著者
大谷 亘 近藤 賢郎 ルーク コリー 甲斐 賢 植原 啓介 手塚 悟
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2021論文集
巻号頁・発行日
pp.148-154, 2021-10-19

TLS によるセキュリティモデルでは,host-to-host の通信路の識別・秘匿化 を可能にするが,PaaS プロバイダや CDN プロバイダなど複数のサービスプロバイダを跨がる Web サービスにおいて,TLS はサービスプロバイダ同士の関係性を保証できない.ユーザは第三者の攻撃やサービスプロバイダの運用事故などにより,サービスプロバイダの意図しない通信先に reroute される可能性がある.本稿では,サービスプロバイダ同士で相互に署名した TLS 公開鍵を DNSSEC で保護された権威 DNS ゾーンで公 開する,軽量な自己管理型相互宣言機構 M2DMRT を提案する.M2DMRT により,サービスプロバイダは第三者に頼らずサービスプロバイダ同士の関係性を相互に宣言でき,ユーザは署名を検証することで容易に関係性を信頼し脅威を回避することができる.本稿では M2DMRT における相互宣言の登録にかかるプロトコルを設計して,そのサーバサイドにおける Proof of Concept の実装を行い,基本性能を評価した結果,実用に耐えうる性能を持つことがわかった.
著者
手塚 恵子
出版者
京都学園大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

中華人民共和国文化部、国家民族事務委員会、中国民間文芸研究会は、『中国民間故事集成』『中国歌謡集成』『中国諺語集成』(「三套集成」)の編集と出版に関する通知」を、1984年に連名で発表した。この通知は、(1)全国各地で民間文学についての調査を普く行うこと、(2)民間文学の採録あたっては、科学的な方法をとること、(3)県を単位とした資料本を編集し印刷すること、(4)各省、自治区、直轄市は編集委員会をそれぞれ設置し、県や市の作成した印刷本をもとに、全国編纂委員会の方針に基づいて、故事、歌謡、諺語の各本を編集し、全国編纂委員会の審査を経た後に各々公開出版する、ことを各省(自治区・直轄市)に求めていた。広西壮族自治区ではこれを受けて、自治区レベルの編纂委員会である中国民間文学集成広西巻編纂委員会を設置し、(1)全ての郷や鎮にいたるまで調査をすること。(2)語り手(歌い手)の名前や地域を明記する他、可能なかぎり語られたままの形を記録するなど、科学的な方法による採集を、各県に求めた。各県では、文化局や文化館が中心となって、採集をすすめ、その成果を、故事、歌謡、諺語の三分冊にまとめ、中国民間文学集成広西巻編纂委員会へ提出した。中国民間文学集成広西巻編纂委員会は、故事、歌謡、諺語の各本を編集する三委員会を新たに設け、資料本などをもとに、『中国民間故事集成広西巻』『中国歌謡集成広西巻』『中国諺語集成広西巻』を編集し、中国民間文学集成全国編纂委員会と連名で、新華書店から刊行した。(『中国諺語集成広西巻』は刊行準備中)本研究では、広西壮族自治区各県で作成された故事編資料本を70冊複写するとともに、中国民間文学集成広西巻編纂委員会の編纂に関わる通達資料を入手し、さらに編纂に関わった編集者に聞き取り調査を行うことによって、広西壮族自治区における「三套集成」プロジェクトに関する基礎的な資料を整備した。
著者
手塚 千鶴子 テズカ チズコ Chizuko TEZUKA
雑誌
異文化コミュニケーション研究
巻号頁・発行日
vol.14, pp.79-97, 2002-03

This study attempts to examine the Japan-U. S. perception gap regarding the atomic bombing highlighted in the Enola Gay controversy, by exploring influences of meanings of silence and silencing on remembering and discussing the bombing in the two countries. It first describes the American perception as the victors' story and the Japanese one as the victims' story. Then the study claims that a major Japanese silence in terms of not expressing anger against the bombing coupled with not addressing the bombing responsibility to America in the overall framework of compliance to censorship indicates their desire to evade the war responsibility and aggression while the extensive Government information control and manipulation for preventing and suppressing criticism against the bombing have prevented Americans from listening to victims' stories. In so doing, cultural factors underlying or contributing to silences are discussed. It concludes that both countries have ended up being equally unbalanced and less comprehensive in their respective perceptions.
著者
手塚 豊
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.1-43, 1988-08

