著者
山川 賢次 守谷 敏之 村上 卓也 早崎 清志 鯖江 敏彦 岡畑 成樹 井上 新也 神戸 良三
出版者
海上技術安全研究所
雑誌
海上技術安全研究所報告 (ISSN:13465066)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.287-367, 2003

A wire rope used in a marine environment has a great degradation due to corrosion. An accurate inspection is necessary to ensure the safety of wire ropes. However, technical background data of wire rope is quite few at present, and is not sufficient for wire rope inspection. Gathering the technical data is important to establish and ensure the offshore structure's maintenance technology including wire rope inspection. A laboratory test of wire rope degradation was carried out with seawater tanks for 5 years from 1994 to 1999. 14 types of ropes were used for the experiment. Further, an exposure test in real sea area was also carried out for 11 months in 1997 to acquire degradation data in dry zone above sea level, in ebb zone, and in the seawater zone. 8 types of ropes and 3 types of wires were used for the exposure test. During the test period, we examined the ropes for several times on the following characteristics, (1)appearance of ropes and strands, (2)cross section of each wire layers, (3)mechanical properties of ropes- rope diameter, breaking strength, elongation, (4)mechanical properties of wire: diameter, tensile strength, number of torsion (5)mass of coating. The changes of characteristic values are curve fitted with a line to eliminate fluctuation errors. We calculated most suitable characteristics values when the experiment is over and converted into normalized values divided by the initial values. Degradation of several kinds of wire rope was investigated with normalized characteristics values and observation results of wire rope and cross section.
著者
松岡 常吉 村上 智志 山崎 拓也 中村 祐二
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.17-00009-17-00009, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
29

This paper numerically investigated the detail process to appear the asymmetrically spreading flames in narrow channel consisted of combustibles. We have successfully reproduced the transient process to form asymmetrically arranged spreading flame first ever in this work. 2-D, time-dependent mass and energy transport process as well as one-step chemical process in gas-phase is considered. Thick solid combustible plates (PMMA) are placed at both sides, then exactly the same ignition operation is made to initiate symmetrical processes. Pure oxygen is fed into the channel at the fixed rate to promote the spreading. Oxidizer velocity and channel height are varied as numerical parameters in this study. After the forced ignition, the combustibles are pyrolized via one-step reaction to evolve the fuel gas into the gas phase to form the opposed-mode flame spreading. Results show the distinctive three spreading modes (two-symmetric flames spreading, two-asymmetric flames spreading and one flame spreading) and transient process from one to the other mode is successfully simulated, which is hardly achieved in experiment. The asymmetric flame spreading mode appears under the limited combination of channel height and velocity. Moreover the distance between two leading edges of the flame varies depending on the imposed condition. Flow patterns are found to be sinus motion, thus the heated and accelerated oxidizer flow may enhance the reaction in the downstream. In this way, it is suggested that the flowing oxygen is effectively used to burn two fuel slabs. It is obvious that the asymmetrical configuration gives temporary stable condition. To study the details further, systematic study is demanded.
著者
村上 かおり 今岡 春樹
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.719-725, 2004

前報では, 収集した迷彩柄の特徴を対称性から評価する方法について議論した.その結果, 迷彩柄は対称性の良い柄と悪い柄に分離することができ, 柄の細かさは多様であることがわかった.<BR>本報では, 迷彩柄と同じく規則性のないランダムな柄を収集するのではなく生成する方法について検討した.ランダム柄は一様乱数に逆菅野積分フィルタを適用し生成した.適用回数を変化させ, 13種のランダム柄を生成した.また柄の対称性と細かさについて, 幾何学柄を基準に, 収集した迷彩柄と比較しながら評価した.<BR>フィルタリング回数の少ないランダム柄は, 反転対称性ならびに回転対称性の両対称性において, 幾何学柄, 迷彩柄と比較して高い総合評価値が得られた.<BR>フィルタリング回数の増加に伴い, 柄は粗くなった.しかし最も粗いランダム柄でも, 幾何学柄, 迷彩柄の中では細かい柄であった.より粗い柄を生成するには, フィルタリング回数を指数的に増加させる必要があることが示唆された.
著者
斎藤 翔太 伊川 洋平 鈴木 秀幸 村上 明子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.81, pp.7-12, 2014-06-14

