著者
多和田 友美 伊香賀 俊治 村上 周三 内田 匠子 上田 悠
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.75, no.648, pp.213-219, 2010-02-28 (Released:2010-06-07)
参考文献数
18
被引用文献数
16 11

Various researches highlight that indoor air quality affects performance of workers in offices. Although good indoor air quality improves work performance, it also increases energy consumption. In this study, we achieved a field survey in a real office in order to investigate the relationship between thermal environment, productivity, and energy consumption. In addition to the monitoring of indoor environmental quality and energy consumption, subjective experiments were conducted. In order to evaluate subjective performance, workers and students responded to questionnaires, and to evaluate objective performance, students simulated three types of office works. By calculating room temperature and worker's subjective performance, we demonstrate the correlation between room temperature and worker's performance (R2=0.22, p
著者
山口 二郎 杉田 敦 遠藤 乾 空井 護 吉田 徹 渡辺 将人 木宮 正史 川島 真 遠藤 誠治 高安 健将 村上 信一郎 宮本 太郎 小川 有美 中北 浩爾 水野 和夫
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

20世紀後半に民主主義国で確立された二大政党制、二極的政党システムにおける政権交代というモデルは、1980年代の新保守主義的政治、1990年代後半の中道左派の復活までは、順調に作動し、民意の吸収と政策転換という効果をもたらした。しかし、2000年代に入って、経済のグローバル化の一層の進展と、雇用の不安定化や格差の拡大は政治的安定の基盤をなした経済的安定を侵食した。その結果、政権交代に対する国民の期待が低下し、ポピュリズムが現れた。こうした危機を打開するためには、従来の左右を超えた政党再編が必要とされている。
著者
林田 賢史 村上 玄樹 高橋 裕子 辻 一郎 今中 雄一
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.50-55, 2012 (Released:2012-03-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

Objectives: The aim of this study was to examine which of the two groups have higher lifetime medical expenditures; male smokers or male nonsmokers. We conducted this investigation using a Japanese single cohort database to calculate long-term medical expenditures and 95% confidence intervals. Methods: We first constructed life tables for male smokers and male nonsmokers from the age of 40 years after analyzing their mortality rates. Next, we calculated the average annual medical expenditures of each of the two groups, categorized into survivors and deceased. Finally, we calculated long-term medical expenditures and performed sensitivity analyses. Results: The results showed that although smokers had generally higher annual medical expenditures than nonsmokers, the former’s lifetime medical expenditure was slightly lower than the latter’s because of a shorter life expectancy that resulted from a higher mortality rate. Sensitivity analyses did not reverse the order of the two lifetime medical expenditures. Conclusions: In conclusion, although smoking may not result in an increase in lifetime medical expenditures, it is associated with diseases, decreased life expectancy, lower quality of life (QOL), and generally higher annual medical expenditures. It is crucial to promote further tobacco control strategically by maximizing the use of available data.
著者
山口 二郎 宮本 太郎 遠藤 乾 空井 護 高橋 伸彰 村上 信一郎 齋藤 純一 杉田 敦 中北 浩爾 小川 有美 小原 隆治 遠藤 誠治 野田 昌吾 宇野 重規 田村 哲樹 宇野 重規 田村 哲樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

本研究はグローバル化した金融資本主義の矛盾が明らかになる一方、民主政治による政策決定が円滑に進まないという困難な状況において、民主政治をどう再生させるかという問いに取り組んだ。基礎的な再分配政策に加えて、雇用、生活支援などのサービスを市民社会の自発性を引き出す形で展開することで、新たな福祉国家モデルを追求するというのが21世紀的な危機に対する処方箋となることを明らかにした。
著者
浅利 裕伸 池田 敬 岩崎 亘典 岩下 明生 江成 はるか 江成 広斗 奥田 加奈 加藤 卓也 小池 伸介 小寺 祐二 小林 喬子 佐々木 浩 姜 兆文 杉浦 義文 關 義和 竹内 正彦 立木 靖之 田中 浩 辻 大和 中西 希 平田 滋樹 藤井 猛 村上 隆広 山﨑 文晶 山田 雄作 亘 悠哉
出版者
京都大学学術出版会
巻号頁・発行日
2015-03-25