一 はしがき二 小笠原島における当時の裁判、警察機構と、監獄三 事件の概況四 裁判の経過と、その結末五 むすび論説
著者
喜多村 和之 大膳 司 安原 義仁 手塚 武彦 潮木 守一
出版者
広島大学
雑誌
海外学術研究
巻号頁・発行日
1987

アメリカ合衆国:アメリカ合衆国の高等教育機関の設置認可は、従来は大学の自由設立の原則にもとづき、その認可機関たる州政府の関与はゆるやかで、認可の基準や手続きも簡素であったが、近年では学位の乱造の防止や消費者保護の見地から、州政府の関与の度合いもつよまり、規制が厳格化される傾向にある。いくつかの州では設置認可基準の厳格化や法制度の整備、さらには新設大学の視察・監督の強化が進行しつつある。また、アメリカ合衆国においてはすでに1930年代より民間の基準協会が一定の質的基準に到達した大学のみを会員校としてみとめ、一定期間の実地調査や事後審査にもとづいて大学の質的向上をはかる基準認定活動(Accreditation)を行なっている。連邦政府や州政府は、基準協会の認定をうけた会員校のみに公費援助の受給資格を認めており、このことが更には大学内部に自己点検と自己改善を刺激する源泉ともなっている。連合王国:イギリス高等教育の水準維持方式にはチャータリング方式とCNAA方式の2つがあり、前者は自治権を有する大学セクターにおいて、また後者はパブリック・セクターにおいて採られているものである。これらのうちCNAA方式は1964年に始まって以来20有余年間、パブリック・セクター高等教育の水準の維持・向上に大きな役割を果たしてきた。しかし最近では、形式化・官僚化の弊もみられるようになり、その改革が論議されるようになってきた。本研究ではCNAA方式によるパブリック・セクター高等教育水準維持方式の実際(とくにコース認定の手順)とその問題点および改革の基本方向について現地調査に基づき、具体的に解明した。西ドイツ:大学の設置主体はほとんどが州政府であり、私立大学の存在は例外的である。私立大学としては、従来、教会系の大学が若干存在するにすぎず、その設置根拠は、法的に明確になっていなかった。しかしながら、1976年に「大学大綱法(Hochschulrahmengesetz)」が制定されたことにより、州立大学と同等の内容を有する私立大学については、州政府により国家による認可が与えられることとなり、そのために必要な規程が、州の大学法で定められることとなった。現実に州政府が私立大学の設置認可を行うかどうか決定する際に、最も大きなウエイトを占めるものは財政状況である。西ドイツで現在最も注目されている私立大学であるヴィッテン/ヘアデッケ大学の設置認可に当たっては、所管の州であるノルトライン・ヴェストファレン州学術研究省は、最低5年間大学を運営していくに十分な資金を有しているかという点から審査した。また、認可後も、毎年その後5年間の財政計画を提出させ審査させている。しかしながら、同大学の財政状況は厳しく、一部を除き学部の大半をバーデン・ヴュルテンブルク州に移転するとともに、授業料を徴収することを計画している。フランス:ローラン・シュヴァルフ教授を委員長とする全国評価委員会(CNE)を政府レベルで設置し、既存大学の評価の作業に着手した。評価の方法に関しては、「大学の作成資料」「運用の指標12項目」「指標」の具体的項目が判明した。残された課題として、この委員会の活動が各大学の評価を一巡すればそれで終了するのか、恒常的大学評価機関として存続するのか、またその評価の結果が評価を受けた大学にどのような形でどの様な方法による改善ないし効果をもたらしたのか、さらにはCNEの評価活動が国の高等教育行政にどのようなフィード・バックするのか、等が残されている。
著者
手塚 千尋
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.233-240, 2018

