著者
高山 秀一 戸谷 重雄 河瀬 斌 飯坂 陽一 村上 秀樹
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.78-82, 1987 (Released:2006-09-21)
参考文献数
19

The effect of stable xenon on the regional cerebral blood flow (rCBF) was studied in 12 adult cats. Xenon in concentrations 17%, 33%, 50%, and 60% was mixed with oxygen, and inhaled by a semi-closed rebreathing system. Cortical rCBF was continuously measured by a heat clearance probe which had been calibrated using the hydrogen clearance method. Cortical rCBF decreased to 96%, 92%, 88%, and 88% of the control after inhalation of 17%, 33%, 50%, and 60% xenon, respectively, and these decreases in rCBFs were statistically significant (p<0.01, Student's paired t-test) under the high concentrations of xenon of 33% or more. No significant changes were seen in arterial carbon dioxide tension and the mean arterial blood pressure during xenon inhalation, whereas diffuse electroencephalographic slowing was observed during 50% xenon inhalation. The mechanism of the decrease of rCBF by xenon gas remains to be solved. The direct effect of xenon on rCBF should be considered when high concentrations of xenon are used for stable xenon-enhanced computed tomography.
著者
大西 正光 村上 武士 Wu Peiwei 小林 潔司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_309-I_322, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
21
被引用文献数
1

水道コンセッション事業の経済的価値は,主に水道料金及び水道の接続数(普及率)に依存する.政府が契約条件として望ましい水道料金及び接続数を設定するためには,民間事業者が有する技術に関する情報を有しておく必要がある.政府が技術に関する十分な情報を有していない場合には,技術提案型入札が適用される場合も少なくない.本研究では,技術提案型入札の下での最低単価落札方式と最大接続数落札方式という2つの落札方式の経済的帰結を理論的に分析する.さらに,水道コンセッション事業では,しばしば事後的に初期契約の見直しが行われることを指摘する.その上で,事業者の戦略的ホールドアップ行動の帰結を分析し,各落札方式の得失について考察する.
著者
野沢 出 中山 久代 霜村 真一 橋本 かおり 今村 俊一 久松 建一 村上 嘉彦
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.577-583, 1993 (Released:2009-06-05)
参考文献数
22

We carried out a questionnaire. survey on orthostatic dysregulation (abbreviated OD) in 63 young female subjects aged 18-19 years. Ten of them were judged to have confirmed OD, 8 had suspected OD, and the remaining 45 were regarded as normal. Schellong test results showed some difference in three items between the confirmed OD group and normal subjects, but the positive rate of the Schellong test in itself was not significantly different among these three groups. It was our impression that a more detailed analysis of this test is needed to increase its diagnostic validity in determining OD.The Cornell Medical Index-Health Questionnaire (abbreviated CMI) which was modified for the Japanese population with emotional disturbances by Fukamachi was given to these subjects to obtain information about their underlying psychological and emotional status. According to Fukamachi's classification Type III or IV patterns, suggestive of suspicious (III) or probable (IV) neurosis were found in 5 (11.1%) of the normal subjects, in 3 (30.3%) of the subjects with confirmed OD, and in 4 (50.0%) of those with suspected OD. These data suggest a correlation between OD and emotional and/or psychogenic disturbances.Subjects with OD and patients with vertigo or dizziness who visited our clinic were noted to have similar results on CMI. This does not, however, necessarily mean that some subjects with OD are abnormal or sick, since the CMI itself is intended only as an adjunct to, and not as a substitute for, medical interviews and physical examinations.
著者
渡部 真志 平野 聡子 越前 康明 榊原 健二 若林 由佳 髙谷 美和 原田 祐三子 村上 あゆ香 小林 麗 岡田 久 奥田 聡
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-6, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
13

