著者
村上 旬平 稲原 美苗 竹中 菜苗 青木 健太 新家 一輝 松川 綾子 有田 憲司 秋山 茂久
出版者
一般社団法人 日本障害者歯科学会
雑誌
日本障害者歯科学会雑誌 (ISSN:09131663)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.16-23, 2017 (Released:2017-06-30)
参考文献数
15

障害者歯科医療現場にはさまざまな「生きづらさ」のある人が来院する.歯科治療や歯科保健を進めるうえで,障害当事者だけでなく親への支援が必要となる場合も多い.本研究では障害者歯科医療での親支援について,障害者歯科学,臨床哲学,臨床心理学および小児看護学による学際的検討を行った.大阪大学歯学部附属病院障害者歯科治療部に受診する障害当事者および家族に心理的支援の必要性を問うアンケートを実施しそのニーズを探った.その後障害のある子どもをもつ親を対象とした心理カウンセリングを7名に実施し,哲学対話を18回開催した.心理カウンセリングでは親に来談意欲の高さと,自分自身を語りの中心におく人が多い特徴がみられた.哲学対話では親の日常生活の中での「生きづらさ」が明らかとなり,哲学対話の場で互いの知識や経験などの情報交換が行われた.それによって障害当事者とその親の日常生活での障害者歯科の位置付けが明らかとなり,障害者歯科での対応が,親には安心感として伝わっているということが描き出された.本研究を通じ障害者歯科医療現場での親支援ニーズが存在し,親に「物語る」「語り合う」場所を提供することが,当事者の生活に寄り添えるケアを考え,多職種の支援をつなげ,新しい支援ネットワークの構築に寄与するとともに,当事者からのフィードバックが障害者歯科医療の質的向上に寄与する可能性が示された.
著者
吉武 裕 安部 晃 村上 心 梶原 修平 古川 隼人 坂本 竜二郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00164-17-00164, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

This paper deals with the vibration quenching problem of the one-degree-of-freedom system with a limited power supply. This system is forced by centrifugal force of rotating unbalance, and the system is quenched using a Hula-Hoop and a motor to assist the rotation of Hula-Hoop. The entrainment region, the amount of vibration quenching, and the energy consumptions of the system are studied from the approximate analysis using the averaging method, the numerical integration analysis, and the experiment. Following was made clear: (1) When the unbalance is large, the entrainment region of the voltage of the assistant motor is large. On the other hand, when the unbalance is small, the entrainment region becomes narrow. (2) When the unbalance is large, by setting the voltage of the assist motor to a value smaller than the optimum value for vibration control, within the range that satisfies the allowable vibration amplitude level, the increase amount of the energy consumption becomes low. (3) The approximate solutions obtained by the averaging method are in good agreement with those obtained by the numerical integration method, and the characteristics of these results coincide with those of the results obtained by experiment.
著者
藤堂 恵美子 樋口 由美 北川 智美 今岡 真和 上田 哲也 安藤 卓 高尾 耕平 村上 達典 脇田 英樹 池内 俊之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の効果はエビデンスが確立されているものの,ADLのみを指標にした研究が多く,活動・参加を含めた生活機能への効果は十分明らかではない。また,先行研究では訪問リハプログラムの違いによる効果は検証されていない。しかしながら,実際は評価に基づき優先順位をつけ複合的に介入している。そこで本研究は,訪問リハプログラムの優先性が生活機能に与える影響を検証することを目的とした。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>対象は,平成26年4月~平成28年3月にA訪問看護ステーションの介護保険による訪問リハを開始し,3ヶ月間追跡可能であった30名(平均年齢82.4±7.5歳,女性24名)とした。全介助の者,本研究の主旨を理解できない者は除外した。調査項目は基本属性に加え,生活機能として身体機能(立ち座り動作テスト),精神機能(GDS5,転倒自己効力感,主観的健康感),ADL(FIM),IADL(老研式活動能力指標),生活空間(LSA)を調査した。訪問リハプログラムは身体機能,活動,環境因子の3つに対して最も優先した介入を,担当理学・作業療法士に記入させて追跡後に集計した。</p><p></p><p>統計解析は,ベースラインの群間比較にはχ2検定またはMann-Whitney U検定を用い,p値が0.1未満の項目を説明変数,介入の優先性を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。ベースラインと3ヶ月後の比較にはχ2検定またはWilcoxonの符号付順位和検定を用いた。有意水準は5%未満とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>主疾患名は運動器疾患19名,脳血管疾患6名,その他5名であった。なお,入院歴がある者は15名であった。</p><p></p><p>訪問リハの優先プログラムは,全訪問回数のうち50%以上が活動であった者は19名,環境因子は11名で,身体機能への介入が50%を超えた者はいなかった。そこで,活動優先群と環境優先群の2群で分析した結果,ベースラインでは基本属性や身体機能,活動に差はなく,GDS5得点のみ環境優先群は有意に高かった。探索的に年齢とFIMの移動項目で調整しても,GDS5は環境因子への介入優先に対する独立関連因子であった(調整オッズ比3.34)。ベースラインと3ヶ月後の生活機能の比較では,LSAで両群共に有意な改善がみられ,活動優先群は15.3点から29.3点に,自宅圏外へ外出可能な者が6名から15名に増加,環境優先群は16.5点から28.3点に,自宅圏外へ外出可能な者が5名から9名に増加した。加えて,活動優先群では立ち座り動作で上肢支持が不要な者が有意に増加し,環境優先群では転倒自己効力感が有意に改善した。その他の項目では有意差を認めなかった。</p><p></p><p><b>【結論】</b></p><p></p><p>訪問リハ開始から3ヶ月間では,活動および環境因子への介入の優先性が高かった。介入の優先性によって身体機能や精神機能への効果が異なるが,生活空間は介入の優先性に関わらず拡大することが示唆された。</p>
著者
シンドゥパック アカディ 村上 俊太郎 和田 努
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.151-157, 1992