希少種の保護や過増加した在来種・外来種の対策など、野生動物をめぐるさまざまな課題に応えるフィールド調査法。各動物の食性や個体数に関する既存研究をまとめ、地図の読み方やフィールド機材の使い方、糞や足跡をはじめとする動物の痕跡の識別法を具体的に示し、得られた情報から食性や個体数、生息地を評価する方法を体系的に解説する。
著者
宮地 洋介 伊江 将史 村上 隆啓 砂川 一哉 上田 真 福里 吉充
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.411-417, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
12

走行中の水上オートバイから転落した場合,船体の推進力であるジェット水流により直腸・膣に特徴的な損傷(以下,本外傷)を生じる.水上オートバイ関連外傷の中で稀な外傷ではあるが,損傷が複雑で治療に難渋し,時に致命的となる.症例1:25歳の女性,走行中の水上オートバイから後方に転落し,会陰部から多量の出血を認め当院へ搬送された.肛門裂傷と腹膜翻転部上に及ぶ直腸損傷を認め,人工肛門造設術を行った.患者は術後12日目に退院したが人工肛門閉鎖には至っていない.症例2:27歳の女性,走行中の水上オートバイから後方に転落し,直腸・膣を複数箇所で損傷し活動性の出血を認めた.直腸損傷に対しては人工肛門造設術にて対応しえたが,膣損傷は円蓋部にまで及んでおり止血が困難であった.一時は重篤な出血性ショックに至ったものの,経カテーテル的動脈塞栓術により止血・救命した.患者は術後35日目に転院となった.
著者
長谷川 剛 小林 研介 村上 修一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.228-231, 2020-04-05 (Released:2020-09-14)
参考文献数
7

令和元年度科学研究費助成事業(科研費,基盤研究等)審査結果報告
著者
村上 恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.120-128, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
15

本研究では,ゆで水に添加するNaCl の濃度を0%,0.2%,1%,2%に変化させて4種類のスパゲティをゆで,NaCl の硬さへの影響を検討した. ゆでスパゲティの破断応力は,0% NaClと比較して2% NaClで高くなる傾向を示したことから,2%のNaCl添加によりスパゲティは硬く茹で上がると考えられた.ゆでスパゲティの水分含量も2% NaClで減少し,スパゲティの染色実験においても,2% NaClによりゆで後スパゲティの未染色部の割合が増加していたことから,スパゲティへの水分吸収の遅れや水分含量の減少がスパゲティを硬くする要因として関与していると考えられた. さらに,グルテンをNaClを添加したゆで水でゆでたところ,20% NaClでグルテンの水分含量は有意に低値を示したが,2%以下のNaCl添加では水分含量に有意な差はみられなかった. 以上の結果より,ゆで水に通常使用する1%のNaCl 添加では,スパゲティの硬さには影響しないことがわかった.また,2% NaCl添加でスパゲティは硬くなる傾向を示したが,それはグルテンのNaClによる収斂作用以外の他の要因が関与していると考えられた.
著者
畑 啓生 東垣 大祐 小笠原 康太 松本 浩司 山本 貴仁 村上 裕 中島 淳 井上 幹生
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2111, (Released:2021-10-31)
参考文献数
35