【目的】Stanford A 型急性大動脈解離(type A acute aortic dissection: TAAAD)に伴う脳梗塞ではrt-PA 療法が致死的結果を招き得るため,鑑別に有用な臨床因子を検討した.【方法】TAAAD に伴う脳梗塞13 例(TAAAD 群)を後方視的に分析し,rt-PA を投与した脳梗塞57 例(rt-PA 群)と比較検討した.【結果】TAAAD 群は胸痛が多く(p<0.01),全例で何らかの意識変化が見られた.TAAAD 群は血圧が低値で(p<0.01), 収縮期血圧のcut-off 値はROC 解析で130 mmHg 以下であった. 特に110 mmHg 以下では陽性尤度比35.1 と特異性が高かった.また徐脈傾向が見られた.【結論】疼痛の問診がTAAAD 鑑別に重要で,収縮期血圧130 mmHg 以下でTAAAD が疑われ,110 mmHg 以下かつ心拍数60 回/分以下では積極的に疑うべきである.
著者
村上 祐子
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.155-163, 2018
被引用文献数
1

本稿では,人工知能の倫理に関して国内外のガイドライン検討状況をまとめた上で,背景となる倫理学の論点を概説する.
著者
駒澤 敏 柴田 真治 酒井 洋樹 伊藤 祐典 川部 美史 村上 麻美 森 崇 丸尾 幸嗣
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.395-400, 2016-07-20 (Released:2016-08-20)
参考文献数
16

岐阜県で犬腫瘍登録制度を立ち上げ,平成25年度の家庭犬飼育状況,腫瘍発生,粗腫瘍発生率の疫学調査を実施した.県内動物病院の33.6%から届出があり,731例の解析を行った.飼育頭数(狂犬病注射接種頭数)と推計腫瘍症例数(調査用紙の回収率)から犬種ごとの粗(悪性)腫瘍発生率を算出し,全体では1.5%(0.6%)であった.発生率が高い(P<0.05)犬種は,ダックスフンド2.6%(1.3%),シー・ズー2.4%,シュナウザー2.5%(1.4%),パグ3.8%(1.9%),ウエルシュ・コーギー3.3%(2.2%),ビーグル2.2%(1.4%),シェットランド・シープドッグ3.2%,フレンチ・ブルドッグ3.2%(1.3%),ラブラドール・レトリバー3.2%(2.5%),ゴールデン・レトリバー2.7%(2.2%),バーニーズ・マウンテンドッグ8.2%(7.1%)であった.低い(P<0.05)犬種はプードル1.1%(0.3%),チワワ0.5%(0.3%),ポメラニアン0.9%,柴犬0.7%(0.3%)と雑種1.0%(0.6%)であった.
著者
花谷 浩 宮原 晋一 相原 嘉之 玉田 芳英 村上 隆
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.14, no.23, pp.105-114, 2007-05-20 (Released:2009-02-16)
参考文献数
5