The transmission loss of silencers composed of Helmeholtz type resonators are computed on the basis of the one-dimensional linearized theory. The theoretical transmission loss characteristics in the middle frequency range are verified experimentally. The performance of these multiple resonators improves with increasing of the number of resonators, and it is unaffected by the flow which has the central velocity below 20 m/s.
著者
村上 孝弘
出版者
「図書館情報メディア研究」編集委員会
雑誌
図書館情報メディア研究 = Library, information and media studies (ISSN:13487884)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-12, 2017-09-30

本稿では、大学図書館実態調査の「館長の地位」に関する調査項目に着目し、その項目が設置された歴史的背景について『国立大学図書館長会議議事要録』などの一次資料から明らかにした。「館長」の地位は、大学図書館基準をはじめ大学図書館関係法規において早くから重要なものと認識されていたが、各大学の実態は法規とは大きくかけ離れていた。そのため、大学図書館近代化の時期(昭和30年代中期から40年代)に大学図書館界は国立大学図書館長会議を中心に、その実質化に向けて長く議論をおこなってきた。その後、昭和50年代以降に大学図書館界の議論の中心は「機械化-情報化」に置かれるようになり、「館長の地位」などの管理運営的要素は中心的要素から次第に外れていくこととなる。しかし、国立大学法人化等を契機として、現代では大学における管理運営の課題が再認識されている。「館長が自動的に大学の評議員となる」ことをとおして図書館の学内における総体的地位の向上が目指されていた当時の議論を振り返ることは、現代の大学ガバナンスを検討するに際しても、重要な歴史的視点を有しているといえよう。
著者
畦 浩二 村上 貴彦
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第5部門, 教科教育 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.13-26, 2016-02

