paper discusses human cognition on geographic space. In Japanese text data, most place names appear with case intensifying particles. We performed analysis on case intensifying particles and characterized place names based on which particles it is likely to co-occur with. There are many place names that have more than one meaning: the original meaning and the extended meaning, which surrounds the original. We showed that the characterization based on case intensifying particles could be used to determine such duplication of the meaning.
著者
倉島 健 手塚 太郎 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.67, pp.47-53, 2005-07-13
参考文献数
14
被引用文献数
1

人間の行動は時間的・空間的要因によって規定されている.Blogの普及により,地域を実際に体験した個人の情報発信が活発になり,さらには記述された日時が記録されているというBlogの特性によって,このような人間の動きに関する情報が得られるようになった.本研究においては,ある場所について書かれた個々のテキストから,人々の体験を,時間・空間・動作・対象属性間の相関ルールマイニングによって抽出する手法を提案する.そして,ユーザがそれらの属性を指定することで,抽出した体験を柔軟に検索・要約することのできるシステムの提案を行う.これにより,容易にその地域における人々の行動を把握することが可能となる.The prevalence of Blogs has enabled observation of the personal experiences in a certain location and time. Such information were traditionally unavailable except indirectly through local newspapers and periodicals.This paper proposes a method of obtaining spatially-specific experiences of urban visitors, for example, visitors' activities at several sight-seeing spots and their evaluations, by extracting association rules from the contents of Blog articles.By geographical mapping of Blog articles, the proposed system enables users to observe visitors' real activities and impressions of their visiting places, which are often more diverse than the guidebooks and more trustworthy than the advertisements.
著者
本川 哲哉 手塚 太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4B3GS105, 2020 (Released:2020-06-19)

ニューラルネットワークの学習において、Adamをはじめとする適応的最適化手法はSGDよりも早く収束することで知られており、近年様々な深層学習タスクでよく利用される。その反面で、SGDよりも最終的な収束パラメータの汎化性能が悪いという報告も見られる。しかしながらその原因解明はまだ進んでいない。本研究ではこの問題に対するアプローチとして、損失関数におけるヘッセ行列の固有値分布(Hessian spectrum)を分析することで収束パラメータ付近での損失関数の形状によってパラメータの良し悪しを考察した。近年、このようにHessian spectrumを分析することで学習のメカニズムを解釈する研究が増えてきている。本研究では、ニューラルネットワーク学習後のパラメータ空間においてSGD方がAdamに比べて局所的に平坦な形状に収束することを、いくつかの実用的な深層学習モデルを用いて実験的に示した。
著者
茂木 一司 布山 毅 廣瀬 浩二郎 伊藤 亜紗 手塚 千尋 宮本 聡 大内 進 笠原 広一 池田 吏志 山城 大督
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

視覚障害教育は粘土造形による「触る美術教育」として発展・認知されてきたが,近年対話型鑑賞などによる「触らない=言葉による鑑賞」が注目を集めはじめ,二極化もみられる。本研究は,そのような触る/触らない、もの/テキストなど視覚障害美術教育における二元論的な対立を回避し,見えない人も見える人も「ともに歩めるインクルーシブアート教育」の理念と具体的なアナログ・デジタルメディアを使った題材・教材およびカリキュラム作成をめざして,取り組む実験的な研究である。
著者
印南 敏 手塚 朋通
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.14-16, 1966-05-30 (Released:2010-02-22)
参考文献数
2

こんにゃくマソナソが腸内細菌によって分解をうけ, 単糖類となり, その一部が腸管から吸収されてシロネズミの成長に寄与しているが, 実際にどの程度成長に貢献しているのか, つまりこんにゃくマンナソの生体内利用度を知る目的で実験を行なった。すなわち, 飼料中の米でんぷんの半量をこんにゃく粉および寒天で置き換えてpair feeding法により飼育し { (終体重一消化管の重量) 一初体重} を真の体重増加量 (成長量) と考え, この値から生体内利用率を算出した。すなわち, 寒天群の成長量を0, でんぷん群のそれを100とすると, こんにゃく群のそれは44.7, つまり米でんぷん群の示す成長量の約45%の成長を示したことになる。換言すれば, 今回の実験条件ではこんにゃく粉炭水化物の約45%がシロネズミの真の成長のために利用されたといえる。