奈良県明日香村にあるキトラ古墳は,高松塚と並ぶ大陸的な壁画古墳であり,慎重な調査と保護が進められてきた。壁画は剥離が進んでおり,石室内で現状保存することは不可能で,取り外しで保存処置を行うこととなった。その前段階の作業を兼ねて2004年に石室内の発掘を行い,石室構造の細部が判明し,最先端の技術を用いた豪華な副葬品が出土する等,多くの成果を上げた。墳丘は版築による二段築成の円墳で,石室の南側には墳丘を開削した墓道が付く。墓道床面に,閉塞石を搬入する時に使用した丸太を敷設したコロのレール痕跡(道板痕跡)を確認した。石室は,二上山産の溶結凝灰岩製の分厚い切石材を組み合わせて構築する。石材には朱の割付線が残っており,精巧な加工方法が推測できる。石室の内面は,閉塞石以外を組み立てたのち,目地を埋め,さらに全面に漆喰を塗り,壁画を描く。石室内の調査は,空調施設等を完備した仮設覆屋内で,壁画の保護に万全の措置をした上で発掘をした。石室内には,盗掘時に破壊された漆塗り木棺の漆片堆積層が一面に広がる。遺物は原位置に残らないと判断され,堆積層をブロックに切り分け,方位と位置を記録し,コンテナにそのまま入れて石室外に搬出した。出土遺物には,金銅製鐶座金具や銅製六花形釘隠といった木棺の金具,琥珀玉等の玉類,銀装大刀,鉄製刀装具,人骨および歯牙などがある。木棺の飾金具は高松塚古墳のものとは意匠に違いがある。また,象嵌のある刀装具は類例がなく,その象嵌技術も注目される。歯牙は咬耗の度合いが著しく,骨と歯は熟年ないしそれ以上の年齢の男性1体分と鑑定された。壁画は,歪みがきわめて少ない合成画像であるフォトマップ作成を行った。これは実測図に代わりえる高精度なものである。また,壁画取り外し作業の過程で十二支午像の壁画を確認した。墓道と石室の基本的なありかたは,他の終末期古墳とほほ同じである。コロのレール痕跡は高松塚古墳や石のカラト古墳にもあり,石室の石積みはマルコ山古墳に似るが相違点もある。底石の石室床面部分は周囲より一段高く削り出しており,石のカラト古墳と類似することがわかった。
著者
関 悠一郎 青木 啓成 児玉 雄二 唐澤 俊一 村上 成道
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0933, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】古府らによりアキレス腱保存療法を奨励する報告はされているが、保存療法のリハビリテーションに関する報告は少ない。当院におけるアキレス腱保存療法の治療成績について報告する。足関節可動域に着目し、装具除去(通常9.5週にて除去)時に関節可動域(以下ROM)が平均以下の症例について、原因を紹介し装具固定期間のROM訓練施行上の課題を検討したので報告する。【対象・方法】対象は平成18年12月から平成19年11月の間に受傷、保存療法を行った23例、平均年齢41.1歳(25~72歳)、男性15名、女性10名。装具療法は受傷・ギプス固定1週の後、装具装着。直後から装具装着下での足関節自動底屈運動と部分荷重を開始。Thompson testの陰性化を認めた3週前後から自動背屈運動を開始。9.5週以降で装具除去、荷重下での底屈運動を開始する。足関節背屈のROMを受傷3週・6.5週・装具除去時・3ヶ月で測定し平均値を算出した。また受傷から復職までの期間、杖なし歩行獲得までの期間、つま先立ち・走行(軽いジョギング)が可能となるまでの期間について調査、平均値を算出した。【結果】受傷から3週の足関節背屈ROMは-9.5°(-20°~0°)受傷から6.5週-4.2°(-30°~10°)装具除去時5.0°(-5°~15°)3ヶ月9.6°(0°~15°)。復職は3.4週(0週~9週)杖なし歩行獲得3.9週(2週~8週)つま先立ち14.7週(13週~16週)、ランニング17.2週(14週~20週)。装具除去時のROMが平均以下の症例は、距腿関節のモビリティー低下2例、腓骨神経麻痺と麻痺の疑い2例、足趾・足関節底屈筋群の短縮と筋硬結の残存2例、edemaの残存2例、背屈に再断裂への恐怖心伴う1例を呈していた。【考察】古府らの研究では受傷後6.5週の足関節背屈ROMは平均-11°、3ヶ月で平均6.3°とし、つま先立ち4.1ヶ月、走行4.8ヶ月で獲得したと述べている。当院の結果は、ROMについては概ね報告を上回る結果となった。つま先立ちと走行開始の期間も概ね同様の結果であった。ROM制限を来した原因のなかで、特に距腿関節の可動性低下と、程度の差はあるが下腿三頭筋以外に足関節底屈に関与する筋の短縮と筋硬結を有する症例が多くみられた。断裂による侵襲に加え長期の底屈位固定と荷重を行なうことから、周囲筋が代償して疲労が蓄積した結果であると考えている。早期から距腿関節の可動性と下腿周囲筋・腱の柔軟性と腱鞘部の癒着の改善を図ることで装具除去後の機能改善や再断裂予防に役立つものと考えている。今後の課題として、装具除去後の抗重力運動をスムーズに獲得するため、腱の修復過程・代償作用を考慮し、効果的な装具療法中の運動プログラムを作成する必要性が示唆された。
著者
村上 千鶴子 古橋 幸男
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.112-120, 2012-03-01
著者
陸田 秀実 村上 一樹 土井 康明 山本 民次 川口 修
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_364-I_369, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
5
被引用文献数
3