本研究は,西日本の低地に生育しているコケ植物の中から,学校内でよく見かける雌雄同株の蘚類5種:ヒョウタンゴケ,サヤゴケ,タチヒダゴケ,ヒナノハイゴケ,ノミハニワゴケを選定し,これらの繁殖季節を明らかにすると同時に,中学校理科で活用できる教材を開発することを目的とした。大阪市内外の2地点で一年間にわたり定期採集して標本を集め,Greene(1960)に基づいて配偶子のうの発生から胞子散布に至るまでの一連の過程を追究した。その成果は,以下のようにまとめられた。(1)樹幹性のサヤゴケ,タチヒダゴケ,ヒナノハイゴケの繁殖季節のパターンはよく類似していた。(2)胞子散布の時期は5種にほぼ共通しており,概ね5~6月にかけてであった。(3)大型の胞子をつくるサヤゴケについて,胞子培養により胞子発芽から配偶体形成までの一連の過程を観察した。(4)コケ植物の生活を理解するための教材として,図版「サヤゴケの生活環」を開発した。The purpose of this study was to clarify the reproductive phenology of mosses growing well in the school and to develop the teaching material utilizing in lower secondary school science. The developmental stages of gametangia and sporophytes were investigated for the following five monoicous species: Erpodium sinense, Funaria hygrometrica, Glyphomitrium humillimum, Haplocladium angustifolium and Orthotrichum consobrinum, on the basis of specimens gathered from the two sites in Osaka. The method to record developmental stages was devised by Greene (1960). The results were the following: (1) The following three species growing on tree trunks: Erpodium sinense, Glyphomitrium humillimum and Orthotrichum consobrinum, had the similar patterns on the reproductive phenology. (2) Spores of five species were dispersed almost in May to June. (3) By the spore culture, the authors observed the process from spore germination to gametophyte formation on Glyphomitrium humillimum. (4) The authors developed the new teaching material to recognize the life of moss, which was named "Life cycle of Glyphomitrium humillimum".
著者
土屋 律子 坂本 恵 鐘ヶ江 あゆ美 菊地 和美 木下 教子 坂本 佳菜子 佐藤 恵 菅原 久美子 田中 ゆかり 庭 亜子 畑井 朝子 藤本 真奈美 宮崎 早花 村上 知子 村田 まり子 山口 敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】日本調理科学会特別研究(平成24~25年度)「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の先行研究・資料とすることを目的に昭和30~40年頃までに北海道に定着してきた家庭・郷土料理に関する書誌情報を収集した。地域を道央、道南、道北、道東に分け、北海道のみの記載、地域の特定のないものは、「北海道」としてまとめた。今回は、これらの資料に記載されている料理の地域性、主材料、調理操作について検討したので報告する。【方法】書誌収集は、平成25年3月~12月に実施した。収集された資料は62冊、料理数は1066件であった。料理の主材料を日本食品標準成分表2010年に基づき分類、調理操作は調理方法の記載、および明らかに推定できる操作を加え分類し検討した。【結果】料理数は、道東が多く全体の30.2%(322件)、道南23.5%、道央13.3%、道北10.2%であった。「北海道」は242件で、地域の記載がない28件を含めた。主材料を見ると、魚介類が37.9%と魚種、調理法も多く、中では鮭、鰊、いかの利用が多い。鯨、ごっこ、サメの利用もみられた。次いで野菜類(14.6%)、穀類(13.4%)、いも類(12.6%)と北海道の特産物の利用が多い。地域別では道南、道央は魚介類、道北は野菜類、道東はいも、野菜類の利用が多い。穀類は道央(29.6%)が多く道南、道北と続き、道東は6.4%と少ない。調理操作では、「煮る」が31.4%と最も多く、次いで「漬ける」(18.0%)、「焼く」(10.9%)、「和える」(7.2%)の順であった。「煮る」では、鰊の三平汁、鮭の石狩鍋、「漬ける」では、鰊、ほっけの飯ずし、いかの粕漬け、松前漬けなど、「焼く」では、いか焼きやいももち、ジンギスカンなどがあげられていた。地元の食材を多種多様に調理・加工し、利用している様子を窺い知ることができた。
著者
村上 悌一 芝上 基成
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.617-622, 2008

Sphingofungins (A-F) are a family of antifungal metabolites produced by microorganisms, and have been shown to be potent and specific inhibitors of serine palmitoyl transferase, an essential enzyme for the biosynthesis of sphingolipids. These compounds have a lipid tail and a polyhydroxy-amino acid head moiety with four contiguous chiral centers and a trans-olefinic function. Due to their biological activity and structural complexity, the sphingofungins have inspired a number of synthetic efforts. We report here a novel synthetic approach to sphingofungins using D-gluconolactone as a chiral source of the head moiety. Gluconolactone 1 was converted to 2-azido-mannonate derivative 3, from which C5-aldehyde derivative 4 was readily prepared. The hydrophobic portion containing (R)-hydroxy group was prepared via asymmetric transfer hydrogenation of pentadec-8-yn-7-one 13. The resulting pentadec-1-yn-9(R)-ol derivative 15 was converted to pentadec-1(E)-enyl-zinc derivative 17, which was reacted with the C5-aldehyde 4 to give separable diastereomeric adducts (7:1). The major adduct was deduced to be natural C5-(S)-alcohol 18, a key intermediate for the synthesis of sphingofungins A-D. Acidic hydrolysis of 18 gave the azide-lactone 19, and the azide was reduced with zinc in acetic acid to give the amine 20. When the reduction was carried out in the presence of acetic anhydride, the acetamide 21 was obtained. Mild basic hydrolysis of 20 and 21 afforded sphingofungins B and D, respectively.
著者
近藤 広孝 坂下 悠 村上 彬祥 小野 貞治 小沼 守
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.691-693, 2016
被引用文献数
1

