著者
村上 亮
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.558-586, 2016-07

本稿は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ併合(一九〇八年一○月) を題材として、ハプスブルク独特の二重帝国体制に従来とは異なる角度から光をあてることを目的とする。とくに今回は、他の首脳に先がけて併合を上奏した共通財務相ブリアーンに着目する。具体的には彼による二つの『建自書』を中心に、併合に至るハプスブルク国内の動向の検討から、オーストリアとハンガリーの枠組みをこえた帝国全体に関わる案件(「共通案件」) の決定過程を浮き彫りにする。考察の結果、ブリアーンが占領状態に起因する民族運動をおさえるために併合を発意したこと、ブリアーンの計画が共通外務相エーレンタールらの影響を受けつつも、併合への道筋を整えたことが示される。ただし、ハプスブルク家の継承法(「国事詔書」) をめぐる折衝の不調は、ボスニアの「合法的」な併合を不可能とした。ここからは、帝国中枢における政策決定の多元性と機能不全がみてとれるのである。
著者
村上 泉 浅野 正一 幸重 浩一 長屋 秀明 佐藤 宏 稲富 信博
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.323-332, 1996-12-01
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

ランソプラゾールの急性胃粘膜病変に対する治療効果を検討する目的で, ラットを用いインドメタシンによる胃出血と胃粘膜損傷に対する作用を静脈内投与で検討し, オメプラゾール, ファモチジンおよびラニチジンの作用と比較した.インドメタシン30mg/kg投与により胃出血が惹起されるが, この条件下にランソプラゾールを投与すると強い胃出血抑制作用を示し, ID<SUB>50</SUB>値は0.29mg/kg, i.v.であった.オメプラゾールおよびファモチジンも有意な胃出血抑制作用を示したが, ラニチジンは軽度な抑制しか示さなかった.ランソプラゾールの胃出血抑制作用は酸分泌抑制作用と相関し, 灌流液中に50mM塩酸を添加することにより消失したことから, ランソプラゾールの胃出血抑制作用は主として酸分泌抑制作用に基づくと考えられた.ランソプラゾールはインドメタシンによる胃粘膜損傷の進展に対して抑制作用を示し, ID50<SUB></SUB>値は0.10mg/kg, i.v.であった.オメプラゾール, ファモチジンおよびラニチジンのID<SUB>50</SUB>値は各々0.69, 2.58および24.6mg/kg, i.v.であり, ヒスタミンH2受容体遮断薬の作用は比較的弱かった.以上の成績からランソプラゾ-ルは胃出血および胃粘膜損傷の進展に対して強い抑制作用を有し, 急性胃粘膜病変の治療に有用と考えられた.
著者
村上重良著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1980

1 0 0 0 国家神道

著者
村上重良著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1970
著者
松本 隆仁 乾 博 宮武 和孝 中野 長久 村上 克介
出版者
生態工学会
雑誌
Eco-Engineering (ISSN:13470485)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.223-227, 2007-10-31 (Released:2008-03-29)
参考文献数
29
被引用文献数
1

We have investigated the effects of light quality and CO2 concentration (0.04% and 10%) on growth of Euglena as a fundamental study. Useful nutrients such as high quality protein and fatty acid, as well as specific saccharide (β-1,3 glucan), contained in Euglena are now being highlighted. In the present study, we investigated the effects of light quality and CO2 concentration on the production of protein, paramylon and fatty acid. Under the CO2 concentration of 0.04%, protein contents in Euglena cultured in red and blue light were 105.0 μg 106 cells-1, paramylon 48.2 μg 106 cells-1, and in blue light fatty acid was 20.3 μg 106 cells-1, higher than those in other light conditions. Whereas under the CO2 concentration of 10%, protein contents in Euglena cultured in red and blue light were 125.6 μg 106 cells-1, paramylon 57.6 μg 106 cells-1, and in blue light fatty acid 29.7 μg 106 cells-1, higher than those in ordinary air conditions (with 0.04% CO2). No significant differences in these nutrient contents were found between the four light quality treatments under the CO2 concentration of 10%. As previous data we showed growth of Euglena depended on chlorophyll contents, protein and paramylon contents depended on chlorophyll contents, too. It was concluded that Euglena would be good nutrition source when they are cultured in each light conditions under CO2 concentration of 10%, so CO2 discharged from industrials, power stations and so on, will be utilized to this new food production system, effectively.
著者
村上 訒一
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所年報
巻号頁・発行日
vol.1968, pp.13-16, 1968-12-18
著者
鈴木 高二朗 渡邊 和重 山本 悟 梅崎 康浩 小澤 康彦 村上 俊春
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.726-730, 2004

宮崎港南防波堤は全長2, 150mで, 昭和56年から建設が進み, 現在, 建設の最終段階にある. 当防波堤は夏期の台風のため設計有義波高が10m以上と大きく, 細粒の砂地盤上に設置されるため各種洗掘防止工を用いて室内実験や現地実験を重ねた上で, 現況の防波堤断面が決定されてきた. 現地実験では洗掘による防波堤の変形もあり, その防止工は施工法も含めて改良されてきている. 本研究では, 洗掘防止工の設計法の確立に資することを目的として, 宮崎港南防波堤での洗掘に関する現地実験と過去の洗掘の実態を調べるとともに, その対策法をとりまとめた.
著者
村上 啓介 北村 翔一郎 真木 大介 竹鼻 直人 岩田 恭平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_670-I_675, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
8

効果的な防波機能と十分な耐波安定性が得られる構造形式の一つとして,防波堤や護岸天端のパラペット部を後退させた構造形式(後部パラペット)が提案されている.本研究では,後部パラペットにフレア断面を採用する新たな構造を提案し,その越波低減機能を水理模型実験により評価した.また,数値シミュレーションを実施し,フレア断面を有するパラペット部に作用する波圧と波力について検討した.後部パラペットにフレア断面を採用することで,従来の直立断面パラペットと比較して少ない後退量で越波を低減できることを確認した.また,フレア断面のパラペット部に作用する水平波力は,パラペットを後退させることで低減され,下向きの鉛直波力は増大することを示した.
著者
村上 丘
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻レヴュ- (ISSN:09160469)
巻号頁・発行日
no.41, pp.43-52, 2008-07