To evaluate impacts of oyster raft placement on tidal current and seawater exchange in Etajima Bay, northern part of Hiroshima Bay, we have developed a coastal circulation model incorporating the drag force of the oyster raft in Etajima Bay. We found that the number of oyster rafts in summer season is twice as large as that in winter season. In Etajima Bay, the seawater exchange is relatively large in the northwest part, whereas the term of the seawater exchange is about one year in the southern part. Moreover, we computed some scenarios which the oyster rafts are reduced at each zone, and then it could be desirable to reduce 40% of the total number of oyster rafts in order to make a plane for reducing organic matter load from the oyster culture.
著者
露口 小百合 伊藤 知子 今義 潤 江口 智美 久保 加織 高村 仁知 中平 真由巳 原 知子 水野 千恵 明神 千穂 村上 恵 和田 珠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】揚げる・炒める分科会ではこれまで揚げ種重量の10倍程度の油を用いた一般的な揚げ方法での様々な研究を行なってきた。しかし、最近では環境問題や健康への配慮から少量の油で揚げる「シャロウフライ」と呼ばれる方法が注目されている。そこで今回は揚げ種が浸る程度の少ない油量で揚げた場合の揚がり具合について検討した。 【方法】試料として豚カツ(業務用冷凍豚一口カツ)およびサツマイモ、揚げ油はキャノーラ油を用いた。油の量は「ディープ」(油の深さが揚げ種の厚さの2倍)、「シャロウ1」(同1倍)、「シャロウ1/2」(同1/2倍)とした。温度調節付きガスコンロと26cm径のフライパンを用い、豚カツは180℃、5分間、サツマイモは160℃、6分間揚げた。揚げ操作中に揚げ種の中心温度と油温の変化を測定し、揚げ操作後の重量変化より吸油率と脱水率を算出した。官能評価はパネル6~8名で、評点法(外観、油臭さ、におい、味、揚がり具合、テクスチャー、総合)と順位法で行った。 【結果】脱水率は、豚カツ、サツマイモともに「シャロウ1/2」で低かった。吸油率は、豚カツでは油量による差はみられなかった。中心温度は「シャロウ1/2」では温度上昇が遅かった。官能評価の評点法は、豚カツ、サツマイモともに外観、におい、揚がり具合、テクスチャーおよび総合において「シャロウ1/2」が有意に低い評価であった。順位法では、豚カツは、「ディープ」、「シャロウ1」、「シャロウ1/2」の順に好まれた。サツマイモの「シャロウ1/2」では仕上がりが不均一で水っぽく感じられ、脱水率の結果と一致していた。以上の結果から、油量の違いは揚がり具合に影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
八尾 隆史 村上 敬
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.669-675, 2015-04-05 (Released:2015-04-05)
参考文献数
28

現在,大腸鋸歯状病変は過形成ポリープ(HP),鋸歯状腺腫(TSA),sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)に分類されている.TSAは明らかな腫瘍性異型を示す病変であるが,HPとSSA/Pは明らかな腫瘍とは判定できない病変である.SSA/PはHPと同様の細胞から構成されるが,HPではみられない不整な構造と不規則な核腫大をともなう.それぞれの診断基準は一応確立されているが,これらの中間的病変や種々の鋸歯状成分が混在した病変の本質の解明と臨床的に意義のある分類の確立が,今後の課題である.