<p>家庭飼育下のシマリスが顕著な精巣の腫大を示した.外科的に摘出された精巣腫瘤について病理組織学的に検索したところ,腫瘤は多角形細胞のシート状増殖より構成されており,精上皮腫と診断された.奇怪な単核もしくは多核巨細胞や異常有糸分裂像などの明らかな異型性を示しており,また,腫瘍細胞は精巣被膜を越えて周囲組織へ浸潤しており,潜在的に悪性の腫瘍と考えられた.リス科動物における精巣腫瘍の発生報告は乏しく,筆者らの知る限り,本例はシマリスにおける精上皮腫の初めての報告である.</p>
著者
冨田 義人 石井 克幸 丸尾 健二 井上 哲男 村上 隆彦
出版者
神戸商船大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

1.全空間における非線形楕円型方程式(*)F(x,u,Du,D^2u)=0 in R^nの粘性解が一意に存在するための解のクラスをFの構造と関連させて決定した.主結果を粗く述べると、F(x,u,p,X)がpに関してm(m≧1)次の多項式、xに関してμ(μ≧1)次の多項式のようなふるまいをし、mとμとの間に1<μ<m/(m-1)が成立するならば、(*)は一意的な粘性解をもつ(この結果はAdv.in Math.Sci.and Appl.Vol.2に公表された).今後の課題はmとμとの関係が最良であるか吟味することである.2.交付申請書の実施計画に沿って、粘性解を扱うことの利点を示す偏微分方程式を考察した.領域の内部で退化が起こるDirichlet問題(**)-LAMBDA(x)Δu(x)+c(x)u(x)=f(x)in B={xεR^n;|×|<L}、u=β on |×|Lを考える.ここで、L>1,N≧2,LAMBDA(x)=(1-|×|)^λ(|×|<1のとき);=(|×|-1)^λ(1<|×|<Lのとき)である.|×|=1の球面上で方程式は退化していることを注意したい.この問題に対して、(1)c(x),f(x)がradialな関数で、0<λ<2を仮定するとき、(**)は|×|=1の球面上で u(x)=f(x)/c(x)をみたすradialな粘性解をもつ.(2)0<λ<1ならば、(**)は最大解および最小解をもち、かつ、これらの間に無数の粘性解が存在する.(3)1≦λ<2ならば、(**)は一意的にradialな粘性解をもつなどを証明した.これらの結果については投稿中である。今後の課題はradialでないc(x),f(x)および非線形を扱うことである.3.石井は主として、衝撃制御問題、ジャンプを伴う確率制御問題および確率微分ゲーム問題などから導かれる非線形楕円型偏微分方程式に対する粘性解の一意性と存在を考察した.
著者
鈴木 淳子 工藤 綾子 山口 瑞穂子 村上 みち子 服部 恵子 岩永 秀子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-16, 1994-03-25
被引用文献数
1

本研究は,基礎看護技術を教授するうえで必要な科学的裏付けを明らかにする研究の一環として行っているものである。今回は,バイタルサインの測定技術の教授に必要な知識がどの程度実証されているか,過去10年間の看護関係の文献から明らかにした。検索した文献を(1)血圧測定,(2)体温測定,(3)脈拍測定,(4)心拍測定に整理し,考察した。呼吸測定については該当する研究がなかった。その結果,血圧測定時には測定器具の特徴を考慮すること,測定者による誤差を少なくする為に最小血圧を読む時の減圧をゆっくりしたほうがよいとの結果を得た。清潔援助や体位が血圧に及ぼす影響については,仰臥位による測定が妥当とされた。血圧測定方法に関しては,測定部位と心臓を同じ高さにする必要性や,上腕の太さが測定値に影響を与えることが検証された。体温測定に関しては,体温計の特徴を理解して使用することが必要とされた。体温測定時の変動因子については,身体の露出,腋窩検温では皮下脂肪の厚さが測定値に影響を与えること,入浴後60分後に入浴前の体温に戻ることがわかった。測定方法については,水銀体温計での腋窩検温の測定時間は10〜15分間必要であること,測定部位を一定にする必要性が明らかになった。また,口腔温よりも腋窩温の方が高いとは一概に言えないとの報告,老人のオムツ内検温の有用性の検証など,対象者の状態を考慮した測定部位の選択の必要性が示唆された。脈拍,心拍測定については,運動,入浴などの影響を考慮し,1分間測定することが必要であることが実証された。