イシガイ科マツカサガイは、本州、四国、九州に分布する日本固有の淡水性二枚貝である。流水のある淡水域を選好し、現在ではその主な生息地は農業用水路となっている。本研究では、愛媛県の道前平野における農業用土水路にて、マツカサガイの新たな生息地が確認されたため報告する。愛媛県では、マツカサガイは、松山平野南部と宇和盆地のみに生息が知られていたが、それらの地域では分布域と密度が急速に減少しており、愛媛県特定希少野生動植物として条例で保護されている。道前平野において、圃場整備の一環として流路が変更される予定である農業用水路で調査した結果、水面幅約 1m、流路長 440 mの範囲の土水路ほぼ全域にわたって、最大密度 20個体 /m2で、計 651個体の生息が確認され、 1249個体の生息が推測された。土水路中で一部、二面コンクリート護岸が施されている場所では、確認された個体数は著しく少なかった。マツカサガイの殻長は 41.7 ± 5.8 mm(平均 ±標準偏差)で、松山平野の国近川の個体群と比較すると、平均値に対する標準偏差の値が大きく、 20 mm程度の幼貝もみられたため、本土水路では、国近川に比べマツカサガイの寿命は短いものの、複数回の再生産が生じていると考えられる。この農業用の水路網は一級河川が作る扇状地に網目状に広がり、周辺は一面に水田が広がるが、圃場整備により、土水路が残されるのは本研究地区のみとなっており、最後に残されたマツカサガイ生息地の断片と考えられる。マツカサガイは全国的にみても準絶滅危惧であり、この個体群の保全が求められる。淡水性二枚貝類は人為的影響により減少が危惧されるため、圃場整備を行いながらの保全の実践は、他地域のためにも先行例となる。
著者
二橋 文哉 北原 佳泰 村上 有里奈 岸本 祐太郎 青野 祐也 永福 建 右藤 智啓 佐藤 潤 妹川 史朗 須田 隆文
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1_2, pp.81-84, 2018-10-25 (Released:2019-04-02)
参考文献数
14

呼吸不全を呈した加湿器肺3例の臨床像について後方視的検討をおこなった.全例新規に購入したしずく型の超音波式加湿器を,水を交換せずに注ぎ足して使用し,使用開始後3 ヶ月以内に発症していた.初診時のPaO2/FiO2の中央値は164(104-293)であり,1例で非侵襲的陽圧換気,1例でhigh flow nasal cannula,1例は通常の経鼻カヌラを使用した.胸部CTで,小葉中心性粒状影が主体であった例は無く,浸潤影,すりガラス影が混在し,器質化肺炎との鑑別を要するパターンが認められた.加湿器の使用中止とステロイド投与で全例改善した.加湿器の水のβ-Dグルカンとエンドトキシンはいずれも高値であり,加湿器の水の培養でグラム陰性桿菌,真菌や非結核性抗酸菌(Mycobacterium gordonae)が検出され,病態への関与が推察された.急性~亜急性経過の間質性肺炎の診断において,冬季には,加湿器肺も念頭においた詳細な問診が必要である.
著者
林田 賢史 村上 玄樹 高橋 裕子 辻 一郎 今中 雄一
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衞生學雜誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.50-55, 2012-01-15
被引用文献数
2

Objectives: The aim of this study was to examine which of the two groups have higher lifetime medical expenditures; male smokers or male nonsmokers. We conducted this investigation using a Japanese single cohort database to calculate long-term medical expenditures and 95% confidence intervals.<br> Methods: We first constructed life tables for male smokers and male nonsmokers from the age of 40 years after analyzing their mortality rates. Next, we calculated the average annual medical expenditures of each of the two groups, categorized into survivors and deceased. Finally, we calculated long-term medical expenditures and performed sensitivity analyses.<br> Results: The results showed that although smokers had generally higher annual medical expenditures than nonsmokers, the former's lifetime medical expenditure was slightly lower than the latter's because of a shorter life expectancy that resulted from a higher mortality rate. Sensitivity analyses did not reverse the order of the two lifetime medical expenditures.<br> Conclusions: In conclusion, although smoking may not result in an increase in lifetime medical expenditures, it is associated with diseases, decreased life expectancy, lower quality of life (QOL), and generally higher annual medical expenditures. It is crucial to promote further tobacco control strategically by maximizing the use of available data.<br>
著者
望月 康弘 大久保 秀夫 秦 大資 吉田 晃 細木 義郎 神田 成夫 仁科 徳啓 秋山 真人 塩澤 寛治 林 道明 杉枝 正明 村上 正博
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.52-60, 1989-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
1