<p>本研究は美術教育における「協同的な学び」を「協同的創造」の学習活動と定義し,アート(美術)による協同的問題解決の学習活動として取り組むための理論構築及び方法の検討を目的としている。本稿は,デザインベース研究(design-based research; DBR)に則り,前稿で再検討した仮説理論に基づく実践の相互作用分析を通して,協同的創造による問題解決場面から10の要素を抽出し,「協同的創造」の3つの学習環境デザイン原則を導き出した。1)構成員が集団的責任を認識し,役割の発見ができること,2)ことばと視覚の対話によるアイデアの生成と共有ができること,3)アイデアの多様性の保証と発展を実現することである。今後は,協同的創造による問題解決の各場面で発揮される「スキル」を明らかにし,アート(美術)の協同的創造の学習活動で育成できる資質・能力を含むコンピテンシーを検討していく。</p>
著者
喜多村 和之 大膳 司 安原 義仁 手塚 武彦 潮木 守一
雑誌
海外学術研究
巻号頁・発行日
1987

日本の高等教育の改革と質的水準の向上にとって, 高等教育機関とくに大学の設置認可のありかた, 設置のための基準の弾力化, 適切な大学評価の方法に関する知織は緊要の課題である. しかるにこの問題に関しては, 日本国内の実態はもとより, 諸外国の事例についても情報が欠如しており, 改革実施の障害になっている. この研究は, 主要先進諸国における大学設置および大学評価の方法と実態について外国の教育情報に詳しい専門家による現地調査を行ない, 今後の日本の高等教育の改革と水準向上の施策のために資することを目的とする.(1)アメリカ合衆国の高等教育機関の設置認可は, 従来は大学の自由設立の原則にもとづき, その認可機関たる州政府の関与はゆるやかで, 認可の基準や手続きも簡素であったが, 近年では学位の乱造の防止や消費者保護の見地から, 州政府の関与の度合いもつよまり, 規制が厳格化される傾向にある. いくつかの州では設置認可基準の厳格化や法制度の整備, さらには新設大学の視察・監督の強化が進行しつつある.(2)アメリカ合衆国においてはすでに1930年代より民間の基準協会が一定の質的基準に到達した大学のみを会員校としてみとめ, 一定期間の実地調査や事後審査にもとづいて大学の質的向上をはかる基準適用活動(Accreditation)を行なっている. 連邦政府や州政府は, 基準協会の認定をうけた会員校のみに公費援助の受給資格を認めており, このことが更には大学内部に自己点検と自己改善を刺激する源泉ともなっている.(3)今年度においては, アメリカ合衆国における大学設置と大学評価システムの実態調査を実施し, 収集情報およびデータの分析は次年度において行なわれる. なお新年度にはさらにヨーロッパ諸国(イギリス, 西ドイツ, フランス)の実態調査と分析を行う予定であり, 以上の欧米諸国の関連情報とデータの比較・分析をふまえて, 日本の土壌にふさわしい大学設置と大学評価システムのありかたを考察する予定である.
著者
藤巻 洋 稲葉 裕 小林 直実 雪澤 洋平 鈴木 宙 池 裕之 手塚 太郎 平田 康英 齋藤 知行
出版者
Japanese Society for Joint Diseases
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.17-22, 2013 (Released:2014-06-26)
参考文献数
12