近年普及しているTwitterにおいて,ユーザーによって投稿されている即時的な情報により,実世界の出来事を即時に知ることができるようになり,特に災害対応などで注目されている.しかし,現在,災害対応においては,人手で検索し災害の情報を得ていることも多い.また,出来事の自動検出手法は数多く考案されているが,その災害のなすコンテキストの情報がわからないことが多い.本研究では,災害の情報を,その災害のなすコンテキストを示す情報とともに,早期に発見する方法を提案する.注目に値する災害は,複数の語によって表される話題になり,それらに言及するツイートは表現が異なるという仮説を立てた.この仮説に基づき,語の共起のなすグラフのコミュニティとして話題を検出し,その話題に言及しているツイート同士の表現の違いを指標化した独立ソース度という指標を考案し,それをもとに検出することを提案する. Twitterのデータを用いて2014年1月17日に発生した火災を対象に実験し,妥当な火災がメディアの報道より前に検出できたことを示した.
著者
松本 華歩 村上 真菜 栗原 一貴
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2017-EC-43, no.8, pp.1-8, 2017-03-03

お酒の割り方やコーヒーの甘さなどの味の好みは,人それぞれこだわりがある.しかし,自分の好みぴったりで割合を調節したり,気分や体調によって味を変えたりして飲むことは難しい.そこで本研究では,二つの液体の混合比を任意に調整して飲める水筒である ChanJar を提案する.ChanJar とは,change と jar を組み合わせた造語である.ここで,change は「変える」,jar は「瓶」という意味で用いている.ユーザ評価の結果,システムの有効性や改善点の必要性について確認した.また味覚と感情の関係性についての調査を行い,ChanJar を遠隔地から操作することで,操作者による,使用者への味覚による感情伝達の可能性を示すことができた.さらに,既存のウェアラブルシステムやセンサーを組み合わせることによる,健康管理システムやエンタテインメントシステムとしての可能性を論ずる.
著者
両角 淳平 青木 啓成 村上 成道
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1037, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】Jones骨折は難治性の骨折であり,TorgやKavanaughは保存療法において22-67%が遷延治癒もしくは偽関節になると報告していた。現在の治療方針は,競技への早期復帰のために髄内固定による手術が中心となっており,手術治療の実績に関する報告が多い。その一方で,術後の再発例における報告も散見され,三河らは遷延治癒や術後の再骨折を来した症例に対して,スクリューの適合性を高めるために再手術を優先すると報告している。当センターでは,遷延治癒の傾向にあるJones骨折に対し,セーフス(SAFHS4000J,TEIJIN)による超音波治療と継続的な理学療法の介入を行っている。本研究は,Jones骨折を発症した選手の身体特性を詳細に検討する事,また改善させる事を目的とした理学療法が,競技復帰と再発予防へ与える影響について検証した。【方法】当院を受診した高校サッカー選手4例を対象とした。3例は,保存療法を行っていたが4週経過し仮骨が出現しない症例であり,1例は,他院での内固定術後に2回の再骨折を繰り返し,約1年間の遷延治癒を来していた。セーフスによる治療と理学療法を,競技復帰1ヶ月後まで継続した。理学療法では,第5中足骨近位骨幹部へストレスを与える要因として,足部・足関節及び股関節機能における身体機能因子と,姿勢や動作パターンの運動因子を挙げ,特有の障害パターンを検討し,その改善に努めた。介入頻度は,仮骨が出現するまでは週に1回,骨癒合が得られた以降は2週に1回とした。介入時は医師と協議し,運動負荷量を確認した。セーフス開始にあたり,骨折部へ的確に照射するよう透視下のマーキングを行った。4例の治療経過として,再発の有無と免荷期間,ランニング開始,競技全復帰,仮骨形成,骨癒合までの日数を集計した。