昭和61年9月~62年7月の間に静岡県立総合病院小児科を受診した腹痛, 下痢患者499例について糞便中の病原細菌の検索を行い, 47例よりCampylobacter jejuniを分離した.下痢発症前の食事内容, 調理器具の取り扱いなどを調査し, 患児と同年齢で家族内に最近2週間以内に下痢症のない対照群と比較した結果, 患者群では生肉を取り扱う際のまな板, 包丁を必ず洗剤や石鹸で洗う割合が対照群よりも少なく, 有意差が認められた.同居者, ペット動物の保菌状態を調査し, 下痢患者の祖母1例, 父2例, 母5例, 同胞6例より本菌を分離したが, 家庭で飼育しているペット動物からは分離されなかった.鶏肉を調理したあと, 家族内で集団発生した例が3家族あり, うち2家族において, 患者が摂食した鶏肉が冷凍保存されており, C.jejuniが検出された.患者から分離された本菌の血清型は, Pennerの方法で2型が多く, 市販の鶏肉分離株との間に共通性がみられた.静岡市内の小学校で飼育されている動物について広範に調査し, 387のうち10検体 (2.6%) より本菌を分離した.追跡調査により通常は比較的速やかに菌の消失をみた.飼育環境の悪い例では, 150日以上排菌が続いていたが, 飼育担当者のなかに下痢を発症した者はなかった.これらのデータより, 静岡市のような我国の平均的都市部では, 本症の発症原因として, 家族内での人から人への感染やペット動物からの感染は比較的少なく家庭内で生の鶏肉を取り扱う際の, 調理器具や, 手指を介する他の食品の汚染が最も重要な危険因子であり, 調理者に対する衛生教育と鶏肉の細菌汚染防止対策についての研究を進める事が, 最も重要と思われた.

66 0 0 0 OA 人工降雨とは

著者
村上 正隆
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.5-13, 2015-03-20 (Released:2015-04-16)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Scientifically-based methods of rainmaking (one of planned weather modification technologies) appeared brilliantly just after World War II, and are currently used in about 40 nations and regions worldwide. The rainmaking methods introducing dry-ice pellets or artificially generated aerosols which act as cloud condensation nuclei and/or ice nuclei into clouds, bypass the rate-limiting processes in rain and snow formation mechanisms in natural clouds by producing precipitation embryos in the form of large droplets in warm clouds or ice crystals in cold clouds, and lead to precipitation enhancement. In this paper, while describing the necessity, history, principle and problems of rainmaking, the leading-edge trend of the planned weather modification research is briefly introduced.
著者
岡本 雅子 村上 正行 吉川 直人 喜多 一
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
no.19, pp.47-57, 2013-12-01

This paper defines "shakyo-style learning" as the learning of computer programming by mimicking input according to sample programs, running them and ensuring their outcome. We developed shakyo-style learning material based on missteps found in the process used by novices in learning computer programming; we then evaluated it in an undergraduate computer literacy course. As a result, we found that learning material with documented in-detail work instructions for the programming process worked well among novices. Additionally, through smoothed work in learning, this learning process had strong implications for understanding the concepts in computer programming.
著者
村上 憲郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.71-77, 2013-05-01 (Released:2013-05-01)
被引用文献数
3 3

ビッグデータと呼ばれているものには,3つの段階がある。まず,従来の統計処理の手法だけでも実現可能なビッグデータ1.0の段階。次に,従来の統計処理の手法に加えて,HadoopやCassandraといった大規模データの大規模分散処理を援用することによって実現可能なビッグデータ1.5の段階。さらに,それに加えて,ニューラルネットワークによる機械学習といった人工知能の技術を必要とするビッグデータ2.0の段階。SNSやIoTが生成する膨大なデータは,その膨大さによって,ビッグデータ1.0をビッグデータ1.5の段階へ,さらに,そのデータの非定型さによって,ビッグデータ1.5をビッグデータ2.0の段階へと,切り拓きつつある。
著者
村上 正隆
出版者
北海道大学低温科学研究所 = Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.297-310, 2014-03-31

人工的に生成した氷の微粒子を雲内に導入し, 自然の雲が雨・雪を生成するメカニズムの持つ律速過程にバイパスをつけて降水を促進させる人工降雨技術(意図的気象改変)は, 第二次世界大戦直後に華々しく登場し, 現在では世界40か国で使用されている. 本稿では, 人工降雨の原理・歴史・現状と問題点を述べるとともに, 最新の人工降雨研究の取り組みを紹介する.