Objective: The aims of the present study were first to investigate the frequency and location of bone cysts in the acetabulum of hip osteoarthritis (OA) patients and second to examine the influence of pelvic tilt on the location of bone cysts in the acetabulum.Methods: A total of 80 patients (65 women and 15 men) with hip OA who underwent primary total hip arthroplasty were included in this study. The mean age at surgery was 65 years (range, 43-83 years). The bilateral hips of these 80 patients were examined; however, 9 contralateral hips that had previously been implanted with prostheses were excluded. We evaluated the minimal joint space width (MJS) on preoperative antero-posterior radiographs of the pelvis in the standing position. We also obtained the digital imaging and communication in medicine (DICOM) data from the preoperative pelvic computed tomography (CT) images, and then three-dimensionally reconstructed the DICOM data using OrthoMap 3D software with reference to the anterior pelvic plane. We divided the acetabulum into six areas and examined the presence of bone cysts in each area. We also examined the degree of pelvic tilt with three-dimensionally reconstructed CT images.Results: The frequency of bone cysts on CT images increased when the MJS of the hip joint on radiographs of the pelvis was less than 2 mm (p < 0.05). In the total of 151 hips, the antero-lateral area of the acetabulum (88 hips, 58%) exhibited the highest frequency of bone cysts. Patients who had bone cysts in the anterior part of the acetabulum tended to have a larger value of pelvic retroversion than those who did not have cysts in the anterior part of the acetabulum; however, the difference was not significant.Conclusion: The antero-lateral area of the acetabulum, which exhibited the highest frequency of bone cysts, is thought to be susceptible to loading stress. We hypothesized that patients who have bone cysts in the anterior part of the acetabulum have larger retroversion of the pelvis than others; however, the difference was not significant. We need to investigate further to reveal the influence of pelvic tilt on the location of bone cysts.
著者
山下 かおり 石川 幹雄 手塚 正人 伊藤 信行
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.143-146, 2017-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
22
被引用文献数
3
著者
手塚治虫著
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
2013
著者
手塚 治
出版者
奈良医学会
雑誌
奈良医学雑誌 (ISSN:04695550)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, 1960-10

The fine structure of the membrane of cell organelles appearing in the atypical spermatid of Cipangopaludina malleata Reeve has been studied in thin sections by an electron microscope.The porous structure has been revealed in the wall of the flattened sacculus consisting the Golgi complex. The walls are calculated 35 A thick. The mitochondria consist of a small number of tubules and an osmiophilic matrix. The mitochondria represent a complex system of tubules projected from the inner layer of the limiting membrane, and the tubules consist of double dense mcmbrans involving a less dense interspace. The mitochondria aggregated along the developing tail filaments coalesce to form an elongated mass of relatively large size. The limiting membrane of the rough-surfaced endoplasmic reticulum appears apparcntly to be a single layer, which makes its appearance in the area where the tail filaments devlop. The smooth surfaced endoplasmic reticulum is bordcrcd by a double layercd membrane consisting two opaque layers with a less opaque interspace. The vesicles containing dense granules, which represent the smooth surfaced endoplasmic reticulum, migrate to the cell periphery. The smooth surfaced endoplasmic reticulum scems to function as an intraccllular conductor.博士(医学)・第88号・昭和36年2月7日
著者
滑川 静海 手塚 太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin134, 2018

<p>ゲームを作成することはAI研究の進歩に大きく貢献している。これは実世界における問題と共通するものが多く存在しているからである。つまりそれらに取り組むことで、AIは現実での問題に応用することができる。AIがチェスや囲碁などの高度な戦略が必要とされるボードゲームで人間を上回った今、次の目標の一つはビデオゲームをプレイするためのトレーニングが挙げられる。この論文では、シューティングゲームに焦点を当て、敵機が展開した弾幕を避けるためのプログラムを最適化する。遺伝的アルゴリズムを使用して、AIプレイヤーは敵の攻撃に被弾することなく動き回るように最適化された。実験には多くの時間を必要とするものの、学習に成功することを示した。</p>
著者
手塚 集
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.267-276, 1998-12-15 (Released:2017-04-08)
参考文献数
13
被引用文献数
1

This paper surveys recent developments on numerical algorithms for high dimensional multiple integration. First, we present Wozniakowski's theorem published in 1991, which revealed a remarkable connection between the integration error and the discrepancy via the classical Wiener measure. Then, we introduce low-discrepancy sequences, by means of which one can compute the arithmetic mean of a number of sample values of the integrand as an approximation to the integration. As a concrete construction method of low-discrepancy sequences, we give the definition of generalized Niederreiter sequences and a brief introduction of Niederreiter-Xing sequences, which are constructed by using algebraic function fields. Finally, we describe Smolyak's algorithm, which is an algorithm computing the weighted mean of sample values of the integrand. Sample points that this algorithm uses are called hyperbolic cross points. An interesting result by Wasilkowski and Wozniakowski on this algorithm is presented.
著者
西岡 豊弘 森 広一郎 菅谷 琢磨 手塚 信弘 武部 孝行 今泉 均 久門 一紀 升間 主計 中井 敏博
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.69-72, 2010-06-15

