著者
末永 昌美 新田 由美子
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-11, 2007-12

原爆被爆者における平均余命と放射線影響の研究を行うために広島大学原爆放射線医科学研究所に登録されている被爆者を用い,1975,1980,1985,1990,1995年における生命表を作成した。1975〜1995年において,原爆被爆者の平均余命は年々延びており,50-54歳の平均余命の延びは,男性2.45年,女性4.32年であった。被爆状況別では,入市被爆者およびその他の被爆者と比べて,爆心地より2km以内で被爆した直接被爆者(直爆者)で平均余命は短い傾向にあった。(1)がん死亡確率は,直爆者で有意に高い傾向にあり,男性では有意に上昇した。(2)がんを除去した場合の余命の延びは直爆者で大きく,特に男性の直爆者で延びは大きかった。以上のことから,入市およびその他の被爆者と比べて直爆者におけるがん死亡に対する放射線の強い影響が確認された。
著者
新田 章子
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.4, pp.31-39, 1997-06-15
著者
MIAH Mohammad Noor Hossain 吉田 徹志 山本 由徳 新田 洋司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.672-685, 1996-12-05
参考文献数
31
被引用文献数
5

多収性の半矮性インド型水稲品種(桂朝2号, IR36; SDI)と日印交雑型水稲品種(アケノホシ, 水原258号; JI)の乾物生産特性と穂重に対する出穂期前後に生産された乾物の分配率などについて, 日本型水稲品種[農林22号, コガネマサリ; 穂重型(JP), 金南風, 中生新千本; 穂数型(JN)]を対照品種として, 作期を2回[移植日1992年5月15日(ET), 6月9日(LT)]設けて圃場試験を行い検討した. 多収性品種(JI, SDI)の穂揃期の葉面積指数(LAI)は両作期ともJP, JNより高かったが, 登熟期間での減少割合が大きく, 収穫期には低い値を示した. SDIとJIの穂揃期地上部乾物重は, LTのアケノホシを除いて, 両作期ともJP, JNより高かったが, 登熟期間の乾物重の増加量に有意差はみられなかった. 特にSDIでは登熟期間のLAIの減少割合が大きく, また, 登熟期後半のSPAD値が大きく低下したことと相まって, 登熟期間の個体群生長速度は最も低くなった. SDIおよびJIの収穫期の穂重はJP, JNと比較してETでは20〜30%, LTでは18〜20%高かった. また, 両作期のSDIとJIの収穫期の地上部乾物重に対する穂重の割合は, JP, JNと比較して有意に高く, この差が穂重差に反映されたものと考えられた. 穂重に対する出穂期までに茎葉に蓄積された乾物の分配率をみると, ETではJPとJNの平均値よりSDIとJIが約2倍, LTではSDIが約4倍それぞれ高い値を示した. 穂揃期の穂重(シンク容量)は収穫期の穂重と有意な相関関係を示し, シンク容量の大きい品種は登熟期間の地上部乾物重増加量が少なくなる傾向がみられた. また, 茎葉に蓄積された同化産物の穂重への分配率はシンク容量と関係が深いことが認められた.
著者
江越 裕紀 片上 大輔 新田 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.11, pp.1-8, 2005-01-28
被引用文献数
1

本研究は,判例の特徴を利用し,事件を記述した文書をクエリとする類似判例検索を提案する.判例は1つの文書ではなく役割の異なる複数の文書からなるため,ベクトル空間法を用いた検索だけでは精度が悪い.そのため本研究では,法的な専門用語が偏って出現する判例の特徴を利用する.まず,キーワード検索のクエリとして用いられ易い専門用語の検索有用性を検証するため,TF*IDF法に専門用語を応用した検索とTF*IDF法のみを用いた検索の比較実験を行った.また,適合性フィードバックによる精度改善の結果,文書ベクトルに法的な専門用語が用いられやすくなることの検証を行った.さらに判例構造を利用して,判例を争点ごとに分割した文章に対する検索実験を行った結果についても報告する.We propose a judicial precedent retrieval system using the characteristic of documents and Vector Space Model. The system uses a judicial precedent document as a query. Judicial precedent retrieval using only TF*IDF is not good in accuracy, because of the structure of a judicial precedent which consists of some documents. We use judicial terms that are unevenly distributed among issues. First, we compare the system using TF*IDF and judicial terms, and the system using only TF*IDF to verify value of judicial terms for judicial precedent retrieval. Then, we confirm the number of judicial terms increase in relevance feedback retrieval. And, to use the structure of judicial precedents, we experiment the effect of issues retrieval.
著者
神尾 広幸 雨宮 美香 内山 ありさ 松浦 博 新田 恒雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.120, pp.29-34, 1995-12-14

本稿では、マルチモーダルインタフェースの作成と評価を容易に行うツールMuse (ultimodal Userinterface?design Support Edito)について述べる。MuseではUI?objectを画面上に配遣することでUIの外観を設計し、UI?objectの機能・情報設定やリンクの設定を行うことで動作の設計を行う。Museでは、入力手段としてタッチパネルによるポインティング入力、音声入力、画面上に描かれた文字を認識する文字入力を、また出力手段として静止画とアニメーションの表示、録音音声の出力、規則合成の出力という、マルチモーダル入出力機能を備えている。Museでは、これらの機能すべでをGUIによって取り扱うことができる。This paper describes a Multimodal User-interface-design Support Editor (Muse) that reduces the designing and evaluating hours of multimodal user intarface. A developer can design a card's appearance by putting UI-objects on a screen, and construct scenarios by setting functions and/or messages and linking UI-objects to other UI-objects or screen. Muse equips multiple input channels of speech, pointing, and hand writing, as well as multiple output channels of picture, animation, audio, and text-to-speech. These multimodal functionalities can be implemented by using GUI on Muse.
著者
新田 和央
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学歴史資料館館報
巻号頁・発行日
vol.14, pp.22-23, 2011