【結果】4例全てにおいて,再骨折や遷延治癒を認めず競技復帰が可能であった。免荷期間は発症から平均24.3日(3-4週),ランニング開始は82.5日(10-14週),競技全復帰は126日(13-23週)であった。また仮骨形成を認めたのは64日(7-11週),完全骨癒合は113.8日(11-21週)であった。特有の障害パターンにおいて,身体機能因子のうち足部・足関節では,内反足(内側縦アーチの増強と前足部内転,後足部回外位)と,第5趾の可動性低下(足根中足関節や第4,5趾の中足間関節の拘縮)を認め,股関節では屈曲及び内旋制限が生じていた。運動因子は,片脚立位とスクワット,ランジ動作で評価し,いずれも股関節の外旋位をとり,小趾側が支点となり,重心は外側かつ後方への崩れが生じていた。筋力は,腸腰筋と内転筋,腓骨筋で低下を認めた。足部への具体的なアプローチは,第5中足骨へ付着し,かつ距骨下関節の可動性低下にも影響する長・短腓骨筋の短縮や,内反接地の反応により過活動が生じる前脛骨筋腱鞘や長母趾屈筋の軟部組織の柔軟性低下を徒手的に改善させた。足関節,股関節の可動域の改善後,姿勢・動作で重心の補正を行った。低下していた筋力に対して,単独での筋力強化は行わず,姿勢・動作練習を通して意識的に筋力の発揮を促した。【考察】治療過程において,運動強度の拡大については,X線による骨の状態を確認しながら検討し,仮骨形成後にランニングを開始し,骨癒合後に競技全復帰を許可した。しかし,X線上の問題がなく,圧痛や荷重時痛が一時的に減少しても,骨折部周囲の違和感や痛みの訴えは変動するため,継続的に運動強度の調整を行った。運動負荷の段階的な拡大に伴い,特有の障害パターンが再燃するため,骨癒合が得られるまでの期間は,早期に発見し修正するための頻回な介入が必要であると考えられた。術後の復帰過程において,横江らは,術後1週で部分荷重,3週で全荷重,2ヵ月でジョギング,3ヵ月で専門種目復帰としている。今回の4例の平均値と比較すると,ジョギング開始と競技全復帰までの期間は,約1ヶ月程度の遅れに留まった。理学療法により骨折部へのストレスを軽減させ,症状の変動に応じて運動負荷の調整を継続的に行う事は,骨癒合を阻害せず,保存療法であっても競技復帰に繋げられると考えられる。【理学療法学研究としての意義】手術及び保存のどちらを選択しても,骨折部の治療だけでは再発予防としては不十分である。身体特性から発生要因を検討し,その改善に向けたアプローチを充実させる事は,スポーツ障害における理学療法の捉え方として重要であると考えられる。
著者
保江 かな子 口石 茂 橋本 敦 村上 桂一 加藤 裕之 中北.和之 渡辺 重哉 菱田 学
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-18, 2013-03

風洞試験で計測した模型変形データを用いて, Computational Fluid Dynamics(CFD)表面格子を修正する方法を検討する.JAXAではマーカーを使ったステレオ写真法により風試模型の模型変形量を計測しており,計測したマーカー座標値を使うことで主翼の変形則を同定し,変形後の形状を定義することができる.本報告では,計測したマーカー座標値を使って変形後の形状を同定し, CFDの表面格子が通風時の風試模型形状と一致するように修正する方法を検討する.ここでは三種類の変形手法を検討する.そして,実際に模型の変形量を計測した DLR-F6FX2Bモデルに対して本手法を適用し,変形モデルの検証をおこなう.また,変形前後の形状に対して Reynolds-averaged Navier-Stokes(RANS)解析を実施することで,変形を考慮していない場合と考慮した場合とで空力特性にどの程度影響を及ぼすかを検討する.
著者
村上 光右 山口 邦雄 森偉 久夫 内藤 仁 宮内 大成 伊藤 晴夫 島崎 淳
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.1395-1401, 1982-11-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
25