クロマグロの種苗生産中に発生した大量死の原因についてウイルス学的に検討した。大量死は主にふ化20日齢までの仔魚に発生し、一部の事例では死亡魚の中枢神経系および網膜組織に顕著な空胞形成が認められ、それらの病変部にベータノダウイルスの抗原が蛍光抗体法により検出された。またPCRおよびウイルス分離試験においても本ウイルス(RGNNV遺伝子型)の存在が確認された。これらの結果から、VNNがクロマグロ仔魚の大量死に関与していると考えられる。
著者
久次米 真吾 野呂 眞人 中島 香織 板倉 英俊 森山 明義 沼田 綾香 熊谷 賢太 酒井 毅 手塚 尚紀 中江 武志 原 久男 坂田 隆夫 杉 薫
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.97-107, 2005

<BR>【症例】33歳,女性.<BR>【主訴】動悸.<BR>【経過】生後より,全内蔵逆位・右胸心・右室性単心室・肺動脈弁狭窄症・共通房室弁閉鎖不全症と診断され,3歳時にBlalock-Taussig短絡術を,8歳時にWaterston手術を受けている.23歳時に心房内リエントリーを機序とする心房頻拍(AT)に対してカテーテルアブレーション(CA)を行い,以後,動悸は消失した.最近,週に1回程度の動悸を自覚するようになり来院,Holter心電図でQRS幅の狭い持続性頻拍を認めたため入院した.電気生理学的検査の結果,この頻拍は,前回と類似した房室接合部近傍を起源とするATであり,少量のATPで停止した,AT中の最早期興奮部位に通電したところ,通電中にATは停止し,その後は誘発されなくなった.<BR>【まとめ】成人期まで生存し得た右室性単心室症例に合併した,AT再発例に対するCA成功例を経験したので報告する.
著者
髙橋 啓治 柴田 洋輔 手塚 夏音 丹羽 麻里子 平島 諭
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.128-133, 2019-03-01 (Released:2019-03-01)

先端技術トピックにおける技術動向予測を目的として,印刷技術を例に,現時点では製品化されていないが,将来印刷技術が応用されそうな新しい製品分野を探索した。分析手法として,まず,製品化に近い技術情報である特許文献と,科学的事象に基づく基礎的な研究結果を多く含み,今後発明および製品開発に繋がる可能性がある学術論文の性質の違いに着目し,「近年論文発行件数が増加傾向にありながら,特許出願が低調である分野」を「今後製品化に発展しそうな分野」として抽出した。次に,抽出した分野の特許情報と論文情報のテキストマイニング解析と目視解析を併用し,より細分化された分野に絞り込むことで,目的とする製品分野を見出した。
著者
手塚 洋輔 TEZUKA Yosuke
出版者
京都女子大学現代社会学部
雑誌
現代社会研究 (ISSN:18842623)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.5-18, 2013-12

大きな事故や事件、不祥事などが発生すると、しばしば政府は事後検証を行う第三者機関を設置する。本稿では、そうした事後検証機関の設置形態を行政機関からの外部性を軸に類型化するとともに、それらの組織形態が1990年代以降どのように使われているのかを考察した。 その結果、不祥事対応に関してみても、それまで内部調査が主流だったところから、90年代後半以降、行政機関外部の者が参画する外部化が進展した。さらに2000年代後半になると、外部化に加えて、元検事の登用という司法化もあいまって進んだ結果、政権維持や内部改革のツールとして使用されるようになったことが明らかとなった。Public inquiries may come into existence in the aftermath of negative events such as accidents, policy failures and scandals. This paper explains organizational forms of these inquiries in terms of externality to a department which is responsible for such an event and discusses how government or ministers choose members of inquires. Around 1990s, public inquires began to be composed of internal and external members or only external members in regard to scandals, until then, only internal members. Later, in Abe and Fukuda administrations, some inquiries were set up under the Cabinet Office or the Ministry of Internal Affairs and Communications (MIC) and others got investigators from former public prosecutors. As a result, we found that public inquiries were used for electoral politics or attack to labor unions of public sector.