調査・研究報告本稿は同志社大学歴史資料館が購入した滝本坊関連書状の紹介を行うものである。本書状は安芸広島藩の家督相続に際し、相続を祝って滝本坊から広島藩の支藩であった備後三次藩の当主浅野長照へと送られた書状であることが明らかとなった。滝本坊は石清水八幡宮に属した男山四十八坊のひとつで、松花堂昭乗の出身坊として著名であるが、当該期の「瀧本坊」が誰であったのかは判然としない。しかし、大名家と石清水坊院との関係を捉える上で貴重な史料であると言える。
著者
安村 禎明 武市 雅司 新田 克己
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.212-220, 2003-11-01
被引用文献数
5 8

This paper introduces a support system for making presentation slides from a technical paper. This system provides functions that assign slides to each section and put objects on a slide. Inputs to this system are a technical paper as a TeX document, the number of slides that a user wants to make, and keywords of the paper. First, the system converts a paper from a TeX document into an XML document. The XML document can include information of a paper such as ID numbers and term weights. Next, the system calculates weights of terms in the document by the TF*IDF method. Based on the term weights, objects in the document such as sentences, figures and tables are weighted. Using the weights of the objects and slide composition templates, the system decides how many slides are assigned to each section. If a user does not like the assignment, she/he can reassign slides to the section using a presentation composition editor. Then, the system selects a layout for a slide considering the objects in the slide, and extracts objects arranged on the slide. The user can rearrange the objects on the slide using a slide editor. Finally, outputs of the system are generated as presentation slides in XHTML. From experimental results, we concluded our system is useful for making presentation slides.
著者
新田 孝作
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.671-675, 2018 (Released:2018-11-28)
参考文献数
31

スクレロスチンは, 主に骨細胞から産生され, 骨芽細胞のWnt/βカテニンシグナルを阻害することにより, 骨形成を阻害するタンパク質である. CKDにおいて, 血中におけるスクレロスチンなどのWnt阻害因子の濃度が上昇しており, 無形成骨との関連性が指摘されている. 血中スクレロスチン濃度は, 年齢とともに上昇し, 女性より男性で高値を示し, リン負荷により産生が増加する. ビタミンDやカルシウムもスクレロスチン産生を促進し, CKD-MBDの病態にも関与していると考えられる. CKD-MBDの治療薬としての抗スクレロスチン抗体の適応に関しては, 慎重に判断する必要がある.
著者
高柳 広 新田 剛 岡本 一男
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2021-07-05

骨と免疫系の不可分な関係性に基づく生体制御システムを「骨免疫系」として捉え、その複雑な制御系が個体の生涯にわたる生命機能の要として機能する仕組みを解明する。骨免疫系の分子的な実態を明らかにするとともに、自己免疫疾患や炎症性骨関節疾患、骨転移など、骨免疫系の破綻による疾患の病態解明に取り組み、骨免疫系を軸とした全身制御「オステオイムノネットワーク」という、新たな生物学のフレームワークの構築に繋げる。脊椎動物の生命機能の理解を深めるとともに、新たな疾患制御の開発基盤の構築に繋げ、国民の健康維持と健康寿命の延伸に向けた先端医学研究を推進する。
著者
新田 真悟
出版者
日本老年社会科学会
雑誌
老年社会科学 (ISSN:03882446)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.231-241, 2022-10-20 (Released:2023-10-20)
参考文献数
25

本研究では65歳以上高齢男性の妻および子どもとの経済的・時間的資源の配分と高齢男性の就業行動との関連を,「家族についての全国調査」の個票データを用いて検証した.線形確率モデルに基づいた多変量解析の結果,学歴・健康状態などの社会人口学的属性を考慮してもなお,夫婦に占める妻の家事時間が高齢男性の就業確率と正の関連を,子どもへの非経済的援助の提供が負の関連をそれぞれ生じさせることが明らかになった.以上の結果からは,高齢者の就業選択には経済状況や就業機会だけでなく家族内の資源配分を考慮する必要があることを示唆した.
著者
平野 恵健 西尾 大祐 池田 誠 新田 收 宮崎 泰広 皆川 知也 高橋 秀寿 木川 浩志
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.115-119, 2015-04-01 (Released:2016-04-15)
参考文献数
23
被引用文献数
3

本研究の目的は,回復期リハビリテーション(リハ)病棟に入院した脳卒中重度片麻痺患者に対して,入院時の身体機能から退院時の歩行能力を予測することの可否を検討することである.対象は,回復期リハ病棟に入院した脳卒中患者のうち,入院時に重度片麻痺を有し,長下肢装具を処方された49名とした.方法は,対象者を退院時の歩行能力から歩行可能群と歩行不能群の2群に分類し,入院時の患者属性,神経症候,高次脳機能障害,運動機能を単変量解析した.さらに,有意差を認めた評価項目を用いて,退院時の歩行能力を従属変数とした判別分析を行った.その結果,単変量解析では,年齢,神経症候,高次脳機能障害,体幹機能,非麻痺側膝伸展筋力において有意差が認められた(p < 0.05).また,判別分析では,年齢,体幹機能,非麻痺側膝伸展筋力が選択された.以上より,回復期リハ病棟に入院した脳卒中重度片麻痺患者の退院時の歩行能力は,入院時の年齢,体幹機能,非麻痺側膝伸展筋力を用いることにより予測することができると考えられた.