尿路結石症の再発防止, あるいは今後の治療方針の手がかりを得るため, 千葉大学医学部泌尿器科において診療した過去16年間の尿路結石症を集計し検討を加えた.1) 尿石症は新患総数の5.3%を占めた. このうち再発結石が12.6%を占めた.2) 男女比は2.1対1で, 好発年齢は上部尿路結石は30歳代, 20歳代, 次いで40歳代に多く, 再発結石においてはピークが10歳高年齢にずれていた. 下部尿路結石は60歳代にこピークがあつた.3) 結石成分は蓚酸Ca+燐酸Ca結石が最も多く, 次いで蓚酸Ca結石であつた(両者で71%). 女性は燐酸塩系結石が多かつた(47%).4) 自然排石については9×6mm以下のものでは4カ月以内に自然排石する可能性が大である.
著者
佐々木 順悠 村上 進亮
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.133, no.8, pp.207-213, 2017-08-01 (Released:2017-08-31)
参考文献数
8

Mineral prices hit their ceilings and started fluctuating. It forced resource-related companies to reassess their assets. In order to secure the stable supply of resources, it is important for Japan, which is a resource-importing country, to keep an eye on the changes in strategies of resource-related companies, especially mining giants that dominate the global production of various minerals. There are some studies focusing only on risk management at an individual mine level and fluctuation in mineral prices, but few studies focus on asset management of the mining giants as an entity. The purpose of this paper is to analyze and understand the asset management strategies of the mining giants. All assets of the giants, such as mines, smelters and refineries are considered as risky assets, calculating the optimal portfolio under the “Modern Portfolio Theory”. By comparing the derived optimal portfolio with the actual one, we conclude that the mining giants' asset management strategies are almost optimal. We also found out which asset will be on sale from each company, which can be useful for Japanese companies increasing the share in overseas mines.
著者
永松 哲郎 児玉 良明 角川 明 高井 通雄 村上 恭二 石川 暁 上入佐 光 荻原 誠功 吉田 有希 鈴木 敏夫 戸田 保幸 加藤 洋治 池本 晶彦 山谷 周二 芋生 秀作 山下 和春
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.192, pp.15-28, 2002-12
参考文献数
11
被引用文献数
7 12

This paper is the second half of the report on the study on microbubbles carried out by the SR239 project of the Shipbuilding Research Association of Japan, and describes the full-scale experiment using "SEIUN MARU", a 116m-long training ship that belongs to the Institute for Sea Training. Using numerical analysis and the experimental data obtained in the preparatory study described in the first half of the report, the net energy saving of SEIUN MARU by microbubbles at 14kts was estimated to be 2%. In the full-scale experiment, the trajectory of the generated bubbles was observed using underwater TV cameras and was found to shift more upward than predicted. The local skin friction was measured at several locations on the hull surface, and the skin friction increase as well as decrease by the bubbles was measured. The local void ratio was measured at one point on the hull surface, and the bubbles were found to travel slightly away from the hull surface. The change of the ship speed and shaft horsepower by microbubbles was measured, and the decrease or increase of engine power at constant ship speed was analyzed. In the most cases of the experiment the ship speed decreased by the bubble injection, mainly due to the increase of ship resistance and the decrease of propeller efficiency caused by the bubbles going into the working propeller. But, by carefully choosing the bubble injection location and thus avoiding the bubble entrainment into the propeller, the 3% power saving at a constant speed of 14kts was obtained. By taking into account the power needed to inject bubbles against hydrostatic pressure due to water depth at the injection point, this corresponds to the net power saving of 2%. Thus the net power saving by microbubbles was measured on a full-scale ship